2021.05.11(火)
【READY STEADY TOKYO】男子3000mSCで三浦が18年ぶりの日本新記録で参加標準突破/400mHで3人が参加標準突破!
東京オリンピックのテストイベント「READY STEADY TOKYO-陸上競技」(以下、RST)が5月9日、ワールドアスレティックス(WA)がダイヤモンドリーグに次ぐ国際主要競技会として世界各国で展開している「WAコンチネンタルツアー」の最高峰に当たる「ゴールド」大会と併催する形で、東京・国立競技場で行われました。大会は、東京オリンピック本番を見据えて、モーニングセッションとイブニングセッションの2部構成がとられ、テストイベントのオペレーション種目として行われた男女16種目の大半をモーニングセッションに、WA コンチネンタルツアーゴールド種目の男女17種目をイブニングセッションに編成するタイムテーブル。外国人競技者20名(このうち9名が今大会のために海外より渡航。残る11名は国内在住競技者)を含む全420名のアスリートが出場しました。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト
イブニングセッションで実施されたWA コンチネンタルツアーゴールド種目は、次から次へと決勝が行われ、注目選手が出場してくるタイムテーブル。そのなかで、“大きな打ち上げ花火”が上がったかのような強烈なインパクトを与えたのが、男子3000mSC決勝でした。昨年7月に、参加標準記録(8分22秒00)を上回って日本歴代2位となる8分19秒37の学生新記録・U20日本新記録をマークしていた三浦龍司選手(順天堂大学)が、2003年に樹立された日本記録8分18秒93(岩水嘉孝)を18年ぶりに塗り替える8分17秒46の日本新記録を樹立して優勝したのです。
国内の競技場では珍しい内水濠(日本の国内で多く見られるトラックの外側ではなく、トラックの内側に水濠が設置されている仕様)でのレースとなりましたが、三浦選手は、最初の障害を越えたところでトップに立つと、1000mを2分47秒で通過。中盤でいったん先頭を譲る場面もあったものの、2000m手前で再び先頭に出ると、以降は一人でレースを進めていく形となりました。ラスト1周となったところでスピードを切り替えると、終盤で2位(8分21秒10)に浮上したフィレモン・キプラガット選手(愛三工業)以下を寄せつけずにフィニッシュ。2000mを5分37秒で通過してからは、最後の1000mを2分39秒に引き上げる圧巻の走りで、この種目での東京オリンピック参加標準記録突破者第1号となりました(※昨年の記録は、マークした期日が、WAが新型コロナウイルス感染拡大による格差をなくすべく設けていたオリンピック参加資格有効期間外に該当するため、突破の対象外となる)。3位でフィニッシュしたのは、終盤で順位を上げてきた山口浩勢選手(愛三工業)。昨年の日本選手権を制した際に出した日本歴代5位記録(8分24秒19)を引き上げ、参加標準記録に0.39秒まで迫る8分22秒39をマークしました。さらに、4位には、兵庫リレーカーニバルの2000mSCで日本最高記録を樹立していた阪口竜平選手(SGH)も、自己記録を5秒92も更新する8分23秒93(日本歴代6位)でフィニッシュするなど、レベルの高いレースとなりました。
フレッシュな面々が高い水準の記録をマークして上位を占める結果となったのは、男子400mH。大学1年生だった昨年に急成長を見せ、U20日本歴代3位の49秒19をマークしていた黒川和樹選手(法政大学)が、日本記録(47秒89、2001年)保持者で同じ法政大学出身の為末大さんを彷彿とさせるような序盤からの飛び出しを見せて、大きくリード。終盤で追い上げてきた豊田将樹選手(富士通、2019年ドーハ世界選手権代表)、さらには最終ハードルを越えてからの猛追が目を引いた山内大夢選手(早稲田大学)から逃げ切り、48秒68で優勝したのです。2位で続いた山内選手が48秒84、3位の豊田選手も48秒87と、3選手が48秒台をマークするハイレベルなレースとなりました。これにより男子400mHは、この大会は4位(49秒45)だったものの、すでに標準記録を突破済みの第一人者、安部孝駿選手(ヤマダホールディング)も含めて、4選手が東京オリンピック参加標準記録(48秒90)を突破することに。また、黒川選手の48秒68は学生歴代5位タイで、日本歴代では安部選手の自己記録に並ぶ10位タイとなる記録。山内選手の記録も学生歴代6位となる好記録でした。なお、このレースでは、5位の岩﨑崇文選手(新潟アルビレックスRC、49秒64)、6位の川越広弥選手(JAWS、49秒76)もパーソナルベストを更新。出場した9名中5名が自己記録を更新しました。
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