2023.08.14(月)選手

【記録と数字で楽しむブダペスト世界選手権】女子1500m:高校1年生から8年間チームメイトだった田中・後藤が揃って出場(予選8月19日、準決勝20日、決勝22日)



8月19日(土)から27日(日)の9日間、ハンガリーの首都ブダペストを舞台に「第19回世界陸上競技選手権大会」が開催される。日本からは、76名(男子48名・女子28名)の代表選手が世界のライバル達と競い合う。

現地に赴く方は少ないだろうがテレビやネットでのライブ中継で観戦する方の「お供」に日本人選手が出場する33種目に関して、「記録と数字で楽しむブダペスト世界選手権」をお届けする。

なお、これまでにこの日本陸連HPで各種競技会の「記録と数字で楽しむ……」をお届けしてきたが、過去に紹介したことがある拙稿と同じ内容のデータや文章もかなり含むが、可能な限りで最新のものに更新した。また、記事の中では五輪についても「世界大会」ということで、そのデータも紹介している。

大会期間中は、日本陸連のSNS(Facebook or X)で、記録や各種のデータを随時発信予定。そちらも「観戦のお供」にしていただければ幸いである。
日本陸連Facebook:https://www.facebook.com/JapanAthletics
日本陸連X(Twitter):https://twitter.com/jaaf_official

現地と日本の時差は、7時間で日本が進んでいる。競技場内で行われる決勝種目は、日本時間の深夜から早朝にかけて競技が行われる。

睡眠不足にどうぞご注意を!


女子1500m

(実施日時は、日本時間。カッコ内は現地時間)
・予 選 8月19日 20:15(19日 13:15) 4組6着
・準決勝 8月21日 00:05(20日 17:05) 2組6着
・決 勝 8月23日 04:30(22日 21:30)

※記録は原則として7月31日判明分。現役選手の敬称は略させていただいた。トラック競技の予選・準決勝の通過条件(○組○着+○)は、ルールやこれまでの世界大会でのものを参考に記載したため、ブダペストではこれと異なる条件になる可能性もある。


高校1年生から8年間チームメイトだった田中・後藤が揃って出場

21年東京五輪8位入賞の田中希実(New Balance/エントリー記録4分06秒75=23年・自己ベスト3分59秒19=21年)が5000mとの2種目に出場する。1500mは22年オレゴンに続き2大会連続、5000mは19年ドーハから3大会連続出場。五輪を含めると世界大会への連続出場は、1500mが3、5000mが4となる。1500mの参加標準記録4分03秒50には届かなかったが、アジア選手権優勝者の資格(ワールドランキングも35位)での出場だ。5000mは参加標準記録14分57秒00をクリアする14分53秒60(23年)での出場。22年オレゴンでは、800mも加えての3種目出場だったのはご存知の通り。

もうひとり、田中と同学年の後藤夢(ユニクロ)もアジア室内2位、アジア選手権2位の順位ポイントが効いてターゲットナンバー56名のなかのランキング47位で初の代表切符をゲットした。エントリー記録は4分10秒79(22年)、自己ベストは4分09秒41(22年)。8月4日はサードベストの4分09秒61で走り昇り調子である。

田中と後藤は、兵庫・西脇工業高校→同志社大学(陸上競技での登録は、NDアスリートクラブ→豊田自動織機TC)→豊田自動織機と8年間同じチームで切磋琢磨してきた。23年4月に田中は「New Balance」に後藤は「ユニクロ」の所属となったが、双子の兄弟・姉妹以外で、同学年で8年間も同じチームで活動していた選手が同一種目で同じ世界大会に出場するのは、史上初である。

田中がエントリーする1500mと5000mの日程は、下記の通り。
・日本時間でカッコ内が現地時間
1500m予選8月19日20:15(19日13:15)4組6着
1500m準決8月21日00:05(20日17:05)2組6着
1500m決勝8月23日04:30(22日21:30) 
5000m予選8月23日18:10(23日11:10)2組8着
5000m決勝8月27日03:50(26日20:50) 

今回と同じく1500mと5000mに出場した東京五輪では、5000m予選で惜しいところで落選(14分59秒93の自己新ながらも「+5」の6番目で0秒38及ばす)した。その3日後から1500mだったが、今回は1500mが終わってからの5000mという順序になる。1500mで決勝に残った場合、現地時間の22日21時30分に決勝を走り、翌日11時10分に5000m予選というスケジュールとなる。日本時間では、同じ日の早朝4時30分と18時10分で、そのインターバルは14時間弱だ。


世界選手権&五輪での日本人最高成績と最高記録

<世界選手権>    
最高成績準決勝2組6着4.05.79田中希実(豊田自動織機)2022年
最高記録4.05.30予選2組7着田中希実(豊田自動織機)2022年

<五輪>    
最高成績8位3.59.95田中希実(豊田自動織機TC)2021年
最高記録3.59.19準決勝1組5着田中希実(豊田自動織機TC)2021年=日本新


1983年以降の世界選手権&五輪での1・3・8位の記録と決勝&準決勝に進めなかった最高記録

・「-------」は、予選・決勝の2ラウンド制。この場合、予選の記録は準決勝の記録として扱った。
1位3位8位準決落最高予選落最高
19834.00.904.02.254.05.734.10.89-------
1984五輪4.03.254.04.154.08.924.11.86-------
19873.58.563.59.274.03.634.07.38-------
1988五輪3.53.964.00.304.02.494.07.40-------
19914.02.214.02.724.05.524.07.39-------
1992五輪3.55.303.57.084.02.034.04.804.15.16
19934.00.504.04.294.08.234.09.75-------
19954.02.424.03.794.07.274.10.284.19.12
1996五輪4.00.834.03.024.05.924.09.034.14.82
19974.04.244.04.704.07.814.07.194.11.21
19993.59.234.00.964.04.724.05.72-------
2000五輪4.05.104.05.274.08.304.07.874.10.21
20014.00.574.02.404.08.174.09.664.15.30
20033.58.523.59.954.02.464.06.644.16.38
2004五輪3.57.903.58.394.00.674.07.214.07.96
20054.00.354.02.454.04.774.09.90-------
20073.58.754.00.824.08.644.08.024.11.51
2008五輪4.00.234.01.784.04.864.06.64-------
20094.03.744.04.184.08.814.06.884.09.84
20114.05.404.05.874.08.144.06.644.12.03
2012五輪4.10.744.11.034.16.574.04.794.08.78
20134.02.674.03.864.06.014.05.364.09.40
20154.08.094.09.344.13.224.10.014.09.06
2016五輪4.08.924.10.534.13.144.05.814.09.45
20174.02.594.02.904.04.354.05.804.05.81
20193.51.953.54.383.58.424.01.804.08.56
2021五輪3.53.113.55.803.59.954.02.124.06.23
20223.62.963.55.284.01.984.04.624.07.12
最高記録3.51.953.54.383.58.424.01.804.05.81
世選最高3.51.953.54.383.58.424.01.804.05.81
五輪最高3.53.113.55.803.59.954.02.124.06.23

五輪を含めて17年以降の至近4大会のデータからすると、その組のレース展開にもよるが、予選は4分5~6秒あたり、準決勝は4分1~2秒くらいで走る力が要求されることになりそうだ。

21年東京五輪と22年オレゴンのの参加標準記録はともに「4分04秒20」だった。それをクリアしての出場者は東京が25名、オレゴンが31名。今回のブダペストは「4分03秒50」にアップしたが、突破者は34名。レベルはどんどん上がっている。準決勝に進めるのは、24名。エントリー記録での24位は、4分02秒00だ。


田中の日本記録(3.59.19)と五輪8位の時の100m毎

・世界陸連HPのデータによる。
・400m・800mは、田中が先頭だったタイマーのタイム。
・カッコ付き数字は、各地点の通過順位。

【日本記録(3.59.19)の時の100m毎】
(東京五輪・準決勝1組/13名出場)
<田中希実>
1002)15.015.0    
2002)30.515.530.5   
3002)46.215.7 46.2  
4001)1.02.7416.532.2 62.74 
5001)1.19.216.5   79.2
6001)1.35.916.733.249.7  
7001)1.52.316.4    
8001)2.09.0516.833.2 65.74 
9004)2.25.416.3 49.0  
10005)2.41.416.032.3  82.2
11005)2.56.615.2    
12005)3.12.015.430.646.662.9 
13005)3.27.315.3    
14005)3.43.115.831.1   
15005)3.59.1916.1(31.9)47.2(62.6)77.8
前半2.00.7+後半1.58.5(前後半差△2.2)
・前半(750mは、700mと800mの通過タイムからの推定)
以下、ラストのタイム
1000m 2.40.0
800m 2.06.9
600m 1.33.8

【東京五輪8位入賞(3.59.95)の時の100m毎】
(東京五輪・決勝/13名出場)
<田中希実>
1002)15.015.0    
2003)31.016.031.0   
3005)46.915.9 46.9  
4005)1.03.316.432.3 63.3 
5005)1.19.516.2   79.5
6005)1.35.816.332.548.9  
7005)1.51.715.9    
8005)2.07.615.931.8 64.3 
9005)2.23.415.8 47.6  
10005)2.39.315.931.7  79.8
11006)2.55.316.0    
12006)3.10.915.631.647.563.3 
13006)3.26.815.9    
14007)3.43.616.832.7   
15008)3.59.9516.4(33.2)49.1(64.7)80.7
前半1.59.7+後半2.00.3(前後半差▼0.6)
・前半(750mは、700mと800mの通過タイムからの推定)
以下、ラストのタイム
1000m 2.40.5
800m 2.07.3
600m 1.36.6

準決勝は、2周目でペースダウンしたぶん終盤のペースが上がった。
決勝は、ほぼイーブンペースの展開でラストが準決勝ほどスピードアップしなかった。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)


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