2020年東京オリンピック男子4×100mRでの金メダル獲得を目指し、強化を進めている男子短距離ナショナルチームが、7月22日のロンドンダイヤモンドリーグ(以下、ロンドンDL)で実施された男子4×100mRへの出場をメインとして、その前後で各選手がヨーロッパで開催されている大会へ出場した今回の欧州遠征。遠征期間中には、参加した選手の皆さん個々に、お話を伺うことができました。
以下、特別インタビューとして、読者の皆さまにお届けします。
第1回は、この遠征では最年長となった飯塚翔太選手(ミズノ)の登場です。まず、7月16日の時点で、転戦の拠点となったマドリッドでインタビューし、その後、ロンドンDLでのレース後にも、遠征全体を総括していただきました。
飯塚:すごくいいところです。屋外の陸上競技場のすぐ横に、大きな室内練習場があって、そこには100m以上の直走路があります。空調設備が整っているので快適ですし、広いだけでなく、天井が高いのと、側面がガラス張りなので、とても解放感があります。また、そのすぐ隣にウエイトトレーニングができる場所もあるので、とても使い勝手がいいです。スペイン陸連さんのご協力のおかげもあってか、入退場に際して、その都度の細かいセキュリティチェックをしなくても大丈夫なので、出入りするのにもストレスがありません。また、宿泊しているホテルからは、バスで20分程度。ホテルの前から乗り換えなしで行くことができます。かなり使いやすい場所だと思います。
―――こうして拠点を決めて行う海外遠征の経験は?
飯塚:個人ではアメリカと、あとヨーロッパでも一度プラハ(チェコ)を拠点にやったことがあります。でも、こうやってナショナルメンバーでやるのは、初めてですね。通常は、試合のある場所で練習をやってレースに臨み、試合が終わったら次の試合地へ向かうパターンが多いので。ただ、拠点にしていても、個人でやると、宿泊しているホテルなどは、一度チェックアウトして、試合へ出向き、戻ってきてまたチェックインする形でした。今回は、ずっと部屋をとってもらっている状態なんです。
―――まさに家にいて、出かけて帰ってくる感じ?
飯塚:もう、そういう感じ。すごく楽ですね。それと、帰ってきたらみんながいるというのもいいです。なんかホッとできるんです。合宿といっても、ここ(マドリッド)で同じ練習をするというわけではないのですが、それでも同じ空間で練習して、一緒に試合に行ったり、あるいは別の試合に行くのを見送ったりというのはなかなかない機会で、「世界で戦う」みたいな雰囲気を感じています。
飯塚:最近、リレーが目立ってきているじゃないですか。それによって、「リレーで走る」という気持ちを、みんなが持つようになってきていると感じますね。「自分も走りたい」とか「自分も走れる」というように。僕も、上の世代の人の活躍に刺激をもらっていましたが、今後は、逆にいいエネルギーをもらっています。年下の人たちが頑張っているので、「自分もしっかり行かないと」って。雰囲気もすごくいいですよ。年齢は違っているけれど、きちんと話ができる仲だし。それがいいと思いますね。
―――この機会が、一段と互いを知り合うよい機会になっている印象を受けました。
飯塚:そうですね、小池なんかは一緒に過ごすのは、僕は初めてでしたので。知っていても、実際に、こういう合宿とかがないと、なかなかコミュニケーションをとれないじゃないですか。試合のときなんて、しゃべったりしないし。だから、こうして拠点を持つことで、一緒にご飯を食べたり、同じ部屋になったりして、そこでいろいろと話すことができてよかったです。
―――逆に、下の年代の選手たちからすると、飯塚選手から学んでいることも多いのだろうと思います。
飯塚:互いに吸収できることがあったと思いますね。それがすごくいいと思います。僕は、ほかの人のことを「選手」という目でしか見ていなくて、先輩とか後輩とかでは見ていないんですね。一緒に頑張る仲間とかライバルみたいな感じで見ていて、だから、互いに遠慮せず話ができるようにも思っています。例えば、今、小池がリレーメンバーに入ったとしても、ちゃんとみんなと話し合って、できるような感じになっています。
飯塚:はい。日本選手権後は1回、休む期間をとって、この遠征に来ました。状態としては、「ぼちぼち」といったところです。経過を考えれば、このくらいかなという感じで。
―――では、今回の遠征で出場する試合では、「結果を出す」とか「記録を出す」とかがメインというよりは、試合をして、レースの中で状態をチェックしながら、さらに強化を進めていくという感じ?
飯塚:そうですね。もちろん結果を出したいというのはありますが、大枠ではアジア大会に向けてやっていくなかでのレースです。こっちでのレースは、本当はどちらも100mの予定だったんです。だけど、ルツェルンは前日に200mに(エントリーが)変わっていて…。で、急きょ200mを走りました(笑)。
―――ええ、それは想定外で? いきなりのことだったのですか?
飯塚:そうです。「100mに出ます」と申し込みをして、で、出発前にはメディアの皆さんにも100mで2大会に出ると伝えていたんです。それなのに急に200mになっちゃった(笑)。でも、200mも走りたいなと思っていたところだったのでよかったです。アジア大会に向けて確認ができたし、今の状態だったら、このくらいでいいかなと思っています。
―――では、レース自体は悪くはなかったのですね。
飯塚:全然悪くないです。個人的には良かったと思っています。
―――アジア大会に向けて、あとはどの部分を引き上げていく?
飯塚:試合の内容でみると、200mは前半のほうがいいので、前半の走りのイメージのまま後半も走って、ゴールまで行けるようになったらいいな、と。
―――後半の精度を上げていく必要がある?
飯塚:そうですね。ルツェルンのときは、前半楽に入って、後半で余裕があったので切り替えようとしたら逆に失速してしまったんですね。だから、前半のイメージのままで走るのが大事なのかなと思いました。あとはフィジカル面のトレーニングですね。日本選手権前からずっと調整、調整になっているので、ウエイトトレーニングをやっていく必要があります。一度、全身にしっかり刺激を入れられれば、十分に行けると思います。
―――その身体づくりの部分は、日本に戻ってから?
飯塚:もう今、始めていますよ。そして、帰ってからもやっていきます。それができればいい状態になっていくと思います。
飯塚:やはり優勝ですね。
―――ライバルとなってくるのは?
飯塚:まずはイギリスがライバルです。去年のロンドン世界選手権覇者ですし、この大会では、一昨年にA・Bで2チーム出て、ワン・ツーを取っています(※2016年の大会で、Aチームが37秒78で優勝、2位のBチームも37秒81をマーク)から。また、例年だとヨーロッパ系の国では、フランスとか、ドイツとかが出てくるでしょうか。あとはアメリカとか中国が出てくるかどうか。でも、やはりイギリスだと思います。
―――走順はもう決まっているのですか? 飯塚選手は2走?
飯塚:まだ話をしていません。メンバーも確定していないので、どうなるかわからない状況です。
―――どこを走っても大丈夫?
飯塚:はい、どこでも(笑)。言われたところを全力で走ります! まあ、セイコー(ゴールデングランプリ)で37秒85が出ていまし、あのレースも、バトンがよければ、あの個人の走りで、(37秒)6くらいまで行けたんです。だから、チームとしての状態は、だいぶいいと思います。メンバーはまだわかりませんが、優勝するかどうかくらいのタイムは出せると思います。
―――昨年、37秒47のナショナルレコードをマークして世界選手権を制しているイギリスを上回って優勝するとなると、ゴールデングランプリのタイムは上回っていく必要があるかもしれませんね。
飯塚:上回るくらいじゃないと勝てないかもしれませんね。
―――楽しみにしています。
(2018年7月16日収録)
※以下、ロンドンDLでのリレー終了後のインタビュー
飯塚:(37秒61をマークした)イギリスが速かったですね。
―――ご自身の走りとしては?
飯塚:僕としては、ベストは尽くせたと思います。走れている感じもあったけれど、後ろ(1つ内側のレーンに入ったイギリスのヒューズ選手)が、めっちゃ、速かったですね。
―――ヒューズ選手が来ていることはわかりましたか?
飯塚:「あ、(自分は)いい感じだな」と思って走っていたのですが、そうしたら、(ヒューズ選手が)横にいました(笑)。具体的には細かい分析を見て、どのくらいのタイムだったのか確認してみないとわからないですけど。でも、僕自身は、今の時期としてはベストを尽くせたと思います。
―――1走を務めることになった小池選手とのバトンパスは?
飯塚:ちょっと詰まった感じはしたのですが、映像で見た限りはそんなに詰まっている感じではありませんでした。そこもやはり分析後の数字を見てからですね。
―――感触としては、まずまずといったところ?
飯塚:そうですね。もちろん、これから上がっていく前提での話になりますが、それでも38秒0台を出せているわけですから。38秒09は、日本歴代7位くらいでしょうか? 悪くはないと思います。でも、イギリスは(37秒)61で、日本記録(37秒60)くらいのタイム。やはり日本記録を更新する記録を出していかないと、勝てないということですね。そういう意味で、今日、それを実感できたことは、これからのエネルギーになると思います。
―――「次は、勝つぞ」という?
飯塚:はい。ケンブリッジくんなんかとも、終わったあと「イギリスに負けるのは悔しいですね」という話をしていたんです。
―――そうした部分もこの数年の変化なのでしょうね、メンバーの。
飯塚:はい、本当にそうだと思います。求めているところがずっと上がってきていると思います。
―――この結果では満足できない、と?
飯塚:ほんと、そうです。メンバーも、まだ何人もいますし、みんなで、さらに高いところを目指していくことになります。
飯塚:そうですね、僕としては総合的にみると、結果は出なかったのですが、でも、アジア大会に向けてはステップアップができていると感じていて、これで、アジア大会で最高の結果が出せるように、もっていけるかなと思っています。状態自体は上がってきていると思うので。
―――帰国してからは山梨で合宿して、さらに仕上げていく?
飯塚:はい、そうです。そういう意味でも、今回、こっち(ヨーロッパ)で、みんなと合宿をやって、本当によかったと思います。小池くんとは初めてだったけれど、一緒の部屋になったり試合も一緒に行ったりして、コミュニケーションもとれましたし。
―――それもあったから、今回、1・2走をいきなり組んでも、対応ができたのかもしれません。
飯塚:そうですね。これが本当にゼロの状態からだったら大変だったと思います。まあ、今回の合宿で、僕は初めて一番上(年長)になったわけですが…まあ、あんまり実感はなかったけれど(笑)、元気いっぱいでみんなで過ごせたかなと思います。
―――やんちゃな弟たちがいっぱいいる感じでしょうか(笑)?
飯塚:(笑)そうですね、いっぱいです(笑)。これで山縣(亮太)がいれば、1つずつ年が違うので、また感じが違うのですが(笑)。
―――長期の遠征、お疲れさまでした。アジア大会に向けて、さらによい準備できることを祈っています。
(2018年7月22日収録)
構成・文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:日本男子短距離スタッフ、児玉育美
以下、特別インタビューとして、読者の皆さまにお届けします。
第1回は、この遠征では最年長となった飯塚翔太選手(ミズノ)の登場です。まず、7月16日の時点で、転戦の拠点となったマドリッドでインタビューし、その後、ロンドンDLでのレース後にも、遠征全体を総括していただきました。
「拠点をつくっての転戦はすごくいい」
――転戦の拠点とした、ここマドリッドについて、聞かせてください。スペイン陸連のご協力により練習拠点として使わせていただいているINEF(Facultad de Ciencias de la Actividad Física y Deporte)は、日本でいうナショナルトレーニングセンター(NTC)のような施設と聞きました。実際に利用してみて、いかがですか?飯塚:すごくいいところです。屋外の陸上競技場のすぐ横に、大きな室内練習場があって、そこには100m以上の直走路があります。空調設備が整っているので快適ですし、広いだけでなく、天井が高いのと、側面がガラス張りなので、とても解放感があります。また、そのすぐ隣にウエイトトレーニングができる場所もあるので、とても使い勝手がいいです。スペイン陸連さんのご協力のおかげもあってか、入退場に際して、その都度の細かいセキュリティチェックをしなくても大丈夫なので、出入りするのにもストレスがありません。また、宿泊しているホテルからは、バスで20分程度。ホテルの前から乗り換えなしで行くことができます。かなり使いやすい場所だと思います。
―――こうして拠点を決めて行う海外遠征の経験は?
飯塚:個人ではアメリカと、あとヨーロッパでも一度プラハ(チェコ)を拠点にやったことがあります。でも、こうやってナショナルメンバーでやるのは、初めてですね。通常は、試合のある場所で練習をやってレースに臨み、試合が終わったら次の試合地へ向かうパターンが多いので。ただ、拠点にしていても、個人でやると、宿泊しているホテルなどは、一度チェックアウトして、試合へ出向き、戻ってきてまたチェックインする形でした。今回は、ずっと部屋をとってもらっている状態なんです。
―――まさに家にいて、出かけて帰ってくる感じ?
飯塚:もう、そういう感じ。すごく楽ですね。それと、帰ってきたらみんながいるというのもいいです。なんかホッとできるんです。合宿といっても、ここ(マドリッド)で同じ練習をするというわけではないのですが、それでも同じ空間で練習して、一緒に試合に行ったり、あるいは別の試合に行くのを見送ったりというのはなかなかない機会で、「世界で戦う」みたいな雰囲気を感じています。
年下の選手たちの意気込みを刺激に
―――年代的には、飯塚選手が最年長。いつの間にか、引っ張っていく側になりましたね。また、今回は、2014年仁川アジア大会等で日本代表を経験している原翔太選手(スズキ浜松AC)のほか、小池祐貴選手(ANA)、染谷佳大選手(中央大)、ダイヤモンドアスリート修了生の山下潤選手(筑波大)など新たな顔ぶれも加わっています。特に、若い選手たちを見ていて、何か感じたことはありますか?飯塚:最近、リレーが目立ってきているじゃないですか。それによって、「リレーで走る」という気持ちを、みんなが持つようになってきていると感じますね。「自分も走りたい」とか「自分も走れる」というように。僕も、上の世代の人の活躍に刺激をもらっていましたが、今後は、逆にいいエネルギーをもらっています。年下の人たちが頑張っているので、「自分もしっかり行かないと」って。雰囲気もすごくいいですよ。年齢は違っているけれど、きちんと話ができる仲だし。それがいいと思いますね。
―――この機会が、一段と互いを知り合うよい機会になっている印象を受けました。
飯塚:そうですね、小池なんかは一緒に過ごすのは、僕は初めてでしたので。知っていても、実際に、こういう合宿とかがないと、なかなかコミュニケーションをとれないじゃないですか。試合のときなんて、しゃべったりしないし。だから、こうして拠点を持つことで、一緒にご飯を食べたり、同じ部屋になったりして、そこでいろいろと話すことができてよかったです。
―――逆に、下の年代の選手たちからすると、飯塚選手から学んでいることも多いのだろうと思います。
飯塚:互いに吸収できることがあったと思いますね。それがすごくいいと思います。僕は、ほかの人のことを「選手」という目でしか見ていなくて、先輩とか後輩とかでは見ていないんですね。一緒に頑張る仲間とかライバルみたいな感じで見ていて、だから、互いに遠慮せず話ができるようにも思っています。例えば、今、小池がリレーメンバーに入ったとしても、ちゃんとみんなと話し合って、できるような感じになっています。
アジア大会に向けて、経過は順調
―――ご自身の転戦を振り返っていただきましょう。今回は、リレーのほかに、ルツェルン(200m:5着、20秒44、+0.9)とコルトレイク(100m:1本目2着10秒41、-0.2/2本目4着10秒31、-0.9)の2大会に出場しました。日本選手権以降というのは、どう過ごしてきたのでしょう? 照準自体は、アジア大会に合わせているなかで期間かと思いますが。飯塚:はい。日本選手権後は1回、休む期間をとって、この遠征に来ました。状態としては、「ぼちぼち」といったところです。経過を考えれば、このくらいかなという感じで。
―――では、今回の遠征で出場する試合では、「結果を出す」とか「記録を出す」とかがメインというよりは、試合をして、レースの中で状態をチェックしながら、さらに強化を進めていくという感じ?
飯塚:そうですね。もちろん結果を出したいというのはありますが、大枠ではアジア大会に向けてやっていくなかでのレースです。こっちでのレースは、本当はどちらも100mの予定だったんです。だけど、ルツェルンは前日に200mに(エントリーが)変わっていて…。で、急きょ200mを走りました(笑)。
―――ええ、それは想定外で? いきなりのことだったのですか?
飯塚:そうです。「100mに出ます」と申し込みをして、で、出発前にはメディアの皆さんにも100mで2大会に出ると伝えていたんです。それなのに急に200mになっちゃった(笑)。でも、200mも走りたいなと思っていたところだったのでよかったです。アジア大会に向けて確認ができたし、今の状態だったら、このくらいでいいかなと思っています。
―――では、レース自体は悪くはなかったのですね。
飯塚:全然悪くないです。個人的には良かったと思っています。
―――アジア大会に向けて、あとはどの部分を引き上げていく?
飯塚:試合の内容でみると、200mは前半のほうがいいので、前半の走りのイメージのまま後半も走って、ゴールまで行けるようになったらいいな、と。
―――後半の精度を上げていく必要がある?
飯塚:そうですね。ルツェルンのときは、前半楽に入って、後半で余裕があったので切り替えようとしたら逆に失速してしまったんですね。だから、前半のイメージのままで走るのが大事なのかなと思いました。あとはフィジカル面のトレーニングですね。日本選手権前からずっと調整、調整になっているので、ウエイトトレーニングをやっていく必要があります。一度、全身にしっかり刺激を入れられれば、十分に行けると思います。
―――その身体づくりの部分は、日本に戻ってから?
飯塚:もう今、始めていますよ。そして、帰ってからもやっていきます。それができればいい状態になっていくと思います。
ロンドンDLは、37秒台で優勝を
―――7月22日に行われるロンドンDLのリレーは、何を目指していますか?飯塚:やはり優勝ですね。
―――ライバルとなってくるのは?
飯塚:まずはイギリスがライバルです。去年のロンドン世界選手権覇者ですし、この大会では、一昨年にA・Bで2チーム出て、ワン・ツーを取っています(※2016年の大会で、Aチームが37秒78で優勝、2位のBチームも37秒81をマーク)から。また、例年だとヨーロッパ系の国では、フランスとか、ドイツとかが出てくるでしょうか。あとはアメリカとか中国が出てくるかどうか。でも、やはりイギリスだと思います。
―――走順はもう決まっているのですか? 飯塚選手は2走?
飯塚:まだ話をしていません。メンバーも確定していないので、どうなるかわからない状況です。
―――どこを走っても大丈夫?
飯塚:はい、どこでも(笑)。言われたところを全力で走ります! まあ、セイコー(ゴールデングランプリ)で37秒85が出ていまし、あのレースも、バトンがよければ、あの個人の走りで、(37秒)6くらいまで行けたんです。だから、チームとしての状態は、だいぶいいと思います。メンバーはまだわかりませんが、優勝するかどうかくらいのタイムは出せると思います。
―――昨年、37秒47のナショナルレコードをマークして世界選手権を制しているイギリスを上回って優勝するとなると、ゴールデングランプリのタイムは上回っていく必要があるかもしれませんね。
飯塚:上回るくらいじゃないと勝てないかもしれませんね。
―――楽しみにしています。
(2018年7月16日収録)
※以下、ロンドンDLでのリレー終了後のインタビュー
負けて悔しいという結果は、次へのエネルギーになる
―――ロンドンDLの男子4×100mRは、38秒09でイギリスに次いで2位でした。レースを終えての感想を。飯塚:(37秒61をマークした)イギリスが速かったですね。
―――ご自身の走りとしては?
飯塚:僕としては、ベストは尽くせたと思います。走れている感じもあったけれど、後ろ(1つ内側のレーンに入ったイギリスのヒューズ選手)が、めっちゃ、速かったですね。
―――ヒューズ選手が来ていることはわかりましたか?
飯塚:「あ、(自分は)いい感じだな」と思って走っていたのですが、そうしたら、(ヒューズ選手が)横にいました(笑)。具体的には細かい分析を見て、どのくらいのタイムだったのか確認してみないとわからないですけど。でも、僕自身は、今の時期としてはベストを尽くせたと思います。
―――1走を務めることになった小池選手とのバトンパスは?
飯塚:ちょっと詰まった感じはしたのですが、映像で見た限りはそんなに詰まっている感じではありませんでした。そこもやはり分析後の数字を見てからですね。
―――感触としては、まずまずといったところ?
飯塚:そうですね。もちろん、これから上がっていく前提での話になりますが、それでも38秒0台を出せているわけですから。38秒09は、日本歴代7位くらいでしょうか? 悪くはないと思います。でも、イギリスは(37秒)61で、日本記録(37秒60)くらいのタイム。やはり日本記録を更新する記録を出していかないと、勝てないということですね。そういう意味で、今日、それを実感できたことは、これからのエネルギーになると思います。
―――「次は、勝つぞ」という?
飯塚:はい。ケンブリッジくんなんかとも、終わったあと「イギリスに負けるのは悔しいですね」という話をしていたんです。
―――そうした部分もこの数年の変化なのでしょうね、メンバーの。
飯塚:はい、本当にそうだと思います。求めているところがずっと上がってきていると思います。
―――この結果では満足できない、と?
飯塚:ほんと、そうです。メンバーも、まだ何人もいますし、みんなで、さらに高いところを目指していくことになります。
アジア大会に向けて、さらにステップアップを
―――すべての日程を終えました。今回の遠征を総括してください。飯塚:そうですね、僕としては総合的にみると、結果は出なかったのですが、でも、アジア大会に向けてはステップアップができていると感じていて、これで、アジア大会で最高の結果が出せるように、もっていけるかなと思っています。状態自体は上がってきていると思うので。
―――帰国してからは山梨で合宿して、さらに仕上げていく?
飯塚:はい、そうです。そういう意味でも、今回、こっち(ヨーロッパ)で、みんなと合宿をやって、本当によかったと思います。小池くんとは初めてだったけれど、一緒の部屋になったり試合も一緒に行ったりして、コミュニケーションもとれましたし。
―――それもあったから、今回、1・2走をいきなり組んでも、対応ができたのかもしれません。
飯塚:そうですね。これが本当にゼロの状態からだったら大変だったと思います。まあ、今回の合宿で、僕は初めて一番上(年長)になったわけですが…まあ、あんまり実感はなかったけれど(笑)、元気いっぱいでみんなで過ごせたかなと思います。
―――やんちゃな弟たちがいっぱいいる感じでしょうか(笑)?
飯塚:(笑)そうですね、いっぱいです(笑)。これで山縣(亮太)がいれば、1つずつ年が違うので、また感じが違うのですが(笑)。
―――長期の遠征、お疲れさまでした。アジア大会に向けて、さらによい準備できることを祈っています。
(2018年7月22日収録)
構成・文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:日本男子短距離スタッフ、児玉育美
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