2020.07.18(土)大会

若きアスリートが輝きを放つ!新記録続出に五輪にも期待/ホクレンDC 千歳大会レポート

ホクレン・ディスタンスチャレンジ2020」の最終戦となる第4戦、千歳大会は7月18日、北海道の千歳市青葉陸上競技場で開催されました。間近から見守っていただいた300名の観客、そしてライブ配信などを通じて応援してくださった皆様の力もあり、レベルの高いレースが続く活況となりました。
特に、若い力の鮮やかな走りが輝きを放ちました。男子3000m障害物で大学1年生の三浦龍司(順天堂大)が8分19秒37の日本歴代2位となるU20 日本新記録をマーク。男子5000mでは21歳の遠藤日向(住友電工)が日本歴代7位の13分18秒99を出し、大学1年生の吉居大和(中央大)が13分28秒31のU20 日本新記録、高校3年生の石田洸介(群馬・東京農大二高)も13分36秒89の日本高校新記録を樹立しました。


男子3000m障害物の三浦は、京都・洛南高から進学して最初のレース。昨年の全国高校総体(インターハイ)で競い合ったフィレモン・キプラガット(岡山・倉敷高―愛三工業)をぴったりと追う形で速いペースにも余裕を持ってつき、ラストスパートの争いでキプラガットに競り勝ちました。これまでの自己記録は8分39秒37。「基礎となる走力を上げる練習がしっかりできたことが結果につながった」と喜びを語りました。とはいえ、驚異的な自己記録更新に「8分30秒をきれるかなと狙ったが、20秒を切れるとは思っていなかった。これを自信にしたい」と驚きを隠しませんでした。
三浦の記録は従来のU20日本記録(8分31秒27=愛敬重之、1983年)を37年ぶりに更新するもので、日本記録(8分18秒93)にも迫りました。また、東京オリンピック参加標準記録(8分22秒00)を上回っています。今年11月までの記録は参加資格の対象になりませんが、来年の大舞台も視野に入ってきました。


男子5000mはA組で、遠藤と吉居が果敢に先頭集団につき、遠藤が最後まで攻めの走りを貫いて2着ながら自己記録を約9秒更新。それでも「目指すところはもっと上なので、これからも頑張りたい」と強い向上心を見せました。宮城・仙台育英高から今年大学に入ったばかりの吉居も、一時は集団から離れかけながらも粘り、佐藤悠基(日清食品グループ、当時東海大)が2005年に出した13分31秒72を上回りました。ワンブア・タイタス(埼玉医科大グループ)が13分17秒40で1着となりました。


石田はB組に出場。7月4日の第1戦、士別大会ではレース後半にペースが落ちましたが、今回は最後までしっかり力のこもった走りを貫き、日本高校記録(13分39秒87=佐藤秀和、2004年)を16年ぶりに破りました。石田は男子3000mの日本中学記録に続き、高校でも長距離種目の記録に名を刻みました。


女子3000mは、8日の第2戦、深川大会で日本記録(8分41秒35)を出した田中希実(豊田自動織機TC)がA組に出場し、8分51秒49で1着となりました。日本記録樹立時と違い、「1500mの日本記録も視野に入れた」という意図から中盤まで抑えて終盤にペースを上げるプランでレースを運び、ラスト800mを2分07秒程度で走破する圧巻のスピードを披露。世界トップクラスの実力を感じさせました。


女子5000mでは、東京オリンピックマラソン代表の一山麻緒(ワコール)が日本歴代8位の15分06秒66でA組1着に。同代表の前田穂南(天満屋)も15分31秒51と自己記録を更新。ともに今回の連戦を通して、順調な進歩を表現しました。
男子10000mでは鈴木健吾(富士通)が自身初の28分突破となる27分57秒84で日本選手トップの3着に入りました。ライモイ・ヴィンセント(国士舘大)が27分39秒80で1着でした。男子1500mはジャスティス・ソゲット(Honda)が3分40秒86で1着。荒井七海(Honda)が3分41秒03で2着に続きました。

今年のホクレン・ディスタンスチャレンジは、新型コロナウイルスの感染防止を最優先し、さまざまな対策を講じた上で4大会を開催しました。練習が思うようにできない時期があった選手も多く、不安もありながら迎えた大会でしたが、主催の北海道陸上競技協会をはじめ多くの関係各位のご尽力、ご協力もあり、終わってみれば大盛況となりました。
日本陸上競技連盟の河野匡・長距離・マラソンディレクターは大会を総括し、「皆がここに一生懸命に合わせ、力を出してくれた。選手全員にMVPをあげたい」と選手の奮闘をたたえました。1年後の東京オリンピックに向けても、マラソン代表選手が順調な走りを見せ、トラック種目で代表を狙うであろう選手たちの好記録も相次いだことで、「来年はもっと伸びるのでは、という充実感がある大会だった。オリンピックの1年の延期は、若い選手にとっていいモチベーションになるのではないか」とさらなる飛躍に期待しました。

 


写真提供:フォート・キシモト

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