10月5~6日に東京・国立競技場で開催された「みんなでつなごうリレーフェスティバル2024」では、今回も第108回日本陸上競技選手権大会・リレー競技として、男女4×100mリレーおよび男女4×400mリレーの4種目が行われました。
女子4×400mリレーは、初日の夕方に予選が3組2着+2の条件で行われ、1組1着の早稲田大(3分39秒04)が全体のトップタイムで通過。3分40秒を切った中央大(1組2着、3分39秒45)、園田学園女子大(3組1着、3分39秒99)らを含む7つの大学に、インターハイチャンピオンの相洋高が着順で通過(3組2着、3分41秒58)。全8チームが2日目の決勝に臨みました。
レースを制したのは、立命館大。予選からメンバーを2選手入れ替え、日本インカレを制した4選手(児島柚月、工藤芽衣、山本亜美、瀧野未来)の走順を、山本・工藤・瀧野・児島のオーダーに変更。レース後、アキレス腱に不安を抱えていたことを明かしたエースの山本選手が、まず園田学園女子大とトップ争いをしながらバトンを繋ぐと、その後は、先頭に立った園田学園女子大を、2走の工藤選手が追い上げていく展開となりました。3走のルーキー瀧野選手が第3コーナーに入る直前で園田学園女子大の前に出ると、終盤で少しリードを広げて、バトンはアンカーの児島選手へ。園田学園女子大のアンカー安達茉鈴選手が、いったんバックストレートで追いつき、さらには第3コーナーに入ったあたりで児島選手がバランスを崩しかける場面もありましたが、児島選手は安達選手の逆転を許さず、直線に出たところで逆に突き放し、単独チーム学生歴代3位に浮上する3分36秒64でフィニッシュ。2年ぶり4回目の栄冠を手にしました。
2位の園田学園女子大は、チームとしてセカンドベストとなる3分37秒85をマーク。3位には、アンカーにバトンが渡った段階で2位争いに絡んでいた中央大が3分38秒65で続きました。高校で唯一決勝に進んだ相洋高は、3分43秒29・7位でフィニッシュしています。
優勝した立命館大メンバーのコメントは、以下の通りです。
日本選手権女子4×400mリレー
優勝 立命館大学 3分36秒64
・1走:山本 亜美
今だから言えることだが、実は、両アキレス腱がずっと痛くて不安があった。ただ、日本一を狙いに来ていたので、失敗はできないと思っていたし、1走なので、(バトンを)繋がないわけにはいかないという気持ちだった。まずは無事にバトンを繋げて良かった。優勝というのは、決して簡単なことではないし、簡単に成し遂げたわけでもないけれど、この前(の日本インカレ)も優勝して、今回も優勝して…と、当たり前のように日本一を狙えるチームの一員に自分がいることを、本当に幸せだなと思う。
私は嬉し泣きとかすることはあまりないのだが、勝った瞬間は本当に嬉しかった。私一人が嬉し泣きしていて寂しかった(笑)というか、「え、みんなも、もっと一緒に喜ぼうよ」という感じ(笑)。みんな、涙の潤いが残っていないくらい、本気で走ってくれたのだと思う。
・2走:工藤 芽衣
(1走の山本)亜美がほぼ1位でバトンを渡してくれた。私は、誰かの後ろについて、最後に同じくらいか前に出てバトンを渡すのが、自分の好きなレース展開。園田(学園女子大)と同じくらいで来たので、「これはもう800m選手の(園田学園女子大・渡辺)愛ちゃんについていくしかない」と思った。(渡辺選手は)けっこうレーンの外側を走っていて、最終コーナーを出るときも1レーンの外側を走っていたので抜くことができず、「うわ、どうしよう」と思ったが、最後は(園田学園女子大)とほぼ同時で(瀧野)未来ちゃんに(バトンを)渡すことができたので、よかったと思う。勝負は(3・4走で)未来ちゃんから(児島)柚月に渡ったときも後ろと近かったので、「どうなるかわからない」と思ったていし、第3コーナーのところで柚月がつまずきかけたときは、亜美と2人で「あ…」と声が出てしまった。でも、最後まで柚月が頑張ってくれたので、ラスト50mはみんなで大喜びしながら見ることができた。・3走:瀧野 未来
貴重な4枠のなかに自分は1回生で入れていただいて、(山本)亜美先輩は立命(館大での)最後のマイル、(工藤)芽衣さんは人生最後のマイルということで、こんな素晴しい機会に走らせていただけるということにまず感謝して、最後、4回生に笑顔で終わってもらえるようにということだけを考えて走った。走りは、正直、がむしゃらだったので覚えていないのだが、3走の役目としては、4走に(園田学園女子大は安達)茉鈴先輩がいらっしゃるというのもあって、園田(学園女子大)とできる限り距離を空けておきたいと思っていたので、自分の仕事を全うすることだけを考えて走った。良かったかどうかはわからないが、正直、もうちょっと差をつけて、(児島)柚月ちゃんが楽に走れるようにしたかったという気持ちがある。勝ったと思ったのは柚月ちゃんがラスト80mでシューッと(笑)前に出ていたとき。ラスト50mで完全に勝ったと確信した。
・4走:児島 柚月
「金のライオン」(日本選手権優勝メダル)を手に入れられたことがすごく嬉しい。日本選手権で1位になることは、日本一になるなかでも、さらに特別な感じがあるので、ここで優勝できたこと、そして、(山本)亜美さん、(工藤)芽衣さんに、優勝を届けられたことが本当に嬉しい。走れて、1位になれて、本当に良かったなと思う。レースでは(園田学園女子大に)追いつかれる展開となったが、去年や今年の春先の自分だったら、きっと追いつかれた時点で不安を感じたり、(足が)引っかかった時点で大焦りしたりしていたと思う。しかし、今日は、「勝ちたい! 負けたくない!」が先行していて、特に足が引っかかったことが全く気にならず、むしろタイミングが崩れたことで、逆にそこで切り替えて、ラストのダッシュに入ることができた。全部を前向きに捉えることができ、自分でもびっくりするくらい走れていたなと思う。
今年で偉大な先輩が2人もいなくなるが、今回、予選を走ってくれた1回生2人がいるし、本当にみんな同じくらい強い。この冬、しっかり練習して、今年を超えられるように、また来年も頑張りたい。
文:児玉育美(日本陸連メディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト
【みんなでつなごうリレーフェスティバル2024 概要】
■開催日 :2024年10月5日(土)・6日(日)
■開催地 :国立競技場
■同時開催:第108回日本陸上競技選手権大会・リレー競技
■特設サイト:https://www.jaaf.or.jp/relayfes/
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