2023.04.15(土)選手

【日本選手権35km競歩】前日会見/川野将虎、松永大介、野田明宏、園田世玲奈、岡田久美子



今年度最初の日本選手権となる第107回日本選手権35km競歩が4月16日、8月に行われるブダペスト2023世界選手権、9月に予定されている杭州2022アジア大会の日本代表選考会を兼ねて、石川県輪島市で開催されます。

4月15日午後には、注目選手を招いての前日会見が行われ、男子は前回1~3位の川野将虎(旭化成)、松永大介(富士通)、野田明宏(自衛隊体育学校)の3選手が、女子は前回覇者の園田世玲奈 選手(NTN)のほか、今回初めて35kmに挑戦する女子20km競歩日本記録保持者の岡田久美子選手(富士通)の2名が出席。これまでの経過や現在の状態、レースに向けての抱負などを述べました。
各選手のコメント(要旨)は、以下の通りです。


【登壇選手コメント(要旨)】 




◎川野将虎(旭化成)

明日は、派遣設定記録を突破して(ブダペスト世界選手権の)代表権を獲得できるように頑張っていきたいと思っている。これまでの準備としては、2月に行われた日本選手権(20km競歩)に向けては、パリオリンピックも意識して、いろいろな取り組みにチャレンジしてきた。そのなかで噛み合わない部分もあり、(神戸では)後半で失速してしまった。ただ、その経験をもとに、今回のレースに向けては、スピード強化の面で成長を感じている。(1km)4分5秒のペースでも楽に乗せるようになっていて、さらに3分40秒を切るような速い展開になっても、恐れずに立ち向かうことができるスピードを身につけることができていて、そこは、プラスになっているなと思っている。
「噛み合わない部分」というのは、スピード強化を行ったことによって、どうしても自分の強みであった最後の粘り強さのところが、神戸では発揮できなかった点。今大会に向けては、そこに対して、(酒井)瑞穂コーチと綿密に摺り合わせを行い、「どういうふうに対応していくか」を計画して準備し、それを克服するような取り組みに挑戦してきた。瑞穂コーチや、所属先、練習環境を貸してくださっている東洋大学、今村文男シニアディレクターはじめ日本陸連の方々などのいろいろな支えがあって、神戸から少しずつ調子も上がってきている。
現状は、まだ(世界選手権本番に向けた)過程の段階。明日は、チェックの意味合いも含めて、しっかりと頑張っていきたい。




◎野田明宏(自衛隊体育学校)

この大会は、本当に優勝しか狙っていない。「さすがにそろそろ、もう一度優勝したいな(注:50kmで実施していた第102回大会で優勝)」という気持ちで、この輪島にやって来た。
ここまでは、今までのなかでも、「これでもか」というくらいに、しっかりと練習することができている。昨年の輪島(日本選手権)、夏のオレゴン(世界選手権)に比べると、量も質も、本当に今回はすごくやってきた。
スピードに関しては、神戸(20km競歩)も本気で(世界選手権代表入りを)狙っていたこともあり、昨年の11月、12月くらいから、しっかりとスピードを追い求めて取り組んできたが、その部分を、神戸以降の3月も継続してききたなかで、それにプラスして、ある程度の距離を踏むということも、この輪島に向けてやってきた。
正直、「(身体が)パンクするんじゃないかな」という気持ちも自分のなかに浮かんだほどだったが、思った以上に余裕をもって、一番強化しなければいけないところで強化することができてきているので、そこがすごく自信になっている。
明日のレースには、本当に準備万端という状況で臨んでいく。




◎松永大介(富士通)

2月の神戸(日本選手権20km競歩)が思うような結果にならず、そのあとも体調のコントロールがうまく行かずに、正直、かなり不安が大きいかなというのが実際にはある状況。ただ、自分は、こういう逆境にあるときが一番力を発揮できると思うので、明日は、川野選手、野田選手を目標にしながら、しっかり完歩したい。
(明日のレースでは、特徴である前半からの飛び出しを考えているのか、との質問に対して)この場で「飛ばさない」と言っても、“どうせ飛ばすんでしょ”と言われてしまうので…(笑)。「元気があったら飛ばしたい」と思う。





◎園田世玲奈(NTN)

今回のレースに向けては、優勝し、ブダペスト世界陸上の内定をつかめるいように精いっぱい取り組んできた。ここまでの過程としては、先月に能美競歩(3月19日、20km競歩)に出場している。なかなか思うような練習は積めなかった冬ではあったが、たくさんの方にサポートしていただきながら、ここまで積み上げてくることができた。毎年ケガをしてしまい、なかなか年間を通して積み上げていくのは難しいのだが、明日は、支えてもらった多くの人への感謝の気持ちを込めて、歩けたらいいなと思う。
ケガは、昨年の12月に左足首を捻挫していたもの。昨年度や一昨年に比べると、特に重症ではなかったのだが、バランスを崩してしまったり、普段は張らないような部分が張ってしまったりと、なかなか抜け出せない日々が今回も続いていた。
(オレゴン)世界選手権を経験して、今まで見たことのない景色をたくさん見せていただいたことで、自分自身のすごく貴重な経験になっている。また、35kmという種目を誰よりも経験しているという点も自信に、それを強みに変えて頑張りたい。





◎岡田久美子(富士通)

日本選手権20km競歩(2月19日:神戸市)のあとに、35km競歩の出場を決めた。
これまで20km競歩で記録を更新したり世界大会で入賞したりすることはあったが、近年はなかなか記録が伸びてきていないので、正直、頭打ちが来ているのではないかという思いがあった。キャリアの最後に長い距離に挑むという新しいことに挑戦して、自分自身をさらに高めていけたら…という思いで、この種目への挑戦を決めた。
神戸が終わってからこれまでの1カ月半くらいではあるが、35kmの練習に初めて取り組んでみて、「長いなあ(笑)」と思うこともあった。明日はスタートラインに立てることを嬉しく思いながら頑張りたいと思う。目標は、派遣設定記録の突破。優勝も目指したい。



この大会は、ワールドアスレティックス(WA)が世界大会実施種目を50km競歩から35km競歩に変更したことに伴い、昨年から、35kmでの実施に変更されました。日本選手権の部は、男女ともに、4月16日午前8時にスタート。石川県輪島市の「道の駅輪島ふらっと訪夢」前を発着点として、前回から変更となった1周1kmの周回コースで行われます。
日本選手権男女の部は、ブダペスト世界選手権のほか、男女混合種目として実施されることになった杭州アジア大会の代表選考会も兼ねています。ブダペスト世界選手権の代表争いは、男子はオレゴン世界選手権で銀メダルを獲得している川野選手は、この大会で参加標準記録(2時間29分40秒)を突破すれば、順位に関係なく代表に内定するほか、派遣設定記録(2時間27分30秒)を突破済みの野田・松永選手は川野選手を除く最上位でフィニッシュすれば、記録を問わず代表に内定します。このほかの選手は、本大会で即時内定を得るためには、派遣設定記録を突破したうえで、川野選手を除く最上位でレースを終えれば、本大会で即時内定を得ることができる状況です。女子は、派遣設定記録(2時間46分00秒)をクリアしている園田選手は、トップでフィニッシュすれば記録を問わず代表に内定。そのほかの選手は派遣設定記録をクリアして最上位となることが即時内定の条件。これらにより、当日は、男子は最大で2名の、女子は最大1名の即時内定者が出る可能性があります。
日本陸連では、2月の日本選手権20km競歩で公表だった明治大学「明大スポーツ新聞部」とのコラボレーションによる号外の配布を今回も行うほか、公式サイトにおいて大会事前情報、現地観戦ポイント、レースの見方、現地観光情報など、ファンの方々に楽しんでいただく企画を展開してきました。多くの方の来場をお待ちしています。また、4月16日のレースの模様は、日本陸連公式YouTubeチャンネルにおいて、ライブ配信を予定しています。世界的にも高いレベルにある日本競歩の「日本一決定戦」を、ぜひ、お楽しみください。
大会に関する情報は、日本陸連公式ホームページ内に設けられている競歩の特設サイト「Race walk Navi~競歩ナビ~」からの閲覧が便利です。エントリーリストやライブ配信先へ簡単にアクセスできるほか、競歩の歴史やルール、日本選手権歴代優勝者、大会展望、ブダペスト世界選手権の内定条件、内定条件をクリアできるペース紹介等、競歩をより楽しんで見ていただける情報を満載していますので、どうぞ、ご活用ください。


◎競歩特設サイト「Race walk Navi~競歩ナビ~」

https://www.jaaf.or.jp/racewalking/ 


◎ライブ配信




文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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