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EVENT REPORT

イベントレポートセイコーゴールデングランプリ 陸上2026東京
時育® x RIKUJO JAPAN Live
〜東京2025世界陸上レガシー事業〜

初夏の訪れを感じさせるような快晴に恵まれた5月15日の午後、日本陸連は、5月17日に東京・国立競技場で開催された「セイコーゴールデングランプリ陸上2026東京」(以下、セイコーGGP)に出場する国内外のトップアスリートの協力を経て、都内の小学校で児童たちと交流する機会を設けました。
大会前々日という日程にもかかわらず、このプログラムに参加してくれたのは、男子100m・200mのノア・ライルズ(アメリカ)、男子400mの中島佑気ジョセフ(富士通)、女子100mハードルの中島ひとみ(長谷川体育施設)の3選手。トークセッションと実技体験からなる“特別授業”に臨み、小学生たちと一緒に笑顔でいっぱいの午後を過ごしました。

◆◆◆

日本陸連では、2024年度に立ち上げた「RIKUJO JAPAN」プロジェクトを、創設100周年を迎えた2025年度から本格的に始動させています。このプロジェクトは、陸上を通じて、日本の未来をワクワクする豊かで輝かしいものにしていくことで、日本陸連がミッションとして掲げる「ウェルネス陸上の実現」を達成するとともに、陸上の価値を高めていこうとする取り組みです。
そのアクションの一つとして推進しているのが、「陸上に触れる場や機会を創出する」こと。セイコーGGPの開催に際しては、これまでも多文化共生を知る貴重な機会として、国際的な水準で活躍する海外トップアスリートによる小学校訪問を行ってきましたが、昨年度からはRIKUJO JAPANプロジェクトに組み込んで展開。今回も、世界レベルで活躍するアスリートと接するなかで、子どもたちに「陸上の楽しさ・面白さ」や「トップアスリートのすごさ」を肌で感じてもらうべく、「セイコーゴールデングランプリ 陸上2026東京 時育® x RIKUJO JAPAN Live 〜東京2025世界陸上レガシー事業〜」として開催されました。
そして、セイコーGGPの特別協賛社で、オフィシャルタイマーも務めるセイコーが、この交流会も、がっちりサポート。同社では、時を学び未来をつくる次世代育成活動「時育®」に取り組んでおり、世界で活躍するアスリートから身体を動かす楽しさを学び、世界大会で使われている機材によるタイム計測を体験して「時」の大切さを学び、自分で考える力を「育む」プログラムを展開しています。今回では、実技交流のために、公認競技会で使用される計測機材をセッティング。“本物のタイム計測”で、児童たちの真剣勝負をバックアップしました。
また、今回は、World Athletics(世界陸連。以下、WA)が提唱・実施する年次グローバルイベント「キッズアスレティクスデー(Kids’Athletics Day)」の趣旨に日本陸連が賛同して参加した、5月を実施月間として世界的に展開されている「運動する楽しさ」の普及活動とも連動。さらには、今年度からスタートする「東京2025東京世界陸上レガシー事業」も兼ねて、実施される形となりました。

交流の舞台となったのは、東京・渋谷に位置する青山学院初等部。この日の交流会は、児童たちの学び舎と芝生の緑が鮮やかな校庭とを見守るように位置する米山記念礼拝堂からスタートしました。美しいステンドグラスとパイプオルガンを備えるこの礼拝堂は、木材を張り巡らせた高い天井やステンドグラスから入ってくるやわらかな光が美しく、温かさや豊かさが感じられる空間です。開始の時間が迫ってくると、3~6年生の児童 約500名が、クラスごとに礼拝堂へ移動。1階の座席を埋めていきました。
そして、午後1時40分。いよいよ交流会が始まりました。この日、MCを務めたのは、元TBSアナウンサーで、東京世界陸上のメインキャスターを務めた石井大裕さん。今年、同社を退職して「TOMODE BASE(トモードベース)」を起業して実業界に転身。また、教育事業を展開する「LOCOK」取締役も務め、4月にはアジア大会女子マラソン競歩日本代表内定の梅野倖子選手が所属するLOCOK陸上競技クラブのゼネラルマネジャーにも就任した人物です。
最初に、青山学院初等部部長の小澤淳一先生が挨拶。小澤先生は、約30年前に、当時のスター選手で、今も陸上界のレジェンドとして名高いカール・ルイス選手(アメリカ、男子100m・走幅跳)が初等部を来訪し、児童と一緒に走ったり質問に応じたりする機会があったというエピソードを披露。そして、「そのときの子どもたちは、今はもう大人になっていますが、そこで本当にいい時間を過ごせたことを、今でも覚えています」と話しました。そして、「今日は、これから皆さんは、本物のアスリートの方々に出会って、豊かな“時”を過ごそうとしています。皆さんに与えられている1秒1秒の“時”は、誰にも平等に与えられているものですが、その1秒をどうやって過ごすかで、その1秒の意味、重みは変わってきます。今日は、せっかく良い“時”をいただいていますから、ぜひ、その“時”が豊かなものになるように、自分からよくかかわって、大切に過ごしましょう」と、児童たちに呼びかけました。
そして、「さあ、それでは早速ゲストをお呼びしましょう!」と石井さんが話し始めたとたん、すでに礼拝堂は大きな歓声に包まれていました。そんな大歓迎ムードのなか、ノア・ライルズ選手(アメリカ)、中島ひとみ選手(長谷川体育施設)、中島佑気ジョセフ選手(富士通)の3名が姿を現すと、そのボリュームは一段と大きなものに。3選手は、児童たちの目線に合わせて腰をかがめ、笑顔でハイタッチをかわしながら礼拝堂の中央にある通路を入場してきました。

ここで、ゲスト3選手の経歴を、簡単にご紹介しておきましょう。
アメリカ・フロリダ州出身のライルズ選手は、1997年生まれ。陸上一家に育ち、ティーンのころから各年代別世界大会で実績を残し、世界選手権では2019年ドーハ大会の200m、4×100mリレー2冠を皮切りに、2022年オレゴン大会で200m金、4×100mリレー銀、2023年ブダペスト大会は100m・200m・4×100mリレー3冠、2025年東京大会では200mで4連覇、4×100mリレー金、100m銅の戦績を残しているほか、オリンピックではコロナ禍の影響で2021年に実施された2020年東京大会で200m銅メダル、2024年パリ大会では100m金、200m銅のメダルを獲得しています。自己記録は、100m9秒79(2024年)、200m19秒31(2022年、世界歴代3位)。まさにショートスプリント界のスーパースターといえる存在です。
1995年生まれの中島ひとみ選手は、兵庫県の出身。中学時代には、取り組み始めて1年の100mハードルで2010年全日中を制すると、高校2年時には国体、日本ユース選手権でも優勝。2024年には12秒99で走って日本人7人目の12秒台ハードラーに。そして、大ブレイクを果たした翌2025年シーズンは日本選手権では1位と同タイム着差ありで2位の自己最高成績を収め、直後のフィンランド遠征で日本歴代2位の12秒71をマークして参加標準記録を突破し、30歳にして初の日本代表となる東京世界選手権出場権を獲得。本大会では準決勝に進出する活躍を見せました。
3選手のなかでは最年少となる中島佑気ジョセフ選手は、2002年生まれの24歳。東京都で生まれて小学6年から陸上を始め、400mには高校から本格的に取り組むようになりました。大学2年の2021年シーズンに躍進の気配を見せると、翌2022年には45秒台に突入(45秒51)するとともに、日本代表に初選出されたオレゴン世界選手権男子4×400mリレーではアンカーを務めて、アジア新記録(2分59秒51)での4位入賞に貢献。2023年ブダペスト世界選手権、2024年パリオリンピックには400mと4×400mリレーの2種目に出場し、パリオリンピック4×400mリレーでは、1走を務めてアジア記録を更新(2分58秒33)して6位入賞と、着実に実績を積み重ねていきました。そして迎えた2025年シーズン。ケガの影響などで出遅れたなか、8月に初の45秒切りとなる44秒84をマークして世界選手権代表の座を勝ちとると、本番では予選で44秒44の日本新記録を樹立。準決勝44秒53、決勝でも44秒62とすべて従来の日本記録を上回る44秒台で揃え、この種目の日本人過去最高順位となる6位入賞を果たし、その名を轟かせることになりました。

トークショーは、講壇に上がって並んで座った3選手が、それぞれにひと言ずつ挨拶したのちに、MCの石井さんが質問を投げかけていく形で進められました。石井さんは、青山学院初等部には入学式で児童たちが行う「5つのおやくそく」があることを示し、まずは児童たちに、それがどんなものであるかを質問。児童たちが声を揃えて、「しんせつにします」「しょうじきにします」「れいぎただしくします」「よくかんがえてします」「じぶんのことはじぶんでします」と答えたことを聞いたうえで、3選手に「独自の約束事、ポリシーはありますか?」と尋ねました。
この問いに対して、まず「皆さんが言った5つの約束は、とても大事だと思う」と答えたライルズ選手は、そのうえで「私は、120%でトライすること、夢を持つこと。そして、物事を最後までやり抜くことを大切にしている」と回答。中島ひとみ選手は、「皆さんのお約束にも“しょうじきにします”というのがあったけれど、私も“自分に正直に向き合う”ことをすごく大切にしている」と述べ、「得意なこと、得意でないことはそれぞれにあると思うけれど、私は“自分は何ができないのかな? 何ができているのかな?”と自分の身体に向き合って、物事に取り組んでいくことをいつも心がけている」と話しました。「僕が特に大切にしているのは、笑顔を忘れないこと」と述べたのは中島佑気ジョセフ選手。「きっと自分の好きなことであっても、いつもうまくいくわけではないはず」と述べ、「それでも、“なんでそれをやっているのか”を忘れずに、楽しむ心、やっているうちに自然と出てくる笑顔を大切にしている」ことを示しました。
また、「世界選手権やオリンピックなどの大きな舞台で、集中力を高めたり、自分の持つ最高のパフォーマンスを発揮したりするための秘訣はあるのか?」という問いには、「いろいろ考え、学び、そして、常に自分らしくいることが大事。そうした一つ一つのプロセスのなかで、自分らしくいることが、自分をゴールに導いてくれると思う」(ライルズ選手)、「自分に自信を持つこと。そして、大事な舞台で“自分が100%のパフォーマンスができる”と思えるように、日ごろから自信を持てるような練習をしようとしている」(中島ひとみ選手)、「常に冷静でいること。大きな大会では気が散ってしまったり焦ってしまったりすることもあるが、僕はそういうとき、スタート前に大きな深呼吸をして心を落ち着かせる。そして、ライルズ選手も言ったように、自分らしさを忘れずに走ることを心がけている。冷静さは、例えば勉強のテストとかピアノの発表会とかでも大事かなと思う」(中島佑気ジョセフ選手)と回答。さらに、「競技の前に食べると元気が出る食べ物は?」という生徒からの質問では、それぞれに自分の好きな食べ物や“ご褒美”となる食べ物、試合前によく食べるものなども明かされました。

トークショーのあとは、校庭で、陸上教室が行われました。このセッションに参加したのは、高学年となる5・6年生合わせて250名ほどの児童たち。3・4年生の児童たちが校庭を囲むように設置されているデッキの2階から見学するなか、体操着に黄色のビブスを身に着けた5・6年生たちがまずは丹念に手入れされた芝生のグラウンドに集合し、クラスごとに整列。控室から出てきた3選手を拍手で出迎えました。

まずは、中島ひとみ選手が主導して全員で準備体操が行われました。その声がけに合わせて、ライルズ選手や中島佑気ジョセフ選手も身体をほぐします。その後、芝生グラウンドを利用して、速く走るためのレッスンを開始。石井さんからの「速く走るポイントは?」という質問に、中島佑気ジョセフ選手が、「本気でダッシュするときは、気持ちが先走って姿勢が前のめりになってしまったり、力が入ってしまうことで肩が上がって腕振りが小さくなってしまったりしがち。でも、走るのは全身でやる運動なので、脚だけでなく腕をいっぱい振ることで、脚を速く動かすことができるようになります。なので、今日は、腕を大きく、まっすぐに振ることを意識してみてください」とアドバイス。この言葉に従って、児童たちは芝生グラウンド内の50mほどの距離を、全員が順番に1回ずつ疾走。その姿を見て、3選手はそれぞれに「速いなあ!」「きれいな走り!」と驚いていました。

ここで石井さんが、「皆さんがすごく速いので、選手の皆さんが驚いていますが、実際に選手の皆さんにも、ちょっとだけ走ってもらいましょうか」とデモンストレーションを呼びかけると、児童たちからは大きな歓声と拍手が上がります。すると、すかさずライルズ選手が、「それなら、子どもたちと対決しようよ」と、各選手が児童たちと競走することを提案したことで、グラウンドはさらにヒートアップします。「はい、はい、はいっ!!!」と手を挙げて立候補する者、クラスで足の速い友達の名前をコールする者などのなかから、最終的に9人の児童たちが代表となって、予定外の“対決”が実現しました。
応援する児童たちが両端から見守るなかで、まず登場したのは中島ひとみ選手。スタート直後から切れ味鋭い動きを見せてリードを奪うと、そのまま軽やかに走り抜きました。続いてスタートした中島佑気ジョセフ選手は、一見ゆったりとした動きながら、自身がアドバイスした通りに腕を前後に大きく振って身体を推進させると、その長身と大きなストライドを生かして、1歩ごとに差を広げ、懸命に食らいついた児童たちを突き放して先着しました。そして、最後に位置についたライルズ選手は、ハンデを設けて後方からスタートしたにもかかわらず、あっという間に前を走る児童たちに追いつくと、最後は児童たちの様子をやや前方から笑顔で見守りながらフィニッシュ。その迫力あるスピードで、真横から見守った児童たちを驚かせました。対決のあとには、一緒に走った児童たちから、「楽しかったです」「一生忘れません」という言葉のほか、「いつか抜かせるときが来ると思う」という頼もしい感想も。それを聞いたライルズ選手からは、「夢は、いつか実現するよ」という応えが返ってきました。

5分間の休憩を挟んで、最後に行われたのは、クラス対抗リレーです。5年生、6年生それぞれで、杏組、桜組、梅組、桃組という4つのクラスが対決。芝生グラウンドを囲む1周約150mのトラックに2つのバトンパスゾーンが設けられ、1クラス32人全員が半周走ってバトンをつないでいきます。リレーに際しては、東京2025世界陸上の記念として東京都内の小学校に配布された記念バトンを、今回、初めて使用。また、グラウンドには、東京2025世界陸上のために特別に製作された「ファイナルラップベル」(800m以上のトラック種目で最終周回に入ることを知らせるために鳴らす鐘)も持ち込まれ、ラスト1周を迎える際に使われることに。もちろんタイム計測には、公認競技会でも採用されているセイコータイマーを使用。記録を表示するランニングタイマーも用意され、まさに“本格仕様”のセッティングとなりました。
石井さんから、そうした説明が1つ1つ行われるたびに、児童たちは、「うわあ!」「ええっ?」「おおっ!」と驚きの声を上げ、熱気を高めていきます。そして、「準備はいいですか?」の声に、全員で「はいっ!」と元気に返答。スタート前には、「頑張ろうぜ!」「〇〇、頑張れよ」「行くぞ!」と互いに声を掛け合う姿が見られました。

リレーが始まると、グラウンドの歓声は一段とにぎやかに。トラック16周を32人がバトンでつないでのレースは壮観で、児童たちからは、トラックに並んでバトンを待つときの緊張感の交じった様子、バトンを受け取ってから全力で走るときの集中した様子、バトンをつないでホッとした様子、そして、仲間を一所懸命に応援する様子と、さまざまな表情を見ることができました。それは、レースを応援していたゲスト3選手も同じ。中島ひとみ選手は、スタート・フィニッシュ地点とは反対側のバトンパスゾーンへ移動し、トラックぎりぎりの場所で児童たちを熱血声援。中島佑気ジョセフ選手も、トラックのそばで拍手と声がけで児童たちを応援しました。ワクワクを抑えきれないような表情で児童たちが走るのを見ていたライルズ選手は、「ファイナルラップベルを鳴らす」任務も担当。特に、杏組と梅組によるトップ争いが大接戦となった状態で最後の1周を迎えた6年生のレースでは、フィニッシュまで激しく火花を散らしたその競り合いの決着を、校庭にいた全員が夢中で応援する形となりました。

結果は、5年生は桃組が、6年生は杏組が、それぞれ優勝。レースを終えて、ライルズ選手は「みんな本当に素晴らしかったです。皆さんの“魂”を感じたし、ベストを尽くしていることを感じました。僕が感じたように、皆さんも楽しんでくれていたのなら嬉しいです」とコメント。「みんな、楽しかったですか?」と児童たちに質問した中島ひとみ選手は、「はい!」という応えが返ってきたのを聞くと、満面の笑顔で「すごくたくさんのパワーをみんなからいただきました。ありがとうございました」と挨拶。そして、中島佑気ジョセフ選手は、「皆さんが走ることに一所懸命で、楽しんでいる姿を見て、とても感動しましたし、僕が小学校、中学校のときにかけっこしていたときのことを思い出しました。2日後に大会(セイコーGGP)がありますが、すごい元気をもらいました。皆さん、ありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくりました。

最後に、「今日、頑張った皆さんにプレゼントがあります」と石井さん。この日、ライルズ選手、中島ひとみ選手、中島佑気ジョセフ選手と一緒に、陸上競技を楽しんだ児童たちへ、WAが世界規模で実施している「キッズアスレティクスデー(Kids’Athletics Day)」の一環として日本陸連が企画した修了証が贈呈されたのです。ちなみに修了証は、各選手のサイン入りというスペシャルバージョン。児童を代表して、5年生で優勝した桃組のアンカー、そして6年生優勝の杏組アンカー、さらには、その杏組と最後まで激しいデッドヒートを繰り広げた梅組のアンカーの3人が、ライルズ選手、中島ひとみ選手、中島佑気ジョセフ選手から、それぞれ修了証を受け取りました。
その後、全員による記念撮影が行われ、最後に、5・6年生の児童たちが長い花道をつくり、感謝の思いも込めたハイタッチで3選手を送りだし、すべての日程が終了しました。

児童を代表して、感想を聞かせてくれた6年生の川口紀一朗さんは、「選手たちが来ると知って、すごくワクワクしていました。僕は、陸上もやっているので、選手たちがどのような気持ちで試合に臨んでいるのか知りたいなと思いながら、この日の授業を迎えました」と言います。一番楽しかったことは何かを尋ねると、「最後のリレーです。トップ選手の皆さんは走らなかったけれど、応援してくれる声が聞こえてきて、それが心に響きました」と答え、「今日は、自分の試合のための練習にもなったし、走り方のフォームとかの勉強にもなりました。また、試合のときには、どの選手も自分のやり方でその緊張を克服しているということが、今日の話でわかったので、僕も、自分なりの緊張のほぐし方を考えてみたいと思いました」と話してくれました。
「僕も楽しかったのはリレーです。走り終わったあとに、選手の皆さんが“速かったね”と声をかけてくださったことが嬉しかったです」と振り返ったのは、水泳やテニスに取り組むほか、ピアノもやっているという池田翔馬さん(6年生)。「有名選手が青山(学院初等部)に来てくれると決まって、すごく嬉しくて、楽しみにしていた」そうです。「今日、習った走り方は、次の運動会などで生かしていきたいです。また、僕は水泳やテニスをやっていますが、試合でのルーティンの話などでは、ほかのスポーツでも同じだなと思うところもあったので、今日聞いた話を参考にしたいと思います」という感想を聞かせてくれました。川口さん、池田さんともに、最初に小澤部長先生が呼びかけた「今日は、せっかく良い“時”をいただいていますから、ぜひ、その“時”が豊かなものになるように、自分からよくかかわって、大切に過ごしましょう」という言葉の通りに、貴重な機会を、自分自身でより充実した“時”にしていた様子がうかがえました。


ゲストアスリートコメント

ノア・ライルズ(アメリカ)

とても楽しむことができましたし、また、エキサイティングなイベントでした。
私は、日本に来たのは4回目ですが、小学校を訪ねたのは初めて。(大好きな)アニメではこの光景は見ていたのですが(笑)、まさにその通りの光景でした。
子どもたちも、とてもかわいかったです。いろいろなスタイルの走り方を見ることができましたし、誰もがみんな、熱心に友達を応援していて、それもすごく素敵だなと思いました。また、子どもたちみんなから、“速く走りたい”という気持ちが伝わってきて、自分が小さいころに感じていたことを思い出すことができました。
始まる前は、イベントに参加するのはもっと少ない人数だろうと思っていたのですが、想像以上にずっとたくさんで驚きました。でも、誰もがみんな楽しんでいる様子を見て、とても嬉しく思いました。(自分が提案した急きょ行わることになった)競走では、その場で、何人かと一緒に走ることになったのですが、子どもたちが、今日、一緒に走ったことを、いつまでも覚えていてくれたらいいなと思います。
一番心に残っているのは、最後に行われた6年生のリレーです。大接戦でのフィニッシュとなりましたが、あんなに小さな子どもたちが、本当に一所懸命に頑張っていました。その姿が、とても印象的でした。


中島ひとみ(長谷川体育施設)

とにかくエネルギーがすごくて、本当に楽しかったです。そして、すごくパワーをいただきました。「来てよかったな」というのが一番の感想です。
この話をいただいたときは、「本当に私が行って大丈夫なのかな?」というような顔ぶれだったので(笑)、少し不安もあったのですが、実際に来てみると、たくさんの生徒の方々…、特に女の子が声をかけてくれました。「ネイルを見せてほしい」とか、「髪の毛(の色が)、変わったね」とか…(笑)、すごく細かいところまで見てくださっていたので、「え、めっちゃ見てくれている!」と嬉しく思いました。そして、皆さんに、明後日(セイコーGGP)、ぜひ、見に来てほしいということをお伝えしました。
こうした機会は、陸上を知ってもらうきっかけにもなりますし、また、走ることや運動することの楽しさをみんなが実感してくれると、よりスポーツが盛り上がると思っています。そうしたきっかけに、自分が少しでも役立つことができたらいいなと思っています。
応援していただけることは、私には、ものすごく力になっています。その応援を、しっかりと走りで恩返しできるようにしたい。明後日のGGPはもちろんですが、これから続く試合で、みんなからもらったエネルギーを走りに変えて頑張りたいと思います。


中島佑気ジョセフ(富士通)

すごく楽しかったです。試合前にイベントに参加するのは初めての経験なのですが、ある意味、「試合前でよかったな」と思うくらい、とても元気をもらいました。こういうところに来ると、立場としては自分が“与える側、教える側”になるわけですが、実際には、自分のほうが、たくさんのものを与えてもらうという感じ。刺激をもらったり教えてもらったりすることが多いので、そういった意味も含めて、すごくいい時間が過ごせました。
印象深かったのは、最後の6年生のリレーです。本当に大接戦でアンカーにバトンが渡り、白熱したアンカー勝負になったところが、すごく心に残りましたね。ライルズ選手も同じ感想だったのですか? そうですよね! 勝負することの楽しさというのは、年齢やカテゴリーに関係なく、アスリートとして共感するものなのだと思います。
ライルズ選手も、すごく楽しそうにしていました。彼は、陸上のトップオブトップのスター。試合前のイベントなども数多く経験されているので、その話なども聞かせていただきました。「いつもはもっと忙しい」と聞いて、すごいなあ、と…。チャンピオンとして、自分の競技だけでなく、競技を通じて、その先にある社会や人々に、いかに良い影響を与えられるかを考えています。そうしたビジョンをしっかり持っていること、そして、どんなときも献身的に対応している姿に感銘を受けました。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)、日本陸連

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