大会7日目の8月5日は、朝から快晴となり気温も急上昇。モーニングセッションは強い日差しが照りつけるなかでの競技となりました。このセッションでは、日本が男女揃っての出場を果たした4×100mリレーの予選が行われました。予選は、男女ともに全2組で行われ、各組3着までと4着以下の記録上位2チームが、8月6日夜の男女トラック最終種目として行われる決勝に進出することができます。
女子4×100mリレー 予選
10時00分から行われた女子は、日本は1組でのスタート。この東京オリンピックの出場権を獲得した5月の世界リレーのときと同じ、青山華依選手(甲南大学)、兒玉芽生選手(福岡大学)、齋藤愛美選手(大阪成蹊大学)、鶴田玲美選手(南九州ファミリーマート)のオーダーで、8レーンを走りました。1走の青山選手が世界リレー同様に素晴らしいスタートを見せると、2走の兒玉選手も好走。兒玉選手と3走・齋藤選手のバトンパスはやや詰まり気味となりましたが、齋藤選手がスムーズな走りでコーナーを抜けて、アンカーの鶴田選手にバトンパス。この時点で7番手となっていましたが、鶴田選手は懸命の走りで前を追ってフィニッシュラインを駆け抜けました。この時点で、決勝進出の可能性はなくなりましたが、発表された記録は43秒44。現メンバーで組んだリレーでの最高記録で、2011年に樹立された日本記録の43秒39に0.05秒と迫る歴代2位となる好タイム。オリンピックにおける日本の最高記録(44秒25、2012年)も、大幅に更新しました。男子4×100mリレー 予選
続いて行われた男子4×100mリレー予選では、「金メダル獲得」の目標を掲げて、2016年以降、強化に取り組んできた日本男子が、その挑戦への一歩を踏み出しました。日本は、ジャマイカ、イギリス、フランス、ブラジル、トリニダードトバゴ、オランダ、南アフリカと手強い相手が揃った1組に入る番組編成。100mに出場した多田修平(住友電工)・山縣亮太(セイコー)・小池祐貴(住友電工)の3選手が1・2・4走を務め、3走を4×100mリレーでの代表選出となった桐生祥秀選手(日本生命)が入るオーダーで、ブラジル、イギリスを内側とする4レーンに入り、すぐ外側に入ったジャマイカを追う位置でのレースとなりました。メンバーたちが「安全バトン」と表現する、各選手がそれぞれに余裕のある距離をとった位置でスタートしていく方法で臨んだ日本は、ミスのない確実なパスでバトンを繋いでいきます。1走からジャマイカが好走してリードを奪い、2走の終盤でイギリスが2番手に浮上してくるなか、日本は3走の桐生選手で上位に迫り、アンカー小池選手に2位でバトンを繋ぎました。小池選手はジャマイカ、イギリスに先行されたものの、猛追してきたフランスの逆転を許さず、3着・38秒16でフィニッシュ。着順での決勝進出を決めました。2組目は、蘇炳添選手とアンドレ・ドグラス選手という大エースを擁する中国とカナダが37秒92の同タイムで1・2着、これに100mで金メダルを獲得したラモント マルチェル・ヤコブス選手を2走に据えたイタリアがナショナルレコードの37秒95をマークして3着で続く結果に。プラスはこの組の4・5着に入ったドイツとガーナが拾われました。優勝候補に上がっていたアメリカが、2組6着で予選落ち。これにより、8月6日に行われる決勝は、2レーンからガーナ、ドイツ、カナダ、ジャマイカ、イギリス、中国、イタリア、日本の8カ国が入って競われることになりました。日本は一番外側となる9レーンでのレース。予選から大きくブラッシュアップさせた「攻めのバトン」で金メダルを掴みに行きます。
男子砲丸投 決勝
このほか、男子砲丸投決勝は、今季、23m37の世界記録を樹立したライアン・クラウザー選手(アメリカ)が1回目の試技から22m83をプットして、自身が前回のリオ大会でマークしたオリンピック記録(22m52)を更新して首位発進すると、その後も、22m93、22m86、22m74、22m54と圧巻の投てきで他を寄せつけず史上4人目の2連覇を達成。優勝を決めて臨んだ最終投てきでは、世界記録に7cmと迫る23m30まで記録を伸ばし、自ら勝利に花を添えました。男子三段跳 決勝
また、男子三段跳では、国籍変更前に出場した2013・2015年世界選手権(キューバ国籍で出場)で銀メダルを獲得しているペドロ・ピチャルド選手(ポルトガル、自己記録18m08、2015年)が3回目に17m98(0.0)のナショナルレコードをマークしてトップに立ち、オリンピック・世界選手権を通じて初の金メダルを獲得しました。男子110mハードル決勝
前日の準決勝で、泉谷駿介選手(順天堂大学)と金井大旺選手(ミズノ)が進出を逃した男子110mハードル決勝は、モーニングセッションのトラック最終種目として行われました。予選・準決勝の結果から、グラント・ホロウェー選手(アメリカ)の圧勝になるか、さらには3日連続の「真昼の世界新記録」なるかが注目されましたが、優勝したのは、ハンスル・パーチメント選手(ジャマイカ)でした。第1ハードルまでのアプローチでリードを奪い序盤でトップに立ったホロウェー選手が、中盤からやや伸びやかさを欠く走りとなった間隙を突くように、後方から追い上げてきたパーチメント選手が終盤で逆転、13秒04(-0.5)で世界選手権を含めた初の世界大会優勝を果たしました。大会7日目の8月5日は、国立競技場で行われるイブニングセッションに先駆ける形で、16時30分から北海道札幌市で男子20km競歩決勝が行われます。日本は2019年ドーハ世界選手権金メダリストの山西利和選手(愛知製鋼)、池田向希選手(旭化成)、高橋英輝選手(富士通)の最強3選手が出場。今大会最初の金メダルおよび複数の上位入賞に挑みます。国立競技場でのイブニングセッションは、昨日から行われてきた男女混成競技の最終結果が出るほか、女子棒高跳、男子400mの決勝が行われます。
大会に関する情報は、東京オリンピック特設サイト( https://www.jaaf.or.jp/olympic/tokyo2020/ )および日本陸連公式Twitterをご参照ください。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト
▶【東京オリンピック】男子4×100mリレー、決勝へ進出!7日目モーニングセッション 選手コメント(女子4×100mリレー・男子4×100mリレー)
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■【東京オリンピック】男子4×100mリレーチームが悲願の金メダルに向けて始動!男子短距離日本代表公開練習レポート&コメント(100m・200m・4×100mR)
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