日本陸上競技連盟公式サイト

９月13日（土）から21日（日）の９日間、国立競技場を舞台に20回目の世界選手権「東京2025世界陸上競技選手権大会（東京2025世界陸上）」が開催される。
日本での開催は、1991年（第３回）の東京（国立）、2007年（第11回）の大阪（長居）に続き３回目。国単位での開催回数では、最多である（２位は、フィンランドとドイツの２回）。

日本からは、全49種目のうちの38種目に80名（男子49名・女子31名）の代表選手がエントリーし、世界のライバル達と競い合う。

現地のスタンドあるいはテレビで観戦する方の「お供」に日本人選手が出場する全38種目と世界新記録や好勝負が期待される種目に関して、「記録と数字で楽しむ2025東京世界選手権」をお届けする。

なお、これまでにこの日本陸連ＨＰで各種競技会の「記録と数字で楽しむ……」をお届けしてきたが、過去に紹介したことがある同じ内容のデータや文章もかなり含むが、可能な限りで最新のものに更新した。また、記事の中ではオリンピックについても「世界大会」ということで、そのデータも紹介している。

記録は原則として、世界選手権参加標準記録の有効期限であった25年８月24日現在のものによった。
現役選手の敬称は略させていただいた。

日本人選手の記録や数字に関する内容が中心で、優勝やメダルを争いそうな外国人選手についての展望的な内容には一部を除いてあまりふれていない。日本人の出場しない各種目の展望などは、陸上専門誌の観戦ガイドや今後ネットにアップされるであろう各種メディアの展望記事などをご覧頂きたい。

大会期間中は、日本陸連のX（https://x.com/jaaf_official）を中心に、記録や各種のデータを可能な範囲で随時発信する予定なので、そちらも「観戦のお供」にしていただければ幸いである。

▼「記録と数字で楽しむ東京2025世界陸上」記事一覧
こちらから＞＞

男子800ｍ

・予　　選　９月16日（火）19:35
・準 決 勝　９月18日（木）21:45
・決　　勝　９月20日（土）22:22

９年ぶりの世界大会のスタートラインに立つのは19歳の落合

2006年８月17日生まれで19歳の日本記録保持者・落合晃（駒大・１年／エントリー記録＆自己ベスト１分44秒80）が出場。参加標準記録の１分44秒50には０秒30届かず、ワールドランキング（Road to Tokyo）のターゲットナンバー「56」にも届かない60位だったが、「開催国枠」で日本陸連が設定した「ターゲットナンバー＋10位以内の日本人最上位」で出場できることになった。

日本人がこの種目で世界選手権に出場するのは、2011年大邱大会以来14年ぶりで史上３人目。五輪を含めても16年リオ以来９年ぶりだ。
これまでの世界選手権出場の２人は、ともに日本記録を保持したことがある1995年イエテボリの小野友誠さん（法大）、2007年大阪と11年大邱の横田真人さん（慶大→富士通）だ。

五輪を含めてこれまでこの種目に出場した選手（世界選手権３名＝落合を含む・五輪10名。１人が両大会出場）の中では、落合が初の「ティーンエイジャー」である。

◆世界選手権＆五輪での日本人最高成績と最高記録◆

＜世界選手権＞
最高成績　予選４組５着　1.48.43　小野友誠（法大）1995年
最高記録　1.47.16　横田真人（慶大）2007年　予選５組７着

＜五輪＞
最高成績　準決勝１組６着　1.54.5　室矢芳隆（八幡製鉄）1956年
　 〃 　　準決勝１組６着　1.47.7　森本葵（リッカー）1964年
最高記録　1.47.7　森本葵（リッカー）1964年　準決勝１組６着

ちなみに、日本国内でマークされた最高記録は、
　1.42.17　Ｗ・キプケテル（デンマーク）1996.09.16　国立

◆世界選手権＆五輪での予選・準決勝通過ライン◆

予選・準決勝・決勝の３ラウンド制になった1999年以降の世界選手権＆五輪の「準決勝で落選した最高記録」と「予選で落選した最高記録」は、以下の通り。

【1999年以降の世界選手権＆五輪の準決勝と予選で落選した最高記録】
・2024年五輪の予選落最高は、「敗者復活戦」で準決勝に進めなかった最高記録。
・「◎」は、各項目の歴代最高を示す。

年	準決落最高	予選落最高
1999	1.45.78	1.46.86
2000五輪	1.45.08	1.47.61
2001	1.45.21	1.47.17
2003	1.46.40	1.46.75
2004五輪	1.45.52	1.46.14
2005	1.44.90	1.47.74
2007	1.45.31	1.46.24
2008五輪	1.45.87	1.46.59
2009	1.45.40	1.47.07
2011	1.45.06	1.46.94
2012五輪	1.45.08	1.46.40
2013	1.44.89	1.46.80
2015	1.45.34	1.47.24
2016五輪	1.44.70	1.46.65
2017	1.45.93	1.46.46
2019	1.45.15	1.46.40
2021五輪	1.44.35	1.45.98
2022	1.45.67	1.46.05
2023	1.44.30	1.45.89
2024五輪	1.43.72◎	1.44.65◎
最高記録	1.43.72(24)	1.44.65(24)
世選最高	1.44.30(23)	1.45.89(23)
五輪最高	1.43.72(24)	1.44.65(24)

参加標準記録１分44秒50突破者は56名中の52名とレベルは高い。

また、至近２大会の状況からしても落合が準決勝に進むためには予選から「全力投球」が求められる。
Ｕ20世界選手権で銅メダルを獲得した落合にとっては初のシニアが相手の世界の舞台。今後につなげるためへの多くの貴重な経験をする絶好の機会となる。
その組のレース展開にもよるが、ここで自身の日本記録を更新するようなレースができれば、「セミファイナリスト」になれる可能性も高そうだ。

◆落合の日本記録の時の100ｍ毎◆

・120ｍ以降は日本陸連科学委員会によるデータ。最初の100ｍのみ筆者による非公式手動計時。

100ｍ	13.2	13.2
120ｍ	15.63
200ｍ	25.48	12.3	25.48
300ｍ	38.32	12.84
400ｍ	51.38	13.06	25.90	51.38
500ｍ	1.04.64	13.26
600ｍ	1.18.29	13.65	26.91
700ｍ	1.31.74	13.45
800ｍ	1.44.80	13.06	26.51	53.42（前後半差▽2.04）

◆1983年以降の世界選手権＆五輪での１・３・８位の記録◆

・「◎」は、歴代最高を示す。

年	１位	３位	８位
1983	1.43.65	1.44.27	1.46.56
1984五輪	1.43.00	1.43.83	1.52.28
1987	1.43.06	1.43.76	1.49.21
1988五輪	1.43.45	1.44.06	1.49.55
1991	1.43.99	1.44.67	1.47.65
1992五輪	1.43.66	1.43.97	ＤＮＦ
1993	1.44.71	1.44.89	1.46.17
1995	1.45.08	1.45.68	1.53.12
1996五輪	1.42.58	1.42.79	1.45.52
1997	1.43.38	1.44.25	1.49.02
1999	1.43.30	1.44.18	1.46.79
2000五輪	1.45.08	1.45.16	ＤＱ
2001	1.43.70	1.44.63	1.46.68
2003	1.44.81	1.44.90	1.46.28
2004五輪	1.44.45	1.44.65	1.52.49
2005	1.44.24	1.44.55	1.46.20
2007	1.47.09	1.47.10	1.47.58
2008五輪	1.44.65	1.44.82	1.47.19
2009	1.45.29	1.45.35	1.46.17
2011	1.43.91	1.44.49	1.45.93
2012五輪	1.40.91◎	1.42.53	1.43.77◎
2013	1.43.31	1.43.76	ＤＱ
2015	1.45.84	1.46.30	ＤＱ
2016五輪	1.42.15	1.42.93	1.46.15
2017	1.44.67	1.45.21	1.47.09
2019	1.42.34	1.43.82	1.47.84
2021五輪	1.45.06	1.45.39	1.46.41
2022	1.43.71	1.44.28	1.47.07
2023	1.44.24	1.44.83	ＤＱ
2024五輪	1.41.19	1.41.50◎	1.43.84
最高記録	1.40.91(12)	1.41.50(24)	1.43.77(12)
世選最高	1.42.34(19)	1.43.76(13)	1.45.93(11)
五輪最高	1.40.91(12)	1.41.50(24)	1.43.77(12)

野口純正（国際陸上競技統計者協会［ATFS］会員）
写真提供：フォート・キシモト

【東京2025世界陸上】9月13日～21日 国立競技場開催

>>https://www.jaaf.or.jp/wch/tokyo2025/

◆期日：2025年9月13日（土）～21日（日）
◆会場：国立競技場（東京）
◆チケット情報：https://tokyo25-lp.pia.jp/　 

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https://www.jaaf.or.jp/wch/tokyo2025/news/article/21764/