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EVENT REPORT

イベントレポート陸上選手とプロ野球選手のコラボイベント
スポーツの垣根を越え共に成長する
2025 TSUTSUGO SPORTS ACADEMY FESTIVAL×RIKUJO JAPAN(第2回)

12月13日、公益財団法人筒香青少年育成スポーツ財団が運営する総合スポーツ施設「TUSUTSUGO SPORTS ACADEMY」(和歌山県橋本市)で、陸上選手とプロ野球選手のコラボイベント「~スポーツの垣根を越える~2025 TSUTSUGO SPORTS ACADEMYFESTIVAL×RIKUJO JAPAN」が行われた。
イベントには同財団の少年野球チーム「和歌山橋本Atta Boys」に所属する少年球児をはじめ橋本市近隣の児童72人が参加。快晴の青空の下、芝生が映えるボールパークに子どもたちの笑顔が弾けた。
球児のみを対象とした前回から、2度目となる今回は他のスポーツに打ち込んでいる子どもたちや普段クラブなどに所属していない児童にも対象を広げて実施。参加者は、前回の「走る」「跳ぶ」に加え、野球はもちろんのこと陸上競技の基礎となるもうひとつの要素「投げる」を加えた3種目にチャレンジした。

※和歌山橋本Atta Boys(アラボーイズ)について

スポーツを通じ、将来社会で活躍するための基礎を育む
子どもたちが日々の暮らしのなかで困難に直面した際、人に頼るだけはなく、まずは自ら突破口を考え、行動に移す。そうした習慣は野球をはじめスポーツに取り組む選手に限らず、生きていく上で大きな力、財産となります。私たちはスポーツを通じ、将来社会で活躍するための基礎を育むことを目指し活動しています。

今回も豪華アスリートが共演。「走る」の講師には前回に引き続きロンドン五輪男子4×100mリレー元日本代表で地元・和歌山県出身の九鬼巧さん、「跳ぶ」はリオデジャネイロ五輪、東京五輪に出場経験のある走高跳び元日本代表の衛藤昂さん、今回から加わった「投げる」の講師には、11月に現役を引退したばかりで日本歴代2位の記録を持ちリオデジャネイロ五輪男子やり投・元日本代表の新井涼平さんが担当。それぞれ実演を交えながら指導にあたった。
さらにプロ野球界から冬期自主トレーニング中の筒香嘉智外野手、神里和毅外野手、太田光捕手、植田将太捕手、林晃汰内野手が参加し交流を深めた。

左から筒香選手、神里選手、林選手、植田選手、太田選手、九鬼氏、衛藤選手、新井氏
提供:曽輪泰隆

同財団は自らの希望でもあったメジャーリーグでもプレーし、現在も現役のプロ野球選手として活躍する筒香選手が出身地の橋本市に2023年に設立し今季で3年目を迎える。筒香選手の実兄である裕史さんが理事長を務め、少年野球チームなどスポーツ教室の運営に当たっている。
今回のイベントは、「言葉はいらない。子どもたちに実際に自分たちの目と身体で本物を感じてほしい」という筒香選手をはじめ裕史理事長の思いと、「マザー・オブ・スポーツ」として、陸上で身体能力を高めた選手が他のスポーツでも活躍する未来を描き、陸上を活用した社会課題の解決に向けた活動を行う『RIKUJO JAPAN』プロジェクトのコンセプトがマッチしたことで実現。好評だった前回に引き続いての開催となった。
「陸上競技は、様々なスポーツの基本であり、身体を動かす土台となるもの。走る・跳ぶ・投げるの、それぞれのスペシャリストの動きを実際に間近で見て、さらに直接教えてもらえる機会は、子どもたちにとっても大変有意義なこと。刺激を受けることはもちろん、少しでも速く走れるようになった、遠くへ跳べる、投げられるようになった喜びを感じてもらいたいと思って開いています。さらにもうひとつの今回のテーマがスポーツの垣根を超えること。野球をはじめ陸上や体操、水泳、武道などに打ち込む子どもたちが、他の種目に触れることで興味を抱いたり、やってみたいと思ってもらえるいい機会になり、スポーツのすそ野を広げられるきっかけになれば」と裕史理事長は昨年に引き続き開催に至った経緯を話す。

提供:曽輪泰隆

スポーツ、野球を通じ、「自分で考えて、決断し、行動する」という子どもたちの“生きる力”を育てることが同財団の理念となっている。「Attaboy」のチーム名が示す通り、挑戦したことを褒めてもらった子どもたちは自信を深め、さらに次のチャレンジへの意欲をかき立てられる。「子どもたちが日々の暮らしのなかで困難に直面した際、人に頼るだけはなく、まずは自ら突破口を考え、行動に移す。そうした習慣は野球をはじめスポーツに取り組む選手に限らず、生きていく上で大きな力、財産となります。私たちはスポーツを通じ、将来社会で活躍するための基礎を育むことを目指し活動しています」と裕史理事長は力を込める。
「私たちが所属するボーイズリーグでも3塁コーチは大人を配置することができます。大人が指導すれば勝つ確率は高くなります。しかし、その分、選手が自ら考え(判断し)なくなり、自立する機会を失ってしまいます。勝負の世界では、勝つことが優先されますが、子どもたちの成長、将来のことを考えれば、勝つこと以上に自ら考え行動することの方が大切です。クラブを立ち上げ、ジレンマはありますが、その軸だけはブラさずに取り組んでいます」と始動からの3年間を振り返る。
今回の取り組みも勝つことだけにこだわるのではなく、将来、人として成長するきっかけづくりが大きな柱となっている。

会場となったTSUTSUGO SPORTS ACADEMYの球場は内外野ともに、チーム初のワールドシリーズ連覇を果たした米大リーグのドジャースの本拠地と同じ天然芝を使用。地元のスポーツの聖地として、普段は所属する子どもたちを中心に、国内でもめっきり少なくなった天然芝の上を駆け回っている。
今回は参加人数も増えたこともあり、天然芝の球場を舞台に「走る」「跳ぶ」「投げる」の3つのブロックに分かれて実施。1・2年生、3・4年生、5・6年生の年代別にグループを組み、それぞれの種目にチャレンジした。

提供:曽輪泰隆

「走る」では、九鬼さんが短距離走の走り方やコツ、トレーニングを伝授し、「跳ぶ」は衛藤さんがミニハードルを使いリズムよく跳ねるポイントを指導。新井さんは羽のついたジャベボールを遠くに投げるためのフォームや身体の使い方を伝え、子どもたちも楽しみながら思いっ切り身体を動かしていた。
参加者からは、「走ることは学校でも、チームも教わる機会がないので、すごく新鮮だった」「走り方のコツを教えてもらい、タイムが伸びた」「ただ思い切り脚や腕を動かすだけでは速く走ったり、遠くに投げたりできないことに気づいた」「今回教わったことを学校やチームでも広めていきたい」「家でもっと練習してさらに記録を伸ばし、自分の競技(野球)につなげたい」などの声が聞かれた。

提供:曽輪泰隆

「前回もそうでしたが、終わってから、練習の前後で習ったことを反復したり、教え合ったりする姿が見られました。私たちは野球のことは教えることができますが、スポーツの基本でもある走ることや跳ぶことは、きちんと教えることができないので、こうした機会はとてもありがたい」と筒香理事長。2年連続で参加した選手も複数おり、「さらに学びが深まった」「忘れていた感覚を思い出すことができた」との感想も聞かれた。
「今後は定期的にこうした講習会を開くことができれば」と筒香理事長は展望を話す。「アメリカなどでは、季節ごとに野球やアメリカンフットボール、バスケットボール、陸上などいろいろな競技を経験するシステムになっています。こういうイベントを通じ自分の新たな一面を発見したり、自宅で速く走るための工夫をしたり、気付きや成長のチャンスになると感じています。野球もそうですが、中学の部活動も地域移行される影響などもあり、徐々にスポーツに打ち込む小・中学生が少なくなってきています。WBCやメジャーリーグでの日本人選手の活躍などで盛り上がる野球界もその例外ではありません。競技間で交流を深め、選手を取り合うのではなく、共に成長していける、高め合える仕組みづくりが求められており、今回のような企画がそのひとつのきっかけとなれば…」と力強く話した。
2026年度からは中学部活動の地域移行が加速する。これまで当たり前だったことが変化していく時代。子どもたちのスポーツに触れる機会を増やし、将来の可能性を広げるこうした種目間の垣根を超えた取り組みの広がりが求められている。
「今回のようなトップ選手から教わるのは難しいとしても、地域の高校生や大学生などリソースを活用し、互いにウィンウィンの関係を築き、成長につなげていくことが理想。今回のイベントを起爆剤に、新しい風を吹き込んでいければ」と筒香理事長は将来像を描く。

イベント後には、本格的な計測器を使った30mタイムトライアル、走高跳、ジャベボールの記録測定が行われ、子どもたちは時の経つのも忘れ、今回学んだことを生かし記録更新に挑んでいた。

スポーツの垣根を超えた経験が
上手くなるチャンスを広げる

「走る」講師 九鬼巧さんコメント

提供:曽輪泰隆

速く走れるようになれば
遠くに跳んだり投げたりできるようになる

「前回に引き続き指導の場をいただき感謝しています。私自身にとっても他の競技に打ち込む子どもたちに教えることはとても刺激になります。球児にとっても“走る・跳ぶ・投げる”の陸上の基礎は大切な部分。投げる力は野球でも核となる部分ですが、速く走れるようになれば走塁、守備にも生きてきますし、ジャンプ力が付けば打撃、守備にもプラスになります。今回もいろいろなことを教えていただいたと思います。クラブはもちろん自宅や学校などでも、仲間と共に教え合いながら継続することで、自分が打ち込む競技の成長につなげてもらえればと思っています。私もこの春から地元(和歌山県有田市)でクラブチームを立ち上げる予定です。これまでの自分の経験を生かし陸上競技のみならずスポーツの発展、子どもたちの成長を支えていければと思っています」


「跳ぶ」講師 衛藤昂さんコメント

提供:曽輪泰隆

チャレンジ精神を忘れずに

「今回は前回に引き続き2回目ということもあり、楽しみつつもミニハードルなどを使い、少し難しい動きにもチャレンジしてもらいました。特に低学年の児童には大変だったと思いますが、そうした困難に立ち向かう姿勢も、壁を克服したり成長にはとても大切な部分だと感じています。失敗しても次はやってやると何度もチャレンジするみなさんの姿を見ることができ、本当にうれしく思いましたし、私自身も刺激をもらうことができました。今後もスポーツを楽しむ心、チャレンジ精神、工夫する力を忘れず頑張ってほしいと思います。私自身も普段、ジャンプ関連のイベントは開催していますが、同じ陸上でもスプリントだったり投てき種目とコラボすることはないので、他競技はもちろん、陸上の種目間でも積極的にコラボし、子どもたちの成長につなげていければと思っています」


「投げる」講師 新井涼平さんコメント

提供:曽輪泰隆

何事も楽しく全力で

「ボールではなくいつもと違った道具を使った投げは子どもたちにとっても新鮮だったと思います。私もこんな整備された球場でやりを投げたのは初めて経験でとても気持ちよかったです。今回は正しいフォームで全力で投げることをテーマに指導にあたりました。勉強もスポーツも楽しく全力で打ち込むことで成長力もアップします。野球とやり投と競技は異なりますが、その垣根を超えて互いに成長できるいい機会になったと感じています。私も現役を引退し、こうした普及活動にも力を注いでいきたいと考えており、そうした意味でもともていい経験ができました。今年、東京で世界選手権も開催されましたが、陸上に打ち込む子どもも徐々に減ってきています。陸上はもちろんスポーツを楽しむ子どもたちが少しでも増えてもらえるよう力を注いでいきたいと思っています」


プロ野球選手 筒香嘉智選手コメント

提供:曽輪泰隆

野球だけをやっていても野球は上手くならない
身体、動きの理解を深め成長につなげる

「“走る・跳ぶ・投げる”はスポーツの基本中の基本ですが、とても難しい奥深いものであり、私自身ももっともっと理解を深め、競技力の向上につなげていきたいと思っています。前回に引き続き、今回も学ぶことの多いイベントとなりました。野球はもちろん、それぞれの競技が上手くなるために大切なことは身体の使い方をマスターすることです。野球選手なら野球が大好きだと思いますが、野球の練習以上にもっと身体の使い方に注目し、それを突き詰めていってほしいと思います。身体の使い方を学ぶことは技術の向上はもちろんケガの予防にもつながります。私自身も中学時代から体操やエクササイズに取り組んできたことが今につながっていると感じています。今回も、走り方など普段は教わることのない部分をトップ選手から学ぶことができました。子どもたちには本物に触れるこうした貴重な経験を生かし自らの成長につなげていってほしいですし、上手くなるチャンスだと思います。また、今回のような取り組みを継続して行っていきたいと考えており、さらにそれぞれの競技の垣根を超えて様々な年代、カテゴリー、そしてスポーツ界全体に広がっていくよう、私自身も尽力していければと考えています」


参加者の声

松本凛太朗くん(5年生) 野球:投手、ファーストなど
「オリンピック選手から教えていただきともていい経験になりました。特に印象に残っているのは投げる時の力の入れ方とかフォームのこと。走ったり跳んだりの動きも含め、身体の使い方を学んだことで、リリースの感覚などが少しつかめ、今後の野球でのプレーに生かし、夢であるプロ野球選手になれるよう頑張りたいと思います」

由井翔唯くん(5年生) 野球:サードなど
「野球とは違うスポーツの一流の選手から教わりましたが、全部が野球ともつながっていると強く感じました。印象に残っているのは、やり投の指導でしっかり投げる方向に足を向けて投げること。これまでスローイングが課題だったので、今回学んだことを生かしプレーの上達につなげていきたいです」

藤田伊智くん(3年生) 野球:主に内野、水泳
「今日はいろんな種目のトップアスリートから学ぶことができとても楽しかったです。特に走りの部分は、足が速くなるのはもちろんのこと水泳でもキックの部分とつながっていると感じました。また投げも、肩甲骨から肩回りをしっかり使って正確に投げることは、クロールのフォームとも共通する部分があり、野球のスローイングと合わせて今後に役立つと思いました」

左から松本くん、藤田くん、由井くん


文・写真:曽輪泰隆

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