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【MGCシリーズ2025-26アワード】レポート&受賞者コメント



日本陸連は3月27日、「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)シリーズ2025-26アワード」を東京都内で開催しました。アワードは2部構成で展開され、第1部としてMGCシリーズ2025-26の表彰式が、第2部では秋に開催される愛知・名古屋2026アジア競技大会(アジア大会)のマラソン日本代表内定選手記者会見が行われました。ここでは、第1部のMGCシリーズ2025-26表彰式の模様をレポートします。

>第2部レポート&コメントはこちら

MGCシリーズ」は、日本陸連が選手強化と日本のマラソン活性化および公認マラソン大会の体系化を目指して2021年に創設されたJMC(ジャパンマラソンチャンピオンシップ)シリーズを継承するマラソン年間王者(日本選手権者)を決める年間シリーズです。マラソンの日本最高峰シリーズとして実施され、日本選手権を獲得した年間王者は各年に指定された国際大会の日本代表に選出されます。また、同時に、2027年10月3日に名古屋で開催されるロサンゼルスオリンピック日本代表選考レースであるMGCへの出場権獲得の場として、さらには“最も速い”日本代表を輩出するために設定された日本代表選考枠「MGCファストパス」チャレンジの機会としてなど、2028年に控えるロサンゼルスオリンピック日本代表選考の中軸となる大切な役割も担っています。

新たな名称となって初年度となったシリーズ2025-26は、2025年3月10日からスタートし、最終戦となった3月8日までの名古屋ウィメンズマラソン2026まで、国内で開催される加盟大会(男子9戦、女子7戦)と指定大会(海外で実施されるワールドマラソンメジャーズ・WAプラチナラベルレース10戦、日本代表派遣大会である東京世界選手権)において熱い戦いが繰り広げられました。この結果、シリーズ2025-26の男女ポイントランキングによる上位8位までの入賞および新人賞が確定。この日の表彰式を迎えました。アワードには、選手関係者やシリーズ加盟大会の関係者、メディアのほか、招待により参加いただいた陸上ファン15名も出席。ポイントランキング男女上位8選手および新人賞受賞選手が表彰されました。



開会に際して、主催者を代表して日本陸連の有森裕子会長が挨拶に立ちました。まず、最前列で見守った陸上ファンに笑顔を向けてアワードへの来場を歓迎した有森会長は、続いてMGCシリーズ加盟各大会を主催する関係者に向けて、「こうやって自分が夢を持ってチャレンジする機会があること、その機会をもらえることが、どれだけ素晴らしいことなのかを、改めて今、感じている」と述べ、「選手たちは、そういった大会があるから、自分の夢や目標をしっかりと描いて、走り続けることができているのではないかと思う」と、改めて毎年の開催への惜しみない尽力に感謝の思いを伝えました。

「そして、何よりも嬉しいこと」として、「選考問題がなくなった」点を挙げ、「MGCが立ち上がって大会が行われるようになったときは、そのわかりづらさに、大会をつくる側もアスリートも報道する方々も、いろいろな意味で混乱した時期はあったと思う。しかし、確実に言えるのは、MGCが導入されてからは、(ひと昔前まで物議を醸すことが多かった)選考問題にまつわるニュースが流れなくなったということ。これは、本当に、すべての現場の人を前向きにしたのではないかと思っている」とコメント。「このシリーズができ上がったことで、選手も自分で夢・目標を描き、誰に指示されることもなく、自分の目標に向かって試合やスケジュールを組み立て、そして、自分の目指すところにしっかりと、自分の足で向かっていく、そういったことが明確にできるようになったと思っている」と述べました。そのうえで、「本日、この場に立つアスリートたちは、これが最後ではなく、あくまでも一つの過程。これらの選手たちが次にどういう走りをするか、どういう道を歩んでいくかを見守り、さらなる応援をしていただけたらと思う」と呼びかけるとともに、「私たち日本陸連としても、このシリーズをしっかりと継続して、皆さんに応援していただける大会として組み立てていきたい」と力強く締めくくりました。



そしていよいよMGCシリーズ2025-26アワード入賞者の表彰へ。表彰は女子・男子の順に行われ、選手たちは下位から順に名前を呼ばれると、それぞれにドレスアップした姿でステージに登場しました。女子は有森会長から、また男子は日本陸連強化委員会の高岡寿成シニアディレクターから、各選手に目録や日本選手権メダル、トロフィーなどが授与。表彰後には、出席した受賞者全員が一人ずつステージから挨拶を行いました。男女上位8選手の一覧と受賞者のコメントは、下記の通りです。


【MGCシリーズ2025-26 上位8選手】

<男子> 

1位 吉田祐也(GMOインターネットGrp) 2682ポイント
2位 大迫 傑(LI-NING)* 2643ポイント
3位 市山 翼(サンベルクス) 2620ポイント
4位 近藤亮太(三菱重工) 2608ポイント
5位 西山雄介(トヨタ自動車) 2600ポイント
6位 黒田朝日(青山学院大学) 2581ポイント
7位 細谷恭平(黒崎播磨)* 2578ポイント
8位 鈴木健吾(横浜市陸協)* 2564ポイント

<女子> 

1位 佐藤早也伽(積水化学) 2537ポイント
2位 細田あい(エディオン) 2484ポイント
3位 上杉真穂(東京メトロ) 2473ポイント
4位 加世田梨花(ダイハツ) 2462ポイント
5位 松田瑞生(ダイハツ) 2417ポイント
6位 大森菜月(ダイハツ) 2415ポイント
7位 川内理江(大塚製薬) 2383ポイント
8位 五島莉乃(資生堂)* 2380ポイント

*アワード欠席者


【MGCシリーズ2025-26 男女上位選手コメント】

<男子>

1位 吉田祐也(GMOインターネットGrp)
昨年に引き続き、このような場に立たせていただき、本当に光栄に思います。また、ランキング1番ということで、アジア大会に出場させていただきます。昨年の東京世界陸上に引き続き、日本代表を背負えることを感無量に思っています。(アジア大会では)金メダルを目指して、引き続き頑張ってまいります。今後ともご声援のほど、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。




3位 市山翼(サンベルクス)
本日は、このような賞をいただき、誠に嬉しく思います。自分自身、今後は日本記録を目指していきたいと思っていて、それに向けて、今、精進している途中ではありますが、好調を維持できているので、今後の結果に期待していただけると嬉しいです。初めての、(日本選手権)メダルを、この表彰でいただくことができ、とても嬉しく思います。ありがとうございます。




4位 近藤亮太(三菱重工)
本日は、このような賞をいただくことができて、大変光栄に思います。昨年は、新人賞をいただき、(その際に)「来年は、入賞できるように頑張ります」と言ったのですが、今回、このように成績を残すことができました。家族やチームメイト、スタッフ、そして応援してくださる多くの方々のおかげで、マラソンを十分に楽しみながらできています。この結果に満足することなく、さらに高い目標を立てて、それを実現できるように頑張っていきます。引き続き、応援よろしくお願いします。




5位 西山雄介(トヨタ自動車)
日ごろよりご支援・ご声援いただきありがとうございます。僕自身、3年連続での入賞となりますが、優勝を目指したなかでの優勝以外の順位なので、来シーズンは優勝できるように頑張りたいと思いますし、マラソンの日本記録というのを目標に、頑張っていきたいと思っています。僕には3歳の娘がいるのですが、マラソン(レース)を走り終えたあと、毎回「パパ、遅かったね」と言われてしまうので(笑)、来シーズンは、「パパ、速かったね」と言われるように頑張りたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。




6位 黒田朝日(青山学院大学)
本日は、このような場にご紹介いただき、本当にありがとうございます。1度目、そして2度目のマラソンチャレンジを経て、このような結果で認められたことを本当に嬉しく思っています。これからも自分の現状に満足することなく、さらなる飛躍を目指して、日々昇進してまいりますので、引き続き、応援のほど、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。




<女子>

1位 佐藤早也伽(積水化学)
このような素敵な賞をいただき、大変光栄に思っています。私は先日の名古屋ウィメンズが10回目のマラソン挑戦でした。節目となるこのタイミングで、MGCシリーズのチャンピオンになることができ、とても嬉しく思っています。ここまで支えてくださったたくさんの方々のおかげで、今の自分があります。心より感謝申し上げます。これからも挑戦を続け、応援してくださる皆さまに結果で恩返しができるように頑張ります。本日はありがとうございました。




2位 細田あい(エディオン)
3年連続でこのような賞をいただき、とても嬉しく思います。また、たくさんの応援やサポートのおかげで、今年の東京マラソンで最後の引退レースを終えることができました。この場で改めて御礼を言いたいと思います。本当にありがとうございました。今後は、陸上に違う形でかかわるので、またいろいろな貢献ができたらと思っています。ありがとうございました。




3位 上杉真穂(東京メトロ)
本日はこのような場にご招待いただき、ありがとうございます。地道にコツコツと積み重ねてきた結果が、このような形になって、とても嬉しく思っています。日頃より応援してくださっている会社の方々やチームのスタッフには、本当に感謝しています。いろいろなことに挑戦させてもらえる環境に感謝の気持ちを忘れずに、競技者としてだけでなく、人としても成長していけるようにこれからも精進してまいります。本日はありがとうございました。




4位 加世田梨花(ダイハツ)
今年もこのような賞をいただけて、大変嬉しく思います。これからも、さらに上を目指して頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。




5位 松田瑞生(ダイハツ)
このような素敵な賞をいただけて、とても嬉しく思っています。本日はありがとうございました。




6位 大森菜月(ダイハツ)
私は、MGCシリーズに挑戦して3回目のチャレンジで、やっとMGC(出場権)を獲得することができました。そして、このような賞もいただけて、本当に今、嬉しい気持ちでいっぱいです。また身を引き締めて、今回の受賞を自信に変えて、また頑張っていきたいと思います。年齢を重ねても進化できるというところを見せたいなと思っています。本日はありがとうございました。




7位 川内理江(大塚製薬)
今回、3年前に受賞して以来、2回目の受賞となります。このような光栄な賞をいただけることを、とても嬉しく思っています。私は、今年、自己記録を更新しましたが、まだまだ上位選手と差があるので、この賞を糧に、これからさらに上を目指してトレーニングに励んでいきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします。本日は、ありがとうございました。




続いて行われたのは新人賞の表彰です。新人賞は、初マラソンで日本最高記録を更新した選手に、今後のさらなる飛躍を期待し、その輝かしい実績を称えるべく贈られるものです。このMGCシリーズ2025-26においては、大阪国際女子マラソンにおいて、2時間19分57秒の初マラソン日本最高記録で4位(日本人1位)の成績を残した矢田みくに選手(エディオン)が受賞。矢田選手には、田﨑博道日本陸連専務理事からトロフィーが授与されたのちに、喜びのコメントを次のように話しました。


【MGCシリーズ2025-26新人賞コメント】

矢田みくに(エディオン)
本日は、このような場を設けてくださり、また新人賞に選出していただき、大変嬉しく思います。(初マラソン日本最高をマークした)大阪国際女子マラソンでは、(沿道からの)絶え間ない応援にたくさんのパワーをいただきましたと。今後は、そういったパワーをもらうだけではなく、自分の走りで何か一つでも勇気や感動を与えられる走りがしたいと思いました。これからも日本代表になって、上を目指せるように頑張っていきたいと思います。本日はありがとうございました。




このMGCシリーズアワードでは、昨年のまでのJMCシリーズアワードから引き継ぐ形で、MCCシリーズ加盟大会に出場したトップアスリートから市民ランナーまで全選手を対象に、さまざまな切り口から活躍した選手を紹介する特別発表を実施しています。今回は、「最多出場」「G1大会制覇者」「パフォーマンスポイントランキング(男女トップ3)」「最速タイムランキング(男女トップ3)」「初マラソン最速タイムランキング(男女トップ3)」「学生マラソン最速タイムランキング(男女トップ3)」の6部門において好成績を挙げた選手が発表され、その活躍が称えられました( https://www.jaaf.or.jp/news/article/23240/ )。

以上、第1部として用意されたMGCシリーズ2025-26アワードにおけるすべての表彰を終えたあと、第1.5部という形で、日本陸連強化委員会で長距離・マラソンを担当する高岡シニアディレクターからMGCシリーズの総括が行われました。登壇した高岡シニアディレクターは、まず「本日受賞された選手の皆さん、誠におめでとうございます」と受賞者を祝福したうえで、シリーズ2025-26を終えての総括を以下のように述べ、アワードを締めくくりました。


【MGCシリーズ総括】

高岡寿成(日本陸連強化委員会シニアディレクター)

2025-26シリーズチャンピオンとなった吉田選手と佐藤選手は、この2年間で最も安定し、最も大きく活躍した選手といえる。また、今回の受賞者の皆さん全員が、強化が求める難易度の高い再現性を高いレベルで達成したことを大変心強く思っている。
このシリーズは、各大会の主催者の皆さまのご協力なくしては成立しない。ペーサーの準備や設定、細部にわたる配慮をいただいていることに、改めて感謝申し上げる。また、昨年は、コースの誘導や給水など、突発的な課題が発生する場面もあったが、いずれも迅速に対応していただいている印象を強く受けた。常に、選手強化を第一に考え、手厚くサポートいただいたことを御礼申し上げたい。
この2025-26シリーズからは、ロサンゼルスオリンピックの代表選考レースであるMGCの出場権を争うレースとなり、シリーズ全体として、一段と盛り上がりを見せたと感じている。出場権を獲得して喜ぶ選手、あと一歩届かず涙した選手、その両方を目の当たりにし、選手たちが、また次の目標に向けて準備に入っていく姿が印象的だった。次戦に懸ける強い思いを持ち、即座に前を向く姿に、関係者含めて成長できる要素がたくさん詰まったシリーズであったと思う。

各大会では日本歴代記録が大幅に入れ替わることを期待しながら、レースを見守った。しかし、実際には、低温・高温・強風と、タイムに大きく影響する気象コンディションに、各大会が悩まされた。その結果、MGCシリーズ加盟大会においては、日本記録あるいは日本歴代記録が大きく入れ替わることはなかった。それでも男子では2時間5分台、または2時間6分台、女子は2時間21分台、2時間22分台といった好記録が生まれ、マラソン界全体の底上げが進んでいることを実感した。
今回、新人賞を獲得した矢田選手は、初マラソンにもかかわらず、2時間20分を突破して走りきっただけでなく、タイム的に格上と思われる外国人選手に対して、果敢に勝負を仕掛けていく姿が非常に頼もしく映った。名古屋ウィメンズの佐藤選手、別府大分毎日マラソンの吉田選手・黒田選手も同様に、強い印象を残した。今後は、力のある外国人選手と真っ向から勝負をして勝ちきれる選手へと成長してほしいと願っている。また、大阪マラソンの吉田響選手(サンベルクス)、東京マラソンの橋本龍一選手(プレス工業)のようにレースの前半で飛び出す勇気も、マラソンで日本記録を更新する可能性を感じさせるレースだったと思っている。
このほか、名古屋ウィメンズで日本人6位となりMGC出場権を獲得した村上愛華選手(東京メトロ、名古屋ウィメンズ日本人6位)は、トラック種目のタイムや主な実績が突出しているわけでもなく、あまり目立った存在ではなかった。現時点で代表になれる力があると言うことはできないが、このような選手が女子マラソン界の層を厚くしてくれている。今後の活躍を期待したい選手といえる。
最後に本シリーズは、今後、ファストパス有効期間の最終段階となる重要な局面となっていく。オリンピックでメダル獲得を目指すタイムなので、簡単に到達できる領域ではないが、すでにMGCの出場資格を得た選手は、ぜひ、将来のマラソン界のためにも、コーチとともにチャレンジしてほしい。チャレンジの先には、また新しい世界が待っていると信じている。改めて、シリーズ創設から本日に至るまで、多くの方々にご協力をいただいていることを感謝申し上げ、私からの総括とさせていただく。




MGCシリーズ2025-26アワードの模様は、日本陸連公式YouTubeチャンネルのアーカイブ映像で、視聴いただくことができます。こちらもご活用ください。


【アーカイブ:MGCシリーズ2025-26アワード表彰式/愛知・名古屋2026アジア競技大会 マラソン日本代表会見】



文:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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