2019.06.04(火)大会

【MGCは9月15日開催!】MGC出場選手発表会見



日本陸連は、6月3日午後、東京都内において、本年9月15日に開催する2020年東京オリンピック男女マラソン日本代表選手選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(以下、MGC)」の出場選手発表会見を行いました。以下、その概要をご紹介します。

 

 

■主催者代表挨拶・MGC出場全選手発表:

尾縣貢(日本陸連専務理事)

まず、主催者を代表して、尾縣貢専務理事が挨拶を行いました。尾縣専務理事は「多くの潜在力のあるランナーたちがマラソンにチャレンジし、MGCに駒を進めたこと、来年に迫った東京オリンピックのマラソン選考を、公平・透明に行えることを本当に嬉しく思う」と述べ、大会当日の9月15日は8時50分に男子が、9時15分に女子がスタートすること、大会の模様は男子がTBS、女子はNHKの2局体制で放送を行うことを紹介。「このレースは、厳しいマラソン選考、そしてマラソンの醍醐味を国民に知っていただく機会であるとともに、間近に迫った東京オリンピックの機運をさらに高めて行くものだと思っている。皆さまとともにこのMGCを育てていきたい」と挨拶しました。

その後、映像を通じて、MGCに出場する男子31名、女子12名、計43選手が紹介されました(出場者一覧は、https://www.jaaf.or.jp/news/article/12768/ をご参照ください)。

 

 

■強化責任者挨拶:

瀬古利彦(日本陸連強化委員会マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)

続いて、強化を務める瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーが登壇。司会者からの質問に答える形で、MGCに向けての展望を、次のように述べました。

「いよいよMGCが始まるなという実感がわいてきた。出場する選手には、いろいろなタイプがいるので、当日のレース展開を読むことはできない。言えるのは「誰が勝つかわからない」、それだけである。各選手のモチベーションはものすごく上がっている。ただ、我々はMGCが目標ではない。そのあとの東京オリンピックが目標なので、MGCで燃え尽きてもらっては困る。ここを勝ち上がる選手は「こんなのは当然」という気持ちで勝ち上がっていってもらいたい。」

 

 

■トークセッション:

スペシャルゲスト、MGCファイナリスト、瀬古リーダー

スペシャルゲストとして、男子のレースを放映するTBSでMGCスペシャルキャスターを務める高橋尚子氏(2000年シドニーオリンピック金メダリスト)と、女子のレースを放映するNHKでMGC解説を務める野口みずき氏(2004年アテネオリンピック金メダリスト)が紹介されました。

高橋氏は「来年の東京オリンピックの代表選考レースとなる人生を変えるような大会に携わらせていただくことを嬉しく思う。オリンピックの選考レースを通ったことも落ちたこともある身として、その経験を生かしながら、また、現役を引退して10年、その間の取材も生かしながら、皆さんに臨場感のある時間を伝えられたらと思っている」と、野口氏は「女子MGCの解説を務めさせていただく。今回初めての試みで、私自身もドキドキ、ワクワクしている。選手目線で、皆さんにわかりやすい解説ができるように務めていきたい」とそれぞれに抱負を述べました。

続いて、MGC出場選手を代表して神野大地選手(セルソース)が登場し、「今日は、選手は私1人ということで、最高のポジションを用意していただいたので、皆さんに私の存在を存分にアピールして、MGC当日にたくさんの人に応援してもらえるようにしたい」と挨拶。その後は、神野選手、高橋氏、野口氏、瀬古リーダーによるトークセッションへと進みました。

このトークセッションでは、高橋氏が進行役を務める形で、まずは神野選手にインタビュー。これまでの状況や大会に向けての展望を問われた神野選手は、「昨年の5月にプロランナーに転向して、なかなかうまくいかない時期もあったが、ケニア、エチオピアでの武者修行を経て、ほかの選手とは違うタフさを身につけることができたと思う。東京オリンピックも、MGCも暑い環境のなかで行われる。僕自身には大いにチャンスがあると思っている」「MGC本番に向けては、ここから3カ月が本格的なマラソン練習。来週からは長野県で、7月末からは再びケニアに行き、MGCの10日前まで合宿を行う計画でいる。自分は他の人がやらないような挑戦をして、そこで勝負したい。ここからの3カ月で特別に何か新しいことをやるわけではなく、これまでやってきた日々の継続といった内容である。それが結果に出ると信じて取り組んでいく」とコメント。また、「コース攻略」についての質問には、2週間前にコースを試走したこと明かし、「最後の5kmの上り坂がすごかった。そこで“一発逆転サヨナラ満塁ホームラン”を打ちたい。35km地点で10番手であっても自分には大いにチャンスがあると、そのくらい最後の坂には自信を持っている。“最後まで諦めない”ということ(が大切)なのかなと思う。これまでも地図で見たりはしていたが、予想以上にタフなコース。最後までわからない展開になると思う」と話しました。

さらに、高橋氏が、野口氏や瀬古リーダーに質問を投げかける形で、MGCに出場する注目選手の特徴を紹介。男子、女子それぞれに想定されるレース展開などが意見交換されました。

 

 

■強化策の説明:

河野匡(日本陸連強化委員会長距離・マラソンディレクター)

最後に、河野匡長距離・マラソンディレクターから、今後の強化策の説明が行われました。「選手たちには、まずはMGC本番に、100%の状態でスタートラインについてほしい。そして、その100%の力を、我々は東京オリンピックに向かって、さらに120%へと挙げる施策を試みて、より高いレベルでスタートラインにつけるようにし、東京オリンピックでのメダルを狙いたい」と河野ディレクター。

それを実現するために計画している今後のプランとして、以下の方向性を示しました。

 

◎マラソン日本代表の強化戦略

・代表を選んだら、チームジャパンというのを大きな意味でチームを形成したい。ただ、代表だけでチームを組むのではなく、「どうやればメダルに届くか」ということをすべての関係するメンバーで知恵を出しきりたい。

・具体的には、日本代表のなかに、男子代表選手とコーチ、女子代表選手とコーチがいて、それを男女各オリンピック強化コーチの山下(佐知子)、坂口(泰)が支え、私・河野がそのマネジメントをするというのがコアメンバー。その周りを、瀬古リーダー、強化委員会、医事委員会、科学委員会、広報が機能し合ってチームをつくっていきたい。
 

◎マラソン日本代表チーム方針

・代表選手、専任コーチ、オリンピック強化スタッフ、各専門委員会が協働し、「TEAM JAPAN」を構成、目標達成に向けてそれぞれの役割に情熱(パッション)を持って全うすることをスローガンとして掲げる。

・日本代表選手およびチームとして権利と義務を明文化し、役割分担の明確化と機能的チームの構築を図る。
 

◎日本代表内定後について(MGC終了後~)

・MGCが終了したらすぐに、オリンピッ代表キックオフ合宿を実施。日程は、9月25日~10月1日、場所は、オリンピック最終調整合宿地として予定している千歳市(北海道)を予定。ここでオリンピックまでの戦略確認を行う。
→1年近くかけて十分な準備をすること、それに対しての情報共有をきちんとやることが、チームづくりのための大事なステップと捉えている。

・暑熱対策、レース対策は適宜実施。
→キックオフ合宿にてプランを確認し、個別対応や具体的な方法について情報共有(コンディショニングチェック)を行う。情報共有の機会は、現段階では2020年3月までは月1回、4~6月は月2回、7月には週1回の頻度とする予定。本番に向かっての流れのなかでチームの体制を作り上げていく。

・内定者2名は、オリンピックまでに、ハーフマラソン、30km、マラソンのいずれかで、1レース出場を必須とする
→この点は、すでにMGCの概要説明会において選手・関係者には通知済み。MGCで内定してから五輪レース本番までの期間が長いことを考慮し、強化の状況を把握するためにも必要との認識による。出場できない場合は、その原因(故障など)踏まえて、候補選手との交代を検討する材料とする。
 

◎日本代表決定後について(2020年3月~)

・代表選手会見(2020年3月中旬~下旬を予定)
→その場で、全員が参加しての研修合宿を行い、代表選手および候補選手(これまで補欠という言葉を使っていたが、今後は候補選手という呼称を用いていきたい)のプラン確認と個別対応について情報共有(コンディショニングチェック)を行う。情報共有の機会は4~6月は月2回、7月には週1回の頻度で行う。

・代表選手、候補選手のコンディショニングチェックについて
→ファイナルエントリーは4名しかできないため、6月の時点で候補選手を2名から1名に絞り、最終エントリーを行う4名を代表メンバーとして準備していく。ここで1名となった候補選手については、大会2日前になると見込まれるファイナルコンファメーションで選手エントリーをするまでの間はレースに向けて準備をしてもらうことで、8月2日の女子、8月9日の男子に、フルエントリーとなる3名で出場する体制を整えていく。

 

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト



マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)

2019 年9 月15 日(日)
・8 時50 分 男子マラソンスタート
・9 時10 分 女子マラソンスタート
【テレビ放映】男子:TBSテレビ系列全国ネット 女子:NHK総合
【ラジオ放送】男子:TBSラジオ 女子:NHKラジオ
 
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