2019.05.16(木)大会

【セイコーゴールデングランプリ2019大阪 展望その3】男子棒高跳:日本記録更新を狙う山本。ベテラン澤野vs.ホープ江島の「師弟対決」にも注目/男子走幅跳:橋岡、日本記録を大きく上回る跳躍なるか/ドーハ世界選手権を目指す戦い



【セイコーゴールデングランプリ2019大阪 展望その2】から


◎男子棒高跳

日本記録更新を狙う山本。ベテラン澤野vs.ホープ江島の「師弟対決」にも注目

男子棒高跳では、1月にアメリカの室内大会で世界選手権標準記録となる5m71をクリアしている山本聖途選手(トヨタ自動車)が、東京オリンピック参加標準記録となる5m80、さらには5m83の日本記録(澤野大地、2005年)を上回る高さの攻略を虎視眈々と狙っています。4月21日のドーハアジア選手権(5m51、7位)以降は、帰国してすぐに4月29日の織田記念(5m61、優勝)に出場すると、翌日に再びドーハに戻って5月3日のドーハDLに臨む(5m61、3位)3連戦を敢行。これにより、5月7日更新時点のIAAFワールドランキングでは9位まで順位を上げました。カテゴリーAに属し、地元日本で開催されるGGPでも記録と順位を狙っていきたいところです。

その山本選手に、アジア選手権で勝っているのが5m65(=U20日本記録、2017年)の自己記録を持つ江島雅紀選手(日本大、ダイヤモンドアスリート修了生)。昨年はU20世界選手権で銅メダルも獲得していますが、大会で思いきり踏み切ることができない状態が生じて、記録的にはやや伸び悩みを見せていました。今季は、屋外2戦目となったアジア選手権(6位)、織田記念(2位)でともに5m51をクリア。GGPでは、自己記録の更新だけでなく、世界選手権の標準突破も視野に入れて挑むことになります。

また、この種目には、5m83の日本記録保持者で、江島選手のコーチとして指導にも当たっている澤野大地選手(富士通)もエントリー。1980年生まれの澤野選手は38歳。織田記念では気温が低かったことによる脚のケイレンも影響して5m31で4位にとどまりましたが、前回大会では5m50をクリアして優勝者と同記録の2位に食い込み、日本人トップの成績を収めています。今回も、ベテランならではの調整力で上位を狙ってきそうです。




◎男子走幅跳

橋岡、日本記録を大きく上回る跳躍なるか

このほか、跳躍で新記録誕生の可能性が非常に高いのは男子走幅跳です。ダイヤモンドアスリート修了生で、日本選手権2連覇中の橋岡優輝選手(日本大)が日本記録更新に王手をかけたといっていいところまで迫ってきています。

昨年は日本選手権の6回目で8m09(+1.2)の自己ベストをマークして連覇を達成すると、7月にタンペレ(フィンランド)で開催されたU20世界選手権では唯一8m台に記録を乗せる8m03(+0.9)を跳んで金メダルを獲得。秋にはシニアの日本代表としてアジア大会に出場し、最終跳躍で8m05(±0)をマーク。メダルには4cm及ばなかったものの4位入賞を果たす活躍を見せました。

今季は、さらにひと回りスケールアップ。3月のテキサスリレー(アメリカ)で初戦を迎えると、この大会の最終跳躍で追い風参考記録(+4.2)ながら、現在の師である森長正樹コーチが保持する日本記録と並ぶ8m25をマーク。4月のアジア選手権でも、6回目の試技で大きく記録を伸ばして、日本歴代2位の8m22(+0.5)をマーク。アジアチャンピオンの称号を手に入れるとともに、8m17のドーハアジア選手権参加標準記録をあっさりとクリアしているのです。

実は、この8m22という記録は、2020年東京オリンピックの参加標準記録でもあるのですが、この種目は2019年5月1日から、その有効期限がスタートするため、残念ながら記録としては“参加標準記録突破”とは見なされません。しかし、IAAFワールドランキング制度において、アジア選手権は、オリンピックや世界選手権(OW)、DLファイナル(DF)、世界室内選手権やDL(GW)に次ぐGLという高いカテゴリーに属しているため、プレイシングスコア(その競技会に与えられる得点)も高く、5月7日現在のポイントランキングでは12位に浮上。GGPの結果次第では、トップ10入りも見えるところまできています。

橋岡選手のすごさは、勝っていても負けていても6回目の試技で記録を伸ばしてくることができるところ。アジア選手権でもそうでしたが、逆転を喫したなか、全く動じることなく最終跳躍に臨み、再逆転して勝利をつかんでいます。これは勝負という点でも、見る者を非常にわくわくさせてくれる展開。GGPでも、最終跳躍まで目の離せない豪快なジャンプが期待できそうです。

森長コーチの持つ日本記録は、日本大学3年時の1992年にマークした記録。橋岡選手が今年これを塗り替えると、実に27年ぶりの更新となり、日本記録とともに学生記録も更新することになります。




◎ドーハ世界選手権を目指す戦い

男子やり投、男子400mH、男子400m、男子200m、男女リレー

ここまでに挙げた種目のほかにも、故障の影響による低迷から復調の兆しを見せている新井涼平選手(スズキ浜松AC)や野澤啓佑選手(ミズノ)が出場する男子やり投、男子400mHも世界選手権参加標準記録(やり投83m00、400mH49秒30)を突破する可能性が十分にある種目。また、ウォルシュ・ジュリアン選手(富士通)を筆頭に世界リレーで男子4×400mRで出場権獲得を果たしたメンバーが揃う男子400mは、そのフラットレースでの標準記録(45秒30)突破はもちろんのこと、そこでの順位はリレーでの代表選考にも影響してきそうです。

男子200mには、大会直前に急性虫垂炎に見舞われ、アジア選手権、世界リレーの出場を見送った飯塚翔太選手(ミズノ)が復帰レースとして出場します。手術を余儀なくされたものの内視鏡を入れてのものであったために予後も順調とのこと。まずは、世界選手権参加標準記録となる20秒40をターゲットとしています。

ちなみに、この種目には、4月に400mで世界歴代4位となる43秒45をマークし、400mの室内世界記録保持者(44秒52、2018年)でもあるマイケル・ノーマン選手(アメリカ)がエントリーしています。ノーマン選手は、日本にルーツを持つ選手。母・伸江さん(旧姓・斉藤)は静岡県浜松市の出身で、入野中3年時の1989年には女子100mで、日本の女子中学生として初めて12秒を切る11秒96の中学新記録を樹立するなど活躍しました。ドーハ世界選手権、そして東京オリンピック男子400mの優勝候補にも名前が挙がるようになっているノーマン選手は、200mでも19秒84(-0.6、2018年)の自己記録を持つだけに、日本でどんな走りを披露するか楽しみです。

また、ドーハ世界選手権出場権をかけて、という点では、オープン種目として実施される男子4×100mR、女子4×100mR、女子4×400mRも見逃せない種目といえるでしょう。優勝も狙って挑んだ世界リレーで、バトンパスのミスが生じて失格に終わってしまった男子4×100mRをはじめとして、これらの3種目において日本チームは、2019年9月6日までにIAAFランキング上位6カ国内に入っていなければなりません。どの種目も、メンバーは世界リレーのオーダーが基準になると見込まれていますが、「高速トラック」として評価の高い長居スタジアムで、ぜひ好記録をマークしておきたいところ。そういう意味では、ワールドチャレンジ種目に負けないスリリングなレースが展開されること必至といえるでしょう。女子4×400mRは11時25分に、女子4×100mRは11時40分に、そして男子4×100mRは15時15分に、それぞれスタートが予定されています。

最新のエントリーリストやタイムテーブルなど、大会に関する詳細については、こちら(https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1351/ )からアクセスの上、ご確認ください。また、大会の模様は、TBS系列で生中継(13:30~15:24)されるほか、動画配信サービス ParaviLIVEでも配信(12:15~15:24)される予定です。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト

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