【男子棒高跳】
日本勢は高校生以上の各カテゴリのレコード・ホルダーが勢揃い。「日本記録(5m83=2005年)」が38歳の澤野大地。
「室内日本記録(5m77i=2016年)」と「学生記録(5m75=2013年)」が27歳の山本聖途。
「U20記録(5m65=2017年)」「U18記録(5m46=2016年)」「高校記録(5m50i=2017年)」が20歳の江島雅紀。
江島が初出場した2016年以降の3人の順位は、
2016年 2)5.62 澤野 3)5.62 山本 5)5.42 江島
2017年 2)5.50 江島 3)5.50 山本 澤野は不出場
2018年 2)5.50 澤野 3)5.50 江島 4)5.40 山本
である。
1980年生まれの澤野と1999年生まれの江島には大きな年齢差があるが、そんな2人が同じ舞台で戦っている光景は、何とも素晴らしい。17年は澤野が出場しなかったが、16・18年は、「超ベテラン」の勝負強さを発揮し山本と江島を退けたのは、「さすが」といえよう。
2013年、15年とこの大会で優勝している山本は、4年ぶりの優勝と5m83の日本記録更新を狙う。19年は5試合(うち室内2試合)に出場し、5m71i、5m45i、5m50、5m61、5m61とコンスタントな記録を残している。
【男子走幅跳】
4月のアジア選手権で8m22を跳んで金メダルを獲得した橋岡優輝が、コーチである森長正樹さんが27年前の1992年にマークした8m25の日本記録の更新に挑む。追風2.0m以内の条件での橋岡の「8m台」は、「6回(試合)」。他に追風参考では、8m30、8m25、8m07の「3回」。初の8mオーバーは、2017年5月26日の関東インカレでの8m05で18歳4カ月と3日目だった。
対する森長さんの公認条件下でのトータル回数は、「19回」(このほか追風参考で8回)。しかし、森長さんの「初8m台」は、1991年9月7日の8m07(同じ試合で、追風2.8で8m21)。この時、19歳5カ月と11日目。「初8m台」は、橋岡が1年1カ月あまり早かった。
その後、森長さんは、20歳1カ月8日目に現日本記録の8m25を跳んだ。あと2日で20歳4カ月となる橋岡とほぼ同じ時期だ。
弟子が師匠を超えるのが、「最高の恩返し」と言われるが、是非とも果たしてもらいたい。
陸上ファンの間ではよく知られているが、橋岡の父・利行さんは名ポールボウルターで、1986年に5m55の日本新記録をマークした。また、母・直美さん(旧姓、城島=じょうじま)も1989年に100mHで13秒63の日本タイ、三段跳では1993年に13m23の日本新、95年にも自身の記録と並ぶ日本タイをマークしている。
父・母・息子の3人とも、「全国インターハイ」「日本インカレ」「日本選手権」のタイトルを手中にしている。優輝が「日本記録」を作れば、3人揃って「日本記録変遷史」にその名を残すことになる。
【男子やり投】
今年のシーズン初戦となった3月24日の国士館大学競技会で82m03のアーチをかけた新井涼平が、ドーハ世界選手権参加標準記録の「83m00」に挑戦する。新井の大学1年生以降のシーズン初戦とその年の最高記録は以下の通り。
年月日 | 初戦 | --> | 年最高 | 月日 | 記録のアップ |
---|---|---|---|---|---|
2010.03.14 | 59m64 | --> | 64m81 | 11.13 | 5m17 |
2011.03.30 | 71m72 | --> | 78m21 | 6.12 | 6m49 |
2012.04.21 | 71m34 | --> | 78m00 | 10.14 | 6m66 |
2013.03.25 | 77m06 | --> | 78m19 | 7.28 | 1m13 |
2014.04.29 | 85m48 | --> | 86m63 | 10.21 | 1m15 |
2015.04.04 | 78m95 | --> | 84m66 | 8.24 | 5m71 |
2016.04.29 | 79m93 | --> | 84m54 | 6.25 | 4m61 |
2017.04.29 | 79m68 | --> | 82m13 | 6.24 | 2m45 |
2018.04.29 | 79m81 | --> | 80m83 | 7.08 | 1m02 |
2019.03.24 | 82m03 | --> | ?? |
年によって差はあるが、1m02~6m66のアップで、平均では「3m439」初戦の記録を伸ばしている。これを今年の「82m03」に加算すると「83m03~88m69」で、平均では「85m46」となる。
新井を含め、84m以上の自己ベストを持つ選手が5人揃い、「大アーチ」の応酬が期待できそうだ。
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト
■チケット
http://goldengrandprix-japan.com/ja-jp/ENTRY-LIST■エントリー
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5月19日(日)・地上波TBS系列:午後1時30分~3時24分(生中継)
https://www.tbs.co.jp/goldengp/
・動画配信サービスParavi LIVE配信:ひる12時15分~午後3時24分
https://news.paravi.jp/