
第110回日本選手権(日本選手権)が、6月12~14日に開催されます。会場となるのは、本年9月末に予定されている愛知・名古屋2026アジア競技大会(アジア大会)の舞台となる名古屋・パロマ瑞穂スタジアム。アジア大会の日本代表選考会としての実施で、1週前に行われた男女混成競技(十種競技、七種競技)および別会期で実施される男女10000mを除く34のトラック&フィールド種目の決勝が行われます。自国開催となるアジア大会の代表選考争いは、優勝者が、本大会終了段階でアジア大会設定記録をクリアしている場合は、即時内定されることになっており、数少ない代表切符の座を巡って、激戦が繰り広げられそうです。
開幕前日となる6月11日には、補助競技場が開放され、エントリー選手たちが最後の調整練習に取り組みました。また、夕刻には、スタジアムにおいて大会前日会見も実施。男子100mの前回覇者である桐生祥秀選手(日本生命、男子100mにエントリー)と、女子100m・200mで前回2冠を獲得している井戸アビゲイル風果選手(東邦銀行、女子100m・200mにエントリー)の2名が出席し、これまでの経過や現在のコンディション、大会に向けての抱負を述べたのちに、メディアからの質問に答えました。
以下、各選手のコメント(要旨)をご紹介します。
【各選手コメント(要旨)】
※会見対応順に掲載井戸アビゲイル風果(東邦銀行)
エントリー種目:女子100m、女子200m
今大会に向けては、しっかりと練習を積んでくることができた。(100m・200mの2種目出場いうことで)本数の多いなかで、しっかりとタイムを狙っていきたいということで、体力面もスピード面も強化して、練習に取り組んできた。
目標とするのは、100mはアジア大会の派遣設定記録(11秒29)を突破すること。また、200mでは自己ベスト(22秒79=日本記録。2026年に2回更新))に近づけるよう、しっかり狙っていきたいと思っている。
(2冠を獲得した昨年から)今シーズンにかけて変わったなと感じているのは、身体つき。去年よりも少し大きくなって、1歩1歩の力が大きくなったので、そのぶん推進力につなげていくことができるようになっている。また、全体的な走りの構成をしっかりと冬季から考えて、シーズンまでつなげてくることができている。それは、とても大きなことではないかと思っている。
9月に開催されるアジア大会は、私の地元である愛知で行われるので、本当に楽しみ。大会に向けて、しっかり準備できたらなと思っている。また、ここは高校時代の3年間、ずっと走ってきたスタジアムなので、すごく楽しみ。会場の雰囲気を楽しみながら、自分に集中して頑張っていきたい。
新装された競技場は、かなり進化していて、びっくりしている。しかし、高校の3年間、仲間とともに県大会からずっと戦ってきたところなので、スタートラインからの景色が同に見えるのかがすごく楽しみに思っている。
桐生祥秀(日本生命)
エントリー種目:男子100m
今シーズンは、100(m)としては、これが3本目のレース。ここまでいい感じに調子も挙がってきている。昨年は優勝しているので、明日は2連覇を目指していきたい。
日本選手権がこのスタジアムで行われるのは、(2016年100回大会以来)10年ぶり。当時を振り返ってみると、リオオリンピックの選考会としての開催で、自分としても初のオリンピックを懸けたレースだったので初々しさがあり、気持ちとしては楽しいというよりは、100%悔しいレースで終わった(※100mを10秒31、-0.3で3位)。
しかし、今回に関しては、10年前と違ってちゃんと調整していて、いい感じで来ている。(メイン)競技場は変わったけれど、サブグラウンドは(あまり変わっておらず)“懐かしいな”という思いを持ちながら、今日も調整した。
昨年の世界陸上に続いて、2年連続しての自国開催の国際大会。去年が、東京世界陸上だったので、気持ちとしては、僕は楽だと感じている(笑)。もちろん、どちらも大事だが、気持ちの面では、やっぱり去年とは全然違うので、その思いを持って、明日・明後日を迎えたい。
すでにアジア大会派遣設定記録(10秒15、セイコーゴールデングランプリでマーク)は出しているので、優勝すれば内定は得られるが、もちろんタイムももっと出さないといけないので、タイムと勝負と、どちらも狙っていきたい。
Q:キャリアを重ねてきるなかで、20代など若いころと比べて“成長した”と感じている点はあるか? との問いに。
桐生:技術としては、年齢を重ねるうちに上がってきている。また、スタート前の気持ちであったり、走っているときの風景だったりは、(昔とは)全然違っている。10代で臨んだ初めての日本選手権では、あたふたしながら走って、山縣さん(亮太、現セイコー)に負けたという記憶があるのだが、最近は、「こういうレースをしっかりしよう!」ということが、スタートラインに立ったときとゴールとで、同じ気持ちで行くことができている。タイム的にも、自己ベストは出ていないが、アベレージは上がっている。このアベレージを、さらに一段階引き上げ、自己ベストと日本記録を出すことが、最初から言っている今年の目標である。
大会記録は、ハキームくん(サニブラウンアブデルハキーム選手、当時フロリダ大学、東レ。ダイヤモンドアスリート修了生)が2019年に出した10秒02なので、やっぱりそこを目指して走りたい。予選、準決勝、決勝のどれで狙うかは、走ってみないとわからないが、気持ち的には“そういうのを更新する”という勢いで行きたいと思っている。
大会初日の6月12日は、13時20分にスタートする女子円盤投決勝から競技開始。トラックでは、14時05分から行われる女子100m予選が、また跳躍種目は14時からスタートする女子棒高跳決勝が最初の種目となります。1日目は、フィールド種目を中心に8種目の決勝が行われ、2・3日目にはどちらも13種目の決勝が実施されるタイムテーブル。また、3日間を通じて、昨年から導入されたメダリストセレモニーが、競技終了後に行われる予定です。
日本陸連では、公式ホームページ内に日本選手大会サイトを特設。タイムテーブルやスタートリスト、結果速報、テレビ放映やライブ配信のスケジュール、大会展望企画など、競技を楽しむためのさまざま情報を掲載しているほか、劇場アニメ『ひゃくえむ。』とのコラボレーション企画や、大会会場の情報、期間中に予定されているサブイベントや無料配布情報、グッズ販売をはじめとする会場に設営されるブースなども詳しく紹介しています。ぜひ、お役立てください。
第110回日本選手権 大会特設サイト
https://www.jaaf.or.jp/jch/110/文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
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