2021.07.31(土)選手

【記録と数字で楽しむ東京オリンピック】男子走幅跳

7月30日(金)から8月8日(日)の10日間、国立競技場と札幌(マラソンと競歩)を舞台に「第32回オリンピック」の陸上競技が開催される(ている)。

日本からは、65人(男子43・女22)の代表選手が出場し世界のライバル達と競い合う。

無観客開催となったためテレビやネットでのライブ中継で観戦するしかなくなったが、その「お供」に日本人選手が出場する26種目に関して、「記録と数字で楽しむ東京オリンピック」をお届けする。

なお、これまでにこの日本陸連HPで各種競技会の「記録と数字で楽しむ・・・」をお届けしてきたが、過去に紹介したことがある拙稿と同じ内容のデータも含むが、可能な限りで最新のものに更新した。また、五輪の間に隔年で行われる世界選手権もそのレベルは五輪とまったく変わらないので、記事の中では「世界大会」ということで同等に扱い、そのデータも紹介した。

記録は原則として7月28日判明分。
現役選手の敬称は略させていただいた。

日本人選手の記録や数字に関する内容が中心で、優勝やメダルを争いそうな外国人選手についての展望的な内容には一部を除いてあまりふれていない。日本人の出場しない各種目や展望記事などは、陸上専門二誌の8月号別冊付録の「東京五輪観戦ガイド」やネットにアップされるであろう各種メディアの「展望記事」などをご覧頂きたい。

大会が始まったら、日本陸連のTwitterで、記録や各種のデータを可能な範囲で随時発信する予定なので、そちらも「観戦のお供」にしていただければ幸いである。




・予選 7月31日 19:10

・決勝 8月2日 10:20


橋岡優輝(富士通)
津波響樹(大塚製薬)
城山正太郎(ゼンリン)
 

今季好調の橋岡に「メダル」のチャンスあり

2020年8月17日に福井で8m40(+1.5)の日本新をマークした城山正太郎(ゼンリン)、今年の日本選手権でそれに4cmと迫る8m36(+0.6)を跳んだ橋岡優輝(富士通)、20年に城山と同じ試合で8m23(+0.6)を跳んだ津波響樹(大塚製薬)のトリオが出場。この種目に3人がエントリーするのは、1968年メキシコ大会(山田宏臣・阿部直紀・小倉新司)以来53年ぶり5回目(36年・60年・64年・68年)だ。

参加標準記録適用期間内(19年5月1日~20年4月5日、20年12月1日~21年6月29日)の上述の記録による順位は、城山が5位、橋岡が10位、津波が20位タイ。21年の世界リスト(7月28日判明分)では、橋岡(8m36/+0.6)が7位、津波(7m91/-0.6)が100位、城山(7m90/+0.1)が106位。が、エントリしている32人では、6位・30位・31位だ。

なお、14時間から17時間の時差があるアメリカへのテレビ中継の関係(アメリカ人選手が強い)で、決勝が午前10時20分からに設定された。多額の放映権料を国際オリンピック委員会(IOC)に支払っているので、IOCが要望を飲まざるを得なっかたことによる。この種目だけでなく、アメリカが優勝候補の計9種目が午前に決勝が行われる。
 
◆五輪&世界選手権での入賞者と日本人最高記録◆
<五輪>

1932年 3位 7.45 南部 忠平(早大OB)

 〃  6位 7.15 田島 直人(山口高OB)

1936年 3位 7.74w 田島 直人(三井鉱山)

1984年 7位 7.78 臼井 淳一(デサント)

 

最高記録は、
8m02(+1.8)臼井淳一(デサント)予選B組4位

<世界選手権>
2019年 8位 7.97(-0.2)橋岡 優輝(日大)


最高記録は、
8m08(+0.7)朝原宣治(大阪ガス)1995年 予選B組3位
 

今回、見事に「メダル」を獲得できれば、1936年以来85年ぶり。「入賞」ならば1984年以来37年ぶりとなる。また、橋岡が8位以内なら、五輪と世界選手権の両方で入賞した日本人の「第一号」となる。

 
◆1983年以降の五輪&世界選手権での1・3・8位と決勝に進むことができなかった最高記録◆

 年   1位 3位 8位 予選落最高

1983   8.55 8.12 7.89  7.87

1984五輪 8.54 8.24 7.81  7.71

1987   8.67 8.33 8.10  7.93

1988五輪 8.72 8.27 7.89  7.74

1991   8.95 8.42 7.99w  8.00

1992五輪 8.67 8.34 7.87  7.89

1993   8.59 8.15 7.93  7.90

1995   8.70 8.29 7.93  7.88

1996五輪 8.50 8.24 8.06  7.98

1997   8.42 8.18 7.88  7.93

1999   8.58 8.36 7.99  7.90

2000五輪 8.55 8.31 8.06  7.99

2001   8.40 8.21 7.92  7.79

2003   8.32 8.22 7.93  7.94

2004五輪 8.59 8.32 8.21  8.05

2005   8.60 8.25w 8.06w  7.91

2007   8.57 8.30 7.98  7.93

2008五輪 8.34 8.20 7.85  7.93

2009   8.54 8.37 8.06  8.01

2011   8.45 8.29 8.17  8.02

2012五輪 8.31 8.12 7.93  7.92

2013   8.56 8.27 8.02  7.89

2015   8.41 8.18 7.97  7.98

2016五輪 8.36 8.29 8.05  7.84

2017   8.48 8.32 8.18  7.88

2019   8.69 8.34 7.97  7.86

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最高記録 8.95 8.42 8.21  8.05

五輪最高 8.72 8.34 8.21  8.05

世選最高 8.95 8.42 8.18  8.02

 

予選通過標準記録は、2005年以降は8m10か8m15(2017年は8m05)に設定されることが多いが、実際には8mに達しなくとも通過することがほとんどだ。

 また決勝で当初設定されていた予選通過標準記録以下の記録での8位入賞は05年以降の11回のうち8回ある。

8位入賞ラインが最も高かったのは2004年アテネ五輪の8m21だが、今回の日本のトリオは全員がこれを上回るベストを持っている。とはいえ、予選も決勝も3回目までに予選通過ラインとなりそうな8m台やトップ8に残れそうな8m10以上あたりを跳ぶ必要がある。

 「メダル」の過去最高記録は、1991年東京世界選手権での8m42(五輪は、92年バルセロナの8m34)だが、21世紀以降の14回の世界大会での最高は2009年の8m37、次が19年の8m34、04年と17年の8m32、07年の8m30と続く。城山と橋岡が自己ベストの8m40、8m36を再現できれば「メダル」に手が届く可能性が非常に高いことになる。

また津波の8m23も、過去のすべてのデータでは「入賞率100%」の記録である。

東京の地で、3人揃って「ファイナリスト」となって、85年ぶりの「メダル」、89年ぶりの「複数入賞」、史上初の「トリオ入賞」を実現してもらいたい。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト

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