
日本陸上競技連盟は7月2日、東京2020オリンピック競技大会の代表内定選手として総勢65名(男子43名、女子22名)を発表しました。日本選手権終了時点で内定していた35名に加え、7月1日にワールドアスレティックス(WA)から発表されたオリンピック出場有資格者も踏まえ、代表選考要項にのっとって選考された30名が加わりました。
オリンピックの日本代表選手の人数としては、東京1964オリンピックの68名(男子52名、女子16名)に次ぐ多さで、女子はロンドン2012オリンピックの18名を上回り、初めて20名を超えました。
内定選手は、日本オリンピック委員会(JOC)の承認を経て正式に代表に決定します。
>>東京2020オリンピック 日本代表選手内定について ~男子43名・女子22名の計65名が日本代表に内定!~
代表発表後には、本連盟強化委員会の麻場一徳委員長と山崎一彦トラック&フィールドディレクターがオンライン形式で記者会見し、内定選手65名を発表した後、選考理由等について説明しました。会見の要旨は下記の通りです。
麻場一徳強化委員長
私たちは東京オリンピックを目指し、メダルや入賞を一つでも多く得る、そして一人でも多くの選手を舞台へ送り込む、という二つの柱を掲げてやってきた。65名という多くの代表選手を選考できたことを非常にうれしく思っている。選手それぞれの目標があるだろうし、新型コロナウイルスの影響で思うように活動できず苦労や工夫もしてきたと思う。選手にはこれまでやってきたことを集約して、本番で思う存分力を発揮してもらいたい。我々スタッフもできる限りの努力をしたい。
質疑応答
Q:男子4×100mRの戦略と、小池選手が個人種目で100mを選択したことについて。
山崎一彦トラック&フィールドディレクター:男子4×100mRは前回のリオデジャネイロで銀メダルを獲得した後、自国開催の東京オリンピックで金メダルを目指してやってきた。その過程で、100mで9秒台を出す選手が続き、200mでも世界で通用する選手が出てきた。しかし100m、200m、4×100mRをすべてこなし、しかもリレーで金メダルを目指すのはかなり厳しい。世界的に見ても、ウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)のような超一流選手でないと難しいし、そのレベルの選手でも途中で肉離れをするなどの事例もある。よく検討した結果、個人種目は1種目にしてリレーに専念してもらうという戦略を立てた。
小池選手は100m、200mとも出場資格を得たが、小池選手から100mに専念したいという申し出があり、その通りの選考となった。個人としての思いはあるかもしれないが、日本陸上界、日本チームの戦略を重要視していただきたいということは一昨年から選手たちに話してきた。小池選手には100mで決勝に残っていただきたい。
Q:男子4×100mRの代表に桐生祥秀選手(日本生命)、デーデー・ブルーノ選手(東海大学)を選んだ理由は。
麻場委員長:選考要項に則り、日本選手権の100mの順位によって選考した。
Q:男子4×100mRには100m代表を含めた5名がエントリーされているが、実質的には200m代表の3名も含めた8名から出場する4名を選ぶことになるのか。
山崎ディレクター:その通り。個人種目の100mの代表全員を含めた最大5名が4×100mRにエントリーできるが、WAのルールでは投てきなどを含めたすべての種目の選手がリレーを走ることが可能。実際の戦略としては、4×100mRのメンバーに200m代表を加えた中から走ることになる。
Q:リレーの出場メンバーはどのように決めるのか。
山崎ディレクター:これから合宿を重ねてメンバーや走順を決めていく。
Q:新谷仁美選手(積水化学)は日本選手権で5000mの内定を得ていたが、世界ランキングでは5000mでwithdraw(取り下げ)となっており、今回の発表でも10000mだけになっている。その理由は。
麻場委員長:新谷選手から5000mを辞退して10000mに専念するという申し出があり、WAにも伝えてこのような形になった。
Q:世界ランキングによる出場権争いや代表選考は今回初めて導入されたが、選考を終えての感想は。
麻場委員長:日本は欧米諸国に比べて(他国の競技会に出場するのが難しく)地理的に不利だが、どのようにして世界ランキングのポイントを獲得するかを検討しながらやってきた。各地の陸協のご協力もいただいて(獲得できるポイントが高いグレードの大会として)コンチネンタルツアーゴールド(今年5月に東京オリンピックのテストイベント「Ready Steady Tokyo」で併催)や日本グランプリシリーズなどが開催され、海外に行かなくてもランキングのポイントが稼げる態勢ができた。それが、新型コロナウイルスの影響がありながらこれだけ多くの代表選手を選考できたことにつながった。
参加資格対象期間の間の選手の頑張りも特筆すべきだと思う。今年6月の日本選手権は、WAが大会で出された記録や出場選手のレベルなどにより評価して公表している大会ランキングで、世界のすべての大会の中で5位、各国選手権の中で(アメリカ、イギリスに次いで)3位に位置づけられた。選手がどれだけ力を発揮してくれたかを表しており、うれしく思う。
Q:総勢65名という選手団の規模について。
麻場委員長:東京1964オリンピックの68名に匹敵する数字だと思う。前回のリオデジャネイロ2016オリンピックが52名だったので、そこから増やすことができた。1964年の東京オリンピックは開催国枠があったが、今回はWAが設定した条件をクリアして出場資格を得なければならなかった。その条件をクリアして65名になったのは非常に大きい。
Q:代表選手が出そろった。改めてオリンピックでの目標を。
麻場委員長:私たちはまず、選手それぞれが目標を達成するために何ができるかを考えていきたい。選手が力を出し切ることによって、結果としてメダルや入賞がついてくるというスタンスであり、現段階では数値的な目標は設定していない。今後、必要になれば客観的な分析をして数値目標を出したい。
※本内容は、7月2日に実施した記者会見において、メディアからの質問や登壇者が発言した内容をまとめた。より明瞭に伝えることを目的として、一部、修正、編集、補足説明を施している。
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