2023.02.17(金)選手

【ダイヤモンドアスリート】メディア研修レポート:メディア対応の必要性と自分を表現することの大切さを学ぶ



第9期ダイヤモンドアスリートに向けた4回目のリーダーシッププログラムが1月24日、オンラインで行われました。今回のプログラムは、「メディア対応」に関する研修です。メディアトレーナーの片上千恵先生(帝京大学准教授)を講師に迎え、第9期生のうち、大学のカリキュラムとの兼ね合いで欠席となったアツオビンジェイソン選手(福岡大学)を除く、藤原孝輝選手(東洋大学)、栁田大輝選手(東洋大学)、佐藤圭汰選手(駒澤大学)、西徹朗選手(早稲田大学)、北田琉偉選手(大塚高校)、澤田結弥選手(浜松市立高校)の6名が、メディアトレーニングを受講しました。

冒頭で、室伏由佳プロジェクトマネジャーが、「ダイヤモンドアスリートの皆さんには、競技面での成長や成功だけでなく、メディア対応に磨きをかけることによって、たくさんの方から応援してもらえる魅力的なアスリートを目指してほしいと思っている。片上先生は、マスメディアの立場で取材する側としても、メディアトレーナーとしても、とても豊富な経験をお持ちなので、この機会に多くのことを学び、ぜひ役立ててほしい」と呼びかけ、片上先生を紹介しました。

片上先生は、NHK松山放送局キャスターなどで、マスメディアの立場で取材活動に従事したのち、メディアトレーナーとしての活動を開始しました。その後、IMAGE WORKS & Co.(イメージワークス)を立ち上げ、企業の幹部やスポークスパーソンを対象にしたメディアトレーニング、プレゼンテーショントレーニング、危機管理対応トレーニング等でも実績を重ねてきた人物。並行して研究者・大学教員としてのキャリアも積み、帝京大学准教授として学生の指導やメディアトレーニングの効果、プログラム開発などの研究に取り組むほか、Bリーグ(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)元理事、全日本テコンドー協会理事としても活躍しています。

室伏マネジャーから引き継ぐ形で画面に登場した片上先生は、キャスター経験者ならではの親しみやすい表情とよく通る声、聞き取りやすい口調で挨拶して、その場の空気をつかむと、「せっかくオンラインで皆さんと繋がっているので…」と、オンライン取材における注意点の説明から研修をスタートさせました。オンライン取材の手法は、コロナ禍が契機となって必要に迫られ、ここ数年で広がりましたが、遠隔地をつなぐ取材ツールとして定着し、今後も需要が続くことが見込まれています。片上先生は、オンライン取材にあたって、望ましいカメラ位置の高さ、背景や明るさ、音声など、設定時に注意すべき点のほか、表情やジェスチャー、ポーズなど、自身の個性がより伝わりやすくなるポイントを具体的に紹介。画面上では、説明を聞いたダイヤモンドアスリートたちが、すぐさまカメラ位置を調整したり、姿勢を正したり、笑顔やあいづちを試したりする様子が映し出されました。

この導入を経て、片上先生は、ダイヤモンドアスリートたちは今後、「競技にかかわる場面だけではなくなる。さまざまな場所・方向から、いろいろな人に見られるようになる」「ファンやメディアは、競技に際しての失敗は、わりとすぐに忘れてくれるが、態度やコメントに難があった場合にはなかなか忘れてくれず、人間性を否定されることもある」「ダイヤモンドアスリートとして、陸上競技の魅力を広めたい、アスリートとしての努力や試行錯誤を理解してほしい、頑張る姿に共感して応援してほしいという思いは、ダイヤモンドアスリート自身がどうアピールするかにかかってくる」とコメント。これらは、メディアを上手に利用することによって、望ましい方向へ進められると述べ、

・メディアと呼ばれる媒体の種類(マスメディアとして従来から存在するテレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4大メディア、急速に広がり定着したインターネットメディア)とそれぞれの特徴、
・アスリートは、どんな種類のメディア対応を行うことになるのか(囲み取材、記者会見、ミックスゾーン対応、インタビュー等)、
について解説。そのうえで、課題として事前に各選手に出していた質問「あなたにとってメディアとはどんな存在か」「なぜアスリートはメディア対応をすると思うか」について、各選手から回答を求め、そこにコメントや説明を加えていくなかで、「メディア対応の必要性」を理解させていきました。



その後、オンライン上には、昨年12月に行われたダイヤモンドアスリート認定式で、実際に各選手たちが受けたメディア取材の映像が流れました。自身がコメントする様子について、片上先生は各選手たちに「自分のイメージとのギャップの有無」「映像を見て感じたこと、改善したいこと」などを聞いたあと、良かった点を挙げるとともに、改善するともっと良くなる点を助言していきました。そして、まとめとして、インタビューを受ける際に留意するとよいポイントを、ノンバーバル(非言語:声や表情、仕草など言葉を使わない)とバーバル(言語:言葉を使う)に分けて、トップアスリートの映像なども用いながら、具体的に詳しく紹介していきました。


続いて行われたのは実践トレーニングです。ここまでに学んだバーバル、ノンバーバルそれぞれのポイントを意識しながら、ダイヤモンドアスリートたちは「1分間の自己紹介を行う」という課題に取り組みました。時間の都合で、栁田選手と藤原選手の2人が実際に挑戦。その内容に対して、自身が反省したり、ほかの選手が感想を述べたりしたうえで、片上先生からも「ここが素晴らしかった」「もし、この点を改善したいなら、こうするともっと良くなる」と具体的なアドバイスが寄せられました。
これらを踏まえて、「自己紹介で気をつけたいこと」として、名前を正しく覚えてもらう言い方や、競技を絡めてアピールする方法など、それぞれのオリジナリティを出すことの重要性が強調されました。


このほか、インタビューに対応する際、競技の魅力や自分自身について、質問される内容を想定して事前に準備しておくと、うまく伝えられるようになることや、存在感や発信力が強まると、今後はスポーツだけでなく、社会的・政治的な質問にも対応しなければならない場面が生じることも示唆。この場合も、やはり日常の備えが大切になってくると呼びかけました。

最後に、インタビューを受ける際に知っておくと便利として、動画(テレビ)メディア対応時と音声メディア対応時について、それぞれ注意するとよいポイントも紹介。「おまけに、ぜひ覚えておいてほしいこと」として、「今後、何度も顔を合わせることになる陸上専門の記者の名前は、名字だけでいいので覚えて、次に合ったときは、名前で挨拶したり呼びかけたりしよう。それによって、必ず良いコミュニケーションがとれて、良い関係を続けていくことにつながる」とアドバイスし、1時間半にわたる研修を終えました。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)


【ダイヤモンドアスリート】特設サイト

>>https://www.jaaf.or.jp/diamond/



■【ダイヤモンドアスリート】第9期認定式・修了式レポート&コメント
https://www.jaaf.or.jp/news/article/17246/

■【ダイヤモンドアスリート】第9期リーダーシッププログラムレポートVol1.:修了生北口が活躍の糸口となった経験や自身の信念を語る
https://www.jaaf.or.jp/news/article/17278/

■【ダイヤモンドアスリート】第9期リーダーシッププログラムレポートVol2.:修了生北口榛花が語る「世界一を実現するために大切なこと」
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■【ダイヤモンドアスリート】リーガル研修レポート:自分を守るために大切な知識や法律について
https://www.jaaf.or.jp/news/article/17421/

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