【日本選手権獲得者コメント(要旨)】
■日本選手権男子35km競歩
川野将虎(旭化成)
優勝 2時間26分40秒
※オレゴン世界選手権日本代表に内定
世界選手権の代表権を獲得することが今回の目標だったので、それを達成できたことが嬉しい。また、(東洋大学の)先輩である松永(大介)さんとワン・ツー(1・2位)を競い合ったことがすごく嬉しかった。ただ、レースを振り返ると、まだまだ後半のレースの落ち込みやフォーム面に課題が残った。ここからしっかりと立て直して、世界選手権でベストパフォーマンスを出せるように頑張っていきたい。1月に症状が出た貧血の影響で、今回は、正直なところ、まだベストの状態ではなかった。このため、ほかの選手の力を借りて、序盤は集団のなかに隠れ、本当の勝負どころとなるラストで勝負する展開をイメージして臨んだ。自分でレースを動かすという面では大きな反省点が残るが、一時は、世界競歩チーム選手権、この大会の出場を諦めようかとも考えた1月の状態から、ここまで調子を上げてくださった(酒井)瑞穂コーチの支えが、大きな結果として出せたことは本当に自分自身も嬉しく思う。
もし、松永選手が(前半奪ったリードのまま終盤も)あのまま行かれていたら、優勝は譲っていたかと思う。今回の大会はフォーム面でも体力面でも、まだまだ準備不足であることは自分でもわかっていたので、世界陸上に向けてのステップとすることを一番大きな目標にした。そのため、(勝負というよりは)まずはタイム(派遣設定記録を上回ること)のほうを意識していた。
松永選手が飛び出していくことは、想定はしていたものの、あそこまでハイレベルなパフォーマンスで最初から行くとは思っていなかった。その姿に、松永選手が東洋大時代に培ってきた「1秒を削りだす」歩きというのを体現されているなと感じた(※東洋大学の長距離・競歩部門は、「その1秒をけずりだせ」をスローガンとしている)。松永選手のそういったところも見習っていきたいなと思ったし、松永選手に負けないような力強い歩きを、自分も目指していきたい。
国内では初めての35km競歩となった今回の日本選手権でタイトルを取れたことは、すごく嬉しく思っている。東京オリンピックのあと、今後は自分も競歩界を引っ張っていくような存在にならないといけないと思うようになっていたところだったので、その最初のステップとして、優勝できてよかった。
今回のレースは、松永選手が序盤からスピードを上げて、かなりハイペースな展開となった。自分は、20km競歩で勝負できるような実力がないと、35kmでも勝負はできないと思っていたので、その点に関しては考えていた通り。自分も20km競歩のスピードもあるので(自己記録2時間17分24秒)、(こういった展開がセオリーとして成り立つのがわかったことは)自分になってプラスになっていくように思う。
■日本選手権女子35km競歩
園田世玲奈(NTN)
優勝 2時間45分48秒
※オレゴン世界選手権日本代表に内定
日の丸を背負って日本代表として世界で戦うことを目標に、ずっと取り組んできたので、今日、オレゴン世界選手権への切符をつかめたことを、心から嬉しく思う。私は、50km競歩でも日本選手権の初代チャンピオン(2018年)となったが、種目が35kmになると聞いて、「もう一度、初代チャンピオンを勝ちとりたい」と強く思って、35kmに向けて取り組んできた。練習が積めても貧血で力が発揮できなかったり、大事な試合前にケガをしてしまったりなど、思っていたようなプランでは来ることができなかったが、今回、積み上げてきたものを、無事に力として発揮できたことを本当に心から嬉しく思う。今日、こうして、この場にいられるのは、いいときだけではなく、どんなときでも支えてくださった所属の皆さんや家族、一緒に練習してくださる皆さん、そして応援してくださる皆さんのおかげ。本当に感謝している。
(20kmで優勝した3月の)能美競歩後は、自己ベストが出たことを喜びたいところだったのだが、実際は全然ホッとできなかった。やはり「35kmという種目で、一番勝負したい」という気持ちがあったので、なんとしてでも能美のとき以上にコンディション(のピーク)を合わせたいという思いがあり、プレッシャーもあった。この大会に向けては、今までやってきたことに対して自信が持てるよう、もう一度確認しようという意味で、距離の練習を積み重ねて、そのなかでスピードも意識する取り組みをやってきた。
普段の練習は、1人で行うことが多く、サポートという形で会社の方やスタッフに手伝っていただき、毎日取り組んでいる状態だが、合宿や陸連派遣の合宿などの機会もいただき、練習環境を整えていただいている。今回の大会の前にも、母校の中京大学で強化練習としてお世話になった。こうして、たくさんの方々と一緒に練習できる環境をいただいて、だんだんと練習が積めてきているのかなと思う。
50kmを経験していることからもわかるように、もともと長くゆっくり歩くことは、得意ではあったが、なかなかスピードという部分が出せなくて、昨年1年をかけて準備をしてきた。「スピード」は一つの課題で、35kmとなると、スピードと距離の両方で実績を出さないと戦えないと思っている。実は去年も、今年と同様に肉離れをしてしまっていて、ケガで苦しんだ年だったのだが、そのなかで、大きな筋肉などを鍛えるトレーニング、ウエイトトレーニングなどを行って補強することで、歩きでは補えない部分の強化を図ることができた。そういう意味では、去年1年のそうした取り組みが、スピードにつながる練習になっていたのかもしれない。
世界陸上に向けては、まだ経験したことのない世界なので、未知の部分が多いのだが、35kmという種目は、世界の取り組みもまだ少なく、誰もが探り探りの状態。今以上に、「距離を淡々と歩く」練習を重ねて、まず自信という面で誰にも負けない力をつけたい。そのなかで、スピードとして勝負できる速さを、もう一度磨いていけたらと考えている。挑戦したことのない世界の舞台で、自分がどこまで力が発揮できるか。残り3カ月間、精いっぱいの準備をして挑戦したい。
【世界選手権代表内定者コメント(要旨)】
■池田向希(旭化成)
男子20km競歩特別レース
優勝 1時間18分53秒
※オレゴン世界選手権日本代表に内定
まず、特別レースという形で20km競歩を設けてくださった日本陸上競技連盟、輪島市関係者の皆さまに感謝申し上げたい。今回は、オレゴン世界選手権の派遣設定タイムである1時間20分00秒切りを最低限のターゲットとして、そこに向けたトレーニングの一環という形で出場した。最低限の目標は達成することができたが、まだまだ後半の部分などに課題が見つかったので、今後、残り3カ月ある期間の課題にしていけたらと思っている。
前回の2019年ドーハ世界選手権では6位と、個人の目標(メダル獲得)には届かず、悔しい思いをした。その後、国際大会を何度か経験して、地力の部分はついてきているかなと思う。もう一度、今年7月のオレゴン世界選手権で、世界のトップ選手たちと戦って、上位争い、メダル争いに加わりたい。
(東京オリンピック、世界競歩チーム選手権と銀メダルを獲得したが、その結果に)満足してしまったら、そこで終わる選手になってしまうという思いがある。決して満足することなく、高みを目指したい。まだまだ発展途上というか、向上できる部分がたくさんあると自分自身でも思っているので、常に追求していけたらな、と。もっともっと極めていけたらなと思っている。
東京オリンピックではラスト勝負で順位を争うというところで警告が出されてしまったが、今回は20kmを通して注意を1枚受けたのみだった。そういう点で、歩型に関してコーチと毎日、勉強・追求して仕上げてきた成果かなと思っている。逆に、今回出た課題としては、ラストで1人になってからの歩き方。単独になったときに、(ペースを)維持できる力、最後もう一度切り替えられる力が必要となる。気持ちの部分もそうだが、暑熱や水分の問題など、対策する部分も見つかった。そういったところを、残り3カ月で埋めていきたい。
■藤井菜々子(エディオン、ダイヤモンドアスリート修了生)
女子20km競歩特別レース
優勝 1時間29分29秒
今回は、特別レースということで歩かせていただいたが、目標としては1時間30分00秒の派遣設定記録を切ることだった。実際には、1時間29分29秒というタイムが出せて、内定をいただくことができた。目標を達成できたことはすごく嬉しい。ただ、それと同時に、課題も残るレースとなったので、オレゴン世界陸上に向けて、今後修正していきたい。今日は、1時間30分を切るにあたり、調子がいいとか悪いとかではなく、事前に「一緒に行きましょう」ということを岡田(久美子)さんと話していて、結果的に、スタートして、私のほうが先頭に出てレースを進めることになった。これは、いつも私は岡田さんについて歩くレースをしていたのだが、記録を狙うということで、今までと違うレースをしてみたいという気持ちが強かったことによるもの。自分が最初から先頭に出て、こういうレースをするのは初めて。世界競歩(チーム選手権)でも、ほかの選手について歩くというレースだったので、今日はいろいろな意味で、いろいろな経験することができ、自分にとっては、すごくいいレースだったと思う。
3月の世界競歩では5位に入賞することができた。東京オリンピックが終わって、自分の取り組みについて一度見直しをして、そこから修正していって出場したのが世界競歩だった。国際レースはオリンピック以来で、(勾配の強い)タフなコースにびっくりして、動揺してしまった面もあったが、ライバルの選手にしっかりとついてレースを進めることができた。積極性のあるレースができたことで、今まで取り組んできたことが身になっていると実感できたし、東京オリンピックの悔しさを、世界競歩でぶつけることができた。精神的な面でも、すごく成長できたのかなと思っている。
今後の課題になってくるのは、世界大会の最後の5km付近で必ずあるペースの上げ下げへの対応。東京オリンピックでも最後の5kmで後退してしまい、先頭のトップ選手たちに置いていかれてしまった。オレゴン世界陸上に向けては、そこに対応できる力をつけていけるよう取り組んでいきたい。
■岡田久美子(富士通)
女子20km競歩特別レース
2位 1時間29分31秒
※オレゴン世界選手権日本代表に内定
今日は派遣設定記録を突破することを目標にレースを進めることができた。藤井(菜々子)さんと一緒に歩くことができ、非常にペースを刻みやすく、歩きやすかったので、突破することができた。ホッとしている。レース中は、「前に出ようかな」と考えて何度か横に並んだ場面もあったのだが、今日は、正直、あまり順位については考えていなくて、藤井さんが主にペースを刻んでくれて、そこに合わせてレースを進めたという感じだった。最後の1kmあたりで5秒くらいの差がついていたが、そこもあまり気にせず、「藤井さん、ありがとう」という気持ちで(笑)、ゴールした。
この春から、、富士通の所属となった。前回のレースとなった(2月の)日本選手権までは、所属が決まっていない状況で、精神的にも不安な部分があったが、富士通への入社が決まった3月中旬あたりからは、心身ともに落ち着いて、地に足をつけて練習を積むことができた。現在は、今村文男コーチから指導をいただいている。年度が切り替わる時期で、スタッフの方々にとっては、非常に忙しい時期で、そんななかで(富士通としての)私のデビュー戦が、(世界選手権代表選考という)非常に大事なレースとなったことで、きっと、とても大変だったと思うが、懸命にサポートしてくださった。無事に(世界選手権の代表に)内定することができて、本当によかったと思っている。
東京オリンピックが終わってから、結婚なども含めて自分の環境が大きく変わった。そのなかで、もう一度世界の舞台で戦いたいという気持ちになり、オレゴン世界選手権の出場権を獲得することができた。オレゴン世界選手権では、東京オリンピックでは達成できなかった入賞というところをターゲットに頑張っていきたい。
また、昨年の秋に30歳になったが、国内で30歳で1時間30分を切った選手は過去にいないのかなというところで、本当にさまざまな方々のサポートのおかげで、この年齢になっても世界大会に出場できる力を発揮することに、感謝の気持ちでいっぱいである。
現在、男子の競歩が、誰がメダルを取ってもおかしくないというような状況で、どんどん若手も成長しているということを考えると、女子も(今回世界選手権への出場が内定した)私と藤井さんと園田さんの3名だけでなく、ジュニアからシニアへ移行してから世界に羽ばたける選手が増えていってほしいなと思う。現役中の私が何かしてあげるのは難しいので、背中で示していきたいという気持ちでいる。藤井さんも本当に頑張っていて、先日も世界競歩チーム選手権で入賞した。今回も一緒に歩かせてもらって、成長を肌で感じて嬉しく思った。世界選手権では2人で入賞…上位入賞を目指していき、若い世代に私たちの姿をしっかり届けたい。男子には負けたくない(笑)ので、近づいていけるように、残りの競技人生を含めて、私ができることをやっていきたい。
【日本陸連総括コメント(要旨)】
今村文男(日本陸連強化委員会競歩シニアディレクター)
男女35kmは、午前8時に同時スタートした。スタート時の気温は10℃、昨日までに比べると、風がほとんどなく、選手によっては日差しの強さを感じた状況だったかもしれない。また、国内で初めての35km競歩レース、そしてオレゴン世界選手権の最終競技会ということで、選手自身は、ペースの配分や後半のレースの駆け引きというところでは手探りの状態でスタートラインに立っていたのではないかと想像している。男子は、最初の1kmで松永選手が(1kmあたり)4分を切るハイペースで飛び出し、50kmでの実績を持つ、丸尾選手、川野選手、野田選手が続いたが、松永選手がその後も、4分00分から4分05秒のペースを押していったことで、後続との差が開いていく展開となった。私自身は、世界選手権でメダルを狙うためには、「4分10~15秒のペースと、後半でのペースアップ」が求められると考えていたこともあり、特に後半の展開に注目してレースを見ていた。
松永選手は最終的には31km過ぎで抜かれたが、50km競歩で昨年の東京オリンピックで入賞した川野選手らレース巧者の猛追にあいながらも、ペースを維持しながら終盤まで進めた。記録の期待感というところでは世界に通じるもので、これまでに見たことないようなレース展開であったと思っている。
30kmでは、(2時間04分38秒で通過した松永選手を筆頭に)5名の選手が従来の日本記録を更新している。今までの日本記録は、50kmレースの通過記録でマークされていたため、記録自体が世界のトップレベルというところにはきていないが、こうして、20kmや30kmの通過におけるタイムやペースを意識しながら35kmの結果につなげていくことで、世界で戦える記録・順位を目指していけるのではないかと考える。
圧巻だったのは、やはり川野選手で、後半でペースが落ちながらも動きは崩れず、最後まで先頭を追い続けた。世界選手権でも輝かしい成果を上げてくれるのではないかと期待している。松永選手は、これまでだと、いったんペースが落ちると、そのままずるずると後退する傾向があったが、ペースは落としながらも(大きく崩れることなく)派遣設定記録を突破した。(20kmで代表内定を決めた)3月の能美競歩から1カ月少々の期間で、しっかりと35kmを見据えたトレーニング・調整を進めてきていたという点で、復調ぶりと、コンディショニングのうまさが窺えた。
近年の50kmの選考会で上位の成績の残してきている選手たちのなかには、どのペースで安定させて、どのペースで追っていくかと判断する面において、やや戸惑いがあったようにも見受けられた。しかし、最終的に上位4名がみごと派遣設定記録を突破。そのなかで優勝した川野選手が、条件を満たして、今回、内定する形となっている。
いずれにしてもまだ新しい種目。今後も強化を進めていくなかでトレーニングの方法やペース配分を探っていく。また、1kmの周回コースに変わったことで生じる変化(コーナーの多さや判定の回数等)への対応力が必要という点で、ただ単にスピードを求めるだけではなく、スタミナや技術をしっかり準備して、本番に向けて準備を進めていきたい。
女子35km競歩は、園田選手が終始先頭を許すことなくフィニッシュして、派遣設定記録を突破して優勝したことで内定となった。最初から単独歩で、コース上では並行して男子35km、男女20kmが行われていたことにより、おそらくペースメイクは困難な状況であったと思う。しかし、スタートからフィニッシュまで4分40~45秒前後とほぼイーブンをキープしながらフィニッシュしたことが、今回の好記録・好成績につながった。今後、3カ月あまりの期間で準備することになるが、まず、自分の目標を達成できるように進めていってほしいし、我々としても、そこに向けたサポートを検討していきたい。
2位の河添選手、3位の矢来選手は、残念ながら参加標準記録を破ることができなかった。新しい種目ということで、今まで50kmに挑戦してことのない選手が複数名出場してくれたことが、来年のブダペスト世界選手権に向けた発奮材料になってくれればと思う。開催年数が少ない種目なので、今後、日本記録、大会記録の更新も多く出てくると思われる。互いに競い合うなかで、日本の女子競歩の記録を塗り替えられるような強化を進めてほしい。
また、今回は日本選手権とは別に、男女20kmの特別レースを実施した。
男子では、池田選手が1時間20分00秒の派遣設定記録を突破して代表に内定した。前回の2019年ドーハ世界選手権では、入賞を果たしたものの暑さに対応できずメダルに届かなかったという経験を、昨年の東京オリンピックではみごとに銀メダルにつなげたという経緯もある選手。レースに向けた対応力、ライバルの分析というところを進めながら、同じようにメダルを狙って、今年のオレゴンでは大暴れしてほしい。
2着で続いた高橋選手は、すでに(日本選手権で)内定している。海外の競技会に行くことで生じるリスクを考え、今回は、素晴らしい競技環境でレースができる国内競技会を優先して出場した。序盤までは池田選手と競り合うことができたが、「少し歩きにばたつきがあった」(※ロス・オブ・コンタクトで2回のレッドカード)ということで改善の必要を感じたこともあった様子だったので、今後は、その点をサポートしていきたい。
女子に関しては、3月の世界競歩チーム選手権で入賞を果たしながらも参加標準記録の突破がならなかった藤井選手が、4分30分のペースを目標にしたレースを進め、みごと派遣設定記録を突破したことで、条件を満たして内定した。ここ最近では、記録面、そして国際大会での順位というところで、非常に伸びしろのある選手だと感じている。可能性を秘めている部分と、改善したほうが伸びていく部分があるので、そういった見える部分と見えない部分をうまく整理しながら、オレゴンまでの3カ月をしっかり準備していけたらと思う。
また、日本選手権を制している岡田選手も、派遣設定記録を突破して代表に内定した。移籍後、初めて出場した20km競歩ということで、環境面が変わったなか、ここでは最低でも参加標準記録の突破を狙いながら、派遣設定記録突破を目指すという形で臨んでいた。まだ体調面というところでは、万全というところでは戦えていない。日本選手権、今回と、レースを消化したなかで、自分のレースの感覚やペース配分もつかめてきているので、次は、ペースの変化、対応力というところに準備をしながら、前回大会より良い順位を目標にしてほしい。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト
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