東京の最高気温が34℃という厳しい暑さとなった8月4日、イブニングセッションは、18時30分スタートの男子十種競技の走高跳から始まりました。
1500m準決勝
トラック最初の種目となった女子1500m準決勝には、8月2日の予選で4分02秒33の日本新記録をマークして、ラウンド突破を果たしていた田中希実選手(豊田織機TC)が出場。日本中を沸かせる素晴らしい走りを見せました。準決勝は2組で実施され、決勝進出の条件は、各組上位5着までと6着以下の記録上位者2名というもの。1組に出場した田中選手は、着順での決勝進出を狙って、最初の100mを15秒0(WA公式サイトの発表データによる。以下、同じ)で飛び出すと、400mでトップに立って最初の1周を62秒8というペースで入りました。800mは2分09秒1の通過で、この間の400mは66秒3とややペースが落ちたものの、依然としてフィニッシュタイムで4分を切るか切らないかというペースでレースを進めていきます。この周回のバックストレートで、フレウェイニ・ゲブレージベヘル選手(エチオピア)、前回覇者のフェイス・キピエゴン選手(ケニア)らが田中選手をかわし、ここで4番手に後退し、1000mは5番手・2分41秒4で通過。残り1周の手前で6名となった上位集団の5番手で、ファイナルラップに突入しました。キピエゴン選手がトップに立ってスパートしていくなかで、田中選手は、1200mを3分12秒0で通過して5番手をキープ。ホームストレートでは4番手のジェシカ・ハル選手(オーストラリア)に迫ろうかという走りを見せて、着順での決勝進出が可能となる5着でフィニッシュしました。フィニッシュタイムは、日本人女子初の4分切りとなる3分59秒19。予選で樹立した日本記録を再び大きく塗り替える好走でした。フィニッシュタイムが、2組で1着となったシファン・ハッサン選手(オランダ)をも上回るものだったため、田中選手は、決勝に進出した全12名中5位という位置で、準決勝を突破しました。女子中距離種目でオリンピックの決勝に進んだのは、1928年アムステルダム大会女子800mで銀メダルを獲得した人見絹枝以来2人目、実に93年ぶりとなる快挙です。中1日空けて行われる8月6日、21時50分スタートの決勝で、入賞を懸けて最後の大勝負に挑みます。
女子3000m障害物 決勝
このセッションでの日本選手の出場は、田中選手のみでしたが、女子3000m障害物、男子800m、男子ハンマー投、男子200mと、4種目の決勝が、次々と行われました。スローペースの入りとなった女子3000m障害物は、残り4周を切ったところで2017年ロンドン世界選手権2位のコートニー・フレリクス選手(アメリカ)が先頭に立ってペースを引き上げると、その後も首位をキープ。明らかなロングスパートを仕掛けて後続を突き放し、大逃げを図ろうとします。しかし、ラスト1周を切ったところで2番手にいたペルス・チェムタイ選手(ウガンダ)が急追すると、バックストレートで追いつき逆転。最後の水濠飛越でフレリクス選手を突き放し、世界歴代3位となる9分01秒45のウガンダ新記録でフィニッシュ。ウガンダの女子陸上競技で初めてとなる金メダルを獲得しました。
男子800m 決勝
男子800m決勝も、200m過ぎから牽制しあったことで最初の400mが53秒76というスローな入りとなりました。最終コーナーを抜けてからの4選手による直線勝負となった優勝争いを制したのは、エマニュエル・キプクルイ・コリル選手(ケニア)。1分45秒06で先着して2008年から続くこの種目のケニア勢連勝回数を「4」に増やすとともに、最後の追い上げでコリル選手に続いたファーガソンチェルイヨット・ロティッチ選手(ケニア)との「ワンツー・フィニッシュ」を達成しました。男子ハンマー投 決勝
男子ハンマー投は、1回目に81m18を投げてトップに立ったボイチェフ・ノビツキ選手(ポーランド)が、3回目には、オリンピック歴代5位となる82m52の自己新を投げ、五輪・世界選手権を通じて初の金メダルを獲得しました。後半の試技で記録を伸ばしていくことはできなかったものの、足を踏み出してファウルとした6回目を含めて、すべての試技で80mラインを超えるハイレベルなアベレージを残しました。ノルウェーのエイビン・ヘンリクセン選手が、ナショナルレコードの81m58をマークして銀メダルを獲得。また、パベウ・ファイデク選手(ポーランド)が5回目に81m53をマークして銅メダルを獲得。これによって、男女ハンマー投は、ともにポーランド勢が1・3位を占めました。男子200m 決勝
このセッションの最終種目として行われた男子200m決勝では、準決勝で19秒73のナショナルレコードをマークしていたアンドレ・ドグラス選手(カナダ)が、ホームストレートでの競り合いを制して、世界歴代8位の19秒62(-0.5)で五輪・世界選手権を通じて悲願の初優勝。100mで獲得した銅メダルに続き、2つめのメダルを獲得しました。なお、この記録は、日本国内でマークされた最高記録でもあります。ドグラス選手に続いたのがアメリカ勢で、2位にケネス・ベドナレク選手、3位はノア・ライルズ選手、4位は高校生のエリヨン・ナイトン選手の順でフィニッシュ。ナショナルレコードを塗り替えて5位に食い込んだジョゼフ・ファーンブレ選手(リベリア)までの5選手が19秒台をマークするレベルの高いレースとなりました。大会も終盤に入っていく大会7日目の8月5日からは、男女リレー種目が始まります。モーニングセッションでは、男女4×100mリレーの予選が実施され、女子は10時00分から、男子は11時30分から、それぞれスタート。男女ともに出場を果たした日本は、8月6日夜に行われる決勝での活躍を期して、まずは予選突破に挑みます。
大会に関する情報は、東京オリンピック特設サイト( https://www.jaaf.or.jp/olympic/tokyo2020/ )および日本陸連公式Twitterをご参照ください。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:アフロスポーツ
▶【東京オリンピック】田中希実、1500mで3分台!日本記録を更新し決勝へ進出!~6日目イブニングセッション コメント~
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