2019年9月15日、日本の陸上史に刻まれるレースが行われた。
東京五輪マラソン代表選考レース「MGC」。東京・渋谷区の明治神宮外苑いちょう並木のスタート・フィニッシュ以外は東京五輪本番と同様のコースを舞台に、男子は午前8時50分、女子は同9時10分、〝一発勝負〟の始まりを告げる号砲が鳴り響いた。
エントリー 31人中30人が出場した男子は、スタートしてすぐに飛び出した設楽悠太(Honda)が、最大では後続に2分13秒もの大差をつける独走劇を展開。だが、9人の後続集団が後半から徐々に追い上げ、上りが始まった37㎞過ぎに設楽を吸収すると、ここからが死闘の始まりだった。
まず、橋本崚(GMOアスリーツ)の仕掛けで集団の人数は4人に。そして39.2km、中村匠吾(富士通)がスパートを放って集団が一気にばらけた。真っ先に追いかけたのが服部勇馬(トヨタ自動車)、そして大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)。大迫が日本記録保持者の意地を見せて服部をかわし、中村に並びかける。
だが、中村が残り800mの急坂で狙いすましたように2度目のスパートを放つ。レース前日の下見で「ここがポイントになるんじゃないか」とインプットしたのが、まさにこの地点。大迫を一気に突き放し、大歓声を浴びながらVロードへ。2時間11分28秒で優勝を飾り、堂々の東京五輪代表の座をつかみ取った。26歳最後の日に、「自分自身への一番のプレゼントかな」と振り返った。
代表の残り1枠を懸けた2位争いは、服部が残り300m付近で大迫をかわし、2時間11分36秒でフィニッシュ。大迫は5秒差で3位となった。4位は大塚祥平(九電工)、5位は橋本だった。
エントリー 12人中10人で争った女子は、前田穂南(天満屋)が衝撃的なレースを見せた。3人が出場したワコール勢のうち、一山麻緒が最初の5kmを16分31秒のハイペースで入る。だが、ペースが落ち着いた15㎞過ぎから集団をリードしたのが前田。徐々に集団の人数を削り、最後まで残った鈴木亜由子(日本郵政グループ)も19㎞過ぎに引き離した。
「自分でしっかり行くと決めていた」という前田の独走劇。大観衆で埋まった東京の街を独り占めにし、レース中に28度を超えた暑さの中を2時間25分15秒という好タイムでフィニッシュした。
「優勝できてうれいしいという感情と、東京五輪の出場権を獲得できてホッとした気持ちです」。前田はそう笑顔で語った。
女子も2位争いは熾烈な争いとなり、鈴木が終盤に止まりそうな脚を必死に動かして2時間29分02秒で2大会連続の五輪代表入りを確保。その後方から4秒差まで追い上げた小原怜(天満屋)が3位に続き、松田瑞生(ダイハツ)が4位、野上恵子(十八銀行)が5位に入った。
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東京五輪MGC成績
■男 子①中村 匠吾(富士通) 2.11.28
②服部 勇馬(トヨタ自動車) 2.11.36
③大迫 傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト) 2.11.41
④大塚 祥平(九電工) 2.11.58
⑤橋本 崚(GMOアスリーツ) 2.12.07
⑥竹ノ内佳樹(NTT西日本) 2.12.31
⑦鈴木 健吾(富士通) 2.12.44
⑧中本健太郎(安川電機) 2.12.46
⑨藤本 拓(トヨタ自動車) 2.13.58
⑩岡本 直己(中国電力) 2.14.55
⑪上門 大祐(大塚製薬) 2.15.08
⑫山本 浩之(コニカミノルタ) 2.15.52
⑬河合 代二(トーエネック) 2.15.56
⑭設楽 悠太(Honda) 2.16.09
⑮堀尾 謙介(トヨタ自動車) 2.16.21
⑯山本 憲二(マツダ) 2.16.44
⑰神野 大地(セルソース) 2.17.40
⑱木滑 良(MHPS) 2.18.51
⑲谷川 智浩(コニカミノルタ) 2.18.56
⑳岩田 勇治(MHPS) 2.19.45
㉑村澤 明伸(日清食品グループ) 2.19.52
㉒福田 穣(西鉄) 2.19.55
㉓佐藤 悠基(日清食品グループ) 2.20.13
㉔藤川 拓也(中国電力) 2.20.35
㉕今井 正人(トヨタ自動車九州) 2.21.15
㉖園田 隼(黒崎播磨) 2.21.51
㉗井上 大仁(MHPS) 2.22.10
髙久 龍(ヤクルト) 途中棄権
荻野 皓平(富士通) 途中棄権
宮脇 千博(トヨタ自動車) 途中棄権
■女 子
①前田 穂南(天満屋) 2.25.15
②鈴木亜由子(日本郵政グループ) 2.29.02
③小原 怜(天満屋) 2.29.06
④松田 瑞生(ダイハツ) 2.29.51
⑤野上 恵子(十八銀行) 2.31.14
⑥一山 麻緒(ワコール) 2.32.30
⑦福士加代子(ワコール) 2.33.29
⑧安藤 友香(ワコール) 2.36.29
⑨岩出 玲亜(アンダーアーマー) 2.41.22
上原 美幸(第一生命グループ) 途中棄権
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男子は中村、女子は前田が優勝
男子はスタートしてすぐに設楽悠太(Honda)が飛び出し、一時は後続に2分13秒もの大差をつけた
徐々にスピードが鈍った設楽(左端)が37km過ぎに集団につかまる
死闘の幕開けは3 9km過ぎ。橋本崚(GMOアスリーツ、右から4人目)の仕掛けに反応した中村(右端)が1回目のスパートを放つ
中村(手前)は大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)に一度は追いつかれたものの、残り800mで勝負を決す2度目のスパート
歴史的レースを制し、五輪代表切符を手にした中村
2位争いは大迫を終盤にかわした服部が制し、2枠目の代表の座をつかんだ。大迫は5秒差で3位にとどまる
女子は序盤、一山麻緒(先頭)らワコール勢がハイペースで集団を引っ張る展開に
中盤から先頭に立って集団を振るい落とした前田(右)が、19km過ぎに鈴木(その左後方)を引き離して独走態勢を築く
前田は後続に4分近い大差をつける衝撃のレースでVテープを切った
2位は鈴木が必死の走りで確保。小原怜(天満屋)の猛追を4秒差でしのいだ
編集:月刊陸上競技
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