2021.08.09(月)大会

【東京オリンピック】川野、気迫の歩きで6位入賞!男子50km競歩4大会連続入賞達成~8日目モーニングセッション・アフタヌーンセッションハイライト~




モーニングセッション(男子50km競歩)

陸上競技第8日となる8月6日は、東京・国立競技場でのモーニングセッションは実施されず、北海道札幌市で行われる男子50km競歩が最初の決勝種目。川野将虎選手(旭化成)、丸尾知司選手(愛知製鋼)、勝木隼人選手(自衛隊体育学校)の3選手が出場したレースは、午前5時30分にスタートするタイムテーブルで、札幌駅前通に設けられた大通公園を発着点とする周回コースで行われました。暑さによるダメージを避けるための早朝開催でしたが、それでもスタート時点の気温は25℃(湿度86%)。また、スタート直後は大半が周辺に建つビルの日陰となっていたコースも、日が高くなるにつれて直射日光が照りつけるようになりました。気温も午前8時には30℃を超え、レースが進むにつれて暑さが強まる過酷なコンディションとなりました。

1周2kmを25周するコースで行われたレースは、全般にスローな滑りだしとなるなかスタート直後から飛び出した羅亜東選手(中国)がリードを奪い、何度か靴紐がほどけるアクシデントに見舞われた勝木選手を除く日本勢2名を含む大集団が続いていく展開となりました。世界記録保持者のヨアン・ディニ選手が(フランス)が羅選手につく場面もありましたが、5kmを過ぎてからは羅選手が後続との差を大きく広げていく形に。これを追うべく丸尾選手が13km手前で2位集団から抜けて前を追ったことで2位グループ全体が動き、羅選手との差が徐々に縮まり、20kmで羅選手を吸収した21人のトップグループができ上がります。23km付近から先頭を引っ張り、仕掛ける気配を見せていたダビッド・トマラ選手(ポーランド)が動いたのは28km付近。集団から抜け出すと、その後は、後続との差をどんどん広げていきました。これを追う者は現れず、トマラ選手は3時間50分08秒でオリンピックタイトルを獲得しました。

トマラ選手を追うことになった後続集団では、その後、一時期はトマラ選手を追おうとしている様子を見せていた丸尾選手が35kmを過ぎたあたりで集団からこぼれ、その後は、徐々に順位を下げていくことに。川野選手は、40kmまでは6人に絞られた2位集団のなかでレースを進めていましたが、41kmの中盤で体調を崩して路肩に倒れ込むアクシデントに見舞われてしまいます。すぐに起き上がって決死の様子で歩を進め、43kmすぎで再び2位集団に追いつてトマラ選手を追い、46kmをすぎたあたりでメダル争いからは後れたものの、最後まで粘り、3時間51分56秒でフィニッシュ。シニアでの初の世界大会となったオリンピックで堂々6位に入賞。2008年北京大会から続く、この種目の連続入賞を「4」へ増やしました。

靴紐がほどけるアクシデントで序盤から大きく後れたなかでのレースとなってしまった勝木選手は、思うようにペースを上げることができなかったものの、強みとする粘り強さと暑さへの耐性を生かして59位から徐々に順位を上げ、30位(4時間06分32秒)でフィニッシュ。また、メダルを狙うために攻める展開を見せた丸尾選手は、2位集団から後れたあとは苦しい展開となったなか最後まで粘り、4時間06分44秒・32位でレースを終えました。




アフタヌーンセッション(女子20km競歩)

札幌では、20時25分から競技が開始される国立競技場でのイブニングセッションに先駆けて、前日の男子と同様に女子20km競歩の決勝が、16時30分から行われました。フルエントリーが実現した日本からは、藤井菜々子選手(エディオン)、岡田久美子選手(ビックカメラ)、河添香織選手(自衛隊体育学校)の出場です。
猛暑が続いている札幌は、この日も、暑い1日となりました。夕方になっても気温は下がらず、スタート時刻の気温は31℃、レース終了時も30℃。WBGT(湿球黒球温度;暑さ指数)は29℃という長距離種目には過酷なコンディション下でのレースとなりました。

レースは、最初の1kmは4分50秒、2km以降も4分35秒というスローな入りとなったこともあり、序盤は出場選手が大きな塊のまま進んでいくような滑りだしとなりました。河添選手が自身のペースで進むべく、早い段階で集団からは離れましたが、2019年ドーハ世界選手権に続く入賞を目指す岡田選手と藤井選手は、集団の後方について歩を進めていきました。10kmを過ぎた辺りから岡田選手が藤井選手より位置するようになり、その差は、少しずつ開いていきます。藤井選手は先頭グループの最後尾について粘りを見せていましたが、14~15kmが4分25秒、15~16kmが4分16秒とペースが上がったことで、藤井選手も集団からこぼれる形となりました。そのペースアップの中核となったのがアントネラ・パルミザノ選手(イタリア)で、17km以降は4分10秒を大きく切っていくペースに切り替えると、3月に世界歴代1・2・3位を塗り替えるとともに、抜群の実績も持つ楊家玉選手(2017年世界選手権優勝)、劉虹選手(2016年リオデジャネイロオリンピック・2019年ドーハ世界選手権優勝)、切陽什姐選手(2019年ドーハ世界選手権2位)を突き放して独歩態勢を築きます。ラスト2周もそのペースを緩めることなく1時間29分12秒でフィニッシュ。この種目でイタリアに初の金メダルをもたらすとともに、前日の男子と揃っての優勝を果たしました。

トップ集団から突き放された時点で10位に上がっていた藤井選手は、その後は11位をキープしてレースを進めていきましたが、ラスト1kmで順位を2つ下げて13位・1時間31分55秒でフィニッシュ。その2秒後に岡田選手が続き15位で続きました。また、河添選手は1時間39分31秒・40位で競技を終えました。藤井選手の13位は日本勢としては2012年ロンドン大会の渕瀬真寿美選手(11位)に次ぐ成績、また、今回が2回目の出場となった岡田選手は、前回の16位を1つ上回る結果でした。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト


▶【東京オリンピック】8日目モーニングセッション選手コメント
https://www.jaaf.or.jp/olympic/tokyo2020/news/article/15420/

▶【東京オリンピック】8日目アフタヌーンセッション・イブニングセッション選手コメント
https://www.jaaf.or.jp/olympic/tokyo2020/news/article/15422/

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