2023.08.17(木)選手

【記録と数字で楽しむブダペスト世界選手権】女子100mハードル:トリオ出場は史上初。揃って準決勝進出なるか?(予選8月22日、準決勝23日、決勝24日)



8月19日(土)から27日(日)の9日間、ハンガリーの首都ブダペストを舞台に「第19回世界陸上競技選手権大会」が開催される。日本からは、76名(男子48名・女子28名)の代表選手が世界のライバル達と競い合う。

現地に赴く方は少ないだろうがテレビやネットでのライブ中継で観戦する方の「お供」に日本人選手が出場する33種目に関して、「記録と数字で楽しむブダペスト世界選手権」をお届けする。

なお、これまでにこの日本陸連HPで各種競技会の「記録と数字で楽しむ……」をお届けしてきたが、過去に紹介したことがある拙稿と同じ内容のデータや文章もかなり含むが、可能な限りで最新のものに更新した。また、記事の中では五輪についても「世界大会」ということで、そのデータも紹介している。

大会期間中は、日本陸連のSNS(Facebook or X)で、記録や各種のデータを随時発信予定。そちらも「観戦のお供」にしていただければ幸いである。
日本陸連Facebook:https://www.facebook.com/JapanAthletics
日本陸連X(Twitter):https://twitter.com/jaaf_official

現地と日本の時差は、7時間で日本が進んでいる。競技場内で行われる決勝種目は、日本時間の深夜から早朝にかけて競技が行われる。

睡眠不足にどうぞご注意を!


女子100mハードル

(実施日時は、日本時間。カッコ内は現地時間)
・予 選 8月23日 01:40(22日 18:40) 5組4着+4
・準決勝 8月24日 03:40(23日 20:40) 3組2着+2
・決 勝 8月25日 04:25(24日 21:25)

※記録は原則として7月31日判明分。現役選手の敬称は略させていただいた。トラック競技の予選・準決勝の通過条件(○組○着+○)は、ルールやこれまでの世界大会でのものを参考に記載したため、ブダペストではこれと異なる条件になる可能性もある。


トリオ出場は史上初。揃って準決勝進出なるか?

参加標準記録の12秒78には届かなかったが、日本選手権で1・2・3位だった寺田明日香(ジャパンクリエイト)、青木益未(七十七銀行)、田中佑美(富士通)がワールドランキングで出場権を得た。寺田は19年ドーハから2大会ぶり3回目。青木はオレゴンから2大会連続。田中は初出場だ。この種目でのフルエントリーは史上初。五輪では21年東京に寺田・青木・木村文子(エディオン)がトリオで出場している。

22年9月の全日本実業団で12秒73をマークして唯一の参加標準記録(12秒78)突破者だった福部真子(日本建設工業)は日本選手権で「3位以内で代表内定」だったが3着の田中と0秒04差で4着となり内定ならず。1国3名以内でカウントした田中のワールドランキングがターゲットナンバーの40位以内に入るか否かによって、3人目の代表が田中か福部かという状況だったが、「33位」で初の代表切符を手に入れた。


世界選手権&五輪での日本人最高成績と最高記録

<世界界選手権>
「最高成績」
2022年 準決勝2組6着 13.04(-0.1)青木益未(七十七銀行)
「最高記録」
12.82(+0.9)福部真子(日本建設工業)2022年 準決勝1組8着 =日本新

福部が日本新をマークした準決勝1組1着のトビ・アムサン(ナイジェリア)の12秒12は6年ぶりの世界新だった。

<五輪>
1968年までの80mHでは、
「最高成績」
1964年 5位 10.72(+2.3)依田郁子(リッカー)=正式記録は10分の1秒単位の「10秒7」

1972年からの100mHでは、
「最高成績」
2021年 準決勝1組6着 13.06(-0.8)寺田明日香(ジャパンクリエイト)
「最高記録」
12.95(+0.3)寺田明日香(ジャパンクリエイト)2021年 予選5組5着


世界選手権&五輪での決勝と準決勝に進めなかった最高記録

世界選手権が始まった1983年以降の五輪と世界選手権での「決勝に進めなかった(準決勝で落選)最高記録」と「準決勝に進めなかった(予選で落選)最高記録」は、以下の通り。一次予選・二次予選があった時は、二次予選の記録を記載した。また、五輪を含む12年からの至近8大会については、予選と準決勝を最も遅いタイムで通過した選手の記録をカッコ内に示した。

準決落最高予選落最高
198313.0813.21=二次予選
1984五輪13.2013.72
198713.0413.40
1988五輪12.9313.32=二次予選
199113.0213.29
1992五輪13.1413.31=二次予選
199312.9613.41
199512.8713.13
1996五輪12.7012.78=二次予選
199712.9113.07
199912.8312.96=二次予選
2000五輪12.9213.11=二次予選
200112.7813.13
200312.8713.29
2004五輪12.6013.01
200512.8513.17
200712.8012.94
2008五輪12.8612.99
200912.7613.23
201112.8613.28
2012五輪12.75(12.83)13.10(13.51)
201312.82(12.78)13.24(13.33)
201512.86(12.86)13.13(13.14)
2016五輪12.86(12.82)13.01(13.04)
201712.87(12.86)13.14(13.15)
201912.78(12.65)13.11(13.14)
2021五輪12.69(12.67)13.03(13.04)
202212.52(12.50)13.12(13.12)
最高記録12.5212.78
世選最高12.5212.94
五輪最高12.6012.78

以上のカッコ内の「通過者最低記録」の通り、12年以降の至近8大会のデータからすると、その組の風速による運・不運もあるが、予選を12秒台で走れば準決勝進出はほぼ大丈夫そうだ。

日本選手にとって勝負となる準決勝の壁は、やはり厚い。
「最も遅いタイムの準決勝通過者」は、17年までは12秒8台あたりだったが、19年ドーハは12秒65、21年東京五輪も12秒67と大幅にアップ。さらに22年オレゴンでは、なんと「12秒50でプラスの2番目」。「12秒52で落選」とういう信じられないレベルになってしまった。

オレゴンのレベルだとさすがに厳しいが、ドーハと東京五輪と同程度ならば、福部の日本記録12秒73の数十cm先に「ファイナリスト」へのラインがあることになる。
ブダペストの準決勝の舞台で、日本新をマークすることが24年パリ五輪、25年東京世界選手権での「世界のファイナリスト」への道を開くことにもなる。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)


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