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2026.09.18(金)選手

【記録と数字で楽しむアジア大会】日本人選手のこれまでのメダル獲得と名古屋の展望:女子中長距離



9月23日(水・祝)から29日(火)までの7日間、「愛知・名古屋2026アジア競技大会(第20回アジア競技大会)」の陸上競技が名古屋市瑞穂公園陸上競技場で行われる。

日本での開催は、1958年・東京、1994年・広島に続き32年ぶり3回目となる。

ここでは、日本人選手のこれまでのメダル獲得の話題を中心に「記録と数字で楽しむ2026名古屋アジア競技大会」をお届けする。
現地のスタンドでの生観戦、テレビやネット配信での観戦のお供にしていただければ幸いである。

なお、各種目の展望的な「名古屋では」の記事については、原稿締め切りの都合で他国のエントリーがほとんど判明していなタイミングで書いた。そのため、記事に名前がある選手がエントリーしていない可能性もある。
・外国人選手と日本人現役選手の敬称は略。過去の選手も文章中以外のデータでは敬称略。
・2026年の記録は、9月8日判明分。


女子800m

・予選/28日 20:20
・決勝/29日 19:50


・この種目が実施されたのは1962年から。
・大会記録/1.59.02 M・マツコ・ムカシェワ(カザフスタン)2014.10.01 仁川
・日本のメダル数/獲得年
金:2/62、74
銀:4/62、66、70、74
銅:1/66
・日本人の「金」は、田中千鶴子(62/愛知学芸大)、河野信子(74/ユニチカ)。
・74年の河野信子さんは、1600mRとの2冠。
・個人での連覇は、66・70年のハナ・シェジフィー(イスラエル)が唯一。
・国としての連覇は、上記以外に中国(90・94)、インド(98・02)、カザフスタン(10・14)がある。
・同一国による金銀独占は、62年と74年の日本、90年と94年の中国の計4回。
・金銀独占以外の同一国の複数メダルは、66年の日本(銀銅)のみ。
・日本がいずれかのメダルを獲得すれば、1974年以来52年ぶりとなる。

◆名古屋では

日本選手権1・2位の久保凛(積水化学。1分59秒52/25年)と塩見綾乃(岩谷産業。2分01秒01/25年)がアジアの頂点に挑む。

25・26年の至近2年間のベスト記録ではトップが1分58秒26のN・ジェプコスゲイ(バーレーン/26年)で17年にケニアから国籍変更した選手。
91年7月14日生まれで35歳。21年2月から3年間ドーピング違反で資格停止処分を受けていた。ベストは、24年の1分57秒69。1500mも26年6月に3分57秒61の自己ベストをマークし元気だ。

久保の日本記録1分59秒52が2位。2分00秒08の呉洪嬌(中国/25年)が3位。2分00秒台のインドの2人が続き、塩見の2分01秒01(25年)は6位である。

この種目での日本のメダルは52年前の河野信子さん(ユニチカ)と井上美加代さん(宮城・鼎が浦高教)による金銀独占が最後。
どの色であってもメダルを獲得すれば52年ぶりのこととなる。
本命のジェプジェプコスゲイがどんな走りをするかにもよるが、「金」と「複数メダル」であれば言うことなしだ。
また競り合いの中での日本新にも期待したい。


女子1500m

・決勝/26日 22:15


・この種目が実施されたのは1970年から。
・大会記録/4.06.03 S・ラニ(インド)2002.10.10 釜山
・日本のメダル数/獲得年
金:なし
銀:2/70、06
銅:1/02
・日本人の最高は「銀」で、井上美加代(70/日体大)、小林祐梨子(06/兵庫・須磨学園高)。「銅」は、市川良子(02/テレビ朝日)。
・個人での連勝は、M・Y・ジャマル(バーレーン)の3連覇(06・10・14)が唯一。これを含めて、バーレーンは、23年まで5連勝中。他の国では、北朝鮮(78・82)、中国(90・94)、インド(98・02)が連覇している。
・同一国による金銀独占は、中国が3回(74、90、94)、バーレーンが2回(14、18)。
・金銀独占以外の複数メダル獲得は、北朝鮮が78年と82年にいずれも金と銅。インドが98年に金と銅。23年にバーレーンが金と銅というのがある。

◆名古屋では

1500m・5000m・1万mの3種目にエントリーしている田中希実(豊田自動織機。3分59秒19/21年)の2種目め。もうひとりは道下美槻(積水化学。4分10秒48/26年)でともに初出場。

田中は19年からの世界選手権と五輪には何らかの種目で6大会にすべて出場しているが、アジア競技大会への出場は初めて。
アジア選手権には17年(1500m=4位)、19年(5000m=5位)、23年(1500m=1位)に出場している。
田中は、24日21:25/10000m、26日22:15/1500m、28日20:43/5000m と1日毎のスケジュール。

25・26年の至近2年間のベスト記録では、3分57秒61のN・ジェプコスゲイ(バーレーン/26年)がトップで、田中の4分03秒00(26年)が2位。
以下、4分06秒28の李春輝(中国/25年)、4分06秒75のA・ディヤニ(インド/26年)と続き、4分10秒48の道下は6番目。
金メダル争いは、ジェプコスゲイと田中の一騎打ちになりそう。「大会新」は間違いないだろう。

田中が「金」ならば日本にとってこの種目では初となる。
銀か銅ならば2006年以来20年ぶりとなる。道下もベストを出せればメダルに手が届きそうな位置にいる。


女子5000m

・決勝/28日 20:43


・1978~94年は3000m。1998年から5000m。
・大会記録/14.40.41 孫 英傑(中国)2002.10.12 釜山
・日本のメダル数/獲得年
金:なし
銀:4/94、02、06、23
銅:2/82、98
・日本人の最高である「銀」は、弘山晴美(94=3000m/資生堂)、福士加代子(02/ワコール)、杉原加代(06/パナソニック)、廣中璃梨佳(23/日本郵政グループ)。
・個人での連覇は、3000m時代のキム・オクスン(78・82/北朝鮮)のみで5000mではいない。
・国としての連覇は、上記以外に3000mで中国(90・94)、5000mでは中国(02・06)、バーレーンが10・14・18年と3連勝している。
・同一国の金銀独占は、3000mで北朝鮮(82)、5000mでは14年のバーレーンが唯一。
・金銀独占以外の同一国の複数メダルは、3000m時代の78年の中国(銀銅)、90年と94年の中国(金銅)。5000mでは10年のインド(銀銅)がある。

◆名古屋では

1500m・5000m・1万mの3種目にエントリーしている田中希実(豊田自動織機。14分29秒18/23年)の3種目め。
24日21:25/10000m、26日22:15/1500m、28日20:43/5000mで2日おきのレースの締めくくりとなる。

もうひとりは日本選手権で最後に田中を抜き去った山本有真(積水化学。14分59秒89/26年)。
山本は23年杭州大会に続いての出場でこの時はメダルと6秒96差の4位。
愛知県豊田市立前林中、岡崎市の光ヶ丘女高、名城大の出身なので地元でのレースとなる。前回逃したメダルを故郷の地で手にしたい。

25・26年の至近2年間のベスト記録では、バーレーンのW・ヤビの14分30秒06(26年)がトップで田中の14分34秒10(25年)がこれに続き、14分58秒71がカザフスタンのN・ジェルト(25年)に山本までが14分台。
ヤビは3000mSCの23年世界選手権と24年五輪のチャンピオンでベストは世界記録に0秒07と迫る8分44秒39(24年/世界歴代2位)、ジェルトは22年世界選手権の3000mSCチャンピオンでベストは8分53秒02(22年/世界歴代7位)。
ともにケニアから国籍変更した選手で27日に3000mSCで激突したあとの5000mになるのかもしれない。
なおジェルトは20年に10kmロードを29分51秒で走っているので5000mも14分台前半の力がありそうだ。

これに前回チャンピオンのP・チャウドハリー(インド。15分04秒26/26年)もからんでくるかもしれない。

自己ベストでは田中14分29秒18(23年)がトップ。94年までの3000m時代を含めて日本は「金」を獲得したことがないので史上初に期待がかかる。


女子10000m

・決勝/24日 21:25


・この種目は、1986年から実施。
・大会記録/30.28.26 孫 英傑(中国)2002.10.08 釜山
・日本のメダル数/獲得年
金:2/98、02
銀:3/86、02、23
銅:5/90、94、98、14
・日本人の「金」は、川上優子(98/沖電気宮崎)、福士加代子(06/ワコール)。
・個人による連覇はいない。国としての連覇は、86年から3連勝の中国が唯一。
・同一国による金銀独占は、90年と94年の中国、10年のインドの計3回。
・金銀独占以外の同一国の複数メダルは、日本は98年と06年の金と銅。中国は、86年と02年の金と銅がある。

◆名古屋では

1500m・5000m・1万mの3種目にエントリーしている田中希実(豊田自動織機。30分54秒40/25年)の最初の種目。

ライバルになりそうなのは、25年のアジア選手権を制したD・ジェプケメイ(カザフスタン。30分48秒44/25年)。
22年にケニアから国籍変更した選手でもともとは3000mSCがメインで世界ジュニアで金(12年)と銅(14年)を獲得している。

25・26年のベストでは、30分48秒44のD・ジェプケメイ(カザフスタン/25年)、30分54秒40田中(25年)の順。
24年以前を含めて31分30秒00以内の自己ベストで現役を継続していると思われるのは、30分17秒64のC・キプキルイ(カザフスタン/22年)のみ。といっても、26年は36分41秒73なので「ファンラン」で走っているのかもしれない。
中国勢は、マラソン以外の長距離種目には誰もエントリーしていない。

メダル争いは日本vsカザフスタン(ジェプケメイ)ということになるのかもしれない。ただし、1万mに記録を持っていないバーレーン、インドなどの有力選手が参戦してくる可能性もあるかもしれない。

日本が「金」ならば、02年以来24年ぶりとなる。


女子3000m障害物

・決勝/27日 21:22


・この種目は、2010年から実施。
・大会記録/9.18.28 W・ヤビ(バーレーン)2023.10.02 杭州
・日本のメダル数/獲得年
金:0
銀:0
銅:1/10
・日本人のメダルは、10年の早狩実紀(京都光華AC)の「銅」が唯一。
・大会記録保持者のW・ヤビ(バーレーン)が個人での唯一の2連勝中で、バーレーンは14年から3連勝中。
・同一国による複数メダルは、23年のインドの「銀銅」が唯一。

◆名古屋では

自己ベスト記録ではアジア歴代1・3位のW・ヤビ(バーレーン。8分44秒39/24年=世界歴代2位)とN・ジェルト(カザフスタン。8分53秒02/22年=世界歴代7位)が抜けている。いずれもケニアからの国籍変更選手。

次が9分12秒46(25年)のインドのP・チャウドハリー、9分15秒77(22年)のカザフスタン選手、齋藤みう(パナソニック。9分24秒72/25年=日本記録)は5位。
9分39秒28(22年)の西山未奈美(三井住友海上)は7位。
齋藤と変わらないベスト記録の中国勢は誰もエントリーしていない。

8分台のヤビは23年世界選手権と24年五輪のチャンピオン、ジェルトは22年世界選手権の3000mSCチャンピオン。

齋藤がメダルを獲得するには、23年杭州大会2位で同年のアジア選手権を制し25年も2位だったインドのチャウドハリーに競り勝たなければならない。5000m15分04秒26を6月にマークしているが、齋藤も15分11秒台で2回走っているので基本の走力は劣っていない。
この種目のレジェンドともいえる早狩さん以来16年ぶりのメダルの可能性は十分にありそうだ。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
©️JOC


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愛知・名古屋2026アジア競技大会(第20回アジア競技大会)

開催日:2026年9月23日(水)~29日(火)
会場:愛知・名古屋市瑞穂公園陸上競技場
特設サイト:https://www.jaaf.or.jp/asian-games/2026/


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兼 北京2027世界陸上競技選手権大会 日本代表選手選考競技会」
開催日:2027年6月11日(金)~6月13日(日)
会場:大阪・ヤンマースタジアム長居
特設サイト:https://www.jaaf.or.jp/jch/111/

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