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2026.05.09(土)大会

【日本グランプリシリーズ静岡大会】第41回静岡国際陸上レポート&コメント/男子800mで落合晃が日本新

日本グランプリシリーズ第5戦静岡大会となる「第41回静岡国際陸上」が5月3日、WA(ワールドアスレティックス)コンチネンタルツアーブロンズ大会を兼ねて、静岡県袋井市の小笠山総合運動公園静岡スタジアム(エコパスタジアム)において開催されました。

16のグランプリ種目(男子8、女子8)が実施された今大会では、男子800mで落合晃選手(駒澤大学)が、日本人初の1分43秒台突入となる1分43秒90でフィニッシュ。自身が保持していた日本記録を大きく更新する快走を見せたほか、女子3000m障害物で日本記録保持者の齋藤みう選手(パナソニック)がパフォーマンス日本歴代2位となる9分31秒83で圧勝、また、男子400mハードルでは、黒川和樹選手(住友電工)が日本歴代8位に浮上する48秒50の自己新記録で制し、好調な滑り出しを見せるなど、盛り上がりました。

次回の日本グランプリシリーズは、2026年5月10日(日)大阪大会「第13回木南道孝記念陸上競技大会」です。
▼大会ページ
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/2045/


落合、800mでアジア歴代4位の1分43秒90!
自身の日本記録を大きく更新!


夕方から雨の予報が出ていたこともあり、エコパスタジアムは朝から雲が広がる1日に。気温は11時の段階で26℃を上回っていましたが、その後は少しずつ下がり、一方で湿度が徐々に上がっていく条件下となりました。

日本陸上界にとって歴史の扉を開く記録が誕生したのは、トラック2番目のグランプリ種目として、正午すぎに行われた男子800mです。競技は3組タイムレース決勝で行われ、3組目に出走した落合晃選手(駒澤大学)が、日本人で初めて1分44秒を切る1分43秒90でフィニッシュ。自身が、滋賀学園高3年時の2024年インターハイ決勝でマークした1分44秒80の日本記録を、大きく塗り替える快走を見せたのです。これは、アジア歴代4位に浮上する好記録。これにより落合選手は、今季世界リストでも5番目に名前を連ねることとなりました。

レースは、田母神一喜選手(IIIFTC)が500mまでペースメーカーを務める展開となったなか、4レーンに入った落合選手は、300mまでは3番手に位置。ホームストレートで2番手に浮上すると、田母神選手にぴたりとつく形で400mを51秒で通過していきます。そして、田母神選手がレースを離脱した500mからは、単独走でレースを進める展開となりました。600mを1分17秒前後で通過すると、700mは1分30秒前後と、自身が日本記録を樹立したときを大きく上回るタイムで駆け抜けていきます。最後の100mもしっかりとスピードを維持。自己記録を一気に0.9秒更新してフィニッシュを迎えました。

レース後、感想を尋ねられて、まず「(大学1年目の)1年間、ベストを更新できずに来ていたので、日本記録を出せて、嬉しい気持ちとホッとする気持ち」と述べた落合選手。「この冬は、しっかり練習を積むことができていたので、この静岡で日本記録を出すつもりで準備してきた」と声を弾ませました。2月に行われたアジア室内(中国・2位)が、ラストの200mに課題を残す結果だったことから、「そこからは、練習でもラスト150m・100mのところをすごく意識してやってきた」そうですが、もともと「去年のレース結果で、ラスト200mを26秒で上がれないと、タイムも結果もついてこないことがわかったので、この冬はずっとそこを意識してトレーニングを積んできた」とのこと。「練習では25秒台で走れる練習が積めていたので、今日のレースでも、(1周目を)50~51秒台でも入っても、余裕度を持ちながら走ることができた。冬の成果が出たかなと思う」と振り返りました。

アジア室内で銀メダルを獲得して以降は、屋外では3月末の日体大記録会で1500mに出場。学生歴代7位となる3分38秒60の自己新をマークして、この静岡国際を迎えていました。これで静岡国際は、U20日本記録でグランプリ初優勝という衝撃的なデビューを飾った2024年から3連覇。日本記録保持者となって出場した昨年も、パフォーマンス日本歴代2位となるセカンドベストをマークして学生記録を樹立しています。そして今回は、“世界水準”がぐんと近くなる1分43秒台に突入。相性の良いこの大会で、最高の滑り出しをみせる形となりました。

「世界の選手を見ても、(1分)42秒台、41秒台というところがコンスタントに出している。このタイムに満足することなく、まだまだベストを更新していきたい。今シーズンは、アジア大会優勝が一番の目標。そこに向けて、さらに磨きをかけていきたい」と落合選手。5月31日に行われるMDCを経て、6月の日本選手権に向かう予定です(落合選手のコメントは、別記ご参照ください)。

なお、このレースでは、2位となった松本純弥選手(成洋産業)も、自身初の1分45秒台となる1分45秒64をマークして、アジア大会派遣標準記録(1分46秒28)をクリア。社会人1年目に出した自己記録を3年ぶりに更新するとともに、落合選手、クレイアーロン竜波選手(ペンシルベニア州立大、1分45秒17、※ショートトラック)に続く日本歴代3位へと浮上する好走を見せています。

新設の女子3000m障害物では静岡出身の齋藤が貫録勝ち



今大会から実施された女子3000m障害物には、東京世界選手権で日本記録(9分24秒72)を樹立した静岡県出身の齋藤みう選手(パナソニック)が、セカンドベストでパフォーマンス日本歴代2位となる9分31秒83で圧勝し、会場に集まった地元ファンを魅了しました。

レースは、予報より少し早く降りだした雨が、次第に強まっていくなかでスタート。しかし、「アジア大会の派遣設定記録である37秒(9分37秒26)を切ることが一つの目標だった」という齋藤選手は、1周目のバックストレートでペースメーカーの前に出ると、そこからは後続との差をぐんぐん広げて独り旅でレースを展開し、1000mを3分08秒で通過していきます。4周目の水濠飛越の際にバランスを崩し、倒れ込みながら水濠に落ちるアクシデントに見舞われましたが、ほぼロスなく起き上がって競技を続行し、2000mは6分22秒(この間の1000mは3分14秒)で通過していきます。最後の1000mも3分16秒でカバー、セカンドベストとなる9分38秒83でフィニッシュしました。

レース後は、「自己記録を狙うというよりは、今の自分の最大限の走りをしたいと思っていた。2000mまで余裕があっても、ラストまで本当にわからないのがこの種目。前半、できるだけ突っ込んで、後半は気持ちをリラックスさせて最後まで走りたいなと思っていた」と、序盤から攻めるレースを展開した理由を明かした齋藤選手。実は、「地力がついた」という感覚がある一方で、スピードがついたことによって、「スピードとハードリングが噛み合わない感じがずっとあった」と言い、障害飛越のたびに足を合わせて踏み切っていました。水濠でのアクシデントも、どうやらその影響で横木にしっかり足を乗せることができていなかった様子。「水濠で転んだのは初めて。かなり痛かったです」と振り返りました。

しかし、タイムについての感想を求められると、「コケたなかでは、まあ、いいタイムかなと思っていて…」と笑顔。「今日は、(日本記録を出した)世界陸上のイメージで、しっかり最初から突っ込んでも、後半落ちないようなレースができたらいいなと思っていた。その通りの走りができたので、そこはよかったと思う」と評価しました。

4月には、日本陸連の長距離合宿で、アメリカのアルバカーキで高地トレーニングを経験。「3000m障害物だけじゃなくて、ほかの種目でも戦える選手にならないといけないというのは、常日頃思っていた。今回、日本のトップの選手たちと一緒に合宿できたことは、自分がレベルアップできる要因になっているのかなと思う。みんな努力の天才。自分が勝つためには、それ以上の努力が必要だと感じたし、追いつくためにもっと頑張らなきゃいけないと思った。それが感じられただけでも、すごい収穫だったと思う」と言います。

今年は、世界大会がないシーズンですが、アジア大会に向けては、「自分の専門種目はもちろんのこと、ほかの種目でも(日本)代表を狙えるなら、しっかり狙っていきたい」と意欲を見せる齋藤選手。「今のところ日本選手権は、1500m、5000m、3000m障害に出て、あと(5月10日に行われる)10000mの選考レースに出ようと思っている」と、4種目でアジア大会に挑戦する意向を示しました。今季は、さらにスケールアップした姿を、さまざまな種目で見せてくれそうです。

男子400mハードルは黒川が3年ぶりの自己新V
男子400mは佐藤風雅が快勝
女子走高跳は今季好調の中岡が制す



男子400mハードルには、例年のごとく、日本代表経験者が多数エントリー。決勝は3組タイムレースで行われ、3組目に入った黒川和樹選手(住友電工)が、日本歴代8位の48秒50でフィニッシュ。3年ぶりに自己記録を更新して、グランプリ優勝を果たしました。2021年東京オリンピックで世界大会デビュー。2022年オレゴン・2023年ブタペストと、世界選手権では2大会連続で準決勝進出を果たすなどの活躍を見せてきた選手ですが、2024年以降は、数多くのケガに泣かされてきました。この冬、身体つくりから見直して徹底したトレーニングに取り組んだことで、基盤を大きくパワーアップしたことが、初戦からの自己新スタートにつながったと言います。この結果、49秒46のアジア大会派遣設定記録もクリア。アジア大会での表彰台をターゲットに、まずは日本選手権で代表権獲得を目指します。

男子400mハードルでは、2~5位を占めた筒江海斗選手(ST-WAKO、48秒77)、豊田兼選手(トヨタ自動車、49秒13)、児玉悠作選手(ノジマT&FC、49秒42)、山内大夢選手(東邦銀行、49秒43)までがアジア大会派遣設定記録を突破。このあと続いていく木南記念セイコーゴールデングランプリ、そして日本選手権での戦いは、さらにヒートアップしそうです。

このほか、女子走高跳は、今季好調の石岡柚季選手(日女体大AC)が2回目の自己タイ記録となる1m86で優勝。石岡選手は、アジア大会派遣設定記録1m89のクリアをターゲットにしています。また、男子走高跳は、兵庫リレーカーニバルを2m25の自己新で制した坂井宏和選手(センコー)が2m24をクリアして、室内シーズンに2m30を跳んでいる長谷川直人選手(佐藤食品新潟アルビレックスRC)、真野友博選手(クラフティア)を押さえグランプリ2連勝を果たしました。

男子200mは、出雲陸上100m・200m2冠の重谷大樹選手(グリーンクロス)が20秒62(+0.2)で優勝。「世界リレー組」は不在ながら、きっちりと勝負強さを示した印象です。3組タイムレース決勝で行われた男子400mは、唯一45秒台となる45秒47で3組1着を占めた佐藤風雅選手(ミズノ)が快勝しました。また、激しい雨のなかでのレースとなった男子100mは、デーデー・ブルーノ選手(セイコー)が、10秒29(-0.4)で勝利しました。デーデー選手の日本グランプリシリーズ優勝は、2022年6月の布勢スプリント以来。「タイムはまだまだだけど、これから少しずつ上げていけたら」と笑顔を見せていました。


【日本新記録樹立コメント】



男子800m 落合晃(駒澤大学) 優勝1分43秒90=日本新記録

この1年、ベストを更新できずに来ていたので、日本記録を出せて、本当に嬉しい気持ちと、よかったなとホッとする気持ちがある。この冬、本当に練習を積んでくることができていて、この静岡(国際)で日本記録を出すことを狙って準備してきていた。
2月のアジア室内(2位)で、ラスト1周(※ショートトラックにつき残り200m)のところで抜かれてしまって、(そこから)加速できなかったことがすごく悔しかった。そこからの練習では、ラスト150m・100mの部分をすごく意識して取り組んできた。また、去年のレース結果から、ラスト200mを26秒で上がれないとタイムも結果もついてこないことを理解し、この冬は、そこを意識して、最後の200mを25秒台で行けるような練習をしっかり積んでくることができていた。今日のレースでも、(1周目)を50~51秒で入っても、しっかりラストで上げていけるような余裕度を持って走ることができた。本当に冬の成果が出たかなと思う
今回のレースでは、500mまでペースメーカーをしていただけるということだったので、そこからのラスト300mでの40秒切りをテーマに置き、そこでしっかり切り替えられるかを試そうと思っていた。ラスト300mの時点でまだまだ余力を持って走れていたし、残り200mのところで、「1分17(秒)」と聞こえて、「しっかりまだ切り替えられるぞ」という意識があった。そういう意味では、レースを冷静に走れていた。スピードに対する余裕度が、昨年より上がっていて、ラスト200m、100m、ラスト50mまでしっかり切り替えるという意識を持っていけたことが、結果につながったのではないかと思う。
(タイマーが)1分43秒台で止まっているのが見えたときは本当に嬉しかったし、フィニッシュした瞬間は、なんともいえない気持ちだった。(ミックスゾーンインタビューを受けている)今も、まだ実感がないというのが正直な気持ちである。
練習での手応えとしては、「1分43秒台が出てもおかしくない」とはずっと思っていたので、そのタイムが出せて、次のステップに進めるなという感じ。次は、1分42秒台というところを目指したい。このタイムが見えてくると、世界でも勝負できるかなと思う。今回、日本記録を出せるようにピークをつくったとはいえ、シーズンを通して考えると、まだまだ練習の段階。世界の選手を見ても、1分42秒台、41秒台というところをコンスタントに出していることを考えると、このタイムに満足することなく、今シーズンまだまだベストを更新できるようにしたい。次はMDC(ミドルディスタンスチャレンジ:5月31日)にしっかり合わせて、もう一段階ギアを上げられるようにしたいと思っている。今シーズンは、アジア大会優勝が一番の目標。それが実現できるよう、日本選手権も含めて、さらに磨きをかけていきたい。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト


セイコーゴールデングランプリ陸上2026東京

2026年5月17日(日)、MUFGスタジアム(国立競技場)にて開催!
世界王者・ノア ライルズ選手(USA)の出場で話題沸騰!

どこを見ても世界最高峰のパフォーマンスが繰り広げられる国立競技場。
現地観戦だからこそ感じられる熱気と緊張感があります。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております!!
<特設サイト>https://goldengrandprix-japan.com/


◆チケット情報 好評発売中!

チケットの詳細は特設サイトのチケットページ(https://goldengrandprix-japan.com/2026/ticket/)をご確認ください。




第110回日本陸上競技選手権大会

劇場アニメ『ひゃくえむ。』とコラボレーション!
2026年6月12日(金)〜14日(日)に、愛知・パロマ瑞穂スタジアムで開催。
オリジナルコラボグッズの発売、大会内での映画楽曲の使用、監督・キャストインタビューなどを予定しております!ぜひ会場で、この瞬間にしか見られない“景色”を体感してください。
<特設サイト>https://www.jaaf.or.jp/jch/110/

◆チケット情報 好評発売中!

チケットの詳細は特設サイトのチケットページ(https://www.jaaf.or.jp/jch/110/ticket/)をご確認ください。

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