【男子フィールド】
◎跳躍
・男子走高跳
男子走高跳は、昨年2月に室内で2m35の日本記録をクリアし、日本人初のIAAF(現WA)世界インドアツアーのシリーズチャンピオンに輝いた戸邉直人(現JAL)と、2m30の自己記録を3回クリアして、日本選手権でも戸邉(3回)を上回る4回の優勝実績をもつ衛藤昂(味の素AGF)の2強時代が長らく続いていたが、今年は、少し戦況に変化が生じている。昨年、屋外日本リストで戸邉と並ぶ2位タイの2m28を2回、2m27を1回クリアする安定感を見せた真野友博(九電工)が、全日本実業団で日本歴代4位タイとなる2m31に成功し、自己記録では衛藤を上回っているのだ。真野は、今季、7月中旬に2m27、8月上旬に2m26をクリア。2m24を跳んだGGPでは、試技内容の差で同記録の戸邉を抑えて2位となり、2m27で優勝した衛藤に続いた。その時点で、2m30の征服には自信を示していたが、日本選手権を待つことなく、戸邉が欠場して衛藤との対決となった全日本実業団で達成してみせた。このとき、昨年優勝した際に自身がマークした大会タイ記録の2m28を2回目に成功してシーズンベストを更新。優勝を争っていた衛藤が、2m25を3回目で成功したのちに、2m28をパスして、2m31は跳ばずに競技を終えたことで、真野の2連覇が確定した状態で2m31に挑戦。3回目で見事にクリアしたのだ。これによって、屋外での自己記録では、2m32の戸邉と2m30の衛藤との間に割って入る形となった。2m30以上のパフォーマンス数では、戸邉・衛藤との差があるものの、今季2m27にとどまっている衛藤、2m24とまだ調子が上がってきていない戸邉と比較すると、勢いを感じさせる。昨年は、拠点としている福岡での開催となった日本選手権で、上位争いに絡むつもりが記録なしに終わる悔しさを味わったが、昨年から取り組んでいる助走の歩数を増やす取り組み(9歩から11歩へ)が馴染んできたことで、スピードのある助走が安定してできるようになっている。戸邉・衛藤が2m27~28でもたつくようだと、真野が初優勝を果たす可能性もある。全日本実業団では、有効期間外であるため成功しても認められないものの東京オリンピックの参加標準記録となる2m33の高さに挑戦。2m10から試技を始めたうえに、2m22以降は失敗試技も多く、2m33を迎えるまでに13回の跳躍を要した。2m33、それ以上の跳躍に挑んでいく展開を考えるのなら、スタートの高さや失敗回数を減らしていくことも必要となってくる。日本選手権では、それらの課題にも挑戦することになる。
これに対応する戸邉・衛藤も、十分な実力・実績を誇るだけに、日本選手権にはしっかりピークを合わせてくるだろう。3選手による2m30を上回る“空中バトル”が見られるようだと、大会最終日を盛り上げるはずだ。このほか、昨年2m27をマークし、ドーハ世界選手権はインビテーション枠で出場を果たしている佐藤凌は、今季から大会会場を拠点とする新潟アルビレックスRCの所属となった。現段階では全日本実業団での2m16がシーズンベストにとどまっているが、今季2m20を2回、2m19を1回成功する安定感を見せている長谷川直人とともに、上位に食い込む跳躍で地元に活気を与えたい。
・男子棒高跳
男子棒高跳は、昨年のドーハ世界選手権に出場した山本聖途(トヨタ自動車)がGGPを5m60で制して今季日本リスト1位となっている。山本は全日本実業団を5m50で優勝。クリアはならなかったもの、GGPでは5m70、全日本実業団では5m71の高さに挑戦している。今季から使用している新しい種類のポールに馴染めば、5m77(室内)・5m75(屋外)の自己記録を塗り替えての5回目の選手権獲得も見えてくる。その山本と、コーチでもある日本記録保持者(5m83、2005年)の澤野大地(富士通)を抑えて、昨年の日本選手権で初優勝を果たした江島雅紀(日本大、DA修了生)は、8月中旬の記録会で5m52に成功。GGPは5m50で2位、日本インカレでも大荒れの悪天候のなかきっちり5m40を1回でクリアして優勝を果たしている。日本選手権では連覇を果たすとともに、昨年マークした5m71(日本歴代3位タイ)を上回って、自己記録でもベテラン勢に迫りたい。
1999年に初優勝を果たして以来、2016年までに11回の優勝経験を持つ澤野は、日本勢で唯一、東京オリンピック参加標準記録の5m80を上回る自己記録を持つ選手。昨年は、5m51で山本を抑えて2位となり、その後、5m71の参加標準記録を突破して、山本や教え子の江島とともにドーハ世界選手権出場を果たした。今年のシーズンベストはまだGGPでの5m30にとどまっているが、9月16日に40歳の誕生日を迎え、全種目を通じて最年長として臨む日本選手権で、どんな跳躍を披露してくれるか。このほかでは、8月に5m51の高校新記録を樹立している古澤一生(前橋育英高)が今季日本リスト3位につけていて、表彰台に迫る勢いを見せている。さらに5m42を跳んでいる来間弘樹(ストライダーズAC)、日本リスト5位の5m40で並ぶ澤慎吾(きらぼし銀行)、石川拓磨(東京海上日動CS)、竹川倖生(丸元産業)と層も厚さを増している。入賞争いは熾烈なものとなりそうだ。
・男子走幅跳
昨年、日本記録更新をはじめとする記録ラッシュに加えて、国際大会(アジア選手権、ユニバーシアード、世界選手権)でも好結果を残した男子走幅跳だが、コロナ禍による競技活動自粛期間が生じた影響で、競技会が再開された7~8月は今ひとつ盛り上がりに欠ける印象が否めなかった。しかし、9月の日本インカレで橋岡優輝(日本大)が0.6mの向かい風のなか、セカンドベストとなる8m29をマークして優勝。昨年マークした8m32の自己記録、そして城山正太郎(ゼンリン)が樹立した8m40の日本記録を射程圏内に捉え、日本選手権4連覇に挑もうとしている。昨年はドーハアジア選手権とユニバーシアードで金メダルを獲得、世界選手権でも8位入賞を果たしているだけに、来年の東京オリンピックで戦うためにも、もう一段階水準を上げておきたいところだろう。記録と成績を総合的に判断すると、橋岡に続くのは、ドーハ世界選手権代表で、今年、社会人1年目の津波響樹(大塚製薬)か。GGPは7m76(-0.3)、北麓は7m88(-0.8)では優勝。タイトルを獲得した全日本実業団では7m92(+0.7)と、8mオーバーはまだないものの着実に調子を上げてきている。 昨年、ナショナルレコードホルダーとなり、世界選手権でも決勝進出を果たした城山は、今季のシーズンベストはANGでの7m75(+1.8)にとどまっているが、これはコロナ自粛期間中のトレーニングが十分に消化できていなかったことが原因での“スロースタート”。日本選手権にはピークを合わせてくるはずだ。
コロナ自粛が始まる前の4月に7m96(+0.5)をマークしていた小田大樹(ヤマダ電機)は、競技会が再開されたあとも、群馬県選手権7m83(+2.1)、 GGP7m62(+0.5)、 ANG8m04(+2.5)、全日本実業団 7m86(+3.6)と、追い風参考記録が多いものの、安定した結果を残している。日本選手権では、日本大4年の2017年にマークした自己記録8m04を超える跳躍が見られるかもしれない。また、高校生では、昨年8m12のU20日本記録・U18日本記録・高校記録を樹立した藤原孝輝(洛南高、DA)が日本選手権に初挑戦する。今季、すでにGGPやANGに出場しているが、シーズンベストはANGでマークした7m58(+1.5)にとどまっている。シニア選手に交じっての勝負のなかで、自己記録に迫る跳躍が見られるかにも注目したい。
・男子三段跳
男子三段跳は、2連覇の実績を持ち、世界大会での日本代表経験を持つ山本凌雅(JAL)と山下航平(ANA)が、今年度に入ってまだ競技会に出場していない。それぞれ16m87(山本)、16m85(山下)の自己記録を持っているとはいえ、試合を消化するなかで感覚が高まっていく種目特性を考えると、自己記録を塗り替えるような結果を求めるのは厳しいかもしれない。そんななか、今季躍進を見せているのが池畠旭佳瑠(駿河台大AC)だ。7月の東京選手権の最終跳躍で16m75 (±0)をマーク。2015年・2019年に出した16m20の自己記録を大幅に更新し、日本歴代9位に浮上してきた。池畠は、9月6日の北麓でも最終跳躍で16m62(+2.7)をマークして逆転優勝。全日本実業団は、悪天候の影響で記録は伸びなかったが、それでも優勝を決めた最終跳躍でさらに記録を伸ばし、15m85(+0.1)で初優勝を飾っている。今季、いきなり表舞台に躍り出た印象を受けるが、記録の再現性や安定感、そして勝負強さには光るものがある。日本選手権でも同様の戦いぶりを展開することができるか。池畠は、埼玉・聖望学園高3年時の2012年にこのデンカビッグスワンスタジアムで開催された新潟インターハイで、1位と同記録をマークしながらセカンド記録わずか4cm差で2位となる悔しさを味わっている。8年前につかみ損ねた“日本一”を、日本最高峰のチャンピオンシップで実現できるかに注目したい。
このほかでは、伊藤陸(近畿大工業高専)にも好記録の期待が寄せられる。昨年のインカレで、16m34のU20日本新記録を樹立していたが、2月の日本選手権室内でも16m23のU20室内日本記録をマーク。山下、山本らシニア選手を抑えて、屋外より先に“日本選手権獲得者”となった選手だが、この段階では、U20世界選手権での活躍や、17m台突入への希望を口にしていた。その後のコロナウイルス感染拡大の影響で、青写真とは全く異なるシーズンになってしまったが、7月以降に2戦を経て、変則的な試技数で行われた9月の日本インカレの最終跳躍(4回目)で16m35(-0.1)をマークし、屋外のU20日本記録を1cm更新して優勝を果たしている。日本インカレでは全4回(特別ルールで実施)の試技中、ファウルとなった2回目以外は、すべて16m台でまとめており、安定感の高まりも印象づけた。日本選手権でも、再度の新記録達成のアナウンスを聞くことができるかもしれない。
◎投てき
・男子砲丸投
今季の男子砲丸投は、前回2位となっている森下大地(第一学院高教)が、8月末の松戸市記録会で、昨年4月にマークした18m28の自己記録を1cm更新する18m29をプットして、日本リストのトップに立った。その後、18m台に乗せてくる選手が現れずにいたが、全日本実業団で佐藤征平(新潟アルビレックスRC)が18m20をマーク。昨年の国体を制した際に出した18m16の自己記録を4cm更新し、森下(3位)との直接対決を制している。両者の試技内容を見ていると、前半3回の試技のすべてで18m台に乗せている森下(後半3回は×となっているが詳細は不明)に対して、5回目まではすべて17m台で、最終投てきで18m台に乗せた佐藤とでは、力的には森下のほうが優勢のようにも思われる。どちらが勝っても初優勝。ともにこのチャンスをモノにしたいはずだ。18m85の日本記録を2年前にマークしている中村太地(ミズノ)は、今季は9月6日の北陸実業団でマークした17m28が最高記録。全日本実業団は、17m10で4位にとどまっている。回転投法は記録がばらつきがちだが、ぴたりとハマれば大きく記録を伸ばすことも可能なだけに、どこまで調子を上げてくることができるか。全日本実業団で、18m03をプットして2位となり、佐藤と森下の間に割って入った村上輝(日本体育施設)は、これが初の18m台。日本選手権でさらに自己記録を書き換えていきたいところだろう。
学生では、岩佐隆時(東海大)が日本インカレで17m52をマークして優勝しているが、実業団選手とはまだ力の差がありそう。まずは昨年出した17m63の自己記録を更新して、18mに近づけることが目標となりそうだ。
上位争いには届かないだろうが、要チェックの存在なのが、この種目で高校生ながら日本選手権出場を果たしたアツオビンジェイソン(大阪桐蔭高)だ。3月末に高校用の砲丸(6.000kg)で18m23の高更新記録を樹立すると、8月2日には18m62まで記録の伸ばしてきている選手。一般規格の砲丸(7.26kg)でも7月の大阪選手権で16m79の高校最高をマークしている。シニア選手と戦う日本選手権では、まずはトップ8に残ることが目標になってくるか。それが実現できたとしたら、17mの大台突入も夢ではないだろう。
・男子円盤投
男子円盤投は、日本記録保持者の堤雄司(ALSOK群馬)が2年連続7回目の選手権獲得を果たす可能性が高そうだ。2017年に日本記録を連発したあと、腰の手術・リハビリで現場を離れていた期間もあったが、2019年シーズンには復帰を果たし、日本選手権のタイトルを奪還。今年は、2月中旬にニュージーランドでシーズンインして、3月末の国士舘大記録会で62m59をスロー。2018年の日本選手権で湯上剛輝(トヨタ自動車)に更新されていた日本記録(62m16)を塗り替え、“完全復活”を印象づける活躍を見せていた。この記録を含めて、“コロナ自粛期間”が始まるまでに出場した4戦のうち、初戦以外は60m台をマーク。初戦の記録も59m76と高いレベルで安定していたことから、さらなる記録更新にも期待が寄せられていたが、4~6月に競技活動がままならない期間が生じたことで、この流れは分断されることになってしまった。堤は、この間、精神面の影響も考慮して、いったん“オフモード”に切り替え、活動再開となった時点から仕切り直すことを選択したという。7月以降に出場した3試合では、56~57m台にとどまっていたが、日本記録を出した時点から十分ではなかった技術面での課題に気づき、そこを意識して臨んだ全日本実業団で59m22をマーク。その段階では「間に合うかどうかはわからないが」とコメントしていたが、日本選手権に向けて明るい材料が揃いつつある様子がうかがえた。安定して60mラインを越えていけるようになれば、5回目(うち1回は設備の不備により非公認)となる日本新の投てきを見ることができそうだ。
前日本記録保持者となった湯上は、2019年のシーズンベストは59m69、今季は全日本実業団でマークした53m99にとどまっている。まずは、57~58m台を安定して投げられるところまでもっていきたい。今季、堤に続くとしたら、学生ナンバーワンの幸長慎一(四国大)か。日本インカレでは、昨年の日本選手権(2位)でマークした自己記録56m67(学生歴代3位)に次ぐ、56m09を投げてタイトルを獲得している。堤が2013年に樹立した学生記録(59m21)には、まだ少し開きがあるが、これにどこまで迫ることができるか。9月の北陸実業団を54m53で制した高倉星也(新潟アルビレックスRC)は、これが初めての54m台。地元新潟でさらに大きなアーチを描くことができれば、表彰台が近づいてくる。
・男子ハンマー投
男子ハンマー投は、今季はまだ70m台の記録は出ていないが、近年なかなか見ることができていない複数選手による70m台での勝負を期待できる状況は整っている。今季著しい成長を遂げているのが、大学2年生の福田翔大(日本大)。U20年代から主戦場がシニアとなった今シーズン、4月の日大記録会で64m95を投げて、昨年までの自己記録(59m70)を上回ると、競技会が再開された7月以降も66m25、66m29と自己記録を塗り替え、日本インカレでは学生歴代で7位に浮上する69m61の投てきを披露。学生タイトルを獲得した。大阪桐蔭高3年時の2018年にはU20日本選手権を制しているだが、ハンマーの重量が変わるU20年代からの移行が、通常以上にスムーズに進んでいる印象を受ける。室伏広治が中京大4年時にマークした学生記録(73m82、1996年)を筆頭に、学生歴代上位は大学4年生、あるいは大学院の所属で出している記録が続いているだけに、福田がどこまで記録を伸ばしていくかも興味深い。その福田に連覇を阻止される形となったものの、日本インカレで69m31まで記録を伸ばしてきたのが古旗崇裕(中京大)だ。大学院2年目で、やはり今季、自己記録を69m台に乗せてきた。学生では、今季は67m24の木村友大(九州共立大)も70m06の自己記録(2017年)を持っている。学生陣がタイトルを獲得すれば、20連覇した室伏広治の連勝2回目にあたる1996年以来のこととなる。
もちろん社会人選手たちも負けてはいない。2016年・2017年優勝者で、71m36の自己記録を持ち、昨年も唯一70m台(70m79)を投げている柏村亮太(ヤマダ電機)は69m12を投げて全日本実業団を制した。そろそろ大幅な自己新記録が欲しいところだろう。2018年優勝の墨訓熙(小林クリエイト)、前回優勝を果たした赤穂弘樹(まなびや園)も2回目のタイトル獲得を狙っていきたいはずだ。
・男子やり投
今年は、男子やり投の充実ぶりが著しい。気象条件にさえ恵まれれば、日本選手権では、記録・勝負ともに過去最高水準の激戦となる可能性が高い。この根拠としては、やはりディーン元気(ミズノ)の鮮やかな復活が大きいといえよう。国立競技場で開催された8月23日のGGPで84m05のビッグスローを披露。7年ぶりの80m台を、セカンドベストで実現させたのだ。ディーンは、早稲田大3年の2012年4月に当時日本歴代2位となる84m28(学生記録)をマークして、トップランカーの仲間入りを果たすと、同年の日本選手権で初優勝を果たし、父の祖国であるイギリスで開催されたロンドンオリンピックに出場。本番でも決勝進出を果たし、入賞こそ逃したものの10位の成績を残した選手。その後、故障の影響で悪循環に陥り、長く低迷したが、東京オリンピックを前に再浮上。12月から有効期間が再開されるオリンピック参加標準記録(85m00)の突破も視野に入るところまで戻ってきた。
ディーンの調子が上がらない時期に台頭し、日本のエースとして活躍してきた新井涼平(スズキ、自己記録86m83、2014年=日本歴代2位)と同じ1991年生まれ。新井も首を痛めた影響でリオオリンピック以降は、苦しい時期を過ごしてきたが、昨シーズン82m03まで状態を戻し、復調の兆しを見せた。そして今季、ようやく同期の2人が揃って活躍できる状況が整ったといえる。今季4試合に出場している新井のシーズンベストは、GGP(2位)でマークした81m02だが、日本選手権本番にはしっかり合わせてくるだろう。優勝は、この2人の争いになるとみられるが、果たして新井が7連覇を達成するか、それともディーンがそれを阻んで8年ぶり2回目の栄冠を勝ち取るか。
今季、7月に81m73を投げて、日本リストで新井の上(2位)にきているのは寒川建之介(奈良陸協)。2017年にマークした76m64から大きく記録を伸ばしてきた。GGPでも78m55を投げて3位に食い込んでいるが、全日本実業団は66m81で11位。“2強”の優勝争いに加わっていくためには、もう少し77~78m前後での安定感が必要だ。
このほかでは、2018年に80mスロワーの仲間入りを果たし、昨年には81m73と自己記録を伸ばしてきている小南拓人(筑波銀行)が80m55を投げている。さらに記録を伸ばしていくことができれば表彰台は確実になってくるだろう。81m55(2016年)の自己記録を持つ長谷川鉱平(福井県スポ協)は、今季のシーズンベストは78m12。昨年80m14を投げている崎山雄太(愛媛陸協)は、今季はまだ70m84にとどまっている。これら80mスロワーたちが、調子を高めてこられるようだと、トップ8進出を巡ってもレベルの高い戦いが期待できる。昨年、80mにあと1cm(79m99)まで迫っている長沼元(スズキ)や、学生時代から実績を残し、昨年79m36まで記録を伸ばしてきている小椋健司(栃木スポ協)も含めて、多くの選手が80mラインを越えて上位争いを繰り広げるような展開が見たい。
※記録・競技会等の結果は9月24日時点のもの。欠場に関しては9月29日発表の情報を追記している。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト
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