2023.03.20(月)大会

【能美競歩/優勝コメント】古賀は世界選手権派遣設定記録を突破・柳井は大幅自己ベストで初優勝!

写真:共同通信イメージズ
3月19日、第47回全日本競歩能美大会が、第17 回日本学生20km競歩選手権大会との併催で、石川県能美市にある根上文化会館前の日本陸連公認能美市営20kmコースにおいて行われました。この大会は、全日本の部は、7月に開催される「バンコク2023アジア選手権」8月に開催される「ブダペスト2023世界選手権」、9月に開催される「杭州2022アジア競技大会」の男女20km競歩日本代表選手選考競技会を兼ねて、また、日本学生20km競歩選手権は、ワールドユニバーシティゲームズ(2021/成都)日本代表選手選考競技会を兼ねて開催されました。
また、4年ぶりにAsian20km RaceWalking Championships in NOMI 2023 も併催され、日本からは柳井綾音(立命館大学)・住所大翔(順天堂大学)がエントリー。住所選手は欠場となりましたが、アジア各国の選手が能美市に集い、熱いレースが繰り広げられました。

>>第47回全日本競歩能美大会
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【古賀友太(大塚製薬)】

全日本競歩男子20km競歩 優勝

1時間19分19秒 =ブダペスト世界選手権派遣設定記録突破



今日は、ブダペスト世界選手権派遣設定記録の1時間19分30秒を切って日本人トップを取ることを目標にして臨んでいた。この結果にホッとしている。風もあまりなく、気温も低く歩きやすいコンディションだったので、前半は抑えてイーブンペースくらいで行き、後半で上げるというレースプランだった。海外の選手がうまく(ペースを)上げてくれたので、一緒に行くことができた。
前半は(集団で)まとまって行くだろうと思っていたので、後半、どれだけ我慢して他の選手が離れるのを待てるかということと、自分がどれだけ(ペースを)上げられるかというところだった。ラスト5kmは疲れてしまって、思うようにペースを上げることができなかったが、ぎりぎり我慢できたかなというところで、この記録に繋がったように思う。
1時間18分42秒の自己ベストを出したのも、(2020年の)この大会。そのときは、終始ほかの選手につかせてもらって、後半離れてしまったもののベストが出せたというレースだった。今回は、自分で引っ張ることができ、レースをつくれたかなという場面もあったので、そこは成長したところかなと思う。
まだ世界陸上の代表に内定したわけではないが、もし、出場できたとしたら、メダルを取りたい。このレースで、自分のなかでの今までの殻を破れたというか、前進することができたように感じている。世界で戦っていきたいという思いを強く持っているので、今回感じた課題を克服できるように、これからも練習を積んでいきたい。
前半は余裕を持っていけたし、これまでずっと課題としてきた歩型に関しても、特に問題なく行くことができた。そこはよかったかなと思う。課題だと感じたのは、後半のラスト5km。もうちょっとペースアップしたかったのだが、身体が思うように動かなくなり、海外の選手に離される形となってしまった。日本人トップは取ることはできたけれど、この状態では、国際大会では通用しない。そういうラストで(ペースを)上げきるところにも、これから取り組んでいきたい。
また、レースの駆け引きという点では、前半は、ほぼ私が引っ張る形となって、力を使ってしまった。海外の選手は、出るところは出て、抑えるところは抑えて後ろにつくというような、メリハリのあるレースをしていた。自分も、そういう頭の使ったレースができるようになりたい。
今後、世界の大会で戦うとなると、前半(のペースが)速いのは当たり前で、後半の部分が鍵になってくる。また、ずっと一定のペースでなく、レースのなかで上がったり下がったりというのも当たり前になってくると思う。そのなかで1時間18分台や17分台を出せるような余裕度をつくれるようになりたい。


【柳井綾音(立命館大学)】

アジア選手権女子20km競歩 2位

全日本競歩女子20km競歩 優勝

日本学生選手権女子20km競歩 優勝

1時間30分58秒



今回が、シニアでの初の日本代表。日本のレベルが高いなかで自分を選んでいただき、その責任の重さを感じて、怖さを感じていて、正直、自信はなかった。しかし、もともと照準は能美に合わせていたし、怖いなかでも練習は、きちんとできていた。その成果として、こうして結果を残せたことで、また成長できたなと思う。そして、「また、この(日本代表)ユニフォームを着て、メダルとかを目指していきたい」と思った。
今日の目標タイムは1時間32分。海外の選手がせっかく日本に来てくださっているので、自分がどこまで競えるかという思いで、積極的にレースした。1kmごとのペースも特に決めておらず、流れに乗って、どこまでついていけるかを試してみた。
序盤、自分が2kmで前に出たわけだが、そのときは身体が動いていたので、余裕を持って歩けたけれど、海外選手が5kmを過ぎてからペースを上げていったので、そこが強いなと感じた。4~5km辺りで突き放されてからは、(がっかりするのではなく)「ここはついていけなかった」と(気持ちを)切り替えて、自分のペースで、どこまで行けるかということを考えて歩いた。前回(の日本選手権20km競歩で)は17kmで“ガク落ち”してしまい、課題の残るレースだったので、そこを克服しようと思い、最後に脚を残すイメージでレースを進めた。少しは残せたかな、という感じ。1時間30分58秒というタイムについては、練習は詰めてはいたけれど、こんなタイムが出るとは思っていなかったので、すごく嬉しい。また、全日本ではあるが、ここでタイトルを取れたということで、いいスタートが切れたと思う。
今年は、まずはユニバーシアード(今回からワールドユニバーシティゲームズに改称)。(まだ発表されていないので)代表に選出していただけないと出られないけれど、自分としては、そこを目指していきたいと思っている。
自分は(競歩と並行して)駅伝に出場するなど、長距離もやっているが、これは、走力は、歩く場合でも必要だと思っているから。社会人になったら競歩一本に絞ろうと考えているが、(大学)4年生までは長距離にも取り組んでいくつもりでいる。パリ(オリンピック)を目指したいという思いはあるけれど、出るだけではダメで、結果を出さないと意味はないとう気持ちがあるので、きちんと勝負ができるような力がついてから出たいなと思っている。なので、どちらかというと狙っているのは(2028年)ロサンゼルスオリンピック。そこを一番のピークと考えて、これから徐々に(実力を)上げていきたい。また、(2025年に開催される)東京世界選手権は、大学での集大成として、しっかり出場を果たして、チームを勢いづけたいなと思う。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)




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■第46回全日本競歩能美大会 大会ページ
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■第46回全日本競歩能美大会 リザルト
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