2019.05.16(木)大会

【セイコーゴールデングランプリ2019大阪 展望その2】女子やり投:日本記録保持者として臨む北口の投てきに注目/男子110mH、女子100mH:男女スプリントハードルに新記録誕生の予感



【セイコーゴールデングランプリ2019大阪 展望その1】から

◎女子やり投

日本記録保持者として臨む北口の投てきに注目 

日本新記録のアナウンスを期待できそうな種目もたくさんあります。その筆頭といえる女子やり投には、5月6日の木南記念で64m36の日本記録を樹立した北口榛花選手(日本大)がエントリー。自身が今季目標にしている65m台に挑みます。 

2015年世界ユース選手権女子やり投で金メダルを獲得して、ダイヤモンドアスリートにも選出された(現在は修了)北口選手も大学4年生。リオデジャネイロオリンピックを目指した2016年は標準記録に及ばず悔しい思いをし、その後、右肘の故障の影響もあり、思うように記録を伸ばせず苦しむ時期を過ごしてきました。昨年の冬は、大学の混成ブロックに交ざってサーキットトレーニングなど下半身を中心とした基礎体力強化に取り組んだほか、今年2月からは自身でアプローチして、単身でチェコに向かい1カ月ほど現地のクラブチームでトレーニング。世界記録保持者のバルバラ・シュポタコヴァ選手(チェコ)とも交流するなど、貴重な多くの経験を重ね、心身ともにたくましくなって帰国しました。 

その成果が形となったのが、3戦目として臨んだ5月6日の木南記念でした。北口選手は、4回目の試技で2016年のGGPで出した自己記録(61m38、当時学生新記録)を大幅に更新し、ドーハ世界選手権の標準記録(61m50)を突破する63m58(日本歴代2位、学生新記録)の好記録をマーク。しかし、「63m58では、いろいろ足りないことは自分でもわかっていた」と、その記録では従来の日本記録(63m80、海老原有希、2015年)には22cm、東京オリンピック参加標準記録(64m00)にも42cm届いていないことから、集中力を切らすことなく5回目に挑み、日本記録も、東京オリンピック参加標準記録をも突破する64m36をマークしたのです。

競技後は、「目標のしている65mには届いていないし、前半の3回で記録が出せるようにならないと世界では戦えない」と課題を挙げていた北口選手。日本記録保持者として初めて迎える試合となるGGPで、さらなる進化を目指します。 

このほか、日本勢としては、アジア選手権代表の斉藤真理菜選手(スズキ浜松AC)と宮下梨沙選手(MPE)も出場します。62m37(2017年)の自己記録を持つ斉藤選手は、アジア選手権直前に痛めた腰の回復具合が気になるところ。60m86(2016年の自己記録を持ち、毎年確実に60mラインを越える投てきを見せている宮下選手とともに、まずは世界選手権標準記録突破を目指しての試技となりそうです。


 

◎男子110mH/女子100mH

男女スプリントハードルに新記録誕生の予感 

男女スプリントハードル(男子110mH、女子100mH)にも好記録誕生の予感が漂います。昨シーズンは、金井大旺選手(当時福井県スポーツ協会、現ミズノ)が日本選手権で13秒36(+0.7)の日本新記録を樹立。また、このとき13秒45をマークして2位となった高山峻野選手(ゼンリン)がアジア大会では銅メダルを獲得しています。そして、今年4月のアジア選手権では女子100mH(+1.3)で木村文子選手(エディオン、13秒13)と青木益未選手(七十七銀行、13秒28)で金・銅メダルを獲得し、その4人が組んで臨んだ世界リレーの男女混合シャトルハードルリレーでは、圧倒的な強さを誇るアメリカとの一騎打ちとなったなか好走を見せて2位の成績を上げています。このときは、特に1走・2走を務めた木村選手と高山選手はアメリカをリードする好走が目を引きました。 

男子110mHでは、国内のグランプリシリーズで13秒50まで自己記録を更新してきた石川周平選手(富士通)が織田記念、木南記念と2大会連続自己新記録で連勝して、好調を維持しています。また、昨年、U20世界選手権男子110mH(U20規格で実施)で銅メダルを獲得し、U20日本選手権ではこの規格の110mHで2018年U20世界リスト4位となる13秒19(-0.9)のU20日本記録をマークした泉谷駿介選手(順天堂大)が、今季は初戦からシニア規格の110mHでも好記録を連発。早生まれのため今年もU20となる泉谷選手は、シニア規格の110mHでもU20日本最高記録を2回塗り替えて13秒55(+1.4)まで更新、学生記録(13秒50)に迫る勢いを見せています。

5月15日現在の日本リストでは、石川・泉谷両選手が、高山選手、金井選手を抑えて1・2位の座を占めています。ドーハ世界選手権の標準記録は13秒46、東京オリンピック参加標準記録は13秒32。この4選手が顔を揃えるGGPでは、複数選手による世界選手権標準記録突破はもちろんのこと、条件に恵まれれば、「日本記録を更新しての東京オリンピック参加標準記録突破」のアナウンスが、会場を沸かせるかもしれません。 

一方、女子100mHでは、優勝したアジア選手権の予選・決勝で13秒1台を連続してマークするなど順調な仕上がりを見せている木村選手が、13秒00(金沢イボンヌ、2000年)の日本記録を上回る12秒98のドーハ世界選手権標準記録突破に照準を合わせています。今年はシーズンインに向けて、時差の少ないオーストラリアをトレーニング地に選び、サリー・ピアソン選手(オーストラリア、12秒28=世界歴代5位、2012年五輪優勝、2011年・2017年世界選手権優勝)と一緒に練習。ピアソン選手から多くのことを学んできました。世界リレーにも出場したピアソン選手は、4月から日本に滞在しており、アジア選手権からの帰国直後となったために木村選手は出場を回避した織田記念を12秒99(+0.6)で快勝。このGGPも100mHにエントリーしており、ようやく木村選手との対戦が実現します。ピアソン選手を筆頭にエントリーしている海外勢は、12秒台中盤から前半の自己記録を持つ選手がずらり。ここに木村選手や青木選手、そして紫村仁美選手(東邦銀行)、田中佑美選手(立命館大)が、どこまで絡んでいけるかも注目です。


【セイコーゴールデングランプリ2019大阪 展望その3】へ続く…


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト

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