2017.06.20(火)その他

【記録と数字で楽しむ日本選手権】男子フィールド編

このページでは、第101回日本選手権の記録や数字に関しての少々(かなり?)マニアックな「みどころ」などを紹介します。



【走高跳】

★過去12年間は東海大と筑波大の関係者が優勝
2005年から16年までの12年間、東海大と筑波大の関係者(現役生or卒業生)が優勝している(東海大関係者7回、筑波大関係者5回)。14年からは筑波大関係者が3連勝中。筑波大大学院出身の衛藤昂選手(AGF)が連勝すればこの種目では史上15回目(14人目)となる。

★10年連続入賞継続中
高張広海選手(日立ICT)は、2007年から16年まで10年連続入賞を継続中。

【棒高跳】

★5m60以上を4人がクリアすれば史上最高
5m60以上をクリアしたことがある歴代7人のうち現役の4人が出場。前回の日本選手権では、澤野大地選手(富士通)、荻田大樹選手(ミズノ)、山本聖途選手(トヨタ自動車)が揃って5m60をクリアし、試技内容で澤野選手が優勝、荻田選手と山本選手が2位となった。同一競技会で5m60を日本人3人がクリアしたのは、すべての競技会を含めて史上初だった。この3人に5月7日に5m61のジュニア(U20)のアジア新記録をマークした江島雅紀選手(日大1年)が加わり前回を上回るハイレベルな「空中戦」が注目される。5m61以上を3人、5m60以上を4人がクリアすれば、史上最高となる。

★36歳、29歳、25歳、18歳の対決の行方は?
1999年からの優勝回数が11回でこの種目で歴代最多優勝の36歳の澤野選手が連勝すればその記録をさらに伸ばすことになり(2位は沢田文吉さんの9回/1942~54年)、自身4回目の連勝(1999・2000年、03・04年、06~09年)となる。25歳の山本選手ならば、12・13年以来3回目。29歳の荻田選手ならば15年に続き2回目。18歳の江島選手ならば、99年の澤野選手以来18年ぶりの大学1年生優勝となる。なお、江島選手は澤野選手が初優勝した1999年の3月6日生まれで、決勝が行われる23日で18歳3か月と17日。澤野選手(1980年9月16日生まれ)が99年に優勝した時は、19歳と17日でこれを9か月上回る。古い時代の選手の生年月日は不明だが、少なくとも50年前まで遡っても「18歳」の選手がこの種目で優勝したことはない。

【走幅跳】

★親子3人での日本選手権制覇なるか!?
1999年1月23日生まれで、試合当日(24日)で18歳5か月と1日の橋岡優輝選手(日大1年)が5月26日の関東インカレで8m04をマークし日本人の「史上最年少8mジャンパー」となった。橋岡選手が優勝すれば、父・利行さん(棒高跳で7回優勝/1985~94年)、母・直美さん(旧姓・城島。100mHで2回、三段跳で3回優勝/1991~96年)に続き親子3人での日本選手権制覇となる。また、この種目における18歳での優勝は、日大の先輩である1990年の森長正樹さん(1972年3月27日生まれ。18歳3か月と26日。3回優勝/1990~2000年)以来27年ぶりのことにもなる。

★優勝の行方いろいろ
2014年・16年にも勝っている嶺村鴻汰選手(富士通)が連覇を果たせば3回目の優勝。菅井洋平選手(ミズノ)ならば5回目で、歴代の優勝回数は単独3位に(トップは8回の臼井淳一さん/1978~87年)。大岩雄飛選手(スポウエルAC)ならば、2013年以来2回目。下野伸一郎選手(九電工)ならば初で、福岡大関係者としてもこの種目で初優勝となる。

【三段跳】

★大学生の連覇なら37年ぶり
4月29日に日本歴代6位となる16m87を跳んだ山本凌雅選手(順大4年)。山本選手が2連覇を決めれば、この種目での大学生としての連勝は1978年から80年に3連勝した中西正美さん(日体大)以来37年ぶりとなる。それ以前の大学生の連勝は、25~29年に5連勝した日本人初の五輪金メダリストである織田幹雄さん(早大)まで遡らなければならない。

★親子チャンピオン
リオ五輪の代表となった山下航平選手(福島陸協)が制すれば、日本記録(17m15/1986年)保持者で7回の優勝(85~96年)を飾っている父・訓史(のりふみ)さんに続く「親子チャンピオン」となる。

★2016年日本10傑平均記録は史上最高
上述の山下訓史さんの日本記録は30年以上破られていないが、2016年の「日本10傑平均記録」は史上最高だった。日本選手権での16m00以上の最多は7人(04年)、8位入賞ラインの最高は15m93(04年)なので、これらの更新にも期待!

【砲丸投】

★畑瀬聡選手が優勝すると
日本記録(18m78)保持者の畑瀬聡選手(群馬綜合ガードシステム)が2012年から5連勝中。6連勝で11回目の優勝となれば、優勝回数でトップに並んでいる青木正純さん(越ケ谷ク/1968年から10連勝)を上回り単独1位となる。また連勝記録でも単独2位に進出。11年に欠場したのを除き00年から16年まで16回入賞(1位10回、2位5回、3位1回)している。

★日本人の大会最高記録
大会記録の19m02はニコラエフさん(ソ連/1990年)が持っているが、日本人による最高記録は、畑瀬選手の日本記録18m78(2015年)。

★17mオーバー最多なるか?
17m00以上をオーバーした人数の歴代最多は、2016年の7人。今回は、これを上回る参加資格記録を有する選手が10人エントリーしている。「2016年日本10傑平均記録」も史上最高なので、ハイレベルな投げ合いが期待できそうだ。

【円盤投】

★連勝&連続入賞
堤雄司選手(群馬綜合ガードシステム)が2014年から3連勝中。4連覇&5回目の優勝となれば、連勝記録も優勝回数も歴代3位タイとなる。歴代トップは、ともに畑山茂雄選手(ゼンリン)で連勝が7(1999~2005年)、優勝回数が11(1997~2013年)。畑山選手は、1997年から2016年まで「20年連続入賞」。

★最も長く破られていない日本記録
1979年4月22日に川崎清貴さん(大昭和)が投げた60m22は、男女全種目を含めて最も長く破られていない日本記録だ。大会記録の64m20は、1991年にナイジェリアのオルコジュさんが出したが、日本人の最高は堤選手の60m00(2016年)。

★8位入賞ライン
8位入賞ラインが最も高かったのは2016年の52m45。50m00以上を最も多くが投げたのは2015年の13人(50m24)。日本記録は38年前のものだが、2016年の日本10傑平均記録は史上最高で、全体的なレベルは確実にアップしている。参加資格記録で52m00以上が16人、エントリーした21人全員が50mラインをオーバーしている。

【ハンマー投】

★「室伏抜き」でもレベルアップ
1995年から2014年まで前人未到の「20連勝」を成し遂げた室伏広治さん(ミズノ)が2016年の日本選手権(12位)を最後に現役を退いたが、2016年の「日本10傑平均記録」は、「室伏抜き」でも歴代最高の「68m262」となった。これを示すように日本選手権での8位入賞ラインが最も高かったのも16年の66m28で、11位までが65mラインをオーバーした。さらに16年大会は、4位から19位までのすべての順位で「順位別最高記録」が更新された。

★9年連続2位の土井宏昭選手
今回はエントリーしていないが、「20連勝」の室伏さんの4学年下の土井宏昭選手(流通経大ク)のお話を少々。土井選手は、室伏選手の圧倒的な強さの前に「優勝」こそないが2002年から10年まで「9年連続2位」となっている。これは男女全種目を含めての「連続2位」と「2位の回数」の歴代最多である。この他にも土井選手は、1999年から2016年の18年間のうち、3投ファウルで記録なしだった13年を除き17回入賞(2位9回、3位5回、4位2回、5位1回)している。



【やり投】

★新井涼平選手の4連覇なるか!?
新井涼平選手(スズキ浜松AC)が2014年から3連勝中。4連勝となれば、00年から11年まで12連勝(13年にも優勝して計13回)の村上幸史選手(スズキ浜松AC)には遠く及ばないが、山本久男さん(69~72年)と並び連勝記録の歴代2位タイとなる。

★13回優勝、19回入賞の村上幸史選手
村上選手は97年から16年までの20年間で、故障で欠場した99年を除き19回入賞(1位13回、2位3回、5位1回、6位2回)している。「たら、れば」になるが12年の4投目にディーン元気選手に8㎝差で逆転負けをしていなければ、14連勝となるところだった。

★8位入賞ラインの歴代最高更新なるか?
この種目の「2016年日本10傑平均記録」も史上最高で、男子の投てき4種目はすべて従来の最高値を上回った。日本選手権での70mラインオーバーの最多は12人(15年)、8位入賞のレベルが最も高かったのが73m23(13年)だ。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォートキシモト

<第101回日本陸上競技選手権大会 チケット発売中!>



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