2021.05.01(土)大会

【第105回日本選手権10000m展望】3位内で即時内定の伊藤に注目。 続く標準記録突破者は現れるか!?~男子編~



第105回日本選手権10000mが5月3日、この種目の東京オリンピック日本代表選手選考会を兼ねて、静岡・小笠山総合運動公園 エコパスタジアムにおいて開催される。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、東京オリンピックは会期を1年ずらしての開催に。陸上競技は、今年の夏、7月30日に開幕することとなった。男子10000mは、大会初日の7月30日夜、オリンピック最初の決勝種目として行われ、女子10000mはトラック&フィールド種目実施の最終日となる大会9日目の8月7日夜、決勝が行われる。
すでに昨年12月に開催された日本選手権長距離の10000mにおいて、ともに日本新記録を樹立して優勝した相澤晃(旭化成)と新谷仁美(積水化学)が、参加標準記録を突破しての優勝という内定条件を満たして、ともに「1枠目」を獲得。このため、今大会では、男女ともに残り2つとなった代表枠を懸けて、選手たちはしのぎを削ることになる。即時内定を得るためには、3位以上の成績を収めたうえで、同レース終了時点で参加標準記録を突破していることが必要だ。
昨日の女子に続き、本日は男子の見どころをご紹介しよう

※情報や記録・競技会等の結果は、4月30日時点の情報で構成。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:アフロスポーツ

 

【男子10000m】

男子10000mは、昨年の日本選手権同様に、資格記録順にAとBの2組に分けて、Bを第1組、Aを第2組として、タイムレースで実施される。20時24分にスタート予定の2組目に入るのは、日本人競技者の資格記録上位30名と、オープンで出場が認められた外国人競技者の資格記録上位2名の全32名。欠場者が出た場合は、その人数分が1組目から繰り上がる。
相澤晃(旭化成)が27分18秒75の日本新記録を樹立して優勝を果たすとともに、内定条件を満たしてオリンピック代表内定者となった昨年12月の日本選手権は、2位の伊藤達彦(Honda、27分25秒73)、3位の田村和希(住友電工、27分28秒92)までが日本記録を更新したのを筆頭に、18位(1組目の3選手を含む)までが27分台をマーク。記録面では、上位3選手が日本歴代1~3位を占めたほか、4位と6位でフィニッシュした河合代二(トーエネック、27分34秒86)と大迫傑(Nike、27分36秒93、男子マラソンで代表に内定済み)も、それぞれ日本歴代6位・9位にランクインする高速レースとなった。今回、会場となるエコパスタジアムは、周回種目で記録の出やすいトラックと評価されている。気象条件にもよるだろうが、今回も第104大会に劣らず、記録・勝負の両面でハイレベルなレースを期待することができそうだ。

内定済みの相澤が出場しないため、興味の関心は、「代表内定者が何人出るか」「勝つのは誰か」の2つになる。内定獲得に「王手」をかけた状態にいるのが、前回大会ですでに参加標準記録を突破している伊藤。この大会で3位内、つまり日本選手権で上位3選手に授与される、自身にとって2つ目のメダルを手に入れることができたらクリアとなる。前回は、最終的に相澤に突き放されはしたものの、何度も上位争いからこぼれそうになるなか、フォームを大きく崩しながら必死の形相で食い下がった粘りが特に目を引いた。今回、標準記録突破をマストとせずに、「3位内」という勝負に集中できる状態でレースに臨めるアドバンテージは、特に精神的な側面で非常に大きいといえるだろう。とはいえ、この大会で自分より先着した2選手が標準記録を突破した場合は、代表入りを逃すことになる。また、前回、同級生で、これまで箱根駅伝などのレースでも何度も競り合うレースを繰り広げてきたライバルの相澤に敗れた悔しさは、「日本一」の称号を獲得することで晴らしたいはず。先頭集団のペースや展開を見ながらレースを進めていくのか、はたまた周りに左右されることなく自身でペースをつくってフィニッシュラインを目指すのか――。伊藤が選択する戦略や展開を想像しながら観戦すると、よりレースを面白く見ることができるだろう。
前回、相澤・伊藤とともに日本記録を更新したものの、わずか0.92秒及ばずオリンピック参加標準記録突破を逃していた田村は、腓骨疲労骨折のため、大会を欠場することが明らかとなった。まずは、1日も早い回復を祈るばかりだが、この大会で標準記録をクリアするレースができれば、2年ぶり2回目の日本選手権獲得者となる可能性が高かっただけに、非常に惜しまれる。

上位選手が揺さぶりや駆け引きをすることなく集団で速いペースを刻んでいくような展開となった場合、ハイペースの波に乗って、大集団のまま標準記録を突破できる状態で終盤を迎え、激しいスパート合戦へともつれ込む可能性も十分にある。その候補として、前回入賞を果たした河合(4位)、鎧坂哲哉(旭化成、5位)、佐藤悠基(SGH、7位)、田澤廉(駒澤大、8位)あたりを挙げることができるだろう。残念ながら、現段階で佐藤も、今大会を欠場することが発表されたが、ほかの選手たちの状態はどうか。河合は、マラソングランドチャンピオンシップ出場を果たすなど東京オリンピックに向けた強化のなかで著しく成長を遂げてきた選手。この冬のロードシーズンは、やや精彩を欠いたが、トラックレースに向けてうまく調子を上げることに期待したい。また、期待の若手の一人として注目されている田澤は、上位を目指すなかで大迫傑が早大時代の2013年にマークした27分38秒31の日本人学生最高を塗り替えていく可能性もありそうだ。2015年(第99回)チャンピオンで、同年には北京世界選手権代表となったほか、当時日本歴代2位となる27分29秒74の自己記録もマークしている鎧坂は、終盤まで粘ることができるかが鍵。切れ味鋭いスパートを見たいファンは多いだろう。

このほかでは、前回11位だった市田孝(旭化成)の走りにも注目したい。27分52秒35は自己新記録だったが、このときは日本記録が出た2組目ではなく、1組目(1着)でマークした記録。2組目で走ることになる今回は、自己記録をさらに大きく上回るチャンスといえる。2月には全日本実業団ハーフマラソンで日本歴代4位となる1時間00分19秒をマーク。また、4月10日には5000mを13分36秒30で走っており、順調にトラックシーズンへの移行を果たしている。自己記録で27分39秒95(2015年)を持つ村山謙太(旭化成、前回9位)とともに上位でレースを進めることができれば、上位争いはより激化するはずだ。


 
・大会情報
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1546/

・応援メッセージキャンペーン!あなたの言葉で東京の舞台を目指す選手の背中を押そう!
https://www.jaaf.or.jp/news/article/14766/

・「東京2020オリンピック競技大会」日本代表選手内定について
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202104/25_212802.pdf

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