JOCジュニアオリンピックカップ第17回U18/第54回U16陸上競技大会が10月20日(金)から3日間、愛媛県総合運動公園陸上競技場(ニンジニアスタジアム)で開催される。
この大会には、U18(高3早生まれ以下)とU16(高1早生まれ以下)カテゴリーの選手が出場。今夏の北海道インターハイでは、前回大会(U18)を制した男女10人が頂点に立つなど、全国トップクラスの選手が集結する大会として注目される。
今回は、来季インターハイでの活躍も期待されるU18男子の注目選手を紹介する。
※記録は陸上競技ランキング(ベースボール・マガジン社)参照/10月1日判明分
◆実力きっ抗のトラック種目。800mは坂元、吉澤がU18日本歴代10傑入り
男子100m
男子100mにはインターハイで決勝に進んだ小室歩久斗(つくば秀英高2年・茨城)、年綱晃広(滝川二高2年・兵庫)が出場予定だ。自己ベストは年綱が10秒40(+1.5)、小室が10秒42(+0.4)と年綱が上回っているが、実績面ではU20日本選手権で2位、インターハイ6位に入った小室が上回る。14日の鹿児島国体少年A100mでも小室は3位に食い込んだ。さらに高2歴代10位タイとなる10秒37(+1.0)をマークした西岡尚輝(東海大仰星高2年・大阪)、自己ベスト10秒42(+0.5)でインターハイ200m3位の植松康太(長崎南高3年・長崎)など、10秒3~4台の選手が10名以上もエントリーしており、実力は拮抗している。200mで21秒1台の馬原浩志郎(市立船橋高2年・千葉)、山﨑天心(城西高2年・東京)も上位候補に挙げられる。
男子300m
インターハイ400mで2位の菊田響生(法政二高2年・神奈川)も注目選手のひとり。U18では300mにエントリーしている。菊田は昨季、400mの高1歴代3位となる47秒53をマークし、前回のU18陸上競技大会は300mで5位。今季はU20日本選手権で6位に入り、インターハイ400m準決勝では自身初の46秒台となる46秒91をマークした。この記録は高2歴代9位タイにランクイン。インターハイでは3年生に敗れたが、U18では全国制覇を狙ってくるだろう。
男子800m
800mには、前回2位の坂元龍晟(鹿児島南高3年・鹿児島)、同4位の吉澤登吾(桐朋高2年・東京)、同6位の宮下颯汰(中京大中京高2年・愛知)と3人の前回入賞者がエントリーした。インターハイは宮下が4位、坂元が8位に入賞。坂元は昨季、高2歴代4位&U18日本歴代6位となる1分49秒92をマーク。そして9月には、吉澤が1分49秒98(高2歴代6位&U18日本歴代7位)と“50秒切り”の自己ベストを出した。北海道インターハイでも3位まで“50秒切り”となったが、今大会もハイレベルなレースになりそうだ。男子110mJH
110mJHには、インターハイ入賞の浅井惺流(東海大翔洋高2年・静岡)を中心に、前回大会4位の河原怜音(岡山商大附高3年・岡山)、同8位の橋本悠(東京農大二高2年・群馬)と実績ある選手が出場する。昨年の中学チャンピオンで、110mJH中学記録(13秒98)保持者でもある岩本咲真(東福岡高1年・福岡)にも注目したい。出場選手の中で、今季この規格で13秒台は田村英大(宮崎西高2年・宮崎)と岩本、橋本の3人。田村は2年前のU16で2位。岩本と橋本は100mの自己ベストが10秒8台とスピードがあり、15日の鹿児島国体では岩本が13秒96(+1.2)で2位に入った。
男子300mH
300mHは、高校歴代5位&U18日本歴代2位となる36秒22をマークした権田浬(佐倉高3年・千葉)が自己ベストで抜け出している。インターハイ400mHで8位入賞した木下聖太(川薩清修館高2年・鹿児島)らがどこまで迫るか。◆インターハイ上位選手がエントリーする跳躍種目
男子走高跳
走高跳は、インターハイ2位の川﨑俊祐(市尼崎高3年・兵庫)を中心に2m10以上の勝負を繰り広げたい。今季2m10以上を記録しているのは、9月の近畿選手権で2m11をクリアした川﨑と、9月末に自己ベストの2m10を出した石井喜人(市尼崎高3年・兵庫)の2人。この市尼崎高コンビに挑むのは、インターハイ決勝に進んだ吉井優太(高松工芸高2年・香川)、中谷魁聖(福岡一高2年・福岡)、稲垣公生(金沢龍谷高2年・石川)といった選手たち。自己ベストは稲垣が2m09、中谷が2m08、吉井は2m03と、各選手2m10以上を狙ってくるだろう。
男子棒高跳
棒高跳には、インターハイ4位の谷口海斗(中京大中京高2年・愛知)、同5位の矢野真一(観音寺総合高3年・香川)、同6位の長野董也(王寺工高2年・奈良)、同8位の岸本都夢(高松商高2年・香川)と全国入賞者が4人エントリーした。自己ベストは矢野が5m10、谷口は5m00と2人が5m超え。岸本は前回大会で2位に入った。2月の日本室内大阪大会で4位の結城咲翔(宮崎一高2年・宮崎)も5m超えに挑戦したい。男子走幅跳
走幅跳には、U20日本選手権の100mで6位入賞した成川倭士(東海大翔洋高2年・静岡)がエントリーした。6月の東海大会で7m50(-1.4)をマークしたが、ケガの影響でインターハイは棄権。8月末の東アジアユース競技大会(モンゴル・ウランバートル)には出場したが、コンディションをどこまで戻してくるか。インターハイ8位で今季7m43(+1.3)の土屋拓人(聖和学園高2年・宮城)、同3位の君島凪冴(日大東北高2年・福島)、9月に7m48(+1.2)と自己記録を伸ばした大西晄正(四学香川西高2年・香川)らもU18制覇を狙う。この種目の高2歴代10傑入りは7m69以上、U18日本歴代10傑入りは7m72以上となる。
男子三段跳
三段跳はインターハイ2位の鷲頭慶士(崇徳高3年・広島)、同7位の丹野正知(盛岡一高2年・岩手)、同8位の水内琉偉(日根野高2年・大阪)と3人の全国入賞者がエントリーした。丹野はエントリー選手トップの15m32(+0.9)が自己ベスト。鷲頭もインターハイで15m31(+0.8)をマークしており、自己記録では拮抗している。9月末には前回8位の中村光希(名城大附高2年・愛知)が15m05(+1.9)と自身初の15mオーバーを記録した。この大会で新たな15mジャンパーが誕生するか。◆投擲種目:ハンマー投に高2歴代最高のアツオビンが出場予定
男子ハンマー投
ハンマー投のアツオビン・アンドリュウ(花園高2年・京都)は、6月に高2歴代最高&U18日本歴代4位となる65m11をマーク。インターハイでは2位となり悔しい表情を見せていたが、夏以降も安定して60mオーバーの記録を残しており、自己記録更新に期待が高まる。U18日本歴代最高は67m21で、アツオビンの自己記録との差は2m10cmだ。インターハイ8位の河本雅崇(名古屋大谷高3年・愛知)も今季61m11と60mを超えた。ほかに60mオーバーの記録を残す選手が現れるか。
男子円盤投
円盤投には、インターハイ覇者の松田流輝(市岐阜商高3年・岐阜)がエントリーした。インターハイ後は日・中・韓ジュニア交流競技会にも出場して2位に入った。この種目はインターハイ4位の岩永大輝(熊本国府高3年・熊本)、同5位の田中伸明(市岐阜商高2年・岐阜)、同7位の井上稜(熱田高2年・愛知)と全国入賞者が4人出場予定となっており、白熱した展開になりそうだ。エントリー選手の中でランキングトップは、永江翔太朗(紀央館高2年・和歌山)の48m20。各選手50mオーバーが目標になってくるだろう。男子やり投
やり投は63m45の松月秀斗(伊勢学園高2年・三重)、63m33の榎本禮斗(純真高2年・福岡)、62m86の筑紫公秀(西城陽高2年・京都)、62m35の角田陽都(北嵯峨高3年・京都)と実力拮抗。インターハイは松月が6位に入った。65mラインを越えていきたい。鹿児島国体(10月13~17日)から連戦となる選手も多くなりそうだが、好記録が期待される大会。来季への弾みをつけるニューヒーローの誕生にも注目したい。
文:新甫條利子
「第17回U18/第54回U16陸上競技大会」大会概要
開催日:2023年10月20日(金)~22日(日)開催地:愛媛県総合運動公園陸上競技場
◆大会ページ:https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1766/
◆タイムテーブル:https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1766-3.pdf
◆スタートリスト:https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1766-5.pdf
◆エントリーリスト:https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1766-4.pdf
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