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2026.01.05(月)その他

育成年代における競技会開催ガイドライン検討の進捗、および創立100周年記念事業について(メディアブリーフィングレポート 2025.10.30)



日本陸連は、10月30日、東京都内において、記者会見方式でのメディアブリーフィングを実施しました。ブリーフィングの前半では、「東京2025世界陸上競技選手権大会」についての日本陸連としての総括報告を実施し、続く後半では、現在、日本陸連が取り組みを進めている「育成年代における競技会開催ガイドライン検討」についての経過報告をしました。

>>東京2025世界陸上競技選手権大会 総括報告(メディアブリーフィングレポート 2025.10.30)


育成年代における競技会開催ガイドライン検討について

本ガイドラインの策定は、本年3月の日本陸連理事会において、2025年度中の策定を目指して進めていくことが承認された案件で、8月22日にメディアブリーフィングを開催し、「中間報告」の位置づけで、ここまで実施してきた各対応の経過と現状を説明するとともに、ガイドライン策定の中核となる競技会スケジュールと仕組み(競技会の仕様、運営方法、種目配置等)の根本改善に向けた具体的な改革案も提示しながら、その重要性・方向性の説明が行われました(https://www.jaaf.or.jp/news/article/22896/)。

その後の検討状況として説明が行われた今回は、冒頭で、田﨑博道専務理事が「育成年代の競技会のあり方、そして、待ったなしの対応が求められている暑熱下・酷暑下における競技会の是正の問題については、10月18日に高体連陸上競技専門部、中体連(陸上競技部長ら)との三者ミーティングを実施した」と述べ、「我々としては、育成期の競技会のあり方に踏み込んだ議論を望んでいたが、中体連および高体連の各陸上競技専門部の皆さんのスタンスは、日本中体連・全国高体連の方針のもとにあり、当面、全国大会である全中(全日本中学校選手権)とインターハイの開催は、これまで通り7~8月(長期休業期間中)開催以外の選択肢がないという前提で、どのように暑熱対策をし、開催していくかという立ち位置にあって、残念ながら我々が目指しているところの本質的な議論の一致点を見出すことができていない」と報告。さらに、「暑熱対策については、改正スポーツ基本法にある通りで、“全中やインターハイという全国大会を、酷暑のもとでどのように開催するのか”というステージの議論でなく、“酷暑の日本の夏に屋外スポーツである陸上競技をどのようにしていくのか”というレベルの議論が求められている」と述べ、「人員的にも、インフラ的にも大変厳しい環境にある地区予選に参加している数の生徒のほうが圧倒的に多いという事実、そして、育成期の生徒だけでなく、高齢化している競技役員のリスク、暑熱対策として2部制(モーニング、イブニング)とする結果としての体力面を含めた運営面への負担の激増などを考えると、大会が実現できるのかという、現実を直視した判断が求められていると強く思っている」と日本陸連としてのスタンスを改めて強調。そのうえで、磯貝美奈子強化部長が、これまでの経緯を再確認しつつ、2026年度以降の本連盟主催大会における暑熱対策についての陸連の考え方を、次のように説明しました。


2025年度における主催競技会の暑熱対策と2026年度の方針/磯貝美奈子(日本陸連強化部部長)



日本陸連では、暑熱下・酷暑下における競技会および陸上の活動について、本年3月の理事会において、

・WBGT31度以上で運動は原則中止とする日本スポーツ協会のガイドラインに沿って、競技会を運営する、
・特に、このガイドラインに触れる可能性の高い7~8月の競技会については、モーニング・イブニングの2部開催、夜の開催、あるいは涼しい場所での開催など、暑熱の回避が明確に認められる場合を除いて大会は主催しない、
・また、開催中にWBGTが31度以上になった場合は、運動を原則中止・中断すること、

を決定し、さまざまな形で告知を行った。さらに、陸連内では陸上という競技特性を踏まえて、医事委員会、科学委員会などの専門的な知見も加味して、具体的な対応・対策方法を各団体や各競技会運営の関係各所と話し合ってきた。

今年度は、6月に2025年度に開催する主催競技会における暑熱対策として発表した。2025年度は、競技会カレンダーがすでに決定・公開されていたことから、開催時期の変更等ができない競技会においては、可能な限りの暑熱対策を講じて、それぞれの競技会を実施してきた。
しかしながら、各地・各競技会では多くの熱中症が実際に発生しており、猛暑のもとでの運営は、選手をはじめとする参加者、そして、参加者のみならず、運営団体に大きな負担を強いることとなった。日本陸連主催として、2025年7月、8月に開催した競技会については、それぞれに詳細な気象データ、加えて、私たちおよび主管となる陸協の方々や団体の方々が実際に行った対策および結果、その課題等をまとめている。これらは、今後の参考に、また判断の材料にしていきたいと思っている。

2026年度の主催競技会における暑熱対策については、10月27日に本連盟のウェブサイトにおいて公表している(https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202510/syonetsu-2026.pdf )。方針や考え方としては、WBGT31度以上となる暑熱環境では、運動を原則中止・中断することで、これは、3月の理事会で決議された内容と変更はない。7月、8月は、その可能性が非常に高く、実際に今年の夏の競技会では、WBGT33度、34度、35度を超えることも少なくなかった。また、熱中症を発症した選手や審判、補助員の様子を、私たちも目の当たりした。実際に競技場に立って本当に危険であること、それから過去と違う状況になっていることを改めて実感するとともに、各地各所からの声も多く耳にしており、全国でそのような状況が起きていたことを把握している。

すでに各団体とも来年度の競技会日程を計画している時期だと思うが、日本陸連の主催大会に限らず、各地各競技会においても、今回、改めて示した2026年度に向けた内容を確認のうえ、危険な状況を回避した日程や運営方法などを検討していただきたい。

磯貝部長からの以上の説明のあと田﨑専務理事 が補足に立ち、今後について「引き続き、我々も関係各所に働きかけをしていくが、2026年度に行われる彦根インターハイ、山口全中などに、どうかかわっていくのか。7~8月に行う場合は、確実にWBGT31度以上にならない地域や時間帯(競技時間のみならずウォーミングアップなどすべての運動活動を含む)での開催・ストレス回避が明確に認められるかどうかを確認したうえで、陸連として主催をできるのかできないのかを理事会判断するステータスになる」と述べ、「本件については、大会を主催することの責任が大変厳しく問われている。12月の理事会で我々は、2026年度の方針について協議をしていかなければならない状況にあることをお伝えしたい」と、説明を締めくくりました。


100周年記念イベントについて

最後に行われたのは、100周年を迎えた日本陸連の記念事業と11月29日に開催するイベントについての説明です。まず、田﨑専務理事が、「日本陸連は今年3月8日に“100歳”を迎えた。1925年の設立以来、陸上競技を通じて、人を育て、社会とつながり、スポーツ文化の発展に尽力してきた。そして、この100周年の年に、東京で世界陸上を迎えたことは、まさに千載一遇の巡り合わせだったと思っている」と口火を切り、100周年に際して進めてきた記念事業の全体像の説明を行いました。
また、新たな100年に踏み出していこうという感謝、交歓、共創の場として、11月29日に国立競技場で『RIKUJO フェスティバル』を開催することを告知。「式典という形式でなく、多くのファンの方々や全国の陸協の皆さんや審判・指導者の皆さまとともに過ごせる祭典にしたいという思いから企画された」(田﨑専務理事)として、その詳細が、平野了事業部長より紹介されました。


日本陸連100周年記念事業について/田﨑博道(日本陸連専務理事)



私たちは2年前から、この100周年、そして世界陸上を日本で迎える2025年に向けて、その好機を最大限に生かせるようにと、いろいろなプランニングをしてきた。スポーツに求められる社会的責任を果たして、より良い陸上の明日を、そして陸上にかかわるすべての人が社会で輝くような未来をつくっていくために新しい「陸上」へと進化していく。その推進準備が、この100周年記念事業だったと思っている。
100周年記念事業としては4つの柱を立てた。

1.人材育成
これはすべての活動の根幹にある。ホームページには、人材育成の考え方をアップしている(https://www.jaaf.or.jp/news/article/22875/)ので、ぜひ、一度ご覧になっていただきたい。

2.機会・場の提供
これは「RIKUJO JAPAN」(https://www.jaaf.or.jp/rikujo-japan/)という活動に銘打って、2024年度からスタートさせている。本年度には「SPEED STAR 30m Dash Challenge」というイベント(https://www.jaaf.or.jp/rikujo-japan/speedstar/)も立ち上げ、5月に東京駅前の行幸通りで第1回大会を開催。500名を超える方に参加いただいた。11月8~9日には大阪駅前のうめきた広場で第2回大会を実施するほか、多くのいろいろな方面から引き合いをいただいている状況である。「RIKUJO JAPAN」の推進により、場と機会の提供を徹底的に追求し、ウエルネス陸上の実現の基盤をつくっていこうとしている。

3.組織基盤
代表的なところでは、8月末にメディアブリーフィングでも説明した「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進挙げることができる。人権ポリシーやインテグリティ行動指針を策定してオープンにし、Z世代の皆さんにワークショップをやってもらうなどの企画を実施した。「ダイバーシティ&インクルージョン」考え方を組織基盤として徹底的に推進していく。

4.バーチャルミュージアムの開設
当初は、文献を集めることをバーチャルにやっていこうというところから、「バーチャル図書館」の名前で準備をしてきたのだが、進めていくなかで「文献だけでない」ということで、「バーチャルミュージアム」に変更している。100年の歩みを、デジタルアーカイブという形にしたいと考えている。これまでの歩みをまとめて終わりというのではなく、次の100年にみんなでつなげていくことを意図している。これが完成した暁には、情報交換、コミュニケーションの空間ができているはずである。


日本陸連100周年イベント「RIKUJO フェスティバル in 国立競技場」について/平野 了(日本陸連事業部部長)



11月29日に開催する100周年イベント「RIKUJO フェスティバル」、陸上の新たな100年を築いていくために、「これまで焦点が当たりにくかった審判・指導者を含む、陸上にかかわるすべての人への感謝を」ということで「新たな感謝」、「これまでファンが体験したことのないアスリートや陸上関係者との触れ合いを」という意味で「新たな交歓」、そして、「これから陸上界を背負っていく若い世代とともに次の100年へのスタートを」という意味での「新たな共創」の3つをコンセプトにしている。

イベントは4部構成で実施する。第1部は、本連盟で実施しているリレーフェスティバルのような運動会に近い大会と国立競技場でいろいろな「陸上」に触れてもらう「陸上ファミリー大運動会」を開催する。第2部は、毎年12月にホテルで開催している「アスレティックス・アワード」を、今年は国立競技場で開催する。そして第3部が100周年セレモニー、第4部が懇親会という構成になっている。

・RIKUJOファミリー大運動会!
午前10時から4時間にわたって、次の3つのイベントを実施する。
①ミニリレフェス:毎年10月に実施していたリレーフェスティバル(リレフェス)を今年はこの100周年イベントのなかで開催する。リレフェスで人気のある「誰でもチャレンジリレー(4×100mリレー)」のほか、「100周年4×400mリレー」、さらに8月に実施したダイバーシティ&インクルージョン高校生ワークショップにおいて考案された100秒でトラック1周を4人でつなぐ「ぴたっとタイムチャレンジリレー」の3種目を実施。このリレーには、東京世界陸上の代表選手たちからも参加の表明をいただいている。
②RIKUJOスクール:小学生50名、中学生50名を対象に実施する。申し込み枠は募集後すぐに埋まる状態となり、また、東京世界陸上の代表や過去のオリンピアンが講師として参加する。
③RIKUJOパーク:競技場全体を使って実施。50m走、50mハードル、50m競歩などの測定や、普段なかなか体験できないジャベボール投や走高跳・走幅跳など跳躍種目を実施。競技場のさまざまな場所で同時進行する形で体験が可能で、それぞれの場所でトップアスリートによる簡単なレクチャーや触れ合いを楽しむことができるほか、運営の体験ということで、スターターやアナウンスなど「支える側」の体験もできるようにした。申し込み予約の400名がすぐに定員となったので、さらに200名を追加して募集を進めている。

・日本陸連アスレティックス・アワード2025
前回の大阪世界選手権が開催された2007年に始まった「日本陸連アスレティックス・アワード」は、当該年に優秀な成績を収めた競技者や、陸上を通じてスポーツ界や社会で活躍された方々を称えるとともに、陸連をご支援くださっている皆さまに感謝の意をお伝えし、日本陸上界の発展を期する会として毎年開催している。
これまではホテルなどクローズな場所での実施であったが、今回は大運動会に参加した方々のほか、だれでも無料で会場へ入場できるようにしたので、そうした方々にも見ていただける。2025年に活躍した競技者を称え、今年の日本陸上界をともに振り返る機会としたい。屋外となる国立競技場のトラック上での実施となるため、なんとか雨が降らないことを祈るという状況である。

・日本陸連100周年セレモニー
今回のイベントは、国立競技場という大きな会場を利用するため、関係者、ファン、都道府県陸協の皆さま、そのほかさまざまなステークホルダーの方々に、お声がけをさせていただいた。これまでの100年を支えていただいた皆さま、これからの未来をともに歩んでいただく皆さまへのメッセージとして、100周年メモリアル映像の放映を行うほか、文化の融合という観点で、高校生による書道パフォーマンスを予定している。

・その他:常設パネル/機材展示、100周年記念ロゴ
今回のイベントは、スタンドや競技場内の一部は無料で入場いただけることになっている。陸上を支えてくださっている都道府県陸協の方々や協力団体の展示パネル、または競技備品や世界陸上で使用した機材などに触れることができるコーナーを設置する予定である。大運動会に参加できなかった方にも、世界陸上が開催された国立競技場に無料で入場できて、トップアスリートを近くで見たり、競技機材に触れたりすることができる機会を提供したいと思っている。
また、100周年を記念して、新たなロゴを作成した。誰もが陸上を想起できるようトラックをモチーフとしながら、文字のつながりは日本陸連として歩んできた歴史を、100からさらに伸びているラインは、これから続いていく未来を表現している。また、イベント当日は、100周年記念グッズも国立競技場内で販売を予定している。

以上、11月29日に実施するRIKUJO フェスティバルの概要を紹介させていただいた。2025年は、ゴールデングランプリから始まり、日本選手権、世界選手権と、国立競技場を舞台として、陸上の熱を高めてきた。2025年の国立競技場の最後のイベントとして、このRIKUJO フェスティバルを、陸上にかかわってきた方々への感謝を表す場としたい。有料イベントについては、ほぼ完売状態となっているが、観客席など無料で入場できる場所も多くあるので、たくさんの方に来場いただきたいと思っている。

>>東京2025世界陸上競技選手権大会 総括報告(メディアブリーフィングレポート 2025.10.30)

※本稿は、10月30日に、メディアに向けて実施したブリーフィングの内容をまとめたものです。明瞭化を目的として、説明を補足する、構成を変えるなどの編集を行っています。
また、質疑応答での回答を、一部盛り込む形でまとめています。


文・写真:児玉育美(日本陸連メディアチーム)


【関連資料】

▼育成年代における競技会ガイドライン
https://www.jaaf.or.jp/pdf/about/guidelines/youth_competition.pdf

▼「育成年代の競技会ガイドライン」に関するメディアブリーフィングレポート➀
https://www.jaaf.or.jp/news/article/22896/

▼「育成年代の競技会ガイドライン」に関するメディアブリーフィングレポート➁
https://www.jaaf.or.jp/news/article/22897/

▼競技者育成指針
https://www.jaaf.or.jp/development/model/

▼日本陸連100周年コンテンツ 人材育成に関するコンテンツ





【RIKUJO フェスティバル】

>>https://www.jaaf.or.jp/100th/event/


【日本陸連アスレティックス・アワード2025】

>>https://www.jaaf.or.jp/award/2025/


【日本陸連100周年特設サイト】

>>https://www.jaaf.or.jp/100th/

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