2018.07.15(日)大会

【U20世界選手権】5日目:男子棒高跳・江島雅紀、5m55の今季ベストで銅メダル!



大会も終盤となる5日目は、快晴に恵まれ、強い日差しのなかでの競技となりました。この日は、昼休みがほぼない状況となるタイムテーブル。全部で12の決勝種目が行われました。

日本チームは7つの決勝種目のほか、最終日に行われる5つの予選・準決勝種目に出場して、銅メダルを1つ獲得したほか、2種目で4位、7位、8位にそれぞれ1種目。これにより、5日終了時点での通算成績は金2、銀2、銅2、入賞10。国別総合成績では、アメリカ、ジャマイカ、ケニアに続き4位となっています。

この日の午前は、前日の雨の影響か、蒸し暑さが残るコンディション。まず、男女10000m競歩と男子走高跳の3種目の決勝が行われました。午前9時35分からスタートした女子10000m競歩には、ダイヤモンドアスリートの藤井菜々子選手(エディオン)が出場しました。



レースはRachelle De Orbeta 選手(プエルトリコ)が飛び出してリードを奪うなか、11位前後に位置した藤井選手は、その後、第2集団の中央から後方寄りとなる6~8番手でレースを進めていきます。中盤で、De Orbeta 選手のペースが落ちて第2集団との差がなくなるころには、いったんは8~9位あたりへ後退しましたが、5600mすぎでトルコのMeryem Bekmez選手が前に出てペースアップしたところで、藤井選手はリードを奪った3選手について4番手に浮上。前にいるAlegna González選手(メキシコ)に並びかける位置で、レースを進めていきます。



しかし、7600~8000mの周回で、上位3選手から遅れ始めると、その後はペースを落としながらの“独り旅”に。レースは、González選手がU20今季世界最高記録となる43分13秒88で制し、藤井選手は、U20日本歴代2位となる45分08秒68の自己新記録で、4位入賞を果たしました。



女子に続いて行われた男子10000mW決勝には、坂崎翔選手(平成国際大)と長山達彦選手(東洋大)が出場しました。坂崎選手は序盤は先頭に立ち、1000mを4分03秒30、2000mは8分17秒33で通過しましたが、その後、順位を下げて、中盤で15位付近まで下がりましたが、7000m以降で少しずつ順位を上げていき、8位入賞となる41分50秒91でフィニッシュしました。

長山選手は、序盤は坂崎選手につく位置でレースを進め、その後、いったんは坂崎選手に先行する場面もありましたが、終盤は単独で10位あたりを歩く展開に。順位を変えることなく、41分58秒12・10位でフィニッシュしています。



男子走高跳決勝には、友利響平選手(環太平洋大)と東直輝選手(立命館大)の2名が出場しました。競技は、2m07からスタートし、2m12、2m16、2m19とバーが上がっていく展開に。2m07は2人とも1回でクリア、2m12は友利選手が1回目、東選手が2回目で越えると、2m16はともに3回目でのクリアとなりました。

続いて、バーは2m19に上がり、友利選手が自己新記録となるこの高さを1回でクリアしましたが、東選手は越えられず、10位で競技を終了。この高さを越えた選手が8人だったため、友利選手の入賞が確定しました。友利選手は、次の2m21にも挑戦しましたが、これは越えることができず7位が確定しました。



男子三段跳は、17歳ながら、6月にU20世界歴代2位となる17m41をマークしているJordan A. Díaz選手(キューバ)が3回目に17m15(-0.4)の大会新記録を跳ぶと、5回目にも同じ記録を跳んで圧勝しました。この種目には、秋山裕樹選手(川崎市立橘高)が出場。秋山選手は1回目を15m40(+1.0)で滑り出すと、ベスト8進出を狙って記録の更新に挑みましたが、2回目は15m28(+0.3)、3回目は14m98(+0.1)にとどまり、10位で競技を終えました。



早い段階で上位6選手が集団となって抜け出す展開となった男子5000mはケニア勢がワン・ツーフィニッシュ。Edward Zakayo Pingua選手が13分20秒16で優勝しました。日本の中谷雄飛選手(早稲田大)は、レース中盤で19~20位前後を走っていましたが、最後の1000mで順位を上げて、17位・14分39秒78でフィニッシュしました。



この日のトラック最終種目として行われたのは男子4×100mR決勝。3レーンに入った日本は、前日の予選と同じオーダー(福島聖、宮本大輔、上山紘輝、安田圭吾)で、メダル獲得に挑戦しましたが、予選は39秒49・39秒68にとどまっていたアメリカとジャマイカが序盤からリードを奪い、アメリカがU20今季世界最高となる38秒88で優勝、ジャマイカが38秒96・2位でフィニッシュ。日本は、5レーンに入ったドイツとホームストレートで競り合い、ほぼ同時にフィニッシュラインに飛び込みましたが、ドイツに100分の1秒差となる39秒23で惜しくもメダル獲得を逃し、4位という結果になりました。

5m92のU20世界記録を持ち、今季はダイヤモンドリーグをはじめとするシニアの大会でも存在感を見せているArmand Duplantis選手(スウェーデン)が出場するとあって、今大会最大の注目種目となっていた男子棒高跳には、江島雅紀選手(日本大)と尾﨑駿翔選手(日本体育大)が揃って出場。

Duplantis選手が5m45までをパスするなか、競技は進んでいきました。最初の4m85から跳躍を開始した尾﨑選手は、これを1回でクリアすると、5m05を2回目に、そして予選でも跳んでいる自己タイの5m20も2回目にクリアして、自己新記録となる5m30に挑戦しました。しかし、この高さは越えることができず5m20・10位で競技を終了しました。

5m20から競技を始めた江島選手は、この高さを1回で越えると、5m30をパスして5m40に挑みました。これを3回目にクリアすると、続く5m50は1回で跳んで4位に浮上。今季自己最高となる5m55を3回目にクリアし、銀メダル以上を懸けて5選手による5m60の試技に挑みました。

Duplantis選手は1回で難なくクリアしたものの、江島選手を含むほかの4選手は越えることができず、ここでDuplantis選手の優勝が決定。江島選手とZachery Bradford選手(アメリカ)は記録では並びましたが、5m40の試技内容(Bradford選手は1回で成功、江島選手は3回目に成功)により、Bradford選手(アメリカ)2位、江島選手3位という結果になりました。この種目のU20世界選手権における日本選手のメダル獲得は史上初となる快挙です。



優勝を決めたDuplantis選手は、バーを大会新記録となる5m82に上げて、あっさりと1回でクリア。続いてU20世界新記録となる6m01にも挑戦。これはさすがに攻略することができませんでしたが、5m82の大会新記録での優勝となりました。



このほか、男子円盤投予選には山下航生選手(市立岐阜商高)が、女子三段跳予選には河添千秋選手(松山北高)が、女子100mH準決勝には吉田唯莉選手(筑波大)が出場しましたが、山下選手は53m72でA組12位、河添選手は3回ともファウルに終わり記録なし、吉田選手は13秒55(+0.9)で5着となり、決勝進出はなりませんでした。

また、この大会の男女の最終種目として予定されている男女4×400mRの予選が、女子・男子の順番で、ともに3組2着+2の進出条件で行われ、日本も両種目に出場しました。



女子の日本チームは、1走に塩見綾乃選手(立命館大)、2走に青野朱李選手(山形中央高)、3走が関本萌香選手(早稲田大)、アンカーは川田朱夏選手(東大阪大)というオーダー。2組目で、オーストラリア、カナダに続き、3分36秒70・3着でフィニッシュしましたが、この段階で、プラス2の2番目となり、最終組の結果を待つことに。3組目で3着となったドイツが3分36秒50をマークしたため、わずか0.2秒差で決勝進出を逃しました。



1走から森周志(北海道栄高)、澤大地(草津東高)、後藤颯汰(五島高)、白尾悠祐(順天堂大)の4選手が入った男子は、1組目に出場しました。日本は3分10秒06・4着でのフィニッシュでしたが、先着したジャマイカの失格により3着に繰り上がりました。しかし、2組目3・4着のドイツ、トルコが日本の記録を上回ったため、ここで予選敗退が確定。全体12位の結果で競技を終了しました。

9種目の決勝が行われる大会最終日の7月15日には、男子3000mSCの吉田匠選手(早稲田大)と女子1500mの廣中璃梨佳選手(長崎商高)の2人が上位を狙って出場します。

【選手コメント(決勝後)】

◎藤井菜々子(エディオン・広島) ☆ダイヤモンドアスリート
女子10000mW 決勝 4位 45分08秒68 =自己新記録
今日は、最初からついていく。そして、最後までどこまでついていけるかということを目標にしていた。飛び出した選手はいたけれど、大きな先頭集団について、最後で行くことができたらペースアップして、メダルが取れたらいいなと思っていた。
6000m辺りで集団がばらけたときに前につき4位でレースを進めたが、そのあたりまでは、いいイメージだった。「このまま行って、メダル(圏内に)食い込めたらいいなと思っていたが、そこからさらにペースアップしたところで一気に離されてしまい、つくことができなかった。あれについていたら絶対に44分台が出ていたのに…と思うのと悔しい。
きつかったのは、1人になってから。ペースが落ちているのはわかっていたが、自分で上げていくことができなかった。集団のなかでなら行くことはできても、まだ自分のペースで、1人で行けるだけの力がないということを実感した。それは今後の課題だと思う。
国内ではできないレースができたので、本当に勉強になった。この経験を、距離が20kmになるシニアで生かしたい。

◎坂崎 翔(平成国際大2年・三重)
男子10000mW 決勝 8位 41分50秒91
入賞は最低でもしなければ思っていたので、なんとか達成できてホッと気持ちはあるが、よい歩きができず残念に思う気持ちとで半分半分という感じ。最初から自分で行って、引っ張ることができればと思っていたが、準備期間の調整不足が痛かった。
今季は、4月以降、調子が落ちてきていて、5月の世界チーム競歩選手権(U20の10kmWで5位)まではぎりぎり体調が維持できていたのだが、そこからはよくない状態が続いていた。でも、アジアジュニア選手権(10000mWで銀メダル)よりはいいレースができたと思う。
上位集団がペースを上げてきたときは、「やばいな」という気持ち。「今日は無理だな」とも思ったが、周りが応援してくれていたし、「ここであきらめちゃダメ」だと思って最後まで行った。
今後は、20kmへとシフトしていく。まず、10月の高畠競歩で1時間20分を切ることが目標。そして、来年3月の能美競歩がユニバーシアードの選考レースなので、そこを狙っていければと思う。

◎長山達彦(東洋大1年・埼玉)
男子10000mW 決勝10位 41分58秒12
あとでペースが上がってくることはわかっていたので、前半で一緒に歩いた坂崎(翔)さんと先頭を引っ張り、そこでなるべく(後続との)差をつけられるようにしようというレースプランだったが、なかなかうまく行かなかった。途中からは単独で歩くことになってしまった。あそこできちんとつくことができていれば、結果はちょっと違っていたかもしれないと思うが、実力の差を実感した。入賞を最低限の目標としていたので、残念な気持ちのほうが大きい。
(このレースを経験して)やはり世界は後半が強いなと感じた。これからシニアの20kmへと移行していくことになる。自分は長い距離のほうが得意。日本は強いので、今の状態では、とうていかなわないが、東洋大にいる2人の先輩と一緒にきちんと練習を積んでいき、自信を持ってレースに臨めるようになりたいと思う。

◎友利響平(環太平洋大2年・沖縄)
男子走高跳 決勝 7位 2m19
「もっと行きたかった」というよりは「もっと行けた」という感じ。今日は(2m)07を跳んで、(2m)12を跳んで、(2m)16を3回目に跳んできたが、正直1本も気持ちよく踏み切れた跳躍がなく、2m19はそこをうまく調整して跳ぶことができた。
(2m)19は自分でも少しは納得がいくというか、「次につながるな」という跳躍ができて、(2m)21を跳べる気がいたのだが、21になったとたん、見たこともない高さという感じがあった。怖くはなかったが、「跳びたい」という欲が強すぎて、身体が前に出すぎてしまった。
アジアジュニアのときの(2m)20でも、今回の(2m)21でも思ったことだが、(2m)20や21はもう跳べるな」という確信が持てた。自己新をマークして入賞はしたものの、狙っていたのがメダルだったので、自分のなかでは納得しきれない部分がある。

◎東 直輝(立命館大1年・大阪)
男子走高跳 決勝 10位 2m16
決勝は楽しかった。楽しかったけれど、世界で戦うにはまだまだ力がいるなと思った。しかし、今回、決勝に残れて、決勝の舞台で戦えたことは、まずこれが、自分にとっての第一歩になると思う。
跳躍自体は、良くもなく悪くもなくという感じだった。(2m)16の3回目は、けっこううまく跳ぶことができたと思うが、全体的に、助走の前半でうまく乗れていなかったということと、あとラスト3歩がばたついていることを感じていて、修正することができなかった。

◎江島雅紀(日本大2年・神奈川) ☆ダイヤモンドアスリート
男子棒高跳 決勝 3位 5m55
(5m55は)シーズンベストなので、それが何より嬉しい。グラウンドコンディションは風も安定して、天気もよくてとてもよかったのだが、実は、予選と同じように跳躍練習で1本も踏み切ることができない状態に陥ってしまって、最初の高さに使うポールを決めることができずに臨んでいた。
ただ、最初の5m20を1回で跳んでからは、高さが上がるごとに、状態がよくなっていった。というのもディプランティス選手の跳躍を見ていて、真似できる部分を真似してみようとしたから。そうしたら(クリアならなかった)5m60もはまって、本当に惜しい跳躍となった。あれをクリアできていれば銀メダルだったので、そこはすごく悔やまれるが、今日の試合で(5m)60以上を跳べる感覚をつかむことができた。
自分は世界大会とか国際大会とかのほうが強いのだが、今回もシーズンベストを更新することができたので、これを「国外だから」と言い訳せず、残り少なくなっている今季の今後の試合でベスト更新に挑みたい。
今日は「楽しかった」のひと言に尽きる。「嬉しい」ではなくて楽しかった。跳んでいて、1位(のディプランティス選手)との差は感じたが、終わったあとに澤野さん(日大・澤野大地コーチ、棒高跳5m83の日本記録保持者)とも話して、彼はすごいけれど、これから一緒に戦っていく相手。僕がしっかり追いついていかなければならないと思った。また、5m82(優勝記録)といっても、澤野さんの日本記録を超えていけば勝てるということでもある。もう少し時間はかかるとは思うが、自分のやるべきことをやって、大学在学中に日本記録を更新したい。シーズンベスト(5m55)は更新したが、直前で澤野さんが5m60を跳んでいるので、また、澤野さんの上に行くことはできなかった。それは直接対決する次の機会に挑戦したい。まずは、メダルを取ったことで、ほんの少しは恩返しができたように感じている。

◎尾﨑駿翔(日本体育大1年・東京)
男子棒高跳 決勝 10位 5m20
すごく調子がよかったので、かなり悔しい。江島(雅紀)さんが銅メダル取って、試合のなかで調子を上げてきて、周りも楽しみながら跳躍していたので、自分も楽しみながら跳躍をしていきたかったのだが、5m30、5m40というベスト以上の記録を狙っていたので、自己タイ(5m20)にとどまったのは、自分のなかで悔いが残る。5m30を跳べていれば順位も大きく変わったことを考えると、本当に悔しい。
5m30は、どの跳躍も惜しい跳躍だった。でも、その本当に小さなところのミスで、結果は大きく変わるのだなということを、今回、痛感した。江島さんの試合を横で見ていて、さすがダイヤモンドアスリートで、国際大会豊富な選手だなと感じたし、ディプランティス選手の跳躍を見て、同じ試合に出ているのに、1人だけ世界が違うということを強く感じた。このあと試合も残っているので、まずは、そこで自己ベストを出したい。この経験を今後に生かしていこうと思う。

◎秋山裕樹(川崎市立橘高3年・神奈川)
男子三段跳 決勝 10位 15m40(+1.0)
1回目の15m40は、ちょっと助走が近かったので合わせた感じの跳躍で、「ここから記録を伸ばしていけるかな」と思ったのだが、周りの選手に圧倒された感じがあって、思いきって跳躍に入ることができなかったな、というのがあった。ベスト8に残れなかったので、そこは悔しいが、とりあえず決勝の3本は経験できたので、次にこういう舞台に入れたときは、しっかり6本跳びきって、自分の跳躍ができるようになりたい。

◎中谷雄飛(早稲田大1年・長野)
男子5000m 決勝 17位 14分39秒78
レースは、ひたすらしっかりついていくということで、3000mまでは余裕をもっていこうと思っていた。正直言って、いいレースではなかったと思う。また、最近はずっと思うように走れていなくて、今回の大会に向けては少し調子が上がってきたと思っていたが、万全の状態で臨めていなかった。
関東インカレが終わってから体調が悪くなって、ちょっと練習を抑えてここまで来ていたが、自分のなかではしっかり調整できたと思っていた。でも、そう調整したなかでこのタイムだったというのが、今の自分の力。それを受け止めなければならない。
この悔しさは、世界大会でないと晴らせないと思う。今回、せっかく代表に選んでいただいたのに、こういった走りになってしまったので、ただただ悔しい。

◎日本(福島、宮本、上山、安田)
男子4×100mR 4位 39秒23
・1走:福島 聖(富山大1年・富山)
いつも通りに、いいスタートが切れたと思うが、アメリカの1走の選手がとても速くて、追いつけなくて力んでしまった部分がある。もうちょっと速く走りたかったので、悔しい気持ちが大きい。バトンはうまくつなぐことができたと思う。

・2走:宮本大輔(東洋大1年・埼玉)☆ダイヤモンドアスリート
予選よりもうまく走れたぶん、2走から3走へのバトンパスがちょっと詰まってしまったので、そこが反省点。メダルを取ることに挑戦して、及ばなかったけれど、でも、しっかり食らいついてくことはできたと思う。

・3走:上山紘輝(近畿大1年・三重)
外側のレーンにアメリカ、ジャマイカがいたので、しっかりそれに食らいついて、コーナーを回って、抜けるところで(バトンを)うまく渡せることができれば、上位の順位で争えると思っていた。緊張せずにしっかりコーナーは走れたと思うが、一緒に走ってみて、外国人選手のスピード感にはすごいものがあるなと感じた。

・4走:安田圭吾(大東文化大1年・東京)
バトンをもらったときに、アメリカの選手が前にいるのが見えたので、食らいついていけるように走ろうと思ったが、ほかの国の選手も来たのがわかって、そこで意識して硬くなってしまった。その点が惜しまれる。

【選手コメント(予選・準決勝ラウンド後)】

◎山下航生(市立岐阜商高3年・岐阜)
男子円盤投 予選A組12位 53m72
緊張することもなく、わりと楽しく競技に臨めたが、決勝に残りたいという思いがあったので、最後で記録を狙いすぎてしまい、ああいう結果(ファウル)に終わってしまった。でも、課題がみつかってよかったと思う。
1回目に52m35。練習投てきでは、投げ急いで身体が開いてしまう部分に不安があったのだが、そこを修正して、臨むことができたのはとても大きい。3投目は、慣れてはいないものの自己ベスト出したときにリバースをやってうまくいったので、今回も賭けのつもりでやってみたが、ファウルとなってしまった。やはり賭けではなく安定してできるようになることが大事。これからしっかり練習していこうと思う。
世界大会で投げてみて、「わりと通用するな」という印象を持った。自己ベストを出していれば、決勝にも残ることができる試合だったので、自信にはなったし、その半面、記録を出せなかったことは悔しい。「最後まで冷静に」というところが、もうちょっと足りなかったなと思う。

◎河添千秋(松山北高3年・愛媛)
女子三段跳 予選A組 記録なし
踏み切りを合わせることができず、3回ともファウルになってしまった。しかし、3本のうちの2本は目標としていた13mを超える跳躍ができていたので、インターハイではしっかり踏み切りを合わせて、13mを確実に超えていきたい。
体調は万全の状態で臨めていた。身体が普段よりもすごく動いていて、調子がよかったのだが、そのせいで助走をしっかり合わせることができなかった。1回目のファウルのあと、助走を下げて修正しようとしたのだが、それ以上に身体が動いてしまって合わなかった。本当に悔しい。
今の自分の力では、まだまだ通用しなかったので、これからもっと練習して、また、こういう大会に選んでもらえるよう頑張って、そこで1位を取れるように頑張りたい。

◎日本(塩見、青野、関本、川田)
女子4×400mR 予選2組3着 3分36秒70
・1走:塩見綾乃(立命館大1年・京都)
800mで9番だったぶん、マイル(4×400m)に懸ける思いは強かったのだが、マイルでも同じ9番を取ってしまって、すごく悔しいというのと、日本チームはリレーがあってことのチームだと思っているので、そこで結果を残せなかったことはすごく悔しい。1走は、アジアジュニアでも任されて、そのとき前半から飛ばしていったら、外国人選手も気にならないくらいのスピードが出たので、今回もそれくらい飛ばしていったが、やはりアジアと世界とでは、相手のスピードが違って、なかなか追いつくことができなかった。でも、300mくらいのところで日本のチームの方が「後半、後半」と声をかけてくださったので、「自分の強みは後半や」と思って追い上げることができた。そこはよかったと思う。

・2走:青野朱李(山形中央高3年・山形)
200mのときに気になっていた足がウォーミングアップのときに痛くて、ほとんどアップができていない状態だった。不安に思いながら臨んでいたが、前の人にしっかりついていく走りができて、いい走りができたのではないかと思う。
いつもは第3コーナーあたりからギアを上げていくのだが、少し疲れていたので、第4コーナーで切り替えて上げていくようにした。1回抜くことはできたが、また抜き返されてしまったので、そこはもう少し腕を振って粘れたらよかったなと思う。世界の厳しさや壁の高さを痛感した大会だった。

・3走:関本萌香(早稲田大1年・秋田)
私の弱点は、前半で興奮してスピードを出しすぎて、後半ガタ落ちするところ。400mHのレース展開を同じように、前半は落ち着いて入って、400mHではできなかった後半の勝負を今日はするつもりで臨んだ。前半はよかったが、後半で(前に)追いつけなかったことが、3着という結果につながったと思う。
自分のなかでも動けてはいたと思うのだが、0.2秒(で決勝進出)と考えると、自分のところでもっと縮めたかったなというのが、今一番の正直な感想。

・4走:川田朱夏(東大阪大1年・大阪)
自分自身の走りはすごく調子がよくて、前半から前を詰めていくことができた。後半も離されずにすんだので、前半も後半もいい走りができたので、自分の走りに悔いはない。
あと0.2秒で決勝進出ならず。4人だったら、どうにかできる差のはずだが、でも、これが今の力だと思う。また、ジャパンで走るときは、もっと先頭集団に食らいついていけるように頑張りたい。

◎日本(森、澤、後藤、白尾)
男子4×400mR 予選1組3着 3分10秒06
・1走:森 周志(北海道栄高3年・北海道)
日本のために走ったので、個人のレースよりも自信を持って走ることができた。自分のレースよりも落ち着いて走れて、けっこうタイムも出ていたので、自分のやるべきことはけっこうできたかなと思う。いい走りはできたのではなかと思う。もっと強いレベルまで達して、しっかり走れるようになったらまたチャレンジして、今度こそは勝っていきたい。

・2走:澤 大地(草津東高3年・滋賀)
インターハイもマイルで出場するが、2走の経験があまりないので、コーチから、僕のところがカギになると言われ、いろいろ教えてもらった。「2走でしっかり流れをつくって…」と言われていた。
前半はいつもより飛ばしていけといわれたので、けっこう頑張ったが、後半、ジャマイカに抜かされたのはちょっと悔しい。でも、「勝てなくはない」と思うことができた。もっと、力をつけて戻ってきたい。

・3走:後藤颯汰(五島高3年・長崎)
とりあえず前でつないでいこうと、前の選手に思いついていった。でも、前半を前につきすぎてしまって、最後、力がいるところで離されてしまったので、もうちょっと前半を飛ばしておけばよかったのかなと思う。

・4走:白尾悠祐(順天堂大1年・群馬)
(昨日の400mH準決勝後、体調を崩したが)その影響はなく、疲労もとれて万全の状態だった。前が近かったので、最後で差そうかなと思っていたが、考えが甘くて、相手も後半ためていた。それで相手のペースに持っていかれて、ちゃんとしたレースができなかった。チームのためにやらないといけないポジションだったが、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。

◎吉田唯莉(筑波大1年・石川)
女子100mH 準決勝2組5着 13秒55(+0.9)
自己ベストを出せなくて、すごく悔しかった。ずっと前半に課題を置いた練習をしてきたが、やはり前半で置いていかれるような、いつものレース展開になってしまった。そこはこれから反省して、練習すべきだなと思う。
あまり周りを意識することはなかったが、ただ、「置いていかれっぱなしだな」ということは感じていた。
終盤は、ドリルでやっている刻みの感じとかはよかったが、タイミングのずれなど、ちゃんと練習してきたところが発揮することができなかったような気がする。
選んでいただいて、ここまで来たのに、自己ベストも更新できずに終わったことは、自分としては本当に悔しいことなので、しっかり反省して、次の練習に生かすしかないなと思う。まずは自分の100mの走力アップ。11秒台で走れるような身体づくりをすることが目標になってくる。加えて、技術の面も磨いていきたい。




文:児玉育美(JAAFメディアチーム)


▼第17回U20世界陸上競技選手権大会▼

http://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1265/

▶1日目:チームJAPAN最初の入賞者は、ダイヤモンドアスリートの髙松智美ムセンビ

▶2日目:日本、メダルラッシュ!走・跳・投で、「金」「金」「銀」!

▶3日目:泉谷駿介、U20日本歴代3位の快走見せ、男子110mHで銅メダル獲得!

▶4日目:高良彩花、セカンドベストの跳躍で、銀メダルを獲得!

▶5日目:男子棒高跳・江島雅紀、5m55の今季ベストで銅メダル!

▶最終日:吉田選手が3000mSCで過去最高の5位入賞!日本は、金2、銀2、銅2、入賞11の成績


第17回U20世界陸上競技選手権大会
開催日:2018年7月10日(火)~15日(日)
会場:フィンランド・タンペレ

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