2022.07.15(金)
【オレゴン世界選手権】トラック種目事前会見コメント:サニブラウン・三浦・田中が世界の舞台での抱負を語る
「オレゴン2022世界陸上競技選手権大会」開幕を7月15日に控えて、日本陸連は前日の7月14日に、会場となるオレゴン州ユージーンのヘイワード・フィールド近くに設営されたアシックスホールのメディアセンターにおいて事前会見を行いました。
3回に分けて実施された会見には、1回目でサニブラウンアブデルハキーム選手(Tumbleweed TC、男子100m、4×100mリレー)、三浦龍司選手(順天堂大学、男子3000m障害物)、田中希実選手(豊田自動織機、女子800m、1500m、5000m)の3名が臨んだほか、午後から行われた2回目では、女子マラソンに出場する一山麻緒(資生堂)、松田瑞生(ダイハツ)、新谷仁美(積水化学)の3選手が、続いて行われた3回目では、男子マラソン代表の鈴木健吾(富士通)、星岳(コニカミノルタ)、西山雄介(トヨタ自動車)の各3選手が登壇。ここまでのトレーニングの状況や本番に向けての抱負を、それぞれに語りました。
第1部に登壇したトラック種目3選手のコメントは、以下の通りです。
【第1部(トラック種目)選手コメント】
■ サニブラウンアブデルハキーム(Tumbleweed TC:男子100m、4×100mリレー)
昨年の東京オリンピックは(故障の影響で、200m予選敗退に終わる)悔しい思いをした大会だった。今回、オレゴンに入って、選手村の雰囲気は例年(の世界選手権)とは少し異なりオリンピックのときの雰囲気に似ているような感じがしたが、いろいろな国の選手たちを見たことで、「この大会に戻ってきたな」と実感している。今年は、やっと身体の調子が戻ってきて、「これから」というところなので、今回の世界選手権は、ものすごく楽しみ。自分より速い選手たちがいっぱいいるなかで、自分の力を発揮していけることにワクワクしている。
昨年はケガで精神的に弱った部分もあったが、そこを経たことで、精神面は強くなってきたなと感じている。いつも練習でチームメイトからも言われていることでもあるが、この競技はメンタル(が重要)だと思っている。この大会では、そこを大事にしていきたい。
調子が良くても悪くても、やるべきことはやらなきゃいけない。そこはあまり気にせず、しっかり自分の走りができるように、今日、ここからしっかり調整して、明日のレースに挑めれば…という思いでいる。
■三浦龍司(順天堂大学:男子3000m障害物)
東京オリンピックでは、(7位入賞を果たしたことで)自信をつけることができたし、タイムの面でも満足するような結果(予選で8分09秒92の日本新を樹立)を得ることができた。今回は、それを踏まえての国際大会ということで、ワクワクしているし、すごくポジティブな気持ちで臨むことができている。
初の国際大会だった東京オリンピックを経験したことで、メンタル面のコントロールができるようになったと思う。緊張する思いをコントロールしたり、その場の空気に呑まれることなく、そこをプラスに変えることができるようになったりしたことは、東京オリンピックによって成長できたところといえる。
この世界陸上では、まずは決勝に行けないと自分のなかでは満足できないと思っている。そこを突破したい。また、東京オリンピックの決勝では、(高いレベルの国際レースの雰囲気に)呑まれてしまったという反省がある。そこに対抗できるように、いろいろなレース展開があったなかでも勝ち抜けること、最後まで勝負に残るということにこだわってやっていきたい。
自分は、高校3年生のときに、この地で合宿をさせてもらったことがあったので、オレゴンに着いたときは、「懐かしい」というか「帰ってきたな」というか、「また、ここに来られたんだな」という思いをすごく感じた。体調は、いつも通りに来ているし、うまく調整できていると思っている。イブニングセッションでのレースで、気温やコンディションなどがどうなるはよくわからないが、いつものようにルーティンをこなして、まずは決勝につなげるというところが大事。そこに(ピークを)合わせられるように、体調をしっかりと合わせていきたい。
■田中希実(豊田自動織機:女子800m、1500m、5000m)
昨年のオリンピックでの成績(1500mで8位に入賞。準決勝では3分59秒19の日本新記録を樹立)は、自分のなかでも大きなものとなったわけだが、世界陸上に向けては、それが弾みになりつつ、プレッシャーにもなっている。今年は、その(結果を得た)1500mから始まることに緊張を感じるが、そこを乗り越えたら、昨年の(オリンピックのように)楽しめた気持ちが戻ってくるのではないかと思っている。3種目あるが、まずは明日の最初の1本(1500m予選)に全力を注ぎ込むような気持ちで臨みたい。
今回、日本選手団のテーマは「チャレンジ」。800mについては“タナボタ”の感もあるが、私にとっては、今回3種目での出場となったことは、まさにチャレンジになってくるかなと思っている。緊張している気持ちを忘れるくらいの過密スケジュールでチャレンジし続けることで、結果的に、今年の日本選手権のときのように、大会期間全体で1つのレースのように取り組むことができたらなと思っている。
昨年の東京オリンピックを経たことで、アスリートとしては目指す部分が大きくなったかなと感じている。最低限(の目標)に入賞を掲げるまでには至っていないものの、昨年の成績(1500m8位)は意識してしまうし、「決勝に残らなくちゃいけない」という気持ちは今まで以上に強くなっている。だからこそ、チャレンジ精神を持つことが大切で、チャレンジする気持ちを持って楽しむことができさえすれば、また1つの自信になって、来年以降に繋がる大会になるのではないかと考えている。具体的な成績というよりも、中身の部分を大事にすることを大切にしたい。
※コメントは、記者会見における各競技者の発言をまとめました。より明確に伝えることを目的として、一部、修正、編集、補足説明を施しています。
写真:フォート・キシモト
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
>>オレゴン2022世界陸上競技選手権大会 特設サイト
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