このページでは、第101回日本選手権の記録や数字に関しての少々(かなり?)マニアックな「みどころ」などを紹介します。
★福島千里選手の連勝記録
福島千里選手(札幌陸協)が100mは2010年から7連勝中(08年も優勝で計8回)、200mが11年から6連勝中(09年も優勝で計7回)。ということで、「両種目V」も6連勝中。100・200m二冠V6は、98年から03年の新井初佳さん(ピップフジモト。)と並んでトップタイ。今回も二冠を制すれば単独トップに立つ。
★日本人の大会最高記録
両種目とも大会記録は、1991年にデービスさん(バハマ)がマークした11秒29と22秒73。日本人の「実質的大会記録」は、ともに福島選手で11秒30(10年)と現日本記録の22秒88(16年)。
2007年から09年に丹野麻美さん(現姓・千葉)が3連勝(04・05年も2連勝で計5回優勝)したあと、10年からの7年間は毎年違う選手が「初優勝」を飾っている。16年に勝った青山聖佳選手(大阪成蹊大3年)が連勝すれば、大学生選手の連覇は、04・05年の丹野さん(福島大)以来12年ぶりとなる。
★福島大関係者の優勝
福島大関係者が02年から16年までの15年間で10回を制している。
400mと同様に、2010・11年に岸川朱里選手が連勝したあと16年までの5年間は、毎年異なる選手が「初優勝」を飾ってきた。16年に17年ぶりの高校生チャンピオンとなった福田翔子選手(松江北高→島根大)はエントリーしていないので、今回も「連覇」の可能性はなくなった。
★今シーズン負け知らずの北村夢選手
15年2位の北村夢選手(日体大4年)が今シーズンは負け知らずで6月3日には日本歴代4位の2分02秒52をマークした。「2秒台」が出たのは、すべての競技会を含めて12年以来5年ぶり。日本選手権での「2分03秒切り」は、現日本記録(2分00秒45)である05年の杉森美保さん(当時、京セラ。現姓・佐藤)まで遡らなければならない。
★国立大関係者が強い女子800m
400mの福島大とともに、この種目でも国立大学関係選手の活躍が目立つ。16年の決勝に出場した8人のうち4人が国立大の現役生。03年以降の14年間のうち、国立大の関係選手が9回を制している(優勝した時点では「高校生」だったが、16年に勝った福田選手も国立大に進学し、これを含めると14年のうち10回となる)。
2012年から3連勝の陣内綾子選手(九電工)、15年に勝った須永千尋選手(資生堂)、連覇に挑む木村友香選手(ユニバーサル)が至近5大会の優勝経験者。陣内選手が勝てば優勝回数が4回となって、井上美加代さん(70~74年)と並び2位タイに。須永選手・木村選手が勝てばどちらも2回目で、木村選手が2連勝ならば、この種目での連覇は8人目(うち1人は外国人)となる。
★日本人の大会最高記録
大会記録の4分07秒77は1991年にチドウさん(ルーマニア)が出したもの。日本人の最高記録は、2006年から5連勝した吉川美香さん(パナソニック)が初優勝した時で、「同タイム着差あり」で2位だった小林祐梨子さん(須磨学園高)も同じ4分11秒00。
2013年から4連勝中の尾西美咲選手(積水化学)がV5となれば、連勝記録で並んでいる福士加代子選手(ワコール。04~07年)を突き放して単独トップに立つ。優勝回数のトップは、福士選手の計6回。
2016年は鈴木亜由子選手・関根花観選手の日本郵政グループのコンビで「1・2位独占」だった。この種目での同一チームの上位独占は1984年にヱスビー食品が「1~3位独占(横須賀久乃さん・佐々木七恵さん・橋本泰子さん)」、01年のノーリツによる「1・2位独占(岡本治子さん・小崎まり選手)」、14年のヤマダ電機による「1・2位独占(西原加純選手・竹地志帆選手)」で計4回。日本郵政勢が今回も上位を独占して2年連続となれば、史上初のこととなる。
2011・12年と木村文子選手(エディオン)が2連勝し、そのあとは紫村仁美選手(佐賀陸協。16年から東邦銀行)、木村選手、紫村選手、木村選手と交互に優勝してきた。木村選手が勝てば5回目の優勝(80mHの時代を含め歴代4位タイ)、紫村選手ならば3回目で歴代6位タイとなる。
2007年から14年まで8連勝、16年も勝って最多9回優勝の久保倉里美さん(新潟アルビレックスRC)が現役を退いたが、その前の吉田真希子さん(5連勝/00~04年。優勝6回/00~06年)と合わせて福島大関係者が00年から16年までの17年間で実に15回もタイトルを獲得してきた。
★吉田&久保倉コンビのあとに
06年からの福島大関係者の連勝を15年にストップをかけたのが中大卒業の吉良愛美選手(アットホーム)で、12年から16年まで5年連続入賞(1位1回、2位3回、6位1回)を継続中。吉田さんと久保倉さんの偉業を引き継ぐ立場にある福島大卒業生の青木沙弥佳選手(東邦銀行)は、05年から16年まで11年連続入賞(2・3位各4回、4・5・7位各1回)を継続中。
★日本人の大会最高記録
大会記録の55秒78はルーマニアのカルタスさんが91年にマークしたもの。日本人の最高記録は、久保倉さんの55秒81(11年)。
2006年にこの種目が採用されてから11年まで6連勝。それ以降も毎年出場している早狩実紀(みのり)選手(京都陸協)が今回もエントリー。1972年11月29日生まれでレース当日(24日)は、44歳6カ月と26日。今回の日本選手権出場者で男女全種目を合わせて最年長の選手だ。優勝は3000mSCの6回の他、800mと1500mで1回ずつ(ともに96年)で計8回。入賞回数は、92年から14年までの23年間で上述の3種目に3000mを加え計25回(1位8回、2位4回、4・5位各2回、6位1回、7位2回、8位1回/800m5回、1500m11回、3000m1回、3000mSC7回)にもなる。
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォートキシモト
◆チケット情報
http://www.jaaf.or.jp/jch/101/ticket/
★アクセスマップ
http://www.jaaf.or.jp/news/article/10216/
★第101回日本陸上競技選手権大会特設サイト
http://www.jaaf.or.jp/jch/101/
【100m・200m】
★福島千里選手の連勝記録福島千里選手(札幌陸協)が100mは2010年から7連勝中(08年も優勝で計8回)、200mが11年から6連勝中(09年も優勝で計7回)。ということで、「両種目V」も6連勝中。100・200m二冠V6は、98年から03年の新井初佳さん(ピップフジモト。)と並んでトップタイ。今回も二冠を制すれば単独トップに立つ。
★日本人の大会最高記録
両種目とも大会記録は、1991年にデービスさん(バハマ)がマークした11秒29と22秒73。日本人の「実質的大会記録」は、ともに福島選手で11秒30(10年)と現日本記録の22秒88(16年)。
【400m】
★大学生の青山聖佳選手の連覇なら12年ぶり2007年から09年に丹野麻美さん(現姓・千葉)が3連勝(04・05年も2連勝で計5回優勝)したあと、10年からの7年間は毎年違う選手が「初優勝」を飾っている。16年に勝った青山聖佳選手(大阪成蹊大3年)が連勝すれば、大学生選手の連覇は、04・05年の丹野さん(福島大)以来12年ぶりとなる。
★福島大関係者の優勝
福島大関係者が02年から16年までの15年間で10回を制している。
【800m】
★過去5年間は「初優勝」400mと同様に、2010・11年に岸川朱里選手が連勝したあと16年までの5年間は、毎年異なる選手が「初優勝」を飾ってきた。16年に17年ぶりの高校生チャンピオンとなった福田翔子選手(松江北高→島根大)はエントリーしていないので、今回も「連覇」の可能性はなくなった。
★今シーズン負け知らずの北村夢選手
15年2位の北村夢選手(日体大4年)が今シーズンは負け知らずで6月3日には日本歴代4位の2分02秒52をマークした。「2秒台」が出たのは、すべての競技会を含めて12年以来5年ぶり。日本選手権での「2分03秒切り」は、現日本記録(2分00秒45)である05年の杉森美保さん(当時、京セラ。現姓・佐藤)まで遡らなければならない。
★国立大関係者が強い女子800m
400mの福島大とともに、この種目でも国立大学関係選手の活躍が目立つ。16年の決勝に出場した8人のうち4人が国立大の現役生。03年以降の14年間のうち、国立大の関係選手が9回を制している(優勝した時点では「高校生」だったが、16年に勝った福田選手も国立大に進学し、これを含めると14年のうち10回となる)。
【1500m】
★誰が勝つのか?2012年から3連勝の陣内綾子選手(九電工)、15年に勝った須永千尋選手(資生堂)、連覇に挑む木村友香選手(ユニバーサル)が至近5大会の優勝経験者。陣内選手が勝てば優勝回数が4回となって、井上美加代さん(70~74年)と並び2位タイに。須永選手・木村選手が勝てばどちらも2回目で、木村選手が2連勝ならば、この種目での連覇は8人目(うち1人は外国人)となる。
★日本人の大会最高記録
大会記録の4分07秒77は1991年にチドウさん(ルーマニア)が出したもの。日本人の最高記録は、2006年から5連勝した吉川美香さん(パナソニック)が初優勝した時で、「同タイム着差あり」で2位だった小林祐梨子さん(須磨学園高)も同じ4分11秒00。
【5000m】
★尾西美咲選手のV5なるか!?2013年から4連勝中の尾西美咲選手(積水化学)がV5となれば、連勝記録で並んでいる福士加代子選手(ワコール。04~07年)を突き放して単独トップに立つ。優勝回数のトップは、福士選手の計6回。
【10000m】
★日本郵政勢が2年連続「1・2位独占」なら史上初2016年は鈴木亜由子選手・関根花観選手の日本郵政グループのコンビで「1・2位独占」だった。この種目での同一チームの上位独占は1984年にヱスビー食品が「1~3位独占(横須賀久乃さん・佐々木七恵さん・橋本泰子さん)」、01年のノーリツによる「1・2位独占(岡本治子さん・小崎まり選手)」、14年のヤマダ電機による「1・2位独占(西原加純選手・竹地志帆選手)」で計4回。日本郵政勢が今回も上位を独占して2年連続となれば、史上初のこととなる。
【100mH】
★2012年から木村文子選手と紫村仁美選手が交互に優勝、今年は?2011・12年と木村文子選手(エディオン)が2連勝し、そのあとは紫村仁美選手(佐賀陸協。16年から東邦銀行)、木村選手、紫村選手、木村選手と交互に優勝してきた。木村選手が勝てば5回目の優勝(80mHの時代を含め歴代4位タイ)、紫村選手ならば3回目で歴代6位タイとなる。
【400mH】
★吉田真希子&久保倉里美コンビで福島大関係者が17年間15タイトル2007年から14年まで8連勝、16年も勝って最多9回優勝の久保倉里美さん(新潟アルビレックスRC)が現役を退いたが、その前の吉田真希子さん(5連勝/00~04年。優勝6回/00~06年)と合わせて福島大関係者が00年から16年までの17年間で実に15回もタイトルを獲得してきた。
★吉田&久保倉コンビのあとに
06年からの福島大関係者の連勝を15年にストップをかけたのが中大卒業の吉良愛美選手(アットホーム)で、12年から16年まで5年連続入賞(1位1回、2位3回、6位1回)を継続中。吉田さんと久保倉さんの偉業を引き継ぐ立場にある福島大卒業生の青木沙弥佳選手(東邦銀行)は、05年から16年まで11年連続入賞(2・3位各4回、4・5・7位各1回)を継続中。
★日本人の大会最高記録
大会記録の55秒78はルーマニアのカルタスさんが91年にマークしたもの。日本人の最高記録は、久保倉さんの55秒81(11年)。
【3000mSC】
★1972年生まれの最年長・早狩実紀選手2006年にこの種目が採用されてから11年まで6連勝。それ以降も毎年出場している早狩実紀(みのり)選手(京都陸協)が今回もエントリー。1972年11月29日生まれでレース当日(24日)は、44歳6カ月と26日。今回の日本選手権出場者で男女全種目を合わせて最年長の選手だ。優勝は3000mSCの6回の他、800mと1500mで1回ずつ(ともに96年)で計8回。入賞回数は、92年から14年までの23年間で上述の3種目に3000mを加え計25回(1位8回、2位4回、4・5位各2回、6位1回、7位2回、8位1回/800m5回、1500m11回、3000m1回、3000mSC7回)にもなる。
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォートキシモト
<第101回日本陸上競技選手権大会 チケット発売中!>
◆チケット情報
http://www.jaaf.or.jp/jch/101/ticket/
★アクセスマップ
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★第101回日本陸上競技選手権大会特設サイト
http://www.jaaf.or.jp/jch/101/