2017.08.05(土)その他

世界選手権、記録&データからみた展望&楽しみ方/マラソン編

<日本代表>
男子マラソン 井上大仁、川内優輝、中本健太郎
8月6日(日)10時55分(日本時間18時55分)
女子マラソン 安藤友香、重友梨佐、清田真央
8月6日(日)14時00分(日本時間22時00分)
8月4日から13日までの10日間、ロンドンを舞台に16回目となる世界選手権が行われる。
ここでは、過去の記録やデータをもとにその見どころや楽しみ方を紹介する。



8月6日(日)の同じ日に男女のマラソンが行われる。男子が10時55分(日本時間18時55分)、女子が14時00分(同22時00分)のスタートだ。男女のマラソンが同じ日に行われるのは、史上初のことである。

<男子>

これまでの日本人選手の入賞者は下記の通り。

1991年 1位 谷口 浩美(旭化成)
 〃  5位 篠原  太(神戸製鋼)
1993年 5位 打越 忠夫(雪 印)
1999年 3位 佐藤 信之(旭化成)
 〃  6位 藤田 敦史(富士通)
 〃  7位 清水 康次(NTT西日本)
2001年 5位 油谷  繁(中国電力)
 〃  8位 森下 由輝(旭化成)
2003年 5位 油谷  繁(中国電力)
2005年 3位 尾方  剛(中国電力)
 〃  4位 高岡 寿成(カネボウ)
2007年 5位 尾方  剛(中国電力)
  〃  6位 大崎 悟史(NTT西日本)
  〃  7位 諏訪 利成(日清食品)
2009年 6位 佐藤 敦之(中国電力)
2011年 6位 堀端 宏行(旭化成)
2013年 5位 中本健太郎(安川電機)

1983年、87年、95年、97年、2015年の5大会は入賞には届かなかったが、15大会のうち10大会で入賞を果たし、金1個と銅2個を獲得し、のべ17人が入賞している。



参考までに「五輪」での入賞者(全ての大会。1980年までは6位までが入賞)は以下の通り。

1928年 4位 山田 兼松(坂出青年)
 〃  6位 津田晴一郎(慶 大)
1932年 5位 津田晴一郎(慶大OB)
 〃  6位 金  恩培(養正高普)
1936年 1位 孫  基禎(養正高普)
 〃  3位 南  昇龍(明 大)
1956年 5位 川島 義明(日 大)
1964年 3位 円谷 幸吉(自衛隊)
1968年 2位 君原 健二(八幡製鉄)
1972年 5位 君原 健二(新日鉄)
1984年 4位 宗   猛(旭化成)
1988年 4位 中山 竹通(ダイエー)
1992年 2位 森下 広一(旭化成)
 〃  4位 中山 竹通(ダイエー)
 〃  8位 谷口 浩美(旭化成)
2004年 5位 油谷  繁(中国電力) 
 〃  6位 諏訪 利成(日清食品)
2012年 6位 中本健太郎(安川電機)

といった状況で、世界選手権とは違って、1992年を最後にそれ以降はかなり苦戦を強いられている。



話を世界選手権に戻す。
各大会の1位に8点、2位7点 ~ 8位1点の点数を与えて国別の得点を集計すると次のようになる。

順)点 国名  1 2 3 4 5 6 7 8 = 入賞数
1)70 KEN 4 3 ・ ・ 2 1 2 2 = 14 ケニア
2)67 ETH 1 3 3 3 ・ ・ 8 1 = 19 エチオピア
3)65 JPN 1 ・ 2 1 6 3 3 1 = 17 日 本
4)54 ITA ・ 1 3 2 1 2 3 3 = 15 イタリア
5)51 ESP 3 2 ・ ・ 1 2 ・ 3 = 11 スペイン
6)26 MAR 2 ・ ・ 1 ・ 1 1 ・ = 5 モロッコ
7)20 AUS 1 ・ 1 1 ・ ・ ・ 1 = 4 オーストラリア
8)20 UGA 1 ・ 1 ・ ・ 2 ・ ・ = 4 ウガンダ
9)18 TAN ・ 1 ・ ・ 2 1 ・ ・ = 4 タンザニア
10)15 BRA ・ ・ 1 ・ 1 1 1 ・ = 4 ブラジル
11)14 USA 1 ・ 1 ・ ・ ・ ・ ・ = 2 アメリカ
12)14 DJI ・ 2 ・ ・ ・ ・ ・ ・ = 2 ジブチ
13)13 ERI 1 ・ ・ 1 ・ ・ ・ ・ = 2 エリトリア
14)12 GBR ・ ・ ・ 1 1 ・ 1 1 = 4 イギリス
15)10 POR ・ ・ ・ 2 ・ ・ ・ ・ = 2 ポルトガル
16)9 MEX ・ 1 ・ ・ ・ ・ 1 ・ = 2 メキシコ
17)9 GER ・ ・ 1 ・ ・ 1 ・ ・ = 2 ドイツ
18)7 NAM ・ 1 ・ ・ ・ ・ ・ ・ = 1 ナミビア
18)7 QAT ・ 1 ・ ・ ・ ・ ・ ・ = 1 カタール
20)6 NED ・ ・ 1 ・ ・ ・ ・ ・ = 1 オランダ
20)6 SUI ・ ・ 1 ・ ・ ・ ・ ・ = 1 スイス
22)5 KOR ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ ・ = 1 韓 国
22)5 POL ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ ・ = 1 ポーランド
22)5 SWE ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ ・ = 1 スウェーデン
25)4 BRN ・ ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ = 1 バーレーン
26)3 BEL ・ ・ ・ ・ ・ 1 ・ ・ = 1 ベルギー
27)2 RSA ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 ・ = 1 南アフリカ
28)1 ALG ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 = 1 アルジェリア
28)1 RUS ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 = 1 ロシア
28)1 URS ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 = 1 ソ 連

日本は、ケニア、エチオピアに次いで3位だが、2009年・ベルリン大会終了時点ではトップだった。



以下に2015年大会終了時点の得点の上位5国について、累計得点と順位の推移をまとめてみた。

 年  JPN  KEN  ETH  ITA  ESP  他の上位国
1983年 未入賞  未入賞  2)7  7)2  未入賞  1)8 AUS
1987年 未入賞  3)8  4)7  2)10  未入賞  1)13 AUS
1991年 4)12  5)8  6)7  2)14  未入賞  1)14 DJI
1993年 1)16  6)10  7)7  4)14  未入賞  2)14 USA
1995年 1)16  8)10  11)7  6)14  2)15  3)14 USA
1997年 4)16  9)10  12)7  2)21  1)33  3)20 AUS
1999年 3)27  9)10  12)7  2)32  1)42  4)20 AUS
2001年 3)32  10)17  4)22  2)38  1)42  5)20 AUS
2003年 3)36  6)18  4)22  2)47  1)49  5)20 AUS
2005年 2)47  5)20  4)22  3)47  1)50  6)20 AUS
2007年 1)56  4)29  5)22  3)47  2)50  6)20 AUS
2009年 1)59  3)48  5)33  4)47  2)51  6)21 MAR
2011年 2)61  1)70  5)39  4)48  3)51  6)26 MAR
2013年 2)65  1)70  3)58  5)48  4)51  6)26 MAR
2015年 3)65  1)70  2)67  4)54  5)51  6)26 MAR

現時点の上位5カ国の5大会ごとの得点は、

大会回数(西 暦 年)JPN KEN ETH ITA ESP
1~5回(1983~1995) 16   10   7   14   15
6~10回(1997~2005) 31   10   15   33   35
11~15回(2007~2015) 18   50   45   7   1
-------------------------------
合計得点        65   70   67   54   51

以上の通りで、2005年の第10回大会あたりまでは日本、スペイン、イタリアが「トップ3」だった。が、この10年あまりでケニアとエチオピアが一気に点数を伸ばしてきた。

このところ、ケニア、エチオピアを中心とする東アフリカ勢が、世界の上位記録を独占し、2016年の世界100傑(100位は、2時間09分28秒)では、ケニアが67人、エチオピアが25人、ウガンダ・エリトリア・タンザニアが1人ずつ、さらにはケニアからトルコに国籍変更した1人、エリトリアからスイスに変更した1人を加えて東アフリカの出身者で計97人。それ以外は日本の3人のみだ。

秋以降のレースが残っている2017年(100位2時間09分57秒)も、ケニア61人、エチオピア23人、モロッコ3人、エリトリア2人、ナミビア・ウガンダ・タンザニアが1人ずつで、オランダの1人はソマリアからの国籍変更でアフリカ出身者で計93人。日本が7人で孤軍奮闘している。

今回の世界選手権のケニアやエチオピアの代表は、2時間3~6分台の記録を持っている。対する日本のトリオは2時間8分台が持ちタイムだ。

ただ、タイムでは世界の6割以上のシェアを占めるケニア勢だが、2013、15年の2大会は誰も入賞できなかった。

「フラットなコース」「涼しい気温」のいい条件の中でペースメーカーが30㎞付近までハイペースで先導する「高速レース」では好タイムを量産しているが、真夏でペースメーカーのいない「勝負優先」の世界選手権や五輪では、なかなか持ちタイム通りにはいかないことも多いようだ。

初マラソンの大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)が3位となった4月のボストンも、ペースメーカーがつかず気温も25℃を超える条件のレースだった。そんな中で2時間4~6分台のベストを持つケニア&エチオピア勢を相手に2時間10分を切ったことがないアメリカ人選手(1人のみ2時間8分台がベスト)が、トップ10以内に6人も食い込んだ。

ボストンでの大迫やアメリカ選手が高温の中で、アフリカ勢を相手にしっかりと結果を出したこと。あるいは、ケニア勢が2大会連続で入賞もできなかったことからしても、ロンドンでも日本勢に「つけいるスキ」はありそうだ。

7月末時点でのレース当日8月6日のロンドンの天気は、「晴れ時々曇り」で「気温23℃」の予報である。

5年前の2012年ロンドン五輪のレースは8月12日の午前11時00分スタートで、今回(10時55分スタート)とほぼ同じ時間帯。スタート時の気温は今回の予報と同じ23℃だったが、湿度が78%と非常に蒸し暑く、レース途中では25℃に上昇し、105人のうちエチオピアの3人全員を含む20人がリタイアした。



至近5大会の「世界選手権」での「気温・湿度」と「優勝・3位・8位の記録」は、以下の通り。

・「前半」は、トップの選手の通過タイムで優勝者のものとは限らない。
 年  スタート時→ 終了時  優勝記録(前 半+後 半) 3位記録 8位記録
2007年 28℃・81%→33℃・67% 2.15.59.(68.29.+67.30.) 2.17.25. 2.19.21.
2009年 18℃・73%→21℃・49% 2.06.54.(63.03.+63.51.) 2.08.35. 2.14.04.
2011年 24℃・65%→26℃・57% 2.07.38.(65.07.+62.31.) 2.10.32. 2.11.57.
2013年 23℃・38%→23℃・38% 2.09.51.(65.12.+64.39.) 2.10.23. 2.11.43.
2015年 22℃・73%→?℃・?% 2.12.28.(66.52.+65.36.) 2.13.30. 2.14.54.

スタート時の気温は、2007年の大阪を除き25℃以下だが、レ―スの中盤過ぎからは上昇し、直射日光や路面からの輻射熱で体感的には30℃くらいに感じたかもしれない。

なお、過去15大会のうち前半の方が後半よりも速かったのは5大会(1987、91、93、2005、09年)で、残る10大会は、後半の方が速い「ネガティブ・スプリット」だった。95年以降は11大会中9回が後半にペースアップしている。

前後半の差が最も大きかったのは、2011年で前半よりも後半が2分36秒も速かった。この時の20㎞以降の5㎞ごとのスプリットは、14分43秒-14分18秒-14分40秒-15分15秒-7分00秒(5㎞換算15分57秒)だった。

いずれにしても、日本人トリオを遙かに上回るタイムの選手が何十人いようとも、ケニアからもエチオピアからも世界選手権には3人ずつしか出場してこない。他のアフリカ勢数人に、暑いボストンで好走したアメリカ勢などに競り勝てれば、2013年以来2大会ぶりの入賞も見えてこよう。

1国3人まででカウントした参加資格記録(2016年1月1日~2017年7月23日)では、井上大仁(MHPS)の2時間08分22秒は、8位に位置する。

<女子>

男子と同じ視点で女子についてもみてみよう。
これまでの日本人選手の入賞者は下記の通りだ。

1991年 2位 山下佐知子(京セラ)
 〃  4位 有森 裕子(リクルート)
1993年 1位 浅利 純子(ダイハツ)
 〃  3位 安部 友恵(旭化成)
1997年 1位 鈴木 博美(リクルート)
 〃  4位 飛瀬 貴子(京セラ)
1999年 2位 市橋 有里(住友VISA)
 〃  8位 小幡佳代子(営団地下鉄)
2001年 2位 土佐 礼子(三井海上)
 〃  4位 渋井 陽子(三井海上)
2003年 2位 野口みずき(グローバリー)
 〃  3位 千葉 真子(豊田自動織機)
 〃  4位 坂本 直子(天満屋)
2005年 6位 原 裕美子(京セラ)
 〃  8位 弘山 晴美(資生堂)
2007年 3位 土佐 礼子(三井住友海上)
 〃  6位 嶋原 清子(セカンドウィンドAC)
2009年 2位 尾崎 好美(第一生命)
 〃  7位 加納 由理(セカンドウィンドAC)
2011年 5位 赤羽有紀子(ホクレン)
2013年 3位 福士加代子(ワコール)
 〃  4位 木崎 良子(ダイハツ)
2015年 7位 伊藤  舞(大塚製薬)

1983年、87年、95年は入賞を逃したが、残りの12大会では少なくともひとりは入賞し、金2、銀5、銅4の計11個のメダルを含め、のべ23人が入賞している。97年からは10大会連続入賞を継続中だ。



参考までに「五輪(1984年から実施)」での入賞者は以下の通り。

1992年 2位 有森 裕子(リクルート)
 〃  4位 山下佐知子(京セラ)
1996年 3位 有森 裕子(リクルート)
2000年 1位 高橋 尚子(積水化学)
 〃  7位 山口 衛里(天満屋)
2004年 1位 野口みずき(グローバリー)
 〃  5位 土佐 礼子(三井住友海上)
 〃  7位 坂本 直子(天満屋)

世界選手権では上述の通り1997年から入賞を継続だが、男子と同じく五輪ではこのところは「苦戦」で、2004年を最後に3大会連続で入賞から遠ざかっている。

男子と同じく、「世界選手権」の各大会での1位に8点、2位7点 ~ 8位1点の点数を与えて国別の得点を集計すると次のようになる。

順)点 国名  1 2 3 4 5 6 7 8 = 入賞数
1)116 JPN 2 5 4 5 1 2 2 2 = 23 日 本
2)78 KEN 4 3 1 1 1 1 3 1 = 15 ケニア
3)42 POR 2 2 ・ 1 ・ 1 2 ・ = 8 ポルトガル
4)42 ETH 1 ・ 1 3 1 2 1 ・ = 9 エチオピア
5)37 ROU 1 1 3 ・ 1 ・ 1 ・ = 7 ルーマニア
6)37 CHN 1 1 ・ 2 2 1 ・ 1 = 8 中 国
7)23 ITA ・ 1 1 ・ 1 2 ・ ・ = 5 イタリア
8)22 GER ・ ・ 1 ・ 1 3 1 1 = 7 ドイツ
9)21 URS ・ 1 1 ・ 1 1 ・ 1 = 5 ソ 連
10)16 POL 1 ・ ・ 1 ・ 1 ・ ・ = 3 ポーランド
11)13 NOR 1 ・ ・ 1 ・ ・ ・ ・ = 2 ノルウェー
12)13 PRK 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ 1 = 3 北朝鮮
13)13 RUS ・ ・ 1 1 ・ ・ ・ 2 = 4 ロシア
14)12 USA ・ 1 ・ ・ ・ ・ 2 1 = 4 アメリカ
15)10 FRA ・ ・ 1 ・ 1 ・ ・ ・ = 2 フランス
16)8 GBR 1 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ = 1 イギリス
17)7 ESP ・ ・ ・ ・ 1 1 ・ ・ = 2 スペイン
18)6 BRN ・ ・ 1 ・ ・ ・ ・ ・ = 1 バーレーン
19)6 FIN ・ ・ ・ ・ 1 ・ ・ 2 = 3 フィンランド
20)4 BLR ・ ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ = 1 ベラルーシ
20)4 CAN ・ ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ = 1 カナダ
22)2 IRL ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 ・ = 1 アイルランド
22)2 MEX ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 ・ = 1 メキシコ
22)2 RSA ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 ・ = 1 南アフリカ
22)2 SWE ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 ・ = 1 スウェーデン
26)1 SCG ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 = 1 セルビア・モンテネグロ
26)1 SUI ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 = 1 スイス

男子と同様に、2015年大会終了時点の得点の上位国について、累計得点と順位の推移をまとめてみた。

 年  JPN  KEN  POR  ETH  ROU  CHN  他の上位国
1983年 未入賞  未入賞  4)5  未入賞  未入賞  未入賞  1)8 NOR
1987年 未入賞  未入賞  2)13  未入賞  未入賞  未入賞  1)20 URS
1991年 4)12  未入賞  2)15  未入賞  未入賞  未入賞  1)21 URS
1993年 1)26  未入賞  2)22  未入賞  未入賞  未入賞  3)21 URS
1995年 2)26  未入賞  1)30  未入賞  10)7  未入賞  3)21 URS
1997年 1)39  未入賞  2)37  未入賞  8)13  未入賞  3)21 URS
1999年 1)47  未入賞  2)39  11)9  4)19  未入賞  3)21 URS
2001年 1)59  17)3  2)39  11)11  3)27  未入賞  4)22 GER
2003年 1)77  13)11  2)39  7)14  3)27  未入賞  4)22 GER
2005年 1)85  6)22  2)39  7)19  3)33  17)4  4)22 GER
2007年 1)90  4)33  2)39  7)19  3)37  9)16  5)22 GER
2009年 1)99  4)33  2)42  6)25  3)37  5)33  7)22 GER
2011年 1)103  2)54  3)42  6)30  4)37  5)37  7)22 GER
2013年 1)114  2)68  3)42  6)30  4)37  5)37  7)23 ITA
2015年 1)116  2)78  3)42  4)42  5)37  6)37  7)23 ITA

1991年の地元・東京で2位・4位で初入賞。95年は入賞を逃したが、その後は入賞を継続し、トータルの入賞人数も累計の得点でもトップの座を守り続けている。

2015年時点の上位6カ国の5大会ごとの得点は、以下の通り。

大会回数(西 暦 年)JPN KEN POR ETH ROU CHN
1~5回(1983~1995) 26   0   30   0   7   0
6~10回(1997~2005) 59   22   9   19   26   4
11~15回(2007~2015) 31   56   3   23   4   33
----------------------------------
合計得点        116   78   42   42   37   37

初期の頃はソ連、ノルウェー、ポルトガルなどが得点を重ね、1995年からはルーマニアも台頭。1991年の東京大会からは日本が一気に勢いを増して、97年以降はトップの座を守っている。しかし、2001年に初入賞したケニアがこのところ日本を猛追し始めた。

男子ではその年の世界100傑のうち9割以上をケニア、エチオピアを中心とする東アフリカ勢が占めているが、女子も「記録」では東アフリカ勢が優勢だ。2016年の世界100傑(100位2時間28分49秒=101人)は、エチオピア40人、ケニア29人、ケニアから国籍変更のバーレーンの4人を加え東アフリカ勢が計73人。日本10人、北朝鮮4人、中国1人でアジアが15人。アメリカ4人。ヨーロッパはドイツの3人を筆頭に計7人。あとは、オーストラリアとペルーが1人ずつだ。



至近5大会の「世界選手権」での「気温・湿度」と「優勝・3位・8位の記録」は、以下の通り。

・「前半」は、トップの選手の通過タイムで優勝者のものとは限らない。
 年  スタート時→ 終了時  優勝記録(前 半+後 半) 3位記録 8位記録
2007年 27℃・74%→32℃・55% 2.30.37.(76.35.+74.02.) 2.30.55. 2.32.22.
2009年 19℃・64%→19℃・64% 2.25.15.(73.40.+71.35.) 2.25.32. 2.27.39.
2011年 26℃・72%→26℃・72% 2.28.43.(76.46.+71.57.) 2.29.14. 2.30.25.
2013年 27℃・66%→28℃・48% 2.25.44.(72.58.+72.46.) 2.27.45. 2.35.49.
2015年 21℃・88%→?℃・?% 2.27.35.(75.17.+72.18.) 2.27.39. 2.30.54.

2013年を除けば、金メダルと銅メダルの差は4~31秒。トップと入賞ラインは2分あまりの差だ。

上のデータの通り、至近5大会はすべてが前半よりも後半の方が速い「ネガティブ・スプリット」。全15大会で、前後半差が最も大きかったのは、2011年の4分49秒差。この時は、最初の5㎞が18分39秒と世界選手権史上最遅だったが、35㎞から40㎞は16分10秒で走った。



4月のロンドンで世界歴代2位(女子のみのレースでの世界記録)の2時間17分01秒をマークしたマリー・ケイタニー(ケニア)が代表を辞退。その時2位で2時間17分56秒のエチオピア新記録で走ったティルネシュ・ディババも代表に選ばれたが、2005・07・13年に優勝している1万mにのみエントリーした。

2011・13年を連覇しているエドナ・キプラガト(ケニア)が勝てば、この種目では最多優勝となる。また、1979年11月15日生まれで、レース当日で「37歳264日」。女子マラソンの「最年長金メダリスト」は、2007年のキャサリン・デレバ(ケニア)で「35歳43日」。「最年長メダリスト」も2013年・銀のヴァレリア・ストラネオ(イタリア)の「37歳127日」なので、これらを更新する可能性もある。

名古屋でマラソンデビューし、代表となった安藤友香(スズキ浜松AC)の2時間21分36秒(初マラソン日本最高)は、今大会に出場する選手の参加資格記録(2016年1月1日~2017年7月23日)では5位に位置する。


※記録情報は2017年7月31日判明分
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)

写真提供:フォート・キシモト

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