2023.10.08(日)選手

【記録と数字で楽しむMGC2023】MGC出場者のデータアラカルト/女子編



MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)」が10月15日(日)に東京・国立競技場を発着点とするコースで行われる(男子8時00分、女子8時10分スタート)。
パリ五輪選手選考に関して日本陸連が示している「代表内定条件」は、「23年10月のMGCで、1・2位が内定」。
「3人目」は24年3月までの指定レースで「男子2時間05分50秒以内」「女子2時間21分41秒以内」で走った中で最も記録が良かった選手というものだ。ただし、「MGC」の3位の記録が上記を上回った場合、そのタイムより1秒早いものが新たな設定記録なる。上記の設定記録をクリアした者が24年3月末時点でいない場合は、MGC3位の選手が内定となる。


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ここでは、現地あるいはテレビ中継での観戦のお供として「記録と数字で楽しむMGC2023」をお届けする。
なお、前回のMGCあるいはその他の各大会で紹介したことがあるデータや文章も含むが、可能な限り最新の記録や情報に修正した。

MGC参加資格の獲得期限(5月31日)までに男子67名、女子29名が出場権を得た。2019年9月15日に行われた前回のMGCの有資格者は、男子34名(出場は30名)、女子15名(出場は10名)だったので男女ともほぼ倍増となった。

男子は67人の有資格者のうち、10月5日行われた杭州アジア競技大会を走った池田耀平(Kao)と定方俊樹(三菱重工)はエントリーせず。10月3日までに欠場を表明したのは大六野秀畝(旭化成)、ブダペスト世界選手権に出場した西山和弥(トヨタ自動車)、そして、佐藤悠基(SGホールディングス)、丸山竜也(トヨタ自動車)の2人も欠場で61名が出場予定。

女子は、29名のうち9月24日のベルリンに出場した新谷仁美(積水化学)、杭州アジア競技大会を走った大西ひかり(JP日本郵政G)がエントリーせず。10月3日までに欠場を表明したのは、ブダペスト世界選手権を走った松田瑞生(ダイハツ)と佐藤早也伽(積水化学)で、25名でのスタート予定である。

男女ともに現在の「オールスター」がほぼ勢揃いし、前回以上の盛り上がりが期待できそうである。


日本代表は誰の手に!? MGC出場選手一覧をチェック
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MGC出場者のデータアラカルト/女子編

下記のデータは、「月刊陸上競技・8月号」の「レコード・ライブラリー」に菊田まひろ氏がまとめられたものだ。同誌の記事をご覧になられていない方もいらっしゃるであろうから菊田氏と編集部の了解を得て、こちらでも紹介させていただいた。
MGCにエントリーしていない新谷仁美と大西ひかりのデータは除外したが、10月3日に欠場が公表された松田瑞生(ダイハツ)と佐藤早也伽(積水化学)はデータに含まれている。
また、月刊陸上に掲載されていないデータも追加し、文章も一部修正・加筆した。

■所属別人数

5人天満屋(松下菜摘、谷本観月、大東優奈、渡邉桃子、前田穂南)
4人ダイハツ(松田瑞生=欠場、竹本香奈子、加世田梨花、前田彩里)
2人JP日本郵政G(太田琴菜、鈴木亜由子)
2人エディオン(細田あい、市田美咲)
2人大塚製薬(福良郁美、川内理江)
1人スターツ、積水化学=欠場、京セラ、資生堂、パナソニック、ワコール、第一生命グループ、デンソー、ユニバーサル、AC・KITA、ユニクロ、日立
前回大会は前田穂南1人だった天満屋が、今大会には5人が出場し、所属別人数トップ。前回1人も出場権を得られなかったエディオン、大塚製薬がそれぞれ2人に増やした。なお、日本郵政グループは大西ひかりも出場権を得たが10月5日のアジア競技大会を走るため、MGCにはエントリーしなかった。大塚製薬だけが男女両方で出場者を出している(男子は上門大祐)。


■出身高校別人数

3人薫英女学院・大阪(松田瑞生=欠場、渡邉桃子、前田穂南)
2人豊川・愛知(安藤友香、岩出玲亜)
薫英女学院が男子を含めて唯一3人の出場者を輩出した。前回大会で1・4位だった前田穂南(天満屋)と松田瑞生(ダイハツ)に渡邉桃子(天満屋)が加わった。松田と前田、豊川の安藤友香(ワコール)と岩出玲亜(デンソー)が1学年違いの先輩後輩の関係。

興譲館(岡山)と須磨学園(兵庫)は、ともに2人が出場権を獲得したが、興譲館は新谷仁美、須磨学園は大西ひかりがエントリーしなかったため川内理江と太田琴菜の1人ずつの出場となる。


■出身高校の都道府県別人数

4人愛知(安藤友香、岩出玲亜、鈴木亜由子、吉川侑美)
3人大阪(松田瑞生=欠場、渡邉桃子、前田穂南)
2人宮城(阿部有香里、佐藤早也伽=欠場)
2人千葉(上杉真穂、加世田梨花)
2人神奈川(森田香織、山口遥)
2人兵庫(太田琴菜、大東優奈)
2人岡山(松下奈摘、川内理江)
2人鹿児島(一山麻緒、市田美咲)
1人秋田、栃木、山梨、長野、広島、山口、徳島、熊本
豊川高卒の安藤友香、岩出玲亜に鈴木亜由子、吉川侑美(ユニクロ)を加えた愛知県が4人でトップ。鈴木と吉川は同学年で、共に愛知県内の大学(名古屋大、中京大)に進学。2016年の都道府県対抗女子駅伝では愛知県チームのメンバーで優勝している。
出身高校と出身中学校の府県が異なる選手は、7人。出身中学校の人数では、兵庫3人、2人で千葉・神奈川・愛知・大阪=1人欠場・岡山・徳島・鹿児島が並ぶ。


■大学卒・高校卒別人数

大学卒14人(関東5人=1人欠場、東海3人、関西4人、中四国1人、九州1人)
高校卒13人
男子は大学卒61人、高校卒3人だったが女子は高校卒の割合が高い。また、大学の地区別でも男子は関東58人、関東以外3人と関東一極集中だったが、女子は各地区に分散している。
また、同じ大学の出身者もいない。


■年少順

24歳鈴木優花、加世田梨花
25歳渡邉桃子、大東優奈
26歳福良郁美、一山麻緒
MGC開催日(10月15日)を基準とした年齢では、大卒2年目の鈴木優花(第一生命グループ)と加世田梨花(ダイハツ)がともに24歳。ただ、誕生日は鈴木が1999年9月14日、加世田が同3月2日なので加世田が1学年上になる。20歳代が21人、30歳代が6人で、男子同様前回大会と比べて20代の割合が減っている(83.3%→77.8%)。


■年長順

36歳山口遥
34歳阿部有香里
32歳吉川侑美、市田美咲、鈴木亜由子
31歳前田彩里
前回大会は37歳だった福士加代子(ワコール)が年齢では一人抜きんでていた印象だったが、今回は円熟味を増したベテラン選手が前回大会以上に揃った。上位を30歳代が占める可能性もありそうだ。


■長身順

169㎝池田千晴
167㎝福良郁美、山口遥
166㎝前田穂南
164㎝吉川侑美
※陸連のアンケートに回答があった選手に限る


■全日本実業団女子駅伝区間賞獲得者

2022年/第42回太田琴菜(2区)
2021年/第41回渡邉桃子(6区)
2020年/第40回鈴木亜由子(5区)
2018年/第38回森田香織(1区)
2017年/第37回森田香織(1区)、前田彩里(5区)
2016年/第36回一山麻緒(1区)


■全日本大学女子駅伝区間賞獲得者

2020年/第38回加世田梨花(5区)、鈴木優花(6区)
2019年/第37回鈴木優花(3区)、加世田梨花(5区)
2018年/第36回鈴木優花(2区)
2017年/第35回細田あい(3区)
2015年/第33回太田琴菜(5区)
2014年/第32回太田琴菜(2区)


■全国高校駅伝区間賞獲得者

2012年/第24回松田瑞生(2区)=欠場


■マラソン日本歴代20傑入り選手

順)記録氏名
5)2.20.29一山麻緒
6)2.20.52松田瑞生=欠場
7)2.21.36安藤友香
8)2.21.42細田あい
11)2.21.52鈴木亜由子
12)2.21.55加世田梨花
14)2.22.13佐藤早也伽=欠場
16)2.22.29上杉真穂
17)2.22.32前田穂南
19)2.22.48前田彩里
日本歴代20傑の選手のうち、半数の10人が今大会に出場予定だったが、10月3日に松田と佐藤の欠場が発表され8人となった。とはいえ、歴代20傑のうち現役選手は11人だから、その72.7%が集結するのだ。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)


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