2018.12.24(月)委員会

【女子リレー】新プロジェクト説明会 その3


「女子リレー新プロジェクト説明会 その2」から



<第3部>

【強化方針および今後のスケジュールについて】

 
◎4×100mR
信岡沙希重(4×100mR強化スタッフ/強化委員会強化育成部委員)

 <強化方針>
・強化方針は、以下の2点とする。

1)走順、パスの組み合わせ等を含めたリレーの技術的、戦略的側面を重視した合宿を展開し、医科学を最大限利用する。
→これはオーダー編成の幅を広げ、得意区間を見極めるため、これらに関連したチェックを定期的に実施したい。先ほど質問もあったが、今回のセレクションで得意区間の120mの能力を見させていただくが、違う区間での能力…具体的には、直線と曲線とでどのくらいの差があるのかといったところを見ていきたい。今回のところで、同じ区間に有力選手が重なった場合を考えても、複数の区間をこなせる技術の向上をみんなで求めていきたいと考えている。
また、受け手の加速およびバトンパスに影響を及ぼす疾走局面(ゾーン入口前後の減速局面)について、定期的にチェックすることも考えている。これもセレクションの項目につながってくるところだが、30mの加速局面のタイムを計測する、渡し手が最後まで減速しないかどうかをチェックする、などを行っていきたい。

2)合同練習にて、バトンパスワークの向上を図る。バトンパスのチェックと修正を繰り返し、コンセプトの共有と精度を高める。
→合宿でしかバトンパス練習は行えないため、バトンパスが中心となってくる。ここではデータをみながら、競技者たちの主観と客観の摺り合せという作業が最も重要になってくると考えている。リレーの練習だけでなく、ミーティングなどを繰り返して摺り合わせていくことになるので、選手1人1人がコンセプトをしっかり理解すること、そして主体的に参加することを求めたい。

 
<合宿スケジュール>
 合宿は、次の4回を計画している。

1)1月25~27日(NTC)
2)2月16~18日(NTC)
3)2月28~3月4日(沖縄)
4)3月21~25日(沖縄)

・最初の2回は、NTCで行い、ここではコンセプトの共有、チームビルディング研修の実施などから入っていく。
・3月に入ったらスピードも上がってくる時期となるので、3回目の合宿では、沖縄で、より実戦的なバトン練習を行っていく。
・4回目の沖縄合宿では、3月22日に、アジア選手権に向けたリレー選考のトライアルを実施する。この合宿では、アジア選手権のオーダーで練習を詰めていくという形になる。

 
<試合スケジュール>
 4回の合宿を経て試合に向かっていくことになる。その遠征スケジュールは次の通り。

1)3月28~29日:シンガポールオープン(シンガポール)
2)4月21~24日:アジア選手権(ドーハ・カタール)
3)5月11~12日:世界リレー(横浜)
4)5月19日:ゴールデングランプリ大阪(大阪)
5)6月4、7日:アジアグランプリ(重慶・中国) ※世界リレーの結果による
6)6月14日:3カ国対抗(金泉・韓国) ※世界リレーの結果による

・沖縄合宿を経て、そのままシンガポールオープンを第1戦目として予定している。温暖な地でシーズンインを図りたい。また、その後のスケジュールが詰まっているので、時差の少ないシンガポールを選んだ。この大会で、バトンパスの精度確認などを実戦で行い、その結果をアジア選手権へとつなげていく。
・アジア選手権は、ランキングを上げるための記録を出すこと、世界リレーに向けたチェックを行う。
・世界リレーで、日本記録更新を目指すとともに、ドーハ世界選手権獲得(10位以内)を目指す。また、翌週のゴールデングランプリ大阪においても記録を目指す。このため、現状では、この世界リレー、ゴールデングランプリ大阪を、一番のターゲットとして取り組んでいきたいと考えている。
・その後、アジアグランプリ、3カ国対抗を予定しているが、これらの大会は、その段階までに、ドーハ世界選手権の出場権を獲得しているかどうかで、遠征の実施を決めていくことになる。
 

◎4×400mR
吉田真希子(4×400mR強化スタッフ/強化委員会強化育成部委員)

<強化方針>
 4×400mRにおける強化方針として、次の3つを挙げたい。

1)世界に向けた視野の拡大とチームワークの涵養。チームジャパンの一員としての到達目標の共有
→ 今回、このプロジェクトを立ち上げていただくにあたって、目標として、世界リレーで3分28秒91の日本記録を更新していくことから始まっていくことになる。初めて女子の4×400mRが標準記録を突破して世界の舞台に出たのは2001年(エドモントン世界選手権)と、ずいぶん前のこととなる。その際、私と信岡さんが出場したのだが、そのときの記録が3分33秒06である。そこから2015年に3分28秒91の新記録を更新するまでに14年の歳月がかかっている。その記録を出すために、多くの競技者が努力してきたと思うが、その記録をさらに1秒以上縮めていくことに対して、非常に難しさを感じている。
 その難しさを、これから皆さんと突破していくにあたって非常に大事になってくるのは、チームジャパンとして、「どこを目指していくのか」「どこを狙っていくのか」を共有していくことでないかと思う。簡単に、3分28秒0と言っても、1人のラップは52秒0と、もしかしたら今まで皆さんが出したことがないようなラップライムを、皆さんそれぞれに刻んでいただかなければならない、そういう難しさがある。そのなかで、チームワークを高め合いながら、互いに切磋琢磨して進めていくことがまず大切だと思っている。

2)個々の疾走能力の向上
→走力を上げていくこと以外に道はないと思っている。これを実現させるために、次のような点に取り組む。
①スピード型の選手、持久型の選手など、さまざまな特性があると思うが、合同練習の実施を通じて、互いの持ち味を出し合いながら切磋琢磨できる環境づくりしていく。
②個々に特性に応じたレースをしていると思うが、それが実際に自分の体力特性に応じた至適な展開になっているかどうかを科学委員会の協力をいただきながらみていく。自分に最適なレース展開はどんなものか、どういうふうにすれば力を発揮できるのかなどを、科学的な側面から考えていきたい。
③JISS(国立スポーツ科学センター)の皆さんとも連携しながら、最新トレーニングの導入についても検討している。1人が52秒0というラップタイムを出していくためには、劇的な変化が必要。それをどこに求めていくのか、おそらくエネルギー系の供給能力の向上になってくるかと思う。そうした点について、多面的に検討しながら、それぞれのパフォーマンス向上を考えていく。

3)バトンパスワークの向上
→どのようなバトンパスをすれば加速に乗りやすいか、右手で持てばいいのか左手で持てばいいのか等、やり方はいろいろとあると思うが、それらも経験だけではなく、しっかりと「科学の目」を入れながら、「チームジャパンのバトンパスはこれだ」というものを構築していきたい。

<合宿スケジュール>
1)1月25~27日(NTC)
2)2月15~19日(NTC)
3)2月28~3月4日(沖縄)

・4×400mRチームでは、上記の3回の合宿を予定している。最初に申し上げたように、互いの持ち味を出し合った合同練習をすることで、走力向上を図っていく。
・NTCでの合宿では、JISSや科学委員会の皆さんとの連携を図りながら、最新トレーニングの導入を行っていく。
・シーズンが始まったらすぐに重要な試合を迎えることになる。冬の間のそれぞれの候補選手の状態を定期的に把握したい。困ったことがあれば、手を差しのべ合いながら互いにサポートしていきたい。
 

<試合スケジュール>
 試合としては、次の6戦を想定している。

1)3月27~30日:テキサスリレー(アメリカ)
2)4月21~24日:アジア選手権(ドーハ・カタール)
3)5月11~12日:世界リレー(横浜)
4)5月19日:ゴールデングランプリ大阪(大阪)
5)6月4、7日:アジアグランプリ(重慶・中国) ※世界リレーの結果による
6)6月15日:3カ国対抗(金泉・韓国) ※世界リレーの結果による

・3月末に海外遠征を予定している。テキサスリレーは、3分26~30秒台の複数のチームが出場する大会。我々は、これから3分28秒~26秒を狙っていくチームづくりをしていかなければならないので、こうした海外の選手と走ることで、3月下旬の時点で、現在の課題や、逆に世界のレベルを実感していただく機会としたい。国内では経験したことのないようなレース展開もあると思う。そういったものを通して、今後、自分が戦っていく舞台を実感してもらいたい。
・4×100mR同様に、私たちも世界リレーで日本新記録を出していくことが最大の目標となっていく。そこに向かって、力を出していけるようにしたい。
・世界リレー後は、いくつか試合は想定しているが、まずは世界リレー。そこで3分28秒91の日本記録を更新し、10位以内の獲得を目指していく。ただし、今までの世界リレーは海外で実施されており、今回、横浜(日産スタジアム)というすごく走りやすいトラックで行われるということで、おそらく記録の水準はもっと高いものになると推測している。そこを想定した上で、個々が出していくべきラップタイムや走力を、この冬に獲得していきたい。
・先ほどの質問で、1月13日ではなく、1月26日のセレクションへの参加を選べないかという声が上がったが、こういった強化スケジュールのなかでは本当にぎりぎりとなっている。このため、なるべく早く強化を始めて、最大限の準備をしたうえで世界の舞台に備えていきたいと思っている。

 
▼「女子リレー新プロジェクト説明会 その4」へ続く

▼女子リレー新プロジェクト概要・資料はこちら
ニュース:【女子リレー】新プロジェクト記者発表概要

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