日本陸上競技連盟は、すべての人の人権尊重と公正性の確保、差別やハラスメントの防止を目的に人権ポリシーを策定しました。
近年、子どもの画像がSNS等で無断収集・転載され、性的目的などに悪用される事例が増えており、子どもの尊厳を損なうだけでなく将来にわたる精神的被害の危険もあります。この深刻な状況を受け、日本では子どもの性被害防止に関する法律が制定され、社会全体での対策が求められています。一度拡散された画像の回収は困難であるため、予防と適切な管理が不可欠です。陸上競技における写真撮影は競技の魅力の一つですが、社会的背景を踏まえた対策が必要です。
そこで本連盟は、小学生世代が参加する主催大会を対象に、子どもたちの安全を守るため、選手写真の撮影と取扱いに関する方針を定めます。
<撮影に関する方針>
●不必要に撮影させません。
✓報道関係者など主催者が認める者を除き、観客席以外からの撮影は、いかなる機材による撮影であっても禁止します。
✓観客席からの撮影は、スマートフォン、タブレット端末を使用した撮影のみ可能とし、それ以外の機材(一眼レフカメラ等)による撮影は禁止します。
✓観客のみならず、大会関係者(選手、指導者・コーチ、保護者、引率の教員、大会運営の関係者等を含みます。)による撮影についても、本方針の対象とします。
※撮影規制に関しまして各大会で異なりますので、詳細は大会ページをご確認ください。
・日清食品カップ 第41回全国小学生陸上競技交流大会
<撮影した写真の取り扱いに関する方針>
●性的目的等で悪用されないように写真を使用します。
✓競技者の顔や身体の一部が強調されている写真、個人が特定されるおそれのある写真(競技者の顔と賞状の名前が合わせて写っているなど)は使用しません。
✓必要に応じて、匿名化のための加工を行います。
●競技者の保護者の同意を取得します。
✓大会への参加に際しては、写真の使用目的や掲載媒体等について保護者が十分に理解したうえで同意できるよう、個別の同意書を取得します。
<参考>
JAAF 人権ポリシー
https://www.jaaf.or.jp/pdf/diversity-equality-inclusion/jaaf-hrp.pdf
JAAF インテグリティ行動指針
https://www.jaaf.or.jp/pdf/diversity-equality-inclusion/integrity.pdf
こども家庭庁「ネット・スマホ活用世代の保護者が知っておきたいポイント」
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/6c24f580-b700-4f64-904a-fbd0ea0a77b2/da2f641b/20240329_councils_internet-kaigi_18Q7pDv7_03.pdf