
今年創立100周年を迎えた日本陸連は、11月29日に、『~日本陸連100周年記念~RIKUJOフェスティバル in 国立競技場』を開催しました。
このイベントは、「RIKUJOファミリー」(陸上を愛するすべての人々:トップアスリート、一般の愛好者、審判、指導者等)が一堂に会して、これまでの100年に感謝するとともに、新たな未来に向かってスタートを切る瞬間を皆で分かち合いたいという思いから企画されたものです。単なる記念式典としてではなく、ファンの方々や全都道府県陸上競技協会をはじめとする関連団体の方々、アスリートやその関係者、審判・指導者の皆さまが、みんなで楽しく過ごせる「祭典」にすることを目指し、計画・準備が進められました。
イベントは、「マザー・オブ・スポーツ」と呼ばれる陸上を、参加者とトップアスリートがともに楽しむ「RIKUJOファミリー 大運動会!」、2025年に活躍した競技者を称え、今年の日本陸上界を皆で振り返る「日本陸連アスレティックス・アワード2025」、そして、陸上に関わるすべての人々と100年の歩みを振り返り、新たな未来をともに描く「日本陸連100周年セレモニー」の3部構成で展開されました。当日は、穏やかな秋晴れにも恵まれ、会場の東京・国立競技場は、陸上を愛する人々の温かな笑顔に満ちた1日となりました。
ここでは、「第2部 日本陸連アスレティックスアワード2025」の模様をレポートします。
>>第1部:RIKUJOファミリー大運動会!レポート
第2部:日本陸連アスレティックス・アワード2025

11月29日、東京・国立競技場では、午前から実施された「RIKUJOファミリー 大運動会!」に続いて、「RIKUJOフェスティバル」第2部として「日本陸連アスレティックス・アワード2025」が開催されました。
日本陸連アスレティックス・アワードは、その年度に優秀な成績を収めた競技者や、陸上を通じてスポーツ界や社会で活躍した人々を称えるとともに、陸上を支える方々に感謝の意を伝え、日本陸上界のさらなる発展を祈念する機会として、日本陸連が2007年から毎年開催している式典です。例年は、12月中旬ごろ、東京都内のホテルを会場として、対象となるアスリートや関係者を招いて実施されています。しかし、100周年となる今年は、「できるだけ多くの関係者の皆さまにお越しいただきたい」「アワードでは、“RIKUJOファミリー 大運動会!”に参加してくださった方々と一緒に、選手たちの活躍を称えたい」「無料開放したスタンド席に足を運んでくださった皆さまにも、アワードを見ていただきたい」という思いから、「RIKUJOフェスティバル」に第2部として組み込むことに。2025年最大のビッグイベントであった東京2025世界陸上の舞台となった、東京・国立競技場で執り行い、たくさんの人々と今年の陸上界を振り返ることができるように企画されました。
屋外での開催を決めたことで、運営サイドが最も気を揉んだのが天候の問題です。「好天に恵まれてほしい」「なんとか雨だけは降らないでほしい」という祈りが通じたのが、朝から青空と穏やかな日差しに恵まれました。やや雲が増えてきた午後も、晩秋の冷え込みを感じるまでには至らず。国立競技のホームストレートは、午前中の活気に満ちた“運動会モード”から、一気に華やかな“式典モード”に切り替えられ、午後2時、2025年のアスレティックス・アワードが開幕しました。
式典は、東京2025世界陸上のテレビ中継でメインキャスターの任を果たしたTBSの石井大裕アナウンサーによる司会進行によりスタート。最初に、主催者を代表して、有森裕子日本陸連会長が挨拶に立ちました。
「陸上の聖地である、この国立競技場で、アスレティックス・アワードを行うのは初めてです。光栄な思いとともに、ちょっと緊張しながらこの場に立っています」と、本音を明かす言葉からスピーチを始めた有森会長は、本年6月からの務める会長職について、「このような役割を、まさか自分自身をするとは思っていませんでしたが」と述べつつ、「こうやって一つ一つの役割をするたびに、“私たちアスリートというのは本当に幸せだな”と」改めての実感を語り、「こんなにいろいろな機会をもらい、こんな素晴らしい場所で皆さんに祝ってもらい、こういったことを力に生きていけるという年数は、そんなに長くありません。(アスリートは)そういう時間を大切にしなければいけないと思いますし、そういう思いを持つアスリートを私たちは育てていかなければいけないなと思っています」と話しました。そして、今回の受賞対象者が、東京世界選手権で活躍した選手たちであることを示したうえで、「ぜひ、そのアスリートたちの活躍を称え、また来年、アスリートたちが一段と輝く姿を全力で応援していただきたい」と来場者に呼びかけるとともに、受賞者たちに向けて「この賞を一つの力として最大に生かして、来年、さらに羽ばたいていってほしい」と期待を寄せました。

例年の本レポートと同様に、式典の順番とは異なるものの、ここでは「アスレティックス・アワード」の受賞者からご紹介していきます。
2025年に最も顕著な活躍を残した競技者に贈られる「アスリート・オブ・ザ・イヤー」には、女子20km競歩の藤井菜々子選手(エディオン、ダイヤモンドアスリート修了生)が選出されました。藤井選手は、東京2025世界陸上女子20km競歩で、今季2回目の日本記録更新となる1時間26分18秒をマークして、日本女子競歩界史上初のメダルとなる銅メダルを獲得する快挙を達成。その活躍が、高く評価されての受賞となりました。

2025年度最優秀選手として紹介され、レッドカーペットを通って、舞台に上がった藤井選手は、シックな紫色のロングドレス姿。カラーは、「世界陸上のカラーが江戸紫だったので…」(藤井選手)と、メダル獲得を果たした記念すべき大会にちなんで選んだそう。ギリシャ神話の女神を思わせるような柔らかなで透け感のあるデザインを、ボタニック(植物)モチーフのサッシュベルトとアクセサリーが華やかさを印象づけています。
登壇した藤井選手には、表彰の前に、一つのサプライズが用意されていました。複数種目の日本記録樹立や世界大会入賞などの実績で長年日本の女子競歩界を牽引し、先日引退を発表したばかりの岡田久美子さん(富士通)が、表彰のプレゼンターを務めたのです。藤井選手にとって岡田さんは、競技を始めたころからの憧れで、その背中を追って、ともに世界で戦ってきたロールモデル的存在です。岡田さんは、ネタバレを避けるべく「会場入りの時間を変えて、控室も別にしていた」そうで、のちに「おかしいな。いらしているはずなのに、姿が見えないなと思っていたんです」と藤井選手が笑いながら振り返ったようにサプライズは大成功。最優秀選手に授与するシャーレと呼ばれる皿型のトロフィーを手にした岡田さんを目にした藤井選手は、両手を口元に当てて驚きの表情を見せたのちに、満面の笑顔で岡田さんを迎えました。
登壇した岡田さんは、「女子競歩界初のメダル獲得ということで、とても嬉しく、そして感謝の気持ちでいっぱいです。これからの活躍も期待しています。本当におめでとうございました」と祝福の言葉を述べたうえで、最高位の栄誉を意味する金色のシャーレを藤井選手に贈呈。さらに、有森会長からは、ワールドアスレティックス(WA)のセバスチャン・コー会長から届いた祝福メッセージの盾が贈られました。

優秀な成績を収めた競技者に贈られる優秀選手賞は、男子35km競歩の勝木隼人選手(自衛隊体育学校)、男子110mハードルの村竹ラシッド選手(JAL)、男子20km競歩の山西利和選手(愛知製鋼)の3名が受賞しました。勝木選手は、東京2025世界陸上初日の第1種目として実施された男子35km競歩で、自身、世界大会初となる銅メダルを獲得。村竹選手は、8月のアスリートナイトゲームズin福井で日本人初の12秒台に突入する12秒92の日本記録を樹立し、東京2025世界陸上では前年のパリオリンピックに続き5位入賞を果たしました。また、山西選手は、2月に行われた日本選手権男子20km競歩において、1時間16分10秒の世界新記録を樹立しています。
勝木選手と山西選手の表彰でプレゼンターと務めたのは、男子競歩界のレジェンド・鈴木雄介さん。鈴木さんは、“世界一美しい”と称された歩型を武器に、2015年に男子20km競歩で1時間16分43秒の世界記録を樹立したほか、2019年ドーハ世界選手権男子50km競歩で日本競歩史上最初の世界大会金メダルを獲得した名ウォーカーです。勝木選手には、35km競歩の前身である50km競歩金メダリストの立場で、また、自身の世界記録を塗り替えた山西選手には20km競歩前世界記録保持者の立場で、各選手にクリスタル製のトロフィーを贈呈しました。
また、村竹選手への表彰は、女子マラソンで名選手として活躍し、引退後は指導者としてメダリストはじめ多くの日本代表を育てた山下佐知子さんが行いました。山下さんは、1991年東京世界選手権では、日本女子マラソン史上初のメダルとなる銀メダルを獲得した人物。村竹選手に「110mハードルで初のメダリストになってほしい」という願いを込めて、トロフィーが贈られました。

その年に顕著な活躍を見せ、将来が期待される結果を残した競技者に贈られる新人賞には、東京運動記者クラブ陸上分科会が年齢を問わずに選出する部門と、日本陸連がU20年代競技者を対象に選出する部門の2種類があります。男女各2名が受賞することとなった今年の新人賞は、今季で女子100mハードルの第一線から退いた寺田明日香さん(ジャパンクリエイト)がプレゼンターを務め、表彰が行われました。寺田さんは高校時代からトップ選手として活躍してきたなか、2013年に一度競技を引退。結婚・出産、他競技への挑戦などを経て、2018年に競技復帰を果たし、日本人女子初の12秒台突入、世界選手権、オリンピック出場を果たすとともに、常に陸上界の未来を意識した言動で後輩たちの競技観に大きな影響を与えた人物。陸上界の将来を担う若いアスリートたちに、温かなエールを込めて、クリスタル製のトロフィーを贈呈しました。

日本陸連選出の新人賞に輝いたのは、男子110mハードルの古賀ジェレミー選手(東京高3年・東京、ダイヤモンドアスリートNextage、※12月1日からダイヤモンドアスリートに)と女子砲丸投の坂ちはる選手(大阪体育大1年)です。古賀選手は、男子110mジュニアハードルで13秒07のU20日本記録、シニア規格の男子110mハードルでは13秒45の高校記録を樹立。インターハイでは2連覇を達成したほか、日本選手権では世界水準にあるシニアに交じって5位入賞の成績を残しました。2023・2024年インターハイ女子砲丸投で連覇を達成している坂選手は、大学1年目の今季も躍進を続けて日本選手権を制し、シニアで「日本一」の座を手にしています。
東京運動記者クラブ陸上分科会選出の新人賞は、男子100mの清水空跳選手(星稜高2年・石川)と女子マラソンの小林香菜選手(大塚製薬)が受賞。清水選手はインターハイ男子100mにおいて、10秒00のU20日本新記録、U18日本新記録、高校新記録を樹立したことが、また、小林選手は、社会人2年目の今季、初めて代表入りした東京2025世界陸上女子マラソンで7位に入賞する活躍を見せたことが、それぞれ評価されました。

陸上競技を通じた活動が、広く社会に貢献したと認められた個人または団体に贈られる特別賞は、株式会社TBSが受賞しました。同社は、世界選手権、ゴールデングランプリ、マラソングランドチャンピオンシップなど、長年にわたり陸上の放送に携わり、ファンや視聴者への情報発信を通じて陸上界の発展と機運醸成の大きく貢献してきました。なかでも、本年開催された東京2025世界陸上では、招致の段階から大会を盛り上げ、その影響力で約62万人となる総入場者数の実現に寄与。そうした長きにわたる陸上界への尽力を称えての今回の受賞となりました。
表彰には、東京2025世界陸上プロデューサーの七澤徹氏、保坂龍之介氏、西村和大氏、廣瀬泰斗氏の4名が登壇。この大会の日本陸上選手団監督を務めた山崎一彦日本陸連強化委員長から感謝の思いとともに贈られた記念のトロフィーを、七澤プロデューサーが代表として受け取りました。
その後、受賞者を代表して挨拶した七澤プロデューサーから促される形で、東京2025世界陸上放映のメインキャスターを務めた石井アナウンサーも挨拶することに。司会進行しながら受賞の挨拶も行うこととなった石井アナウンサーは、やや恐縮しながらも、国立競技場が連日満員となった9日間を「夢のような舞台でした」と振り返ったうえで、「我々、TBSのスポーツの標語に、“スポーツには、世界を一つにする力がある”というものがありますが、それをこの舞台でまさに感じることができました。ファンの皆さま、選手の皆さま、関係各社の皆さん、そして我々TBSのメンバーが全力で取り組んで結果であると同時に、このスポーツの持つ力を、世界に、そして日本に広められた時間になったと思います。本当に皆さまのおかげです。どうもありがとうございました」と感謝の意を示しました。

なお、アスレティックス・アワード各賞の表彰に先立っては、9月に東京で開催された世界選手権でメダル獲得および入賞を果たした競技者への報奨金授与が行われました。対象となったのは、銅メダルを獲得した勝木選手(男子35km競歩)と藤井選手(女子20km競歩)、5位に入賞した村竹選手(110mハードル)、6位入賞の中島佑気ジョセフ選手(富士通、男子400m)と廣中璃梨佳選手(JP日本郵政G、女子10000m)、そして男子4×100mリレーの小池祐貴選手(住友電工)・栁田大輝選手(東洋大学、ダイヤモンドアスリート修了生)・桐生祥秀選手(日本生命)・鵜澤飛羽選手(JAL)、7位入賞の小林香菜選手(大塚製薬、女子マラソン)と吉川絢斗選手(サンベルクス、男子20km競歩)、8位入賞の赤松諒一選手(SEIBU PRINCE、男子走高跳)、三浦龍司選手(SUBARU、男子3000m障害物)、男女混合4×400mリレーの吉津拓歩選手(ミキハウス)・井戸アビゲイル風果選手(東邦銀行)・今泉堅貴選手(内田洋行AC)・松本奈菜子選手(東邦銀行)の全17名です。このうち、都合により欠席となった三浦選手を除く16選手が登壇。全選手を代表して、銅メダリストの勝木選手が、プレゼンターを務めた田﨑博道日本陸連専務理事から、報奨金のパネルを受け取りました。
授与が行われたのちには、石井アナウンサーが、中島選手、廣中選手、桐生選手の3名にインタビュー。中島選手は、「世界陸上後、オフもあって、少し落ち着いたことで、世界陸上でいい走りをして、いろいろな方々に見ていただいたことの実感がようやく湧いてきた」と述べ、「そのあとも、各方面からの反響もすごかったし、陸上の地位が上がったなと感じる大会だったので、またここ(効率競技場)に戻ってきて、ファンの方々に(報奨金授与を)見ていただけたことはすごく嬉しいことですし、感慨深いですね」と話しました。

「この国立競技場で2カ月前に大歓声を浴びながら走ったのだなという思いになった」というのは廣中選手。大会後はすぐに駅伝のトレーニングに入ったため、入賞の余韻に浸る時間はなかっただけに、「6位入賞できたんだという実感がわいたのも、こうした式に呼んでいただけたからだと思います。また歓声を浴びながら自分らしい走りができるように頑張りたい」と話しました。

最後に、マイクを受けたのは、29歳となった今年、8年ぶりの9秒台(9秒99)をマークして、100mと4×100mリレーの2種目での世界選手権出場を果たした桐生選手。「東京オリンピックのときは無観客での開催でしたが、今回の世界陸上はたくさんのファンの皆さんからの、いろいろな声援が聞こえた、本当に素晴らしい大会だったと思います」と、その応援を改めて感謝するとともに、「でも、来年からは、お客さんの数なども含めて、いい意味で今年と比べられると思うんですよね」とコメント。「(世界選手権で)毎日5万人、6万人が入ったということは、僕ら選手がやらなければいけないのは、来年以降もたくさんの人に見てもらえるようなレースをすること。僕は、アワードには10年ほど出席していますが、こうやって競技場でやるのは初めてです。もっともっといろいろな人に見てもらえるように、これから先、僕自身も、そして、ここに立っているみんなで陸上界を盛り上げていきたいと思います」と力強くコメントし、会場から大きな拍手を浴びました。

【日本陸連アスレティックス・アワード2025受賞者コメント】
【アスリート・オブ・ザ・イヤー】
藤井菜々子(エディオン)

「本日は、このような素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。今年は、日本陸上競
技連盟が100周年という記念すべき節目の年に、この賞をいただけたことを光栄に思います。また、日本の競歩としては、谷井(孝行)さんが2015年に初めて北京世界陸上で(銅)メダルを獲得されてから今年で10年。その間も、先輩方が常にメダルを取り続け、日本競歩チームを牽引してこられました。今回、女子として初めてメダルを獲得できたことは、そうした歴史のなかで新しい一歩を刻むことができたという意味でも、とても嬉しく感じています。
私自身としては、高校生の時にダイヤモンドアスリートに認定していただき、ジュニア期から競技者として、そして国際人として育てていただきました。さまざまなプログラムを通じて多面的に磨かれた経験が、世界で戦ううえでの大きな支えとなっています。このような機会を与え、支えてくださった日本陸上競技連盟の皆さまに、改めて深く感謝申し上げます。
最後になりますが、これからの陸上界がもっと多くの人たちにとって、身近で、夢を与えられる存在であり続けられるように、私もその発展に少しでも力になれるよう、励んでまいりたいと思います。本日は、本当にありがとうございました」
【優秀選手賞】
勝木隼人(自衛隊体育学校)

「このたびは、こんなにたくさんの方に集まっていただいて、本当に嬉しく思います。そして、このような素晴らしい賞をいただきまして、誠に光栄に思います。この1年は、私自身初めての日本選手権優勝、そして、世界陸上での初めてのメダル、そして初めてのマラソン競歩、そして、初めての受賞ということで、初めて尽くしの1年となりました。実は、昨日、誕生日を迎えて、35歳になったのですが、この年齢になっても、こうやって初めてのことがたくさんあって、成長できている1年になったことを、大変嬉しく思います。
これからも諦めずに、1つ1つできることを積み重ねていって、“成長することに限界はないんだ”ということを皆さんに証明していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。
来年も、“やる気、元気、勝木”で頑張っていきたいと思います。本日は、ありがとうございました」
村竹ラシッド(JAL)

「本日は、このような賞をいただけたことを、本当に光栄に思っています。そして、本日、お集まりいただいた皆さん、本当にありがとうございます。
今年は、自分の一番の成果としては、日本記録…12秒92で走れることができたことかなと思っています。“12秒台を出す”というのは、自分にとってはかねてからの目標で、今年達成できたことを本当に嬉しく思っていますし、これまでの道のりを支えてくださった、家族をはじめ、関係者の皆さんに、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
9月、東京世界陸上がこの国立競技場で行われ、5位入賞を果たすことができました。自分の目標はメダルの獲得だったので、そこには及ばずというところでしたが、自分はこのまま終わるつもりは全くありません。来年のアジア大会や、新しく開催されるアルトメットチャンピオンシップ、そして、2027年の北京世界陸上、2028年のロスオリンピックと、まだまだ世界大会は目白押しなので、そこに向けて今はトレーニングを積んでいますし、そこでのメダル獲得、上位入賞を目指して頑張っています。これからも温かい目で見守っていただけたら幸いです。
これからも陸上というコンテンツを、皆さん、ぜひ楽しんでいただけたらなと思います。僕自身も、一選手として陸上競技を盛り上げていきたいと思いますので、皆さん、ぜひ、ついてきてください。ありがとうございます」
山西利和(愛知製鋼)

「本日は、このような賞をいただけたことを大変嬉しく思います。今、前(世界)記録保持者の鈴木(雄介)選手から、このトロフィーをいただきました。そのことが何よりも、自分としてはすごく意義深く、嬉しいことだと思っています。前世界記録は10年前に出た記録ですが、それをずっと見据えてやってきたなかで、ようやく破ることができたこのタイミングで、鈴木選手からこのトロフィーをいただけたということが、本当に自分のなかではありがたく、ドーハ世界選手権(※2019年開催。山西選手が20km競歩で、鈴木選手が50km競歩で、ともに金メダルを獲得した)を目指して2人で練習した期間を含めて、たくさんお世話になった方からバトンをいただけたことが、何より、自分にとってはすごく大きなことだと思います。
自分は、2023年以降は、なかなか世界選手権、オリンピックと、結果を残すことができず、苦しい時期も続いているのですが、そのなかで、こうしてたまには良い結果を残すができて、それを評価いただけることがありがたいです。来年以降も競技は続けていきますし、一つ一つの失敗を糧に、また次に向かっていけたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました」
【新人賞】日本陸連選出
◎古賀ジェレミー(東京高3年・東京)

「このたびは、このような素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。(新人賞受賞という)素敵なお知らせを聞いてから、毎日飛び跳ねるくらい嬉しい思いでいっぱいでした。この1つの賞を取るために、さまざまな人にお世話になりましたし、支援もいただきました。今年は、背負うものが少し大きくなったことやケガから始まったことで、試合の一つ一つがとても重く、シーズンのはじめは、自分のなかでモヤモヤする部分もあったのですが、クラスのみんなや家族、先生方など、いろいろな方が支えてくれて、自分の力以上の力が発揮できたなと思っているので、今は感謝で胸がいっぱいです。そんな方々に、このトロフィーを少しでも近くで見ていただけるように、これからも日々精進してまいります。
自分は、記録とかにこだわると、うまくいかない面があるので、いつも支えてくれている人の応援を力に変えられるように、精いっぱい楽しんで、みんなを楽しませるようなレースをしたいと思っています」
坂ちはる(大阪体育大1年)

「このたびは、素敵な賞をありがとうございます。新人賞をいただけるなんて思ってもいなかったので、率直に嬉しく思っています。日本選手権に勝ったという実感は、まだ自分のなかにはないのですが、優勝したことでこれからは追われる立場になると思っています。そのプレッシャーを、逆に励みにして、頑張っていきたいです。
砲丸投は、世界とは距離のある状態ですが、大学4年間のうちに、自分のペースでどんどん記録を伸ばし、在学中にワールドユニバーシティ―ゲームズなどへの出場や、将来的には日本記録(18m22、森千夏、2004年)も狙っていきたいと思っています。
このような賞を、これからもたくさんもらえるように頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします」
【新人賞】東京運動記者クラブ陸上分科会選出
清水空跳(星稜高2年・石川)

「本日は、このような素晴らしい賞をいただき、本当にありがとうございます。今年は、良い記録を出すことできて、自分のなかでもいい年だったので、この賞をいただけたことは良い締めくくりになったなと思っています。
10秒00をマークしたレースは、スタートから完璧で、走っている最中に“これは来たな”という感覚のあるレースでした。10秒00という記録を見て、本当に嬉しかったです。高校3年間で9秒台を出すことを目標にしているので、まずは来年、9秒台で走ることが一番の目標です。
こういう賞をいただけることも、結果を出せたことも、皆さまの応援のおかげです。それを実感することができたので、これからもこのような賞がいただけるように頑張っていきたいと思います」
小林香菜(大塚製薬)

「本日は、光栄な賞をいただき、本当にありがとうございます。この国立競技場に再び戻ってきて、世界陸上のときの興奮や嬉しさを思い出して、幸せをかみしめています。
世界陸上は、代表に選んでいただいた段階から信じられない思いで合宿なども過ごしてきました。責任などを感じて、つらく思ってしまう日々もあったのですが、レースでは本当にたくさんの皆さんが沿道から絶え間なく応援してくださって、終わってみたら本当に楽しかったし、“もう一度、あの景色を見たいな”と思えるレースでした。マラソンは自分らしさを出せるというか、“長い距離、最後まで何があるかわからない”と自分が一番“楽しいな”と思える種目です。ロサンゼルスオリンピックに出ることを一番の目標にしていますが、今回の結果で、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の出場権をとることができたので、MGCに向けて、丁寧に、ゆっくりと準備していきたいと思っています。
これからも新人らしく頑張っていきたいと思っていますので、温かく応援していただけたら嬉しいです」
【特別賞】
株式会社TBSテレビ

「まず、日本陸上競技連盟100周年、誠におめでとうございます。長い歴史の節目となるタイミングで、このような素敵な賞をいただけたことを大変、光栄に思います。TBSは、1988年にニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)の放送を始めて、以来、年間を通して、駅伝、マラソンを中継してきましたが、なんといっても世界陸上で、1997年からは放送をスタートし、今年は我々にとっても悲願である勝負の東京世界陸上がありました。この国立競技場が連日超満員になって、地鳴りのようなあの歓声…。我々は、30年近く世界陸上を放送してきましたが、我々TBSにとっても本当に夢のような光景でした。
この賞は、我々TBSへの評価という以上に、陸上競技の魅力そのものが、テレビを通じて皆さんにしっかり届いた証だと受け止めています。日本のメディア、テレビの力はまだまだすごいです。TBSはこれからの陸上競技の魅力、そして素晴らしさを、誠心誠意伝えてまいります。これからもよろしくお願いします」
(東京2025世界陸上プロデューサー 七澤徹氏)
※各受賞コメントは、日本陸連アスレティックス・アワード2025におけるスピーチをまとめていますが、新人賞の各氏については、終了後に行われた囲み取材におけるコメントを一部追記する編集を加えています。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト
【100th】バーチャルミュージアム

>>https://www.jaaf.or.jp/news/article/22970/
このたび100周年記念プロジェクトの一つとして、「バーチャルミュージアム」を開館いたました!バーチャルミュージアムは、本連盟のホームページからどなたでもアクセスできるWEB上のミュージアムで、陸上に関する歴史、記録、写真、映像、研究資料など、多様な情報を集約し、「陸上のデジタル博物館」として体系的にご覧いただけるものです。
“過去と未来をつなぐ、進化し続ける陸上界のアーカイブ”を目指しています。
皆様のご来館を心よりお待ちしております!
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カレンダーのテーマは「響」2025年、日本陸上界の歴史に新たな1ページが刻まれました。
9月に開催された「東京2025世界陸上競技選手権大会」では、延べ62万人の観客による声援が国立競技場に響き渡り、選手たちの挑戦を力強く後押ししました。
本カレンダーには、2025年に生まれた熱狂と歓声の”響き”をこれからの100年へと受け継いでいきたいという思いを込めています。
2025年に生まれた感動や記録、心に残る数々の瞬間を振り返りながら、2026年も陸上を身近に感じ、共に歩んでいただければ幸いです。
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