大会最終日となる第4日は、午後から競技が開始。接近中の前線の影響で、時折雨がぱらつくコンディション。気温も24℃前後にとどまる雲の多い天候のなか、11の決勝種目(男子6、女子5)が行われた。
日本勢は、11種目中9種目でメダルを勝ち取る怒涛の勢いを見せた。
快進撃の幕を開けたのは女子400mH。吉田佳純(駿河台大)、村上夏美(早稲田大)、関本萌香(早稲田大)の3選手がリードを奪って、第4コーナーを抜けてきたが、ホームストレートでYANG Jui-Hsuan(チャイニーズタイペイ)が追い上げてくる展開に。岐阜県出身の吉田が粘りを見せ、自己ベストの58秒43で金メダルを獲得。村上が58秒92で銅メダルを獲得した。
続いて行われた男子400mHでも、白尾悠祐(順天堂大)が50秒52で優勝。男子200mでは、前日の4×100mR優勝メンバーの塚本ジャスティン惇平(城西大城西高・東京、4走)と高木悠圭(東海大静岡翔洋高・静岡、1走)が出場し、先行するWEI Tai-sheng(チャイニーズタイペイ)、シン・ミンキュ(韓国)をホームストレートで追い上げた塚本が、21秒09(-0.2)の自己新記録でフィニッシュ。WEI(21秒05)、シン(21秒06)にはわずかに届かなかったが、銅メダルを獲得した。
女子3000mでは、序盤から先頭に立った田中希実(ND28AC)が1000mを3分04秒、2000mを6分09秒で通過。ラスト1000mを2分55秒でカバーして、9分04秒36の大会新記録で危なげなく金メダルを獲得。和田有菜(名城大)が9分14秒13で続き、日本は、ワン・ツーフィニッシュを達成した。
このほか、3000m付近で爆発的なスパートを見せたクマール・アジート(インド)が14分15秒24で制した男子5000mでは、クマールに突き放されながらも粘った田澤廉(青森山田高・青森)が14分17秒26で銀メダルを獲得。男子三段跳では、5回目(+0.1)、6回目(+0.3)の試技で決勝記録となった15m47を2回マークした泉谷駿介(順天堂大)が、2位に9cm差の3位で競技を終えた。
女子七種競技は、初日を2位(2989点)で折り返した大玉華鈴(日本体育大)が、走幅跳(5m45)で3位に後退したが、やり投で44m98をマークして逆転。800mで逃げ切り、5133点で金メダルを獲得した。また、男子走高跳では、友利響平(環太平洋大)とアンドゥ ヌフ アブドルカディル(カタール)が、2m14をクリアしたところで、一騎打ちとなったが、友利が自己新記録でもあった2m16を3回目にクリアし、チャンピオンの座を手にした。
男女最終種目となったのは4×400mR。女子が先に行われ、日本は、800m2位の塩見綾乃(立命館大)を1走に、2・3走に400mHメダリストコンビの吉田(優勝)・村上(3位)を挟んで、アンカーに800m覇者で400mでも53秒50の自己記録を持つ川田朱夏(東大阪大)を据えるオーダーで挑んだ。1走の塩見で大きくリードを奪った日本は、その後も後続を寄せつけることなく、各走者ともに独走状態を保ったまま3分38秒20でフィニッシュ。1997年に中国が記録した3分39秒24を上回る大会新記録をマークして優勝に花を添えるとともに、日本チームに14個目の金メダルをもたらした。
最終種目の男子4×400mRには、日本は、森周志(北海道栄高・北海道、400m3位)、白尾悠祐(順天堂大、400mH優勝)、鳥居風樹(中京大中京高・愛知、800m3位)、松尾脩平(筑波大、400m6位)の走順で臨んだが、400m1位・2位を擁するスリランカが圧倒的な強さを見せ、3分08秒70で圧勝。
日本は、タイ(3分09秒20)、マレーシア(3分09秒60)に次ぎ、4位・3分10秒01でのフィニッシュとなった。
日本は最終日だけで、9種目で金メダル6、銀メダル2、銅メダル3を獲得。これによりトータルでのメダル獲得は、過去最高となる金メダル14、銀メダル15、銅メダル13、総数42となり、そのすべてで2位の中国(金11、銀8、銅4、総数23)を上回り、1位の成績を収めた。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)