
第109回日本選手権・ハーフマラソン競歩が2月15日、名古屋2026アジア競技大会(以下、アジア大会)および、ブラジリア2026世界競歩チーム選手権大会の日本代表選手選考競技会を兼ねて、兵庫県神戸市の六甲アイランド甲南大学西側長距離競歩路で行われました。
今年からワールドアスレティックス(以下、WA)主催の国際大会実施種目が、従来の20kmから21.0975km(ハーフマラソン)へと変更することにあわせて、本大会も今年からハーフマラソン競歩で実施されることに。上位4名がWAの設定する世界記録基準(1時間21分30秒)を上回るハイレベルな戦いとなった男子は、前回20kmの世界記録を樹立した山西利和選手(愛知製鋼)が連覇し、ハーフマラソン競歩でも世界記録保持者となりました。また、女子では、梅野倖子選手(LOCOK)が昨年の35kmに続き、ハーフマラソン競歩でも日本選手権タイトルを獲得。両選手は、アジア大会代表に内定しました。このほか、併催された第38回U20選抜競歩大会女子10km競歩では、内山由菜選手(本庄東高・埼玉)が44分46秒で優勝。同種目のU20日本記録が32年ぶりに塗り替えられました。
山西、昨年に続く「世界記録」で連覇!

会場の六甲アイランドは、この時期にしては暖かさを感じるなかで夜が明けました。日中の最高気温が16℃まで上がるという予報も出ていて、寒さよりは暑さの影響が懸念されていましたが、厚めの雲が日差しを遮ったことで体感気温は上がらず、さらに、例年は午後に向かってだんだん強くなっていく風がほとんど感じられない気象状況に。全種目を通して、好条件下でレースが行われることとなりました。
この大会は、折り返して1周1kmを回るコースで実施されていますが、日本選手権男女種目がハーフマラソンの距離(21.0975km)での実施となったことに伴い、両種目の出発点が変更されました。選手たちは、新しい出発点からスタートして97.5m歩いたうえで、コースを21周してフィニッシュを迎える格好です。こうした変化があったなか、男子ハーフマラソン競歩は、例年同様に午前8時50分に競技開始。天候曇り、気温13.5℃、湿度71%、東北東の風0.1mという気象条件のもと、オープン参加の海外選手6名を含む全81名の選手たちが、新たなスタート視点から号砲とともに飛び出していきました。
スタートしてすぐに、丸尾知司選手(愛知製鋼、2017年ロンドン世界選手権50km4位、2025年東京世界選手権20km・35km代表)、吉川絢斗選手(サンベルクス、2025年東京世界選手権20km7位)あたりがリードする形で、山西利和選手(愛知製鋼、20km世界記録保持者、2019年ドーハ・2022年オレゴン世界選手権20km2連覇)、野田明宏選手(自衛隊体育学校、2023年ブダペスト世界選手権35km6位)ら有力選手がびっしりと前方を占める形で大きな集団が形成されます。最初の1kmは、先頭に立った丸尾選手が3分55秒(以下、1kmごとのラップおよびスプリットタイムは速報値)で通過。吉川選手が前に出て3分51秒のラップを刻んだ2km地点でも25人前後がひと塊となった状態で通過していきます。その後、昨年のワールドユニバーシティ―ゲームズ2・4位の土屋温希選手(立命館大)・原圭佑選手(京都大)の学生2選手が前に出て集団を引っ張ったことで、2~3kmは3分49秒、3~4kmは3分50秒のペースに上がり、集団が2つ、3つと分断されていきました。
先頭集団は、5kmを19分18秒(以下、5kmごとのタイムは大会発表の正式記録による)、この間の1kmを3分52秒で通過してすぐに、丸尾選手が先頭に出て、そこに山西選手、吉川選手らが続く隊列に。その後、3分52秒、3分54秒、3分56秒とペースがやや落ちたことで、一時は9人まで減っていた集団が、8km地点で13人に。続く2kmは3分53~52秒のペースで落ち着き、10kmは38分46~48秒の間に13選手が通過していく展開となりました。
ここで、20kmで実施された前回大会を1時間16分10秒の世界新記録で制した山西選手が、“最初の一撃”を放ちます。10~11kmの周回を一気に8秒引き上げる3分44秒にペースアップ。ここで7名の選手が置き去りとなり、トップグループは、山西・吉川・丸尾・野田・原・古賀友太(大塚製薬)の6選手に絞られました。ここから15周目に入ったところで古賀選手が後れて、15kmは山西選手が57分40秒、ほかの4選手が57分41秒で通過します。
山西選手が、続く一撃を放ったのは16kmを過ぎた地点です。前の周回の3分49秒から、3分43秒にスピードアップしたことで集団はばらばらに。山西選手が単独トップに立ち、3秒後れて野田・吉川選手、ここから1秒後れて原選手が続き、丸尾選手は大きく離されてしまいました。山西選手はペースを緩めることなく、17~18kmを3分45秒、18~19kmを3分43秒でカバーし、19km地点で2位グループ(吉川・野田)との差を10秒に広げると、20kmをセカンドベストでパフォーマンス世界歴代でも2位となる1時間16分26秒で通過。1時間20分34秒で2年連続4回目の優勝を果たし、名古屋アジア大会の日本代表に内定しました。

なお、WAは、今年から本格的に実施されるハーフマラソン競歩の導入に際して、世界記録基準として、男子は1時間21分30秒という記録を設定。2026年1月1日以降に、これを上回ることが世界記録認定の条件としていました。56秒上回った山西選手は、この結果、20km競歩に続いて、2つめの世界記録保持者のタイトルを手にすることに。実は、2月15日は、山西選手の誕生日。30歳の誕生日を、2年連続「世界記録」での日本選手権制覇という偉業で、自ら祝う形となりました(山西選手の優勝コメントは、別記をご参照ください)。
吉川・野田・丸尾も「世界記録」でフィニッシュ!
20kmでも世界歴代トップ10にランクイン!

男子ハーフマラソン競歩では、優勝した山西選手のほかにも好記録が続出しています。2位で続いたのは吉川選手。山西選手にこそ突き放される形となりましたが、18km以降の野田選手とのマッチレースを制して、1時間20分50秒でフィニッシュ。東京世界選手権20km競歩7位入賞の意地を見せました。3位には、ロング種目を主戦場とする野田選手が1時間20分57秒で続き、ハーフマラソン競歩での活躍を期す2028年ロスオリンピックに向けて、まずまずの一歩を踏みだしました。また、4位でレースを終えたのは丸尾選手で、17km以降は苦しい戦いとなりましたが、最後まで粘りきり、1時間21分25秒でフィニッシュ。この3選手も、WAが設定した世界記録基準の1時間21分30秒を上回ったため、本大会では上位4名の結果が「世界記録」と認定されることになりました。また、5位には、東京世界選手権35km競歩で銅メダルを獲得した勝木隼人選手(自衛隊体育学校)が入り、1時間22分06秒をマークしています。
優勝した山西選手の20kmの通過が1時間16分26秒の好記録であったことは、前述した通りですが、2位以降の選手では、吉川選手が1時間16分38秒、野田選手が1時間16分42秒、丸尾選手は1時間17分03秒、勝木選手も1時間17分52秒と、それぞれに20kmの自己記録を大幅に上回る好タイムで通過。この結果、すでに3選手(山西1位、鈴木雄介2位、池田向希6位)がリスト入りしている20km競歩世界歴代10傑内に、吉川選手(3位)、野田選手(4位)、丸尾選手(9位)も加わることになりました。
また、今大会では、上記の選手に加えて、6名の選手が20kmを1時間18分台、3名の選手が1時間19分台を通過。20kmで実施されていた場合でも、1時間18分20秒をマークしないと8位入賞が叶わない状況でした。ちなみに、男子20km競歩で、WAが設定した東京世界選手権の参加標準記録は1時間19分20秒、日本陸連が独自に設けていた派遣設定記録は1時間18分30秒。これらと比べてみると、いかに高水準のレースであったかがおわかりいただけるでしょう。
なお、日本勢以外では、2024年パリオリンピック20km競歩銀メダリストで、昨年の東京世界選手権では金メダルを獲得したカイオ・ボンフィム選手(ブラジル)が今年も参加。序盤から徐々に順位を上げていくレース運びで、10kmを39分09秒、20kmはサードベストの1時間17分45秒で通過して、1時間21分44秒でフィニッシュ。オープン参加であるため順位はつかないものの5番目の位置でレースを終えています。
梅野、成長印象づける終盤の歩きで初優勝

女子は、前回の段階で、正午に近づくにつれて強まる風の悪影響を少しでも和らげるため、出発時刻を大幅に繰り上げるタイムテーブルが組まれましたが、今大会ではさらに早めて、男子が出発して1分後となる8時51分のスタートに変更されました。これによって、スタートからフィニッシュまでの気象状況は、男子と同じ条件下に。終盤で選手たちを苦しめていた風の影響もなく、ベストといえるコンディション下でのレースが実現。20kmで実施された前回大会を日本新記録で3連覇を果たし、東京世界選手権では再び日本記録を更新(1時間26分18秒)して女子競歩史上初の銅メダルを獲得する快挙を成し遂げた藤井菜々子選手(エディオン、ダイヤモンドアスリート修了生)が今大会は出場せず、また、前回2位で、20km競歩を筆頭に複数種目において、長年日本の女子競歩界を牽引し続けてきた岡田久美子選手(当時、富士通)が昨シーズンをもって第一線から退いたため、初めての日本選手権種目として実施された女子ハーフマラソン競歩は、誰が勝っても初優勝という状況のなか行われました。
オープン参加の海外選手1名を含む全54名が出場して行われたレースは、スタートしてすぐに、東京世界選手権20km競歩代表の柳井綾音選手(立命館大)が先頭へ。これに、同35km競歩代表の梅野倖子選手(LOCOK)がついたほか、大山藍選手(自衛隊体育学校)、谷純花選手(金沢学院大)ら8名ほどが先頭集団を形成しました。最初の1kmは4分41秒と、ややゆったりとした入りになりましたが、1~2kmでペースが4分31秒に上がったことで、集団はあっという間に縦長に。3kmを通過した段階で先頭は柳井・梅野・谷の3選手に絞られ、そして4kmの手前で谷選手が後れてからは、早くも柳井選手と梅野選手のマッチレースとなりました。
柳井選手は5kmを22分48秒、梅野選手が1秒差の22分49秒で通過。柳井選手は、ここから1kmを4分29~31秒前後のペースを刻み、梅野選手は淡々と柳井選手についていく展開が続きます。10kmは柳井選手が45分18秒、梅野選手は45分19秒で通過していきました。12~13kmと13~14kmで、いったん4分33秒にペースが落ちましたが、14~15kmは4分29秒に戻して15kmは1時間07分53秒(梅野選手は1時間07分54秒)で通過、次の1kmは4分30秒で回り、16kmは1時間12分23秒で通過していきました。
ここで、「“私のほうが、余裕あるかも”と感じていた」と、のちに振り返った梅野選手が、勝負に出ます。残り5kmの段階で、柳井選手の前に出て、この周回を4分24秒に引き上げると、次の周回を4分22秒までペースアップしたのです。一方の柳井選手は、「4分半から(4分)33(秒)くらいで押していって、ラスト5kmから自分も仕掛けたいと思っていた」という戦略で臨んでいましたが、梅野選手が前に出たときには「足が残っていなかった」という状態に。両者の差は徐々に開き、梅野選手が、自己記録(1時間31分02秒)を56秒上回る1時間30分06秒で通過した20km地点では、その差は43秒まで広がりました。梅野選手は最後まで4分30秒を切るペースで押しきり、1時間35秒01秒でフィニッシュ。昨年の日本選手権35km競歩に続く連覇を狙っているマラソン競歩のタイトルより先に、ハーフマラソン競歩での日本選手権を獲得することに。これにより、アジア大会代表の座も、ハーフマラソン競歩のほうで、まず内定する結果となりました(梅野選手の優勝コメントは、別記をご参照ください)。
残り5kmで梅野選手に突き放される形となった柳井選手は、「一気に、ペースを落としてしまうところが課題だった」という終盤の急落を防ぐべく、ラストは懸命に耐えて歩を進め、1時間35分57秒・2位でフィニッシュを迎えました。「4分40(秒)まで落ちてしまったけれど、そこで耐えられたところは、少し成長できたのかも」と振り返り、「学生最後の日本選手権。優勝しか目指していなかったので悔しい思いはあるが、でも、いい悔しさが残ったので、これが次のステップとなるよう頑張りたい」と前を向きました。
3位争いを制したのは杉林歩選手(大阪大)です。後方から少しずつ順位を上げていくレースを展開した杉林選手は、8kmで3位に浮上してから単独で歩を進めていた大山選手に、じわりじわりと迫って19kmで逆転。20kmでは、その差を6秒に広げて、自己記録(1時間34分47秒)を上回る1時間34分37秒で先行します。残り1.0975kmは、この差を維持したまま逃げきり、1時間39分43秒でフィニッシュ。日本選手権初メダルを手にしました。1時間39分49秒でレースを終えた大山選手も、4位は日本選手権での最高順位。20kmでは自己記録を11秒更新する1時間34分43秒で通過と、健闘しました。
U20女子10kmで、内山がU20日本新!
男子は、井上が激戦を制す

U20選抜競歩は、日本選手権終了後に男子、女子の順番で、それぞれ10kmのレースが行われました。
最終種目としてスタートした女子10km競歩では、実に32年ぶりとなるU20日本新記録が誕生しています。69人が参加して行われたレースは、最初の1周を4分33秒で入ると、以降も4分31秒、4分34秒で回るハイペースで展開し、先頭集団は4周目で早くも3人に絞られました。ここで単独でリードを奪い始めたのが、昨年のインターハイ・国民スポーツ大会ともに2位の成績を残した内山由菜選手(本庄東高・埼玉)。内山選手は、3~4kmを4分30秒で刻むと、次の周を一気に4分23秒まで引き上げて5kmを22分31秒で通過。2・3番手で続いていた石田紗也選手(玉野光南高・岡山)と奥野紗選手(関西大)に18秒の差をつけ、ここで突き放します。奥山選手は、6~8kmは4分26秒、4分29秒、4分30秒と徐々にペースを落としたものの、8~9kmを4分28秒まで持ち直すと、最後の1周は最速ラップとなる4分22秒を叩きだして44分46秒でフィニッシュ。1994年に当時順天堂大1年だった板倉美紀選手が樹立して以降、更新されることのなかったU20日本記録(44分53秒)を32年ぶりに塗り替えました(内山選手の新記録樹立コメントは、別記をご参照ください)。2位は石田選手で46分13秒をマーク、3位の奥野選手(46秒42秒)までが大会記録を更新しました。
海外からのオープン参加3名を含め、実に全118名もの選手が出場した男子10kmは、女子とは逆に、最後まで激しい優勝争いが繰り広げられるレースとなりました。序盤は20人を超える大集団で推移した先頭争いは、トップが20分38秒での通過となった5kmでも13人が一団となって進んでいく展開に。その後、井上俊弥選手(長野日大高・長野)がリードを奪って、7~8kmを一気に6秒引き上げるペースアップを図ったことで集団が解体されます。この井上選手にぴたりとついたのは及川集雅選手(保土ヶ谷高・神奈川)で、2人は8~9kmを4分00秒に上げて37分01秒で通過。最後の1kmで前に出た及川選手に今度は井上選手が食らいつき、最後まで激しく競り合う形となりました。フィニッシュでは及川選手が同タイムながらわずかに先着したものの、その後、終盤で3つめのレッドカードが出ていたためフィニッシュタイムに1分のペナルティーが加わることに。この結果、井上選手が40分49秒で優勝となり、2秒差の40分51秒で続いた山田大智選手(西脇工業高校・兵庫)と胎中隆太選手(山梨学院大)が2・3位を占めました。
【日本選手権獲得者コメント】
■日本選手権男子ハーフマラソン競歩
山西利和(愛知製鋼)優勝 1時間20分34秒 =世界記録
※アジア大会日本代表内定

まずは、(この順位がとれたことに対して)ホッとしている。最後の仕上げの段階で、切り替えのところ(の練習)がちょっとうまく行かなかったので、そのあたりへの不安感と、あとは歩型も含めて技術的な部分がどうかなという不安感との戦いだった。
16kmで(前に)出たのは、「残り5km」という区切り方から。(レース距離が従来の20kmから)ハーフマラソンの距離になったことを、「最後にプラス1km(1.0975km)」と考えるのではなく、前半が1km長くなったというイメージで臨んでいた。
レースは、去年と同様の展開を想定していた。具体的には、歩型に対する若干の不安感があったので、前半は自分との対話の時間、もしくは審判の方々との(基準の)擦り合わせの時間と捉えていた。そのなかで10kmを過ぎたものの、まだ集団が大きかったので、もう少し自然と絞られてくるのを待つ形となった。そして、最後の5~6kmの「このくらいかな」というタイミングで、世界チーム競歩の代表メンバー(候補)が5人くらいに絞られ、そのなかからアジア大会の代表2人を決めていく作業、優勝を決めていく作業となったので、ここで絞りにいこうと前に出た。正直なところ、15~16kmの段階では、(優勝争いは)もう少しもつれるかなと思っていた。
歩型に関しては、前半で少し注意(イエローパドル)が出たのと、あと16kmでペースを上げたタイミングで、立て続けに(イエローパドルが)出てしまった。(動きを)切り替えたタイミングで、どうしても悪く見えてしまう――動きが変わったことが見てとれて、しかもそれが、悪い方向に変わっているような印象を(審判に)持たれてしまっている――ところは、今後、国際大会でよりハードな勝負をしていくうえで修正すべきこと。つまり、今日の15~16kmでやったペースアップくらいでは離れないような相手と勝負するとき、どう対処していくのかを考えると、あの上げ方でカードが出てしまうようだと苦しくなってしまうので、そうならないような技術にしていかなければならないと感じている。
タイムについては、1時間16分10秒が去年の(20km競歩での)タイムなので、(20kmで)1時間15分台後半が見えてくるのであれば、(ハーフマラソンでのフィニッシュタイムは)1時間19分台になってくるし、展開もしくはコンディションなどの影響で下振れして(20kmが)1時間17分台の頭くらいで通過することになった場合は、世界記録基準(1時間21分30秒)内にぎりぎりで滑り込むくらいの幅でイメージしていた。
今日の結果でアジア大会の代表に内定したが、アジア大会は銀メダルを取った2018年ジャカルタ大会以来の出場となる。ちゃんと金メダルを取れるように(笑)、頑張りたい。昨年の世界選手権(20km)で銀メダルを取った選手(王朝朝)が出てくるかもしれないので、そういったライバルにちゃんと勝てるように頑張りたい。
■日本選手権女子ハーフマラソン競歩
梅野倖子(LOCOK)優勝 1時間35分01秒
※アジア大会日本代表内定

苦手としていた20km(に近い)、ハーフマラソンのほうで優勝することができて嬉しい。また、自分がやってきたここまでの練習が身について、ここでちゃんと結果を出すことができたなという喜びが一番にある。タイムとしては、1時間35分を目標としていたので、だいたい想定通り。20kmの通過も1時間30分06秒なので、自己記録(1時間31分02秒、2025年)を1分くらい更新できている。予定通り4分半ペースで歩けたことを評価している。
去年もそうだったが、自分はもともと(20kmでは)後半で1kmごとのラップライムが落ちてしまうことが課題だった。なので、スピードを意識した練習では、後半にかけてなるべくタイムを上げることを意識し、最後に必ずタイムを上げて終わろうと心掛けてきた。また、20kmなどロングの練習でも、最後にちょっとでもタイムを上げて終えられるように取り組んできた。そうしたことが身についてきたから、今日もラスト5kmのタイムを上げられたのかなと実感している。
レース展開も、想定していた通りにできた。自分は、最初から突っ込みすぎると、後半たれるタイプなので、最初は集団になったら2~4位あたりで淡々と歩き、ラストで勝負しようというプランだった。しかし、最初からほとんど(柳井綾音選手と)2人のレースになったので、前には出ずに少し後ろを歩く形で、最低でも10kmまではその位置でレースを進めることにした。当初はラスト3kmで仕掛けようと思っていたのだが、一度、給水で横に並んだときに自分のほうに余裕があるように感じたので、「これはいけるかも」と思い、ラスト5kmで前に出る形に変更した。
(前回の)20kmからハーフマラソンに距離が伸びたことは、自分にはそんなに大きな変化を感じなかった。(昨シーズンに)35kmをやったことで体力的なものがすごくついていて、後半にかけても体力が温存できていたし、何よりも、「1km(1.0975km)増えた、すごく長い」という感覚が全くなかった。35kmをやっていてよかったなと思っている。また、中盤過ぎまで続いた4分30秒前後のペースを、すごく楽に歩くことができたことには、自分でもびっくりしている。呼吸が上がることもなかったし、身体もすごく軽く動く感じだったので、「今日はすごく調子がいいぞ」と感じていた。それもあって、ラスト5kmで出ることにしたというのはある。
今回は、藤井さん(菜々子、エディオン、東京世界選手権20km競歩銅メダリスト)が出場されていないなかでのレースだったので、“運良く優勝できた”みたいな感じもあるが、藤井さんと同じくらいの力で勝負できるようでないと、世界での入賞というのは全く見えてこないと思っている。来年、藤井さんがいても戦えるように、これからの1年で、また力をつけていきたい。
先にハーフマラソン競歩でアジア大会の内定をいただく結果となったが、このあと、3月のマラソン競歩(日本選手権)にも出場する。そこでは去年のように淡々と自分のペースを刻み、マラソン競歩でも優勝して内定を決めたいと思っている。アジア大会をどうするかは、その後、コーチと相談して考えていくつもり。アジア大会は、当初フルマラソンでの出場を考えていたが、マラソンで出た場合は金メダルを最高目標として必ずメダル獲得を、また、ハーフマラソンに出ることになった場合は、中国の速い選手たちについていって、3位以内を目標にして歩きたい。
【新記録樹立者コメント】
■U20選抜競歩女子10km競歩
内山由菜(本庄東高3年・埼玉)優勝 44分46秒 =U20日本新記録

U20日本記録のタイムは知っていたが、記録を狙うことは特に意識はしていなかった。しかし、思っていた以上に身体がよく動いていたのと、実況で「もしかしたら、U20日本記録が出るかもしれない」と言われたので、「絶対に狙ってやろう」と思って歩いた。
今日は、1kmを4分36秒で刻んでいこうという予定で臨んでいたが、思ったよりも前半から先頭集団がいい感じのペースで行っていたことと、あとは、途中から自分で前に出て4分半をちょっと切るペースで歩くことができたのがよかったと思う。ラスト2周は、4分28秒ペースで行けば記録が出ると聞いて、「ここは上げよう!」という気持ちで頑張り、最後の1kmは4分22秒で回ることができた。結果は44分46秒というタイム。大会に向けて調子は上がってきていて、46分を切れたらいいなとは思っていたが、(目標を大きく上回るタイムに)フィニッシュしたときは、なんか本当のことなのかわからないような、信じられない気持ちだった。
実は、この大会は、去年、一昨年も出場しているが、いつも後半がボロボロで、10kmには苦手意識があった。しかし、昨年はインターハイも国スポ(国民スポーツ大会)も準優勝で、それがすごく悔しかったので、今回は絶対に優勝したいと思っていた。練習では、距離を伸ばしたほか、インターバルとかも速いスピードでやることを意識して取り組んできた。先生からは、今日も始まる前に、「走力では絶対にほかの選手に負けていないし、歩型技術面も誰よりも大丈夫なんだから、あとは気持ちの面で負けなければ絶対に行けるよ」と言われていたので、自分でもそう思って臨んだ。これまで失速していた後半で、逆に(ペースを)上げることができたので、とても自信になった。
卒業後は、順天堂大学で競技を続けることになっている。2026年シーズンは、環境が変わるので、まずはそこに慣れることを一番にやっていけたらと思っている。まだ全然、夢の夢だが、将来は世界で活躍できるような選手になりたい。
文/写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)
【LIVE配信アーカイブ】
【大会情報】
大会名 :第109回日本陸上競技選手権大会・ハーフマラソン競歩兼 愛知・名古屋2026アジア競技大会 日本代表選手選考競技会
開催日程:2026年2月15日(日)
開催会場:六甲アイランド甲南大学西側(WA認証 日本陸連公認コース)
実施種目:日本選手権 男子/女子ハーフマラソン競歩、U20選抜 男子/女子10km競歩
【競歩特設サイト】Race walking Navi
>>https://www.jaaf.or.jp/racewalking/

▼愛知・名古屋2026アジア競技大会 競歩日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202508/25_123204.pdf
【愛知・名古屋2026アジア競技大会】

>>https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/2028/
- 普及・育成・強化
- 第109回日本陸上競技選手権大会・ハーフマラソン競歩
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