2024.03.19(火)大会

【第48回能美競歩】レポート&コメント:勝木隼人&下岡仁美が大幅自己記録で初優勝!東京世界陸上、ロサンゼルス五輪に向けた抱負を語る

 
3月17日、第48回全日本競歩能美大会が、第18 回日本学生20km競歩選手権大会との併催で、石川県能美市にある根上文化会館前の日本陸連公認能美市営20kmコースで行われました。今年の元日に発生した能登半島地震の影響を鑑み、例年併催されてきたアジア選手権は2022年以来2年ぶりの中止となりましたが、全日本の部は7月(陸上競技は8月)に開催されるパリオリンピックの日本代表選考競技会を兼ねており、多くの実力者が集結しました。

男子は勝木がパリ五輪派遣設定記録を突破して優勝!
東京五輪代表の3名が表彰台を独占!



男子20kmは、2月18日(日)に開催された「第107回日本陸上競技選手権大会・20km競歩」で優勝してパリ2024オリンピック日本代表に内定した池田向希選手(旭化成)、ともに派遣設定記録を満たして2、3位に入り、代表有力候補となった濱西諒選手(サンベルクス)、古賀友太選手(大塚製薬)がいずれも欠場。レースは気温10度前後で風も穏やかな好コンディションに恵まれた中、午前8時50分の号砲とともに日本選手権4位の川野将虎選手(旭化成)が最初の1kmを3分50秒で入るハイペースで飛び出し、吉川絢斗選手(東京学芸大学)、丸尾知司選手(愛知製鋼)が追う形に。川野選手は続く2kmを7分42秒(この間の1kmは3分52秒、以下同じ)、3kmを11分58秒(3分51秒)で通過し、後続を引き離していくと、5km通過時点では2番手の丸尾選手に18秒差をつけ、そのままレース前半は独歩状態を築きました。


ところが、折り返しの10km付近から、レースが大きく動き出します。川野選手が1km4分を超えるペースまで失速すると、序盤は6番手以降の集団を形成しながら徐々にペースを上げていた勝木隼人選手(自衛隊)が猛追を始めます。9km通過以降は1km3分52~53秒までギアを上げ、13周目でついに川野選手を捉えました。勝木選手とともに上がってきた吉川選手、萬壽春輝選手(順天堂大学)、そして川野選手も粘り強く食らいつき、15kmは4人の先頭集団で通過し、勝負の残り5kmに突入します。

ここで、勝木選手が勝負に出ます。15~16kmを3分49秒まで一気に引き上げると、川野選手を除く2人が先頭争いから脱落。続く16~17kmも3分52秒でプッシュした勝木選手に対し、川野選手は4分4秒と失速し、大きく差が広がります。勝木選手は17~19kmこそ1km4分までペースを落としたものの、最後の1周は残る力を振り絞って1km3分54秒まで再加速し、日本歴代10位となる1時間18分43秒の好記録でフィニッシュ。20km競歩では初のビッグタイトルを手にしました。川野選手は11秒差の1時間18分54秒で、2位を死守。ゴール前までもつれ込んだ3位争いは丸尾選手が着差ありの同タイム(1時間19分12秒)で吉川選手に競り勝ち、奇しくも表彰台は2021年東京オリンピック50km競歩代表3人が独占する結果となりました。
吉川選手は学生選手権の部で前年覇者の萬壽選手を8秒差で退けて初優勝を飾り、2位に終わった前年の雪辱を見事に果たしました。



勝木選手はパリオリンピック男子20kmの派遣設定記録(1時間19分30秒)を突破したものの、2月の日本選手権は11位に終わったため、男女混合競歩リレーも含めた代表入りは厳しい状況ですが、レース後には「これで、次の(2028年ロサンゼルス)オリンピックに向けてもチャレンジできるかなと思っている」と力強く宣言しました。一方、川野、丸尾両選手は同リレーの出場権を争う4月21日の世界競歩チーム選手権(トルコ・アンタルヤ)代表に選ばれており、2大会連続のオリンピック出場を賭けた大一番に挑みます。

下岡が2分以上の大幅自己記録で初タイトル獲得!



一方の女子20kmは、日本選手権20km競歩で派遣設定記録を突破して優勝し、パリオリンピック日本代表に内定した藤井菜々子選手(エディオン)、同大会で参加標準記録をクリアして2位に入った岡田久美子選手(富士通)、3位だった柳井綾音選手(立命館大学)がエントリーせず、昨年の世界選手権35km7位入賞の園田世玲奈選手(NTN)も直前の体調不良で欠場し、「本命」が不在に。男子のレースから一転して冷たい雨が降り始める中、午前10時35分に火ぶたが切られました。

レースはスタート直後から昨年9月の日本学生対校選手権女子10000m競歩覇者・下岡仁美選手(同志社大学)が前に出て、最初の1kmを4分42秒で通過。これに内藤未唯選手(神奈川大学)が2秒差、渕瀬満寿美選手(建装工業)が3秒差で続きましたが、そこから1km4分30秒台にペースを上げた下岡選手が後続との差をどんどん広げ、前半戦で「独り旅」の展開に持ち込みました。その後も5kmを23分7秒、10kmを46分18秒(この間の5km23分11秒、以下同じ)で順調なペースで通過した中、12kmを過ぎた頃から急激に雨風が強まり、気温も7度前後と厳しい天候が下岡選手を苦しめます。それでも、「横から吹く風ではなかったので、(向かい風の中で)『ここを耐えたら、折り返した後は楽になる』というのを繰り返した」と、自らを鼓舞し続け、15kmを1時間9分42秒(23分24秒)で通過。残り5kmも24分11秒でカバーし、自己ベストを2分以上短縮する1時間33分53秒で初優勝を飾りました。

2位争いは渕瀬選手が6km付近で内藤選手を突き放すと、終盤に猛追を見せた永井優会選手(金沢学院大)を16秒差で振り切り、1時間37分45秒でゴール。永井選手は前回大会で記録した自己ベストを8分近く更新する大躍進で、3位に輝きました。



パリオリンピックの女子20km代表争いは、今大会で参加標準を突破する選手が出なかったため、岡田選手の3大会連続代表入りが有力となりました。その他の代表入りを目指す選手たちは、6月30日までの資格記録有効期間内での参加標準記録突破や、ワールドランキングでの出場資格獲得を目指します。


【全日本競歩能美大会男女優勝者コメント】

■男子20km競歩 
勝木隼人(自衛隊体育学校)
優勝 1時間18分43秒 



「まさか20kmで優勝できるとは、という気持ち。(これまでは50km、35kmが主戦場で)20kmはずっと専門でやってこなかったので、ここ2、3カ月、しっかり20kmの取り組みをしたのが活きたのかなと思います。
(逆転勝利に)もう僕の勝てる展開、勝ちパターンはこれしかないと思っていた。僕の場合、スピードが他の選手よりないので、自然と後半に上がってくるような練習をしてきましたので。こういう展開で勝てればなと最初から思って、狙っていました。

優勝はめちゃくちゃうれしくて。本当にそろそろ現役を退く時期かなというのをちょっと考えていたので。パリはもし出られなかったとしても、次の東京世界陸上やロサンゼルスオリンピックに向けて、良い弾みになったのかなと思います。
(4月に輪島市で開催予定だった日本選手権35km競歩が中止となり)僕が一番お世話になった場所なので、悲しい気持ちと、本当に皆さんがちゃんと生活できる状態に早くなってほしいなっていう気持ちがある。その中で、こうやって能美の大会が開催されるっていうことも本当にありがたいということですし、こういった試合をして、ちょっとでも元気づけられる方がいればいいなと思っています」

女子20km競歩
下岡仁美(同志社大学)
優勝 1時間33分53秒



「まずは元日に能登半島地震に遭われた中で、このような大会を開催していただいて、本当にありがとうございます。
1カ月前の日本選手権に出れなかったが、沿道でレースを見ていてすごく刺激をもらった。今トップを行く岡田選手や藤井選手には敵わないですが、少しでもそこに近づけるように、まずは今大会で1時間33分台を目標にしていました。それは最低限達成できたのでよかったです。学生最後のレースで、しっかりと学生選手権のカテゴリーだけじゃなく、全日本のカテゴリーでも優勝できたので、すごく自信になりました。

来年の東京2025世界陸上は35km競歩での出場を目指しているので、今年10月の全日本35km競歩高畠をターゲットにしていく上で、1km4分40秒ペースを意識して練習していた。まずはそのペースでどれぐらいまで自分が粘れるかというのを試す上で、(今大会は)周りがどういう展開であっても、自分は自分のペースで行こうと思って行きました。

途中、風や雨で心が折れかけていたのですが、2回目の折り返しからは(追い風で)大分楽に感じたので、向かい風の時はとにかく耐えようっていう気持ちで歩いていました。
日本インカレ(学生対校選手権)の前は、もうこれで最後にしようと思っていた。でも調子が上がってきて、やっぱり陸上が楽しいって思えるようになってきて、インカレも優勝できたので、やっぱり自分が納得いく、自分がどれぐらい高みまで行けるのかというのを試したいと思いました。4月からは一般企業で、時短で働かせてもらいながら競技を続けます」

文:読売新聞  西口大地
写真:アフロスポーツ


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