2019.07.18(木)その他

【Challenge to TOKYO 2020 日本陸連強化委員会~ゴールド・プラン~】第7回IAAFワールドランキング制度(2)

第7回IAAFワールドランキング制度(1)』から




 

秋の国内主要大会もFからEへ格上げ


横田
 さっき、ランキング制度について「わかりにくい」と言ったのですが、そう聞くとある意味わかりやすくて、大きい大会で結果を出す。陸連がやりたかったことを〝ルール〟にしてくれているわけですね。グランプリで記録を出すことがニュースバリューにもなって、陸上界の評価が高まり、アスリートの価値向上にもつながる。アスリートは当たり前のことを粛々とやればいいのかな、と思います。

 ただ、さっきおっしゃってたように「海外に行かないと」と思ってる選手は結構多くて、どう考えても国内で戦った方が有利、というのを周知させていくことがすごく大事だと思います。

麻場 そうですね。

横田 選手の立場から言うと、これだけCランク以上の大会があるなら、各大会で平等に種目数があるのか気になります。例えば、Bの織田も、Aのゴールデングランプリ大阪(5月19日/ヤンマースタジアム長居)も、男子100mが目玉種目ですよね。それも大事だと思いますが、そうじゃない種目を引き上げていくことも考えていかないといけない、と僕は思っています。そして、選手が記録を出すことを求められているからこそ、たとえば風を考慮してピットを変えるとか、風がやむ時間帯に周回種目を入れるとか、大会運営で配慮していただけるとありがたいですよね。

山崎 ゴールデングランプリはIAAFから種目を決められているので、残念ながら平等ではない。日本人の感覚だとわかりづらいけど、興行として海外の大会は平等ではなくて、やはり100mが多いんですよ。選手の賞金も違います。そういう中でやってるというのは、日本人はもうちょっと理解しないといけない。そこでも競争があるんです。ただ、陸連や陸協のがんばりで本当ならEかFランクだったものがB、Cに上がったのです。

河野 10000mは、今年に限るとまずドーハ世界選手権の参加標準記録突破が命題としてあるので、やはり国内の兵庫リレーカーニバル(4月21日/神戸総合)より米国のペイトン・ジョーダン招待(5月2日/カリフォルニア州スタンフォード)に行く選手が多くなりますね。標準記録を切らないと世界選手権に出られないので。今年は世界選手権までの戦い方と、その後の戦い方が変わってくると思います。それに、7月からオリンピックを見据えた大会の出方とも分かれます。「そこをきちんと整理して試合の出方を考えてね」というのは、長距離の現場に伝えています。


──例えば国内の実業団の大会だと、実業団に在籍する外国選手が何人も出てきて、日本人が上位を取れないという現実があります。

河野 そこは順位より記録が出ないと無意味な大会になりますね。


──織田記念がBになっても、外国選手が何人来るのか、どんな選手が来るのかで順位が違ってきますよね。

河野 今年に限れば、どういうかたちになってくるのか、世界の反応を見ないとわかりません。まずは記録を出すことを重要視しつつ、ランキング制度をにらむ。来年については、標準記録を突破してオリンピックに行くのはなかなか難しい状況になるので、ワールドランキングを見据えた大会の選び方をして、選手のピーキングをしていかないといけない。

麻場 まったくその通りです。ただ、今、10000mの話が出ましたけど、10000mは有効期間が1年半あるんですね。それを考えた策を我々は考えていかないといけないし、北海道各地でやっているホクレンディスタンスチャレンジを、10000mをターゲットにして格上げすることも考えています。秋の大会も含めて、IAAFが日本陸連に6大会Fランクの大会をEランクに格上げをしていい、と言っています。

山崎 秋の大会だとポイントは減算されないので、ある一定レベルの大会がFからEに格上げになったらうれしいですよね。



──どの大会がFからEへ格上げされるのでしょうか。

麻場 日本インカレ(9月12~15日/岐阜・長良川)、全日本実業団対抗選手権(9月20~22日/大阪・長居)、国体(10月4~8日/茨城・笠松)、田島記念(10月20日/山口・維新公園)、北九州カーニバル(10月26 ~ 27日/福岡・本城)、ホクレンディスタンスチャレンジ網走大会(7月22日/網走)です。

 3月31日にIAAFへ申請する運びですが、NF(各国陸連)枠ですから、基本的に「NO」とはならないと思います。

麻場 こうしたことを踏まえて、どういうプロセスがいいのか、選手たちの方向性が決まってくると思います。


──ポイントの減算期間はいつまでですか。麻場 7月からポイントは有効になりますが、7月、8月、9月の3ヵ月間、減算期間があります。ただし、10000mは有効期間が長くて7月でも減算されないので、ホクレンディスタンスから戦略が始まって大丈夫ということです。



 

リザルトには必ず英語表記を


 先ほど、アジア・パーミットとして認められた織田記念などに外国選手が大勢来たら、日本選手が不利じゃないか、という話がありましたけど、アジア・パーミットのルールとして、基本的に主催者が誰を呼ぶか決めていいのです。「招待状をアジア全部の国に出す」というのが条件としてありますけど、100mは海外選手3名とか4名とか明確に決めておけば、それ以上は断ることが可能なんです。そこをまず理解して話を進めた方がいいと思います。

山崎 ヨーロッパが一番進んでいると思うのですが、パーミット大会は細かいルールが決まっていて、何ヵ国以上とか地元選手が何人とか。それぞれ賞金も決まってます。ただ、最終的にその大会で選手が獲得したトータルの点数が出てくるわけですよね。日本の選手を有利にするために強い外国選手の出場を阻んでばかりいると「(カテゴリーが)Bなのに点数がこれだけしかいってない」と評価され、来年以降格下げになる、という可能性も否定できないですよね。

 おっしゃる通りで「コンペティション・ランキング」というのがあるんですよ。去年1年間の参加選手の記録とか参加人数、参加国によって点数がつけられるんですね。その中で織田記念は比較的高い方にあるので、今回Bにしてもらえたのだと思います。

山崎 Bのランクを見ると、アメリカで伝統のあるペン・リレーもそう。陸上はヨーロッパ主導で、アジアの大会が整備されていなかったので、今回は日本の思惑が反映されましたけど。

 その代わり、どんな大会でも、大学の記録会でもですが、英語のリザルトを出してもらわないと、IAAFへの申請で手間取ってしまいます。

横田 今年から日体大競技会でも、エントリーにパスポートネームが必要になりますよ。

 日本陸連の登録も正しい英語名がないと、別人になってしまうケースがあるのです。ですから、登録システムに漢字・ふりがなだけでなく、英語名も入れてもらうようにしてもらっています。

山崎 その整備もしないといけないですよね。

 競技の運営サイドから言えば、皆さん、今後リザルトを見ると「あれ、ローマ字が増えたな」と感じると思います。ただ、現場の方々の中には、陸連がなぜ「ローマ字や英語表記を加えて」と言っているのかよく理解されてない人もいて、ここはしっかり記事に入れていただきたいですね。

山崎 先ほど「駆け込み(突破)でのオリンピックや世界選手権への出場をなくしたい」という話が出ましたけど、それは今後もあるでしょうから、大学の競技会などに記録を狙う選手が出ていると仮定して、英語のリザルトを用意しないといけませんね。すぐ記録の申請をする事態が予想されますから。小さい大会でも、日本代表クラスの選手が出場していたら、そういう意識を持って運営しないといけないということですね。

横田 陸連の登録番号と紐付くシステムがあればいいんですよね。


──そうすれば、国内の記録の管理も整備できますね。

 
第7回IAAFワールドランキング制度(3)』に続く…


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