2023.02.14(火)大会

【日本選手権20km競歩】展望:藤澤勇アンバサダーに聞く『世界一熾烈な頂上決戦』!



日本の競歩は、今や世界中から高い注目を集める存在に。その男女20km競歩のブダペスト世界選手権日本代表選考会として行われる「第106回日本陸上競技選手権大会・20km競歩」が、2月19日に開催。この大会の結果によって最大で男子は2名、女子は1名の世界選手権代表が即時内定します。
今大会では、さらに日本の競歩を盛り上げるべく、昨年、第一線を退いた藤澤勇さん(ALSOK)が大会アンバサダーに就任。すでに、さまざまな取り組みで競歩の魅力を伝えています。藤澤さんは、20km競歩で、オリンピックは2大会(2012年ロンドン、2016年リオ)、世界選手権では3大会(2009年ベルリン、2015年北京、2017年ロンドン)に出場した経歴を持つ、まさに「20kmのスペシャリスト」といえる存在です。2015年の段階で世界トップウォーカーの証しといえる1時間20分切り(1時間19分08秒)を果たすと、32歳となった2019年に1時間17分52秒まで更新。日本を代表する選手として長年活躍してきました。
今回は、そんな藤澤さんにインタビュー。20km競歩界のオモテもウラ(笑)も知り尽くす藤澤さんならではの鋭い視点で、日本選手権20km競歩の展望や見どころを、紹介していただきました。


20km競歩の面白さ、魅力とは?

―――藤澤さんは、昨年のこの大会で第一線を退き、今年からは“レースを見守る立場”で臨むことになります。今回の日本選手権は、どういう立ち位置でご覧になるのでしょうか?

藤澤:大会アンバサダーを務めます。本番に向けて、いろいろな告知や広報活動を進めていくほか、当日はレポーターのような役割を務める予定です。

―――それは観戦する方々にとって嬉しい情報ですね。よろしくお願いします! まず、「20km競歩の面白さ、魅力」とは、どういう点だと思うかを教えていただけますか?

藤澤:
さまざまなレースパターンが入り乱れることでしょうか。得意とするレース展開で大きく分けると「最初から仕掛けるパターンの選手」「後半に備える選手」の2パターンがあるといえますが、20kmの場合は距離が短いために、前半から先頭に立ってガンガン攻め、そのまま逃げきることが可能なんですね。東京オリンピックまで行われていた50kmや、50kmに代わる種目として実施されるようになった35kmでは、距離が長いためにそういった戦術はなかなか取りづらいのですが、20kmの場合は逃げきりができるというのが一つの醍醐味になってきますね。その一方で、後半での逆転劇…特に、残り5kmからの仕掛け合いで勝負が決まることも。それぞれが自分の強みを生かした戦術で勝負していく様子を見ることができる点が魅力だと思います。

―――これは男女での違いはあるのでしょうか?

藤澤:女子の場合は、自分のペースを決めて、いかに20kmをまとめるかという展開になることが多いように思います。男子の場合は、「ラスト5kmから」というのが、いわゆるテッパンのパターンです。ただ、ここ最近は、世界大会においても、中盤…10km付近で一度ふるい落としにかかる動きがみられるようになっています。

―――男子の変化というのは、日本勢にいえる傾向なのですか? それとも世界的にいえること?

藤澤:実は、中国勢が全盛期だったころには、10kmを過ぎたあたりでペースを上げる展開をやっていたんです。彼らが抜けてからは、ヨーロッパ勢が用いるオーソドックスなラスト5kmで動く展開になっていたんですが、そのなかで再び中盤で揺さぶるパターンを見せつけたのが、2019年のドーハ(世界選手権)での山西利和選手(愛知製鋼)だったんです。そういう中盤での揺さぶりは、20kmの最近のトレンドになってきているのかなと思いますね。
―――中盤で揺さぶることができるのは自己記録のレベルにもよるのですか? 例えば、1時間17分台の持ちタイムがあるからこそ、できる戦術であるとか?

藤澤:スピードの余力度を考えると、かなり左右されるとは思いますね。

―――日本は、高い水準の自己記録を持っている選手が多いために、国内レースでも中盤で仕掛けるような展開となる可能性があるということですね。


パリ五輪への最短ルートとなる最初の大会従来よりも重要度がアップ!

―――今年の夏にはブダペスト世界選手権が開催、来年にはパリオリンピックと、大きな世界大会が続いていきます。これらの大会に向けて、この日本選手権は、どういう重要性を持つでしょうか?

藤澤:20km競歩の場合は、パリ五輪出場に向けて、最短ルートをとることが可能です。これは、ブダペスト世界選手権でメダルを獲得した最上位者で、なおかつ2024年1月1日~5月30日に、WRk(ワールドランキングコンペティション:ワールドランキングの対象として承認された競技会)において、パリ五輪の参加標準記録を満たせば、五輪代表権が得られることがすでに公表されているから。今回の日本選手権では、条件を満たせばブダペスト世界選手権代表に内定することができる…つまり、パリ五輪への最短ルートを目指す第一歩の試合になるわけです。とても、高い重要度を持つことになりますね。
パリオリンピック編成方針および内定条件について

―――ブダペスト世界選手権の男子20km競歩に関しては、山西選手がオレゴン世界選手権で連覇を果たし、優勝者に与えられるワイルドカードを再び獲得しました。日本勢にとって、とてもありがたい状況です。

藤澤:そうですね。オレゴン大会のときと同様に、日本から最大4名が出場できることになりました。オレゴン大会では、これまで“3強”とされていた山西選手、池田向希選手(旭化成)、高橋英輝選手(富士通)に加えて、若手の住所大翔選手(順天堂大)が初出場を果たし、8位に入賞しました。ブダペストに向けても、ワイルドカードによって増えたもう1枠の座を巡って、激しい戦いが繰り広げられると思います。…いや、ぜひ繰り広げてほしいです!(笑)

―――アンバサダーのお立場としては、大いに盛り上がってほしいですものね!

藤澤:はい(笑)

―――ブダペスト世界選手権に向けては、選考基準が少し変わっているんですよね?

藤澤:今回の世界選手権の代表選考は、内定が出るのは日本選手権のみで、今まで内定者が出ていた3月の全日本競歩能美大会では出ない(注:池田選手が日本選手権で参加標準記録を突破せず、能美大会に出場し、ここで突破した場合にのみ即時内定となる)ことになったんです。
ブダペスト世界選手権日本代表選考要項

そのぶん日本選手権の重要度が高まったといえます。もちろん能美の結果も選考の対象にはなりますが、今までのように日本選手権で失敗して能美で挽回するパターン…実は、私も何度かやっているのですが(笑)…での内定が確実ではなくなったため、日本選手権に臨む選手たちの緊張感は、これまで以上に高まりますね。レースでも高い集中力が必要になってきます。

―――うわあ、ヒリヒリしたレースになりそう!(笑)


世界選手権での戦いを見据えつつ挑む池田

高橋・松永の戦略は!?

―――ここからは具体的に、男女それぞれにレースを展望していただきましょう。まず、男子は、山西選手が先ほど挙がったようにワイルドカード獲得済みで、今大会は出場しません。ブダペスト世界選手権の派遣設定記録は1時間19分30秒、参加標準記録は1時間20分10秒と、どちらもこれまでより上がりましたが、男子の場合は、あまり関係がなく、気象条件が多少悪くても複数の選手が突破してくることが見込まれます。エントリーした選手が、ここで内定を得るためには、どういう結果が必要になるか、改めて教えてください。

藤澤:すでに派遣設定記録を突破しているのは、池田選手と高橋選手の2人です。オレゴンで銀メダルを獲得している池田選手は、ワイルドカードを得た山西選手を除く最上位であるため、今年1月1日から4月30日までのWRkにおいて参加標準記録をクリアすれば、その段階で内定を得ることができます。つまり、日本選手権では順位を問わず参加標準記録を突破すれば内定するということですね。高橋選手の場合は、日本選手権で池田選手を除く最上位でフィニッシュすれば、記録は関係なく代表に内定します。そのほかの選手が、日本選手権で即時内定を得るためには、派遣設定記録を突破するタイムをマークした上で、池田選手を除く最上位となることが条件となってきます。

―――では、日本選手権では、最大で2名の内定者が出る可能性があるということですね。こうした状況を考えると、各選手は、どんな意図でレースを臨むことになるでしょうか?
 
藤澤:池田選手については、山西選手が不在ですから、こういうときに自分の勝ちパターンを改めてつくるようなレースになるのかなと思います。山西選手は、後半もうまく身体を動かしているというフィジカル面の強さが特徴なのですが、池田選手は、彼のそういった側面を、勝敗を決める場面で目の当たりにしています。それもあって「身体を自由自在に操れるようにしたい」と話していたので、今回のレースでは、自分がうまく勝つパターンというものを作り上げたいと思っているのではないかと推測しています。

―――ブダペスト世界選手権やパリオリンピック、そして東京世界選手権の本番で山西選手に勝って金メダルを獲得することを見据えながらの取り組みになるというわけですね。具体的に、どういうことをやってきそうですか?

藤澤:
後半での新しい動き、技術面の向上を目指していると聞いています。山西選手のキレのあるスパートをさらに上回るような動きが見られるかもしれません。

―――池田選手と先頭争いを繰り広げることになりそうなのが高橋選手と松永大介選手(富士通)あたりでしょうか。

藤澤:そうですね。高橋選手は、昨年のシーズンベストが1時間19分04秒にとどまりました。1時間19分を切ることができなかったのは、1時間20分台の自己記録から一気に1時間18分台へ突入した2014年以来のことです。背景には、ベテランと呼ばれる年代になってきたということと、特に、近年はケガと戦いながら五輪や世界選手権の代表として出場を続けてきたためにダメージが回復しきれていない側面もあるとみています。私自身もベテランといえる年代になったころに壁を経験した時期があったのですが、そこを越えたら32歳で1時間17分台(1時間17分52秒、2019年)まで持ってくることができました。それだけに、ここが踏ん張りどころかなと思いますね。高橋選手と実際に話しても、「やるぞ!」という、とても強い思いを感じるので、ぜひ、ここでひと皮剥けることを期待したいです。

―――万全の臨んだときの、最後の周回での彼が見せるスパートはもう圧巻ですから…。

藤澤:
そうなんです。復調してくれば池田選手にとっては手強い相手となりますよね。池田選手は、これまで山西選手がつくるペースに乗ったレースをすることが多かったわけですが、今回は自分がレースをつくっていくことになるはず。そのなかで、ラストで高橋選手があのスパートを見せてくれるようだと、勝負はいっそう面白くなる気がします。

―――松永選手は、オレゴン世界選手権に出場した35kmでも、すでに派遣設定記録を突破済み。前回は、20kmでも内定条件を満たしていたなか35kmを選択したわけですが、藤澤さんは、今回はどうするとみていますか?

藤澤:
松永選手は、昨年は、神戸(日本選手権20km)、能美(20km)、輪島(日本選手権35km)と「3連戦やれる」ことを証明してしまいましたね。今年は、能美はエントリーしない意向をすでに示していますが、今回も2種目で内定を取れる結果を出す可能性は十分にありますね。

―――20kmで2016年リオ五輪7位入賞の実績を持っていますし、自己記録は1時間17分46秒(2018年)というスピードの持ち主。35kmでも代表入りする力をつけたことで、レース展開の幅も一段と広がったはず。彼がどんな戦略をとるかで、全体の流れが大きく変わってくると思います。




35kmが主戦場の川野、野田、丸尾が上位争いに加わる可能性も

藤澤:そうそう、35kmの話題が出ましたが、展望ということでは、ぜひ、ご紹介しておきたい視点を。今回の日本選手権は、35kmでの出場を狙っている選手たちの状況を見るうえでも鍵になってくるということです。というのも、実は、競歩関係者の間では、オレゴン世界選手権男子35kmのレースが、あまりに衝撃的で…。

―――東京オリンピック20km金メダリストで、オレゴンでは35kmを制したマッシモ・スタノ選手(イタリア)と、1秒差で2位となった川野将虎選手(旭化成)とのマッチレースですね。

藤澤:
はい。ペース換算で(1km)4分05秒のイーブンで行ったという結果になりましたし、何よりもラスト5kmが、なんと19分50秒! 20kmでそれなりに戦える力がないと、35kmでも勝てないことが示されてしまったんです。いつかは、そういうことになるだろうと思ってはいたけれど、オレゴンで「もう、この域まで来ちゃったのか…」と。

―――50kmの場合とは異なり、20kmで要求されるようなスピードが必須となってしまった…。

藤澤:
はい。50kmのときや35kmに種目が変更された直後は、「スピードはないけれど、それなりのペースで最後まで押しきれる」という戦い方もできましたが、それでは太刀打ちできなくなってしまった。本番でメダル争いするためには、20kmでも1時間18分台で行けるくらいスピードが必要でしょうね。ですから35kmで代表入りを狙う選手たちは、エントリー通りに出場してくれば、今回の大会では、20kmの代表候補たちを食ってかかるような勢いで臨んでくると思います。

―――4月に輪島で行われる日本選手権35km競歩での代表争いを展望する上でも注目のレースになるということですね。今回は、オレゴンの35kmで銀メダルを獲得した川野選手や、9位ながら従来のアジア記録を上回った野田明宏選手(自衛隊体育学校)もエントリー。さらには丸尾知司選手(愛知製鋼)、そして、すでに紹介している松永選手もいます。当然、20kmでも、それなりのタイムを狙ってくることになりそうです。

藤澤:
野田選手はもともと20kmでもやっていけるスピードを持っている選手ですし、川野選手にしても2019年には1時間17分24秒という自己記録を出しています。上位争いに加わる可能性は十分にあります。




住所を筆頭とする若手たちの1時間20分切りは…?

―――このほかでは、彼らよりも少し下の年代の層でしょうか? 住所選手は、昨年の日本インカレや全日本競歩高畠大会などを見ていると、昨年の世界選手権入賞によって自信を持ってレースを展開できるようになった印象があります。住所選手が台頭してくる前から力のあるところを示していたのが古賀友太選手(大塚製薬)。2020年には1時間18分42秒をマークしていて、東京オリンピックのときには20kmで補欠に選ばれています。

藤澤:
この年代の選手たちは、「1時間20分の壁」の突破に苦労している印象があります。古賀選手も昨年、一昨年と20分を切ることができていませんし、住所選手も、自己記録は前回の日本選手権でマークした1時間20分14秒です。このほか、昨年1時間20分22秒を出している石田昴選手(自衛隊体育学校)や、今年の元旦競歩で1時間20分40秒まで更新してきた村山裕太郎選手(富士通)もいます。オレゴンでの入賞によって、住所選手が頭ひとつ抜けだした感はありますが、この年代の選手たちが、1時間20分を切ってくるようになることに期待したいですね。1時間20分は、1km4分のペースで行けば切ることはできるのですが、最近の傾向を見る限り、このペースで進めたにもかかわらず、最後に失速して中途半端な結果に終わっているケースが多いようにも感じます。ハイペースを覚悟のうえで、思いきって上位陣についていくチャレンジをすると、別の世界が見えてくるかもしれません。いかに「世界で戦うこと」を自分ごととして、意識していけるかにかかってくるかなと思います。

―――今年は、世界選手権だけでなく、コロナ禍の影響で延期が続いていたアジア選手権(タイ・パタヤ)やアジア大会(中国・杭州)も予定されていますし、学生はワールドユニバーシティゲームズ(旧称:ユニバーシアード、中国・成都)もあります。これらの大会で戦うこともイメージしながら、思いきりのいいレースを見せてほしいですね。


女子は藤井と岡田の対決

ターゲットは派遣設定記録のクリア

―――続いて、女子について見ていきましょう。女子のブダペスト世界選手権参加標準記録は1時間29分20秒、派遣設定記録は1時間28分30秒。どちらもこれまで(1時間31分00秒、1時間30分00秒)より大きく上がりました。女子20kmでは、オレゴン世界選手権で6位入賞を果たした藤井菜々子選手(エディオン、ダイヤモンドアスリート修了生)のみが参加標準記録を突破している状況です。

藤澤:
やはり藤井選手の力が抜きん出ているかなという印象ですね。オレゴンでは2大会連続の入賞を果たしましたし、暑さもあるなか1時間29分01秒でまとめました。これからさらに強くなっていきそうな印象があります。それを追うのがベテランの岡田久美子選手(富士通)。この種目の日本記録(1時間27分41秒)保持者で、日本選手権では7回の優勝を果たしています。

―――女子の場合は、この大会で世界選手権代表を即時内定させるためには、派遣設定記録を突破して優勝することが条件です。上り調子にある藤井選手でも、自己記録(1時間28分58秒)を塗り替えていく必要があることを考えると、当日の気象条件等にも影響を受けそうですね。

藤澤:
男子だと、最初に飛び出してペースをつくる選手、終盤でペースを上げて引っ張ってくれる選手など、いろいろなタイプが複数いるのですが、女子の場合は“2強”の状態になってしまっているので、そのなかで記録を狙っていかなければならないのは可哀想なところもありますね。2人で行くにしても、どちらかのピークが合わなければ、途中で独り旅になってしまいますから。

―――派遣設定記録を狙っていくという点では、どういう展開がいいのでしょう?

藤澤:
理想としては最後まで2選手で競り合ってくれるパターンですね。(1km)4分25秒のペースで入って、それをどこまで押していけるか。互いによく知る相手だから、当日の気象状況によっては、アイコンタクト(笑)でペースを調整していくかもしれません。ラスト5kmあたりから、どちらかが勝負を仕掛けていくことが予想されますね。ただ、これまでは岡田選手がリードして、藤井選手がついていくパターンが多かったのですが、藤井選手は「1人でもレースをつくっていけるようになった」と言っています。もしかしたら、単独で4分25秒のペースを押していく展開を見せてくれるかもしれませんよ。




3位争いにも注目!激しい競り合いに期待

―――この2人を追う層はいかがでしょう?

藤澤:
まだ少し差がありますが、力をつけてきている選手は増えてきています。3番手を巡って、複数の選手が激しく競り合うような展開になってくれると、女子もまた新しい時代に入ってくるんじゃないかと期待しています。

―――誰を挙げることができそうですか?

藤澤:存在感を示しそうだなと思っていたのは、園田世玲奈選手(NTN、35km日本記録保持者、オレゴン世界選手権35km9位)と河添香織選手(自衛隊体育学校、東京オリンピック20km出場)だったのですが、先日、正式に欠場届けが提出されました。どちらも35kmでのブダペスト世界選手権出場を狙っていて、選考レースとなる輪島に向かうなかでの決断だったようです。

―――この2選手が不在なのは少々寂しいですが、このところ学生年代の選手たちの躍進も目を引いていますね。

藤澤:そう思います。なかでも強くなってきたなと思うのが内藤未唯選手(神奈川大)ですね。試合で常に上位争いに絡むようになりましたし、記録も、高畠で1時間33分41秒まで更新してきています。距離が長くなるほど順位が上がる楽しみな選手です。本人も10kmよりも20kmの方が得意と語っています。

―――内藤選手を追うのが、同学年(大学2年)の梅野倖子選手(順天堂大)あたりでしょうか。

藤澤:日本インカレ、高畠ともに、内藤選手に続いて2位。20kmは、高畠で1時間35分44秒まで記録を更新しています。力みのない大きな歩きが持ち味で動きが安定しています。そして、狙ったレースの勝負強さが魅力です。

―――このほか、学生あるいは社会人になったばかりの年代で、自己記録が1時間35~36台の選手は多くいます。

藤澤:はい。2025年東京世界選手権のことなどを考えると、その層から誰が抜けだしてくるかも、とても興味が持たれるところですよね。あと、35kmについては、パリ五輪では男女混合のチーム戦になることがきまっています。特に男子ほどの層にない女子の場合は、ブダペストだけでなく、パリを見据えながら取り組んでいく選手が、さらに出てくるかもしれません。「35km組」としては、20kmと50kmでともに日本代表の実績を持つベテランの渕瀬真寿美選手(建装工業、20km前日本記録保持者、50km日本記録保持者)も忘れてはならない存在です。

―――こう考えると男女ともに、単に“日本選手権タイトル”というだけでなく、さまざまな視点でレースを楽しむことができそうですね。伺っているだけでワクワクしてきました。出場する選手の皆さんがベストの状態で臨めるよう、良い天候に恵まれることを祈りつつ、当日を待つことにします。本日は、ありがとうございました。

構成・文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト、アフロスポーツ



【第105回日本選手権20km競歩 アーカイブ】

~第105回日本陸上競技選手権大会20km競歩 ダイジェスト~

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