2019.10.03(木)大会

【ドーハ世界選手権】Day6/結果・選手コメント

Day6:10月2日(水)

【予選・準決勝結果&コメント】





◎高山 峻野(ゼンリン)

男子110mH 準決勝3組 6着 13秒58(+0.6)

5台目から加速するような感じがあって、さらにテンポアップしようと思ったら、踏み切りが近くなってしまった。そのために(リード脚の)ハム(ストリングス)を(ハードルバーに)乗り上げて、バランスを崩してしまった。ああなったら立て直すのは無理なので、(5台目で脚をぶつけた瞬間は)「ああ、終わったな」と思った。軽くくるぶしをぶつけるくらいなら修正もできるが、さすがに乗り上げたらもう終わり。まあ、“次、頑張ろう”という感じだった。

(レースに向けては)いつも通りのことをやろうと思って走ったので、緊張は全くなかった。走る前から「失敗しても準決勝まで行ったからいいや」という気楽な思いで行っていたので、悔しさも全然ない。

3台目までは力を全く使わずに行けて、「もっと(スピードを)上げられる」と思ったのだが、これまで体感したことがないような速度だったので、それをさばききることができなかった。(日本記録の13秒25を出したときに比較しても)もっと行けるような感じはあったのだが、さばききれなかったので練習不足ということ。ただ、今まで体感したことのないレベルで走れたので、そういった意味で自分のためになってよかったと思う。

(予選後、決勝に進出できるとは思わなかったのか? との問いに)予選後は、もう準決勝に行けたことで満足していた。ベストを出していれば、いつかそういったところ(決勝)にもたどり着くだろうというふうに思っていたので、特にそういう意識はしていない。(自分は、レースのときは)「ベストを出せればいいな」といつも思っている。そういった意味では、体感したことのないスピードに、「あ、今日は行けるな」と思ったので、そこ(ぶつけてバランスを崩し、実現しなかったこと)はちょっと残念だった。

(オリンピックの決勝も見えてきたのでは? との問いに)いや、オリンピックはまず出ることが目標(なので、本番の決勝のことは考えていない)。出られるように頑張りたい。

今回は、この大舞台で、あのスピード感が出せたということが、自分にとって大きなポイントだった。まずは、それをしっかり身体に記憶させることが最優先となる。今季は、このあと田島記念と北九州カーニバルの2レースに出場する。この感覚を日本に持ち帰って、それらのレースで試して頑張りたい。

 

 

◎ウォルシュ ジュリアン(富士通)
男子400m 準決勝3組 4着 45秒13 =自己新

もっとタイムが出たかなと思ったが、思っていたより差が広がっていた。(2レース連続自己新でも)この少しの自己新はあんまり嬉しくない。

(1組目と2組目のタイムは)見ていた。見ていて「やっぱ、はえーな。準決でみんな切り替えて」と思って(笑)。なので(着順で通過する)2着でしっかり入ろうと思ったが、やっぱり壁は高かった。

(レースは)前のレーンのジャマイカの選手についていく感じで行ったが、どんどん距離が離れていった。スピードの違いを痛感した。

スタートのときのことは、ゾーンに入っていて、あんまり覚えていない。スタートして150mくらい(の地点)で、「あ、今、もう始まっているんだ」と気づいて(笑)、そこで意識が戻った。けっこう(前との)距離が開いたので、あんまり入りはよくないかなと思った。そこから最後のコーナーで切り替えたが、あんまりいいタイムは出なかったという感じだった。

レースに対しては、わりといい集中ができていたと思う。また、けっこう走れているとは思った。ただ、予選のときは入りが遅かったので、もっと余力が残っていたが、今回はわりとしっかり走ったので、予選ほどの(余力は)残っていなかった。

(今までの世界大会と比べて戦えたか? との問いに)そういう意味では、以前よりはしっかり走れたと思う。準決勝通過のラインは44秒77。もっと効率よく走れば、僕の今の力でも行けると思うけれど、まだまだ経験不足というところで及ばなかった。しかし、冬を通して、ちゃんと練習を積めれば、来年はいい結果と順位で行ける。44秒台は(すでに)出ると思っている。課題となるのは、出たあと、どれだけもっとタイムを削れるか、というところだと思う。

このあとの4×400mRでは、たぶん僕が1走になると思う。個人の悔しい気持ちをぶつけて、1走で流れをしっかりつくって、次の2走の人に(バトンを)渡したい。

 

 

◎田中 希実(豊田織機TC)
女子5000m 予選          1組 6着 15分04秒06 =自己新、決勝へ

必死に着順をとれる位置をキープしているうちに、ああいう形のレース展開となった。(世界の走りを経験して)やはりみんな堂々としていた。何回も接触とかがあったなかでも「sorry」とかしゃべっている人がいたりしたので(笑)、すごい余裕だなと思いながら走った。

走っているときに何度も接触して、膝とかは(傷ついて)血が出ているが、レースのときは無心だったので気にせずに、ラスト3周くらいまでは余裕を持って押していけた。

(3000~4000mのペースアップに対応できたのは)1つ1つの練習で、レースとか、記録会とかも使って試合に近いイメージの記録会や練習を重ねて、ハイペースでも後半上がったレースにも対応できるように準備をしてきたから。ラスト2000mは5分20(秒)を切るくらいで行くかなということは、自分にそれができるかどうかは別として、先頭はそれくらいでは最低でも上がるだろうなと思っていたので、そこまでびっくりせずに対応できた。しかし、残りの3周は、とても長く感じた。フィニッシュ後はもう立てなくて、ほかの選手に助けてもらわないと無理だった。

(シニアの世界選手権はU20などの年代別世界大会と違ったか? との問いに)ジュニア(U20)だと、(力が)上の選手はすごく速そうに見えるが、下の選手は自分と同じか、少し下かくらい。力の差があるという感じがあるのだが、今回は、ほとんど格上の選手だったので、「もう、しーらない」みたいな感じ(笑)で、開き直って走ることができた。

(決勝進出できるかどうかは、2組目のタイム次第。もちろん)決勝に残れたらすごく嬉しいし、残れなかったとしてもタイムという1つの財産のようなものができたので、すごくいい世界陸上になったと思う。今、(2組目の)レースをしているわけだが、それ(通過すること)を、ドキドキしながら待ちたい。

 

 

◎木村 友香(資生堂)
女子5000m 予選          2組 13着 15分53秒08

シニアのこういう世界の舞台を走らせていただくのは初めてだったが、自分の気持ちの弱さや迷いがレースに出てしまった。今の自分は世界で戦う実力じゃなかったんだなと、力のなさに少し絶望のようなものを感じている。一所懸命やってはきたが、過程は誰も見ていない。これから競技者として上を目指すに当たって、改善が必要なことを、走る部分以外のことからもう一度考えていきたい。

今季は、春先の5月ごろに調子が良すぎたぶん、疲労などで一度一気に調子を落とした時期もあったのだが、そのころに比べると状態は上がっていて、スタートラインには自信を持って立つことができていた。

展開がどうなるかは想像つかなかったが、スローペースになったら、一度、自分がペースをつくろうと思っていた。いつものトラックレースがだいたい1周73~74秒くらいなので、そのくらいのペース。800m手前くらいで出ようと思って、2~3番手くらいの位置に行ったのだが、「前に出さない」というような海外レース独特の空気感みたいなものに呑まれてしまい、積極的な気持ちに一瞬なったのに、また消極的になってしまった。その迷いがダメだったかなと思う。そういう部分の実力のなさというのもちゃんと認めて、気持ちを整理して、また来年に向けて頑張っていきたい。

来年に行くに当たって、まずは記録(五輪参加標準記録)を突破しなければいけないので、気持ちの強さもしっかり鍛えつつ、走力の部分でもレベルを上げていけるようにしたい。今、レースがずっと続いていて疲れている部分がある。私は疲労を抜くという部分をおろそかにしてしまうところがあるので、一度しっかりリセットして、もう一度どう戦っていくか、練習や走る以外の部分のことも計画的に立てていきたいなと思う。

 

 

◎郡 菜々佳(九州共立大学)
女子円盤投 予選B組 15位 48m82

せっかく与えられたこのチャンス、びびることなく自分の投げをすることが目標だったのだが、それすらもできず、「本当に何をしているんだろう」という感じである。練習投ではそんなに緊張することなく投げることができていたのだが、試合になったらやっぱり緊張してしまった。

具体的には、「投げたい」という思いばかりが先行していて、投げたいとなったときに出る左(腕)が開いてしまう悪いクセが、1回目から出てしまったこと。そこを押さえないと自分は投げられないとわかっているのに、修正することができなかった。

(インビテーションでの突然の出場となったが)連絡を受けたときは、今シーズンの結果からしたら、こんな世界陸上という舞台に立てることは、ほぼないだろうと思っていた。この舞台を経験できたことは、来年(の東京オリンピック)に向けて、本当に大きいかなと思う。

調子は(11位に終わった)日本インカレのころから考えると、だいぶ良くなってきてはいたのだが、でも、「ここぞ」というときに出てしまう悪いクセが直らない。そういう意味では、冬季に向けての課題が明確になった。

また、「今のままでは戦えない」ということを感じる形となった。でも、絶対に戦えないわけじゃないとも思っている。「どんな舞台でも自分の試合ができる」というのが、今の自分に一番足りないこと。また、この舞台でしっかり勝負できるように、もう一回出直したい。

 

 

◎右代 啓祐(国士舘クラブ)
男子十種競技(1日目終了時点)20位 3766点

内訳:100m11秒44(+0.3)-走幅跳6m90(+0.4)-砲丸投14m31-走高跳1m90-400m51秒42

初日は思うようにいかないところがあったが、明日が一番の勝負と思っているので、そこの反省は明日しっかりしたいなと思う。今のところは、(気持ちは)明日のほうに向いているという状態。明日の戦略を考えながら、これからのリカバリーの時間を過ごしたい。

身体の状態はものすごくいい。だいぶ(身体が)絞れてきているし、バネもたまっているし、動きにキレも出ているのだが、ちょっと力が有り余っているようなところはあるかもしれない。

(出場までに紆余曲折があったが、どんな気持ちで臨んだか? との問いに)僕は世界陸上に出るという思いでしか僕は動いていなかった。もちろん出ることができたのは嬉しいが、それに向かっていく姿勢や思いは変わらず続いてきていたので、そこから変わっていない。

全体的な動きのキレはよかった。走幅跳は記録が(修正されたようで)6m90なのか、7m03なのかよくわかっていないので(注:いったん7m03を記録が発表されたが、最終的に6m90に修正された)、反省すべきなのか成功といえるのかちょっとよくわからないところもある。砲丸投は特に狙っていた部分があったので、決められなかったことはもったいなかったなと思う。まあ、反省を出すときりがないので、明日のほうにフォーカスを当てて、いい記録を出したい。

(トータルの目標としては)8000点で12位というのを1つのラインとして考えている。それが狙えたら(ワールドランキングの)ポイントも入ってくるし、東京オリンピックにつながるものになる。最低でも8000点で12位というものは、視野の中に入れて動いてはいる。




 文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォートキシモト


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