第90回を迎えた日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)が9月17~19日、埼玉県熊谷市の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場において行われました。新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言が9月末まで延長されたことにより、所属校の許可が下りず出場断念を余儀なくされるケースも一部で生じるなか、主催の日本学連は、関係者の参加人数の制限、来場者の体調管理チェックや衛生対策の徹底、無観客での実施など、あらゆる面により入念な対策をとる運営体制に尽力して開催を実現。新潟で行われた前年に続いて、今年も対校戦ならではのスタンドからの熱い応援は叶いませんでしたが、出場した選手たちはそれぞれに母校の名誉を懸けて熱戦を繰り広げました。男子は、順天堂大が各種目でバランスよく得点を重ねて、86点で2年ぶり29回目の総合優勝。女子総合は、93点を獲得した日本体育大が、4年ぶりに優勝旗を手にする結果となりました。
また、接近による悪天候が懸念されていた台風20号の進路がそれて、天候の崩れが最小限ですんだこともあり、3日間を通じて、9つの大会新記録がマークされたほか、合計3つの学生新記録も誕生。2日目に行われた女子4×100mRでは福岡大が単独チーム日本歴代3位となる44秒51をマークして2連覇を達成。10月に予定されていた日本選手権リレーが中止になったことで、“記録を狙う唯一のチャンス”となったこの大会で、きっちりと結果を残しました。最終日には男子三段跳で伊藤陸選手(近畿大工業高専)が日本歴代3位となる17m00のビッグジャンプを、また、女子3000mSCでは吉村玲美選手(大東文化大)が日本歴代2位の9分41秒43を独走でマーク。どちらもレベルの高い学生新記録で3連覇を果たしました。
オリンピアンたちの日本インカレ
この大会には、東京オリンピックの日本代表に選ばれた学生アスリート10名が、各校のエースとして出場しました。(https://www.jaaf.or.jp/news/article/15517/)
男子総合優勝を果たした順天堂大のポイントゲッターとして活躍したのは泉谷駿介選手。13秒06の日本記録を持ち、五輪準決勝まで進んだ110mHのほか、走幅跳と4×100mRにエントリーし、最後のインカレに挑みました。初日には、走幅跳の1回目に7m70(+0.1)をマーク。トップ8入りを確実にすると、3~5回目の試技をパスして4×100mR予選に臨み、アンカーを務めて1組を1着で通過。走幅跳に戻って迎えた最終試技では、順位は上げられなかったものの7m73(+0.6)へと記録を伸ばして3位となりました。2日目は、9時15分から行われた110mH予選で、終盤を流しながらも13秒44(+0.1)の大会新記録をマークして1着で通過すると、夕方遅くに行われた4×100mRでは、各校のエーススプリンターが並ぶなかで上位を激しく追い込み、2位・立命館大に0.02秒差に迫る3位でフィニッシュ。最終日には午前に110mH準決勝を通過すると、午後の決勝は、「疲労で両脚がパンパン」と両大腿部にがっちりとテーピングを施した状態で臨みながらも、13秒29(+1.4)と、大会記録をさらに塗り替えて圧勝しました。
順天堂大勢では、東京五輪の男子3000mSC予選で自身の日本記録を更新する8分09秒92をマークして、この種目で49年ぶりとなる決勝進出を果たし、決勝でも堂々たるレースを展開して、世界大会で日本人初となる7位入賞の快挙を成し遂げた2年生の三浦龍司選手が、3日目に一発決勝で行われた男子3000mSCに出場しました。駅伝シーズンに向けて、トラックからロードへと移行しつつあるなかで迎えたレースでしたが、序盤から先頭に立つとその後は、悠々と“独り旅”。苦しそうな様子を全く見せることなく淡々とレースを進め、2位以下を10秒以上突き放す8分32秒47で2連覇を達成。これから本格化する駅伝での活躍も楽しみになってきました。
男子100mは、五輪の男子4×400mRで日本チームのアンカーとして、日本タイ記録樹立に貢献した鈴木碧人選手(東洋大)が、混戦から抜け出して10秒33(-0.2)で初優勝。もともと200mをメインとしている鈴木選手は、今回はスピード強化を念頭に置いての100mでの出場でしたが、予選・準決勝・決勝と全ラウンドで自己新記録をマーク。3走を務めた4×100mR(5位)でもトップに立つ好走を見せ、伸び盛りの勢いを感じさせました。なお、100mには、4×100mRメンバーとして五輪代表に選出されたデーデーブルーノ選手(東海大)も出場しましたが、不安を抱えていた右脚付け根の痛みが悪化、無念の予選敗退となりました。
男子400mHでは、黒川和樹選手(法政大)と山内大夢選手(早稲田大)の対決に注目が集まりました。ともに、今季急成長を見せて48秒台に突入し、五輪出場を果たした選手。両者が自己記録をマークした5月のReady Steady Tokyoをはじめとして、関東インカレ、日本選手権と、国内の主要大会ではすべて黒川選手が勝っていますが、東京五輪の400mHで、日本勢でただ一人、準決勝に進出したのは山内選手でした。また、前半型の黒川選手に対して山内選手は後半型と、レーススタイルも対照的です。日本インカレでも、序盤は黒川選手がリードを奪う展開となりましたが、山内選手がラストで逆転して49秒28で先着、49秒51で黒川選手が続く結果に。これが最後のインカレとなる山内選手にとっては、嬉しい初の学生タイトル獲得となりました。山内選手は4×400mRにも早大のアンカーとして出場、ラストで東洋大に逆転を喫したものの2位の成績を収めています。
女子では、“ラストチャンス”として臨んだ5月の世界リレー(ポーランド・シレジア)で見事に五輪出場権を獲得し、五輪本番では日本歴代2位をマークした4×100mRのメンバーが、今回はライバルとして顔を合わせ、激しく火花を散らす戦いを繰り広げました。なかでも注目を集めたのは、前年100m・200m・4×100mRを制した兒玉芽生選手(福岡大)が2年連続3冠なるかどうか。1日目に100m予選と4×100mR予選、2日目に100m準決勝、200m予選、4×100mR決勝、100m決勝、最終日は200m準決勝、200m決勝が、短いインターバルで続いていく厳しいタイムテーブルのなか、兒玉選手は大会2日目にまず100mで難なく2連覇を果たすと、アンカーを務めた4×100mRでは44秒51の学生新記録を打ち立てて、2つめのタイトルを獲得。2年連続3冠達成にあと一歩のところまで迫りました。しかし、それを許さなかったのが、200mの自己記録では兒玉選手と0.01秒差の23秒45を高校時代にマーク(U20日本記録)している同級生ライバルの齋藤愛美選手(大阪成蹊大)。100mは5位にとどまったものの、最終日の200m決勝では、向かい風0.9mのなか序盤から果敢に攻める走りでリードを奪うと、23秒76でこの種目2年ぶりの優勝を果たしました。200mを終えた兒玉選手と齋藤選手は、ともに最終種目の4×400mR決勝にも出場。兒玉選手は3走を、齋藤選手はアンカーを務め、福岡大4位・大阪成蹊大5位の入賞に貢献しています。
1年生の青山華依選手(甲南大)と石川優選手(青山学院大)は、ともに100m・200m・4×100mRの3種目に出場。青山選手は100mとアンカーを務めた4×100mRの2種目で3位に、200mは6位に入賞しました。石川選手は、200mは準決勝9番目で僅かに届かず、また4×100mRも予選で敗退し、決勝進出を逃しましたが、100mでは4位入賞を果たしています。
なお、女子短距離では、東京五輪で4×100mRの補欠として登録されていた壹岐あいこ選手(立命館大)の活躍も光りました。100m・200m、そしてアンカーを務めた4×100mRでは2位に、3走を務めた4×400mRでは首位に立つ好走で優勝に貢献。トラック種目のみで総合2位(トラック優勝)の成績を収めた立命館大を、エースとして力強く牽引しました。
この壹岐選手と同様に、男子10000mWでは、東京五輪の補欠として登録されていた古賀友太選手(明治大)が快勝。また、男子110mHでも、この種目で補欠登録されていた村竹ラシッド選手(順天堂大)が予選で大会新記録をマーク、決勝では3位の成績を残しています。
ダイヤモンドアスリート&ライフスキルトレーニング
この日本インカレには、日本陸連が2014-2015年から実施している「ダイヤモンドアスリート」の第7期認定アスリートおよび修了生のほか、昨年度から学生アスリートを対象に開講した「ライフスキルトレーニングプログラム」の第1期受講生も多数が出場して、素晴らしい活躍をみせてくれました。(https://www.jaaf.or.jp/news/article/15520/)ダイヤモンドアスリートでは、第7期認定アスリートのうち3名が、また修了生からは5名が出場。男子砲丸投では、アツオビン・ジェイソン選手(福岡大)が、一般規格の7,260kgでU20日本最高記録となる17m64をマークして、1年生優勝を果たしました。
8月末の九州インカレで16m81の自己新を投げ、上り調子のなか迎えたこの大会、アツオビン選手は2回目に自身初の17m台となる17m04をマークし、前半を3位で折り返しました。そして、4回目の試技で17m41をプット。ここで、元日本記録保持者の畑瀨聡選手が、当時日本大1年だった2001年のこの大会でマークしたU20日本最高記録を20年ぶりに1cm更新します。5回目には、その記録を17m64まで更新、最終の6回目は、投てき後に身体を止められずファウルに終わりましたが、その投てきでも、砲丸が17m70~80付近に着地する圧巻のパフォーマンスを見せました。17m64は学生歴代でも10位となり、U20年代では今季世界リスト7位となる好記録です。
このほかでは、男子走幅跳で、洛南高2年時の2019年に8m12のU20日本記録(高校記録、U18日本記録)をマークしている藤原孝輝選手(東洋大)が、走幅跳と110mHの2種目に出場。走幅跳は7m55(+0.3、6位)にとどまりましたが、110mHでは、朝の早い時間帯に行われた2日目の予選で13秒84(+0.5)の自己新をマークすると、最終日の午前に行われた準決勝では、一般規格でU20日本歴代3位となる13秒67(+1.4)へと一気に更新、決勝は上位選手に力負けした感はあったものの、それでもセカンドベストとなる13秒72(+1.4)で走りきって、僅差の競り合いとなった5位争いを制しています。
ライフスキルトレーニングプログラムの第1期受講生では、伊藤陸選手(近畿大工業高専)が歴史の扉を開く、素晴らしい記録と成績を残しました。初日に行われた男子走幅跳で、6月の日本学生個人選手権を制した際にマークした8m00の自己記録を更新する8m05(+0.8)を跳んで優勝を果たすと、最終日に行われた男子三段跳では、1回目から16m51(+1.6)をマークして、昨年のこの大会で出した自己記録16m35を塗り替える好発進。3回目に16m82(+0.7)まで大きく記録を伸ばすと、4回目の試技では、踏切板にほぼ乗らない状態で、なんと17m00(+1.3)の大ジャンプを見せたのです。この記録は、石川和義選手(当時、筑波大)が2004年に出した16m98を更新する学生新記録で、日本歴代では3位、学生アスリートとしては初めて17m台となる好記録。残る2回の試技はやや気負いも出て、記録を伸ばすことはできませんでしたが、来年のオレゴン世界選手権参加標準記録(17m14)の突破、さらには日本記録(17m15)更新の可能性に大いに近づく結果となりました。これにより、三段跳で3連覇を果たしただけでなく、日本インカレでは41年ぶりとなる走幅跳・三段跳2冠を達成。伊藤選手は、日本の跳躍史上、初めて走幅跳・三段跳の両方で“大台”とされる8mと17mを跳んだジャンパーとして、名を残すことになりました。
このほか、男子では、短距離で三浦励央奈選手(早稲田大)が活躍。上位が100分の1秒差で続く激戦となった100mを3位(10秒35、-0.2)でフィニッシュしたほか、200mでも6位に入賞。さらに4×100mRでは前年に続いて1走を務め、39秒15で2連覇を果たしました。
女子では、走幅跳で日本選手権優勝やU20世界選手権メダル獲得などの実績を持つ髙良彩花選手(筑波大)が、走幅跳で6m33(+0.3)をマークして、日本インカレ初優勝。髙良選手は三段跳でも12m95(+0.2)を跳んで2位の成績を上げました。投てき種目では、郡菜々佳選手(九州共立大)が円盤投(2位)と砲丸投(3位)でダブル入賞。ハンマー投では渡邉ももこ選手(筑波大)が2位になりました。また、短距離では、青野朱李選手(山梨学院大)が100m8位、200m4位、4×100mR(3走)6位と、3種目で入賞する健闘を見せています。
【新記録樹立者コメント】
男子三段跳優勝 伊藤陸(近畿大工業高専)
17m00(+1.3)=学生新記録
今回は、16(m)後半を跳ぼうという目標で臨んでいた。それ以上の記録…ほんのちょこっと心の奥底で「跳べたらいいかな」と思っていた17mが跳べたということは、率直に嬉しい。
1回目の16m51から自己ベストをマークしたわけだが、跳躍の内容は全く良くなくて、この夏にトレーニングしてきた部分が地力として出ただけで、技術的にはまだ固まっていない跳躍だった。そこを修正していくということで、試合展開としては、いい感じでいけたように思う。
自分で「これくらい跳べたらいいかな」と思っていたのが(16m)70~80くらい。3回目は、その記録(16m82)が出たので嬉しかったのだが、(4回目にマークした)17m(00)は、ちょっと予想外なところが自分でもある。ただ、4回目は、たぶん板(踏切板)を踏んでいない状態での跳躍。跳んだ距離を見て「すごい」とは思ったけれど、「もったいないことをしたな」という思いがあった。
僕は、ホップ・ステップで幅(走幅跳)の踏切板を越える…11m以上を跳ぶということを、1つの目標にしているのだが、3回目のときは、たぶんそれを越えずにジャンプがいい感じで入る形だった。しかし、今回目指していたのは、そこをしっかり越えて、かつジャンプで距離を伸ばすこと。それをできたのが(4回目の)17(m)の跳躍だったのかなと思う。
反省点は、残り2本というチャンスがあったのに、修正しきれなかったこと。17m00を跳んだ以上のジャンプをしなくても、踏切板を踏んで同じ跳躍をやればよかっただけなのに、それができなかった。そこは自分の弱さで、「今日、(記録を)狙える状態だった」と思うだけに、そこが悔しい。
来年から世界に出ていくための準備はできてきていると思っていて、もちろん、これをベースとして、今後は17(m)をいつでも跳べるようにしていかなければならないけれど、そのうえで今日(17m台)を2本跳べていればよかったのに…と思う。跳べただけでもよいことなのかもしれないが、1本で終わってしまったことが、ちょっと悔しい。
世界に出ていくためには、今の日本の基準ではダメだと思いながら、この夏は練習してきた。記録の(具体的な)目標となると、まだぼやけているところがあるけれど、世界の大会に出るのではなくて、そこで戦いたいと思っているので、いつでも17mちょっとくらいは跳べるようでありたいという気持ちはある。それができるような実力をつけたいし、最終的には、世界大会で戦って入賞を…、それを(走幅跳と)2種目でできたらいいなと思っている。練習がどちらかに偏ることは多少あるかもしれないが、2種目やることは絶対に僕のなかでは曲げる気はない。どちらかがメインというのではなく、2種目をメインとして取り組んでいくつもりでいる。
男子砲丸投
優勝 アツオビン・ジェイソン(福岡大)
17m64=U20日本最高記録
今シーズンは、ここまで自分の投げができない試合が続いていたので、この大きな試合で結果が残すことができて、嬉しい気持ちでいっぱい。今季は17m50をずっと目標にして取り組んでいたので、更新することができて、本当に嬉しい。今回はチャレンジャーとして、先輩たちに食らいつくつもりで臨んでいた。1年で優勝したからには、4連覇を目指していきたい。
今日は、特に全体の流れ、試合の運び方がよかったと思う。最初からスピードをがつんと上げていくのではなく、1回目は流れやリズム、力強さを意識して臨み、その状態から、(優勝記録となった)5投目までの攻めた投げに、きれいに繋げていくことができた。その流れのなかで(2回目に)17m04が出たことで、17(m)50以上は絶対に行けると思うことができた。
5回目は、(4回目までの投てきで)砲丸がずっと上(方向に)に上がっていたので、ライナーに押さえ(て投げ)たら記録は出ると思って投げた。実際に(映像では)確認できていないけれど、感覚的には、それがハマったなという感じがしている。
反省するとしたら6投目のミス。記録を出そうと思って焦ってしまった。冷静に投げることができていたら、17m80から18(m)くらいは行けたのではないかと思う。そこが悔しいところではある。
体重も高校のときより5kgくらい増えて、ウエイト(トレーニング)も、まだがっつりではないものの、少しずつ(重量を)上げていくことができている。今年と来年あたりの冬期練習で、7kg(一般規格の砲丸)に合った体型にしていくことができれば、もっと記録も伸びていくと思う。今シーズンも、なんとかいい方向に持っていくことができた。伸びしろは、いっぱいあると思うので、これからも、もっと上を目指して頑張っていきたい。
女子3000mSC
優勝 吉村玲美(大東文化大)
9分41秒43=学生新記録
ゴールして涙が出たのは初めて。今回の大会では学生記録を出すことを狙っていて、(9分)44秒を切ることを一番に考えていたので、こうやって(9分)41(秒43)でゴールできたことがすごく嬉しい。その一方で、最後の1台の障害を越えたときに、まだ(ゴールタイマーが9分)30秒台だったのが見えたので、あともうちょっと速ければ、(9分)40秒も切れたんじゃないかなとも思った。嬉しい半面、悔しいという思いも感じたレースとなった。
今回は、自分でレースをつくっていかなければならないということが大前提にあった。私は中盤の2000mあたりで(ペースが)落ちてしまうクセがあるので、入りは少し速く、突っ込むくらいでいこうと思っていて、最初の1000mを(3分)10秒、(次の1000mを3分)15秒、(最後の1000mを3分)13秒くらいで上がれたらいいなと考えていた。ラストがちょっと上がりきれなかったところは残念ではあるけれど、ラスト1周になったときにタイマーを見て、「あと何秒で行けば学生記録が出る」とずっと考えていた。自分が一番の目標にしていた学生記録の更新がしっかりできたので、いいレース展開、思い描いた通りのレースができたと思う。
自己記録の(9分)45秒(52)は、今年の日本選手権で出したものだが、誰かにつくってもらったレースで出した記録だったので、自信に繋がるものが全くなく、「このままじゃヤバいな」と思っていた。それだけに、今回、自分のつくったレースで、(9分)41(秒)で走りきれたことは、すごく大きな自信になった。このタイムで走れるのだから…と思うと、今言っても仕方のないことだけど、日本選手権でああいう(人についていく)レースをしてしまったことがすごく悔しく感じる。次のレースでは、最初から真っ向勝負というか、(最初から自分のペースで)突っ込んでいくようなレースができればいいなと思う。
女子4×100mR
優勝 福岡大(伊藤彩香・兒玉芽生・渡邊輝・城戸優来)
44秒51=学生新記録
・1走:伊藤彩香
(4×100mR決勝の前に行われた)200mの予選の前に、急きょ決勝を走ることが決まったことために、(レース前は)不安な気持ちが大きかった。しかし、先輩方が支えてくださったおかげで、最後まで走りきって兒玉先輩にバトンを渡すことができた。先輩方のおかげで、いい走りができたと思う。
・2走:兒玉芽生
(このレースで学生記録を狙って)絶対にやるというところは、(チーム全員の思いが)1つになっていたので、うまく乗り切れたかなというところ。バトンは、ちょっと詰まった感はあったが、それも私がしっかりと加速に乗るための策でもあった。(100mと4×100mRを終えて)まだこのあと、200mがあるので、そこでは優勝を狙いつつも、自分のやりたいレースをしっかりできるように、課題を明確にして臨みたい。
・3走:渡邊輝
学生記録を更新するためを考えて練習してきたので、嬉しい気持ちでいっぱい。チームの誰が走っても絶対に(記録は)出ると、すごく自信を持って臨めたレースだった。自分の走りはあまり覚えていないけれど、最高のパフォーマンスができたから、結果がついてきたのかなと思っている。
大学最後の今年は、本当は、このインカレと日本選手権リレーで2冠を果たしたかったので、日本選手権リレーがなくなったと聞いたときは、正直、どうしようという気持ちでいっぱいになった。しかし、日本インカレ1本となったことで、「絶対にここで記録を出さなくちゃ」という気持ちにもなったので、兒玉とも「日本選手権リレーがなくなって悔しい気持ちを、絶対に全カレで晴らそうということと、これがラスト1本だから、お互いを信じて走り抜こう」という話をして臨んでいた。
・4走:城戸優来
2年間、学生記録更新を目標に頑張ってきた。去年は1走でバトンを渡すだけだったが、今年から4走を務めるようになり、最初は自分の走り出しに不安定な状態が続いていた。しかし、先輩と一緒に、何回も繰り返し練習して、最近落ち着くようになっていた。プレッシャーもあったが、(決勝では)自分の走りができた。
文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)
■第90回日本学生陸上競技対校選手権大会 大会ページ
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1571/
■東京オリンピック 特設サイト
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■ライフスキルトレーニングプログラム 特設サイト
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