2019.02.28(木)選手

【戸邉直人選手】公開練習レポート&コメント

2月2日に男子走高跳で2m35の日本新記録を樹立、2月20日に行われた最終戦ほか3大会を制し、IAAF(国際陸連)世界室内ツアーの男子走高跳ツアーチャンピオンとなった戸邉直人選手(つくばツインピークス)が2月27日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンター陸上トレーニング場で練習を公開しました。

 



公開練習は、午前10時半からスタート。報道陣が集まるより先に会場入りして事前にウォーミングアップをすませていた戸邉選手は、60名近いメディア関係者が見守るなか、この日のメインとなる跳躍練習に取り組みました。

最初に、ウォーミングアップを兼ねて、1m70~80の高さをはさみ跳びで4本ほど跳ぶと、バーを1m90に上げて背面跳びでの跳躍を開始。跳躍の合間に、踏み切り位置や踏み切り数歩前の地点に立ち、バーとの距離感を確認する動作を挟みながら、2m00、2m10、2m15と、徐々に高さを上げていきました。さらに、ほとんど休憩時間をとることなく、2m20にバーを上げて5回跳躍(3回目の跳躍はクリア)すると、最後に2m00に高さを落として1回跳び、この日の練習を終了させました。

「正直、緊張した。大勢の方に、ここまで近くで見ていただくことは、試合でもなかなかないので」と、練習後に行われた囲み取材で感想を求められ、苦笑いしながらこう答えた戸邉選手。跳躍を行うのは、2月20日のデュッセルドルフ大会以来ということで、最初は、踏み切り位置がなかなかぴたりと定まらなかったと明かし、「助走もけっこう動かして、いろいろやって、最後に“ここらへんかな”というのがつかめてきたという感じだった」と振り返りましたが、跳躍自体は悪くはなかった様子。「この気温で2m20を跳べたら僕の中ではかなりいいほう。練習のベストは2m28で、それは暖かい時期に跳んだ記録なので…。感覚的な話になるけれど、今日は10℃あるかないかくらいの気温(8℃)のなかで跳んだわけだが、これが20℃を超えてきたら、パフォーマンスも10cm近く上がるのかなと思っている。内容的にはすごく良かったと思う」と評価していました。

また、今後の目標について問われると、「今回の結果で、かなり具体的に世界のトップが見えてきたので、この勢いのまま突っ走っていきたい。今年は、記録的には2m40を目指したいなと思っていて、結果・順位的なものは10月に世界選手権があるので、そこで金メダルを取れるように頑張りたい」とコメント。来年に迫った東京オリンピックについては、「僕にとっては、出場できれば初めてのオリンピックになるわけだが、日本の、東京でやるオリンピックというのは、ほかのどこでやるオリンピックとも違う、特別な大会になると思っている。競技者としての1つの集大成を迎えられるように、しっかりと準備をしていきたい」と力強い言葉を聞かせてくれました。

 

 

【コメント(要旨)】

◎戸邉直人(つくばツインピークス)
・今日の跳躍練習について

2m35の日本記録を出したことで、ワールドリーダー(今季世界リスト1位)になったわけだが、自分がワールドリーダーであるということは、(転戦中は)自分でも信じられない感じがあった。帰国して、こうして皆さんに取材をしていただくなかで、その実感が湧いてきている状態である。

今日の跳躍練習は、1m90の高さから背面跳びを始め、跳べた最高の高さが2m20だった。最初は、あまり本数は跳ばないようにするつもりだったのだが、跳んでいたら楽しくなってきて、いっぱい跳んでしまった(笑)。2月20日の試合以来の跳躍だったのと、寒かったということもあってり、最初は踏み切り位置がなかなか定まらない感じだったのだが、それを跳びながら調整していくという練習となった。練習のなかで(跳躍の)映像を撮ることもあるが、自分は基本的には撮らないほう。試合では、基本的に自分の判断でどうするかということを決めていかなければならないし、遠征などでは自分一人で行って試合をすることも多いので。そういった環境のなかでは、自分の感覚をもとに、技術を修正していける能力というのが非常に大事になると思っている。

(具体的にどこを調整するかは)1本1本違う。跳んでいると、特に(バーを)落としたときは、どうやって落としてしまったのかがけっこう具体的にわかっている。そのとき、身体のどの部分に、どういう形で(バーを)ぶつけたかによって、何がダメだったのかを考え、次にどうするかを決めていく。(今日も)そういったところを意識しながら行った。この気温のなかで2m20まで跳べたのは、僕のなかでは上々かなという感じでいる。

大勢の方に、ここまで近くで見ていただくことは試合でもなかなかないので、正直、緊張した。しかし、そういった意味では、いい緊張感を持って、いい練習ができたのかなと思う。


・始動したワールドランキング制について

(IAAFが2月26日に導入したことを発表した)ワールドランキング制では、試合ポイントも入ってくるため、単純に記録だけでは評価することができない。選手としては、「自分が今、何位なのか」の情報を収集することが非常に大事になってくる。今朝、僕もIAAFのホームページで(7位であることを)確認したが、あの7位は、まだ先日のデュッセルドルフの試合(2月20日:世界室内ツアー最終戦、2m34で優勝)が含まれていなかったので、きっともうちょっと上がるはず。このように(ランキングは)随時更新されていくわけでなく、結果と(更新とに)タイムラグがあるので、そういう意味でも確認が重要になってくるのかなと思う。また、「どういう試合で、どのくらいの結果を出して」という計画をしっかり立てることが必要になってくる。

日本の陸上界では(ワールドランキング制の導入は)「すごい変化だ」というふうに言われていて、実際に、今後、日本の選手は積極的に海外の試合に出場していかなければならない状況になってくると思うが、僕はずっとそうして(海外の試合に出て)きているので、僕自身は競技に対するスタンスはこれまでと変えずにいけるかなと思っている。

文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)



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