2024.09.09(月)大会

ホクレン・ディスタンスチャレンジ2024 大会報告➀



◆はじめに
「開催都市の観光促進、地域振興に繋がり、住民に喜ばれるイベントとして中長距離シリーズを開催し、国際競技会で活躍できる中長距離選手の育成・強化を図る」ことをコンセプトとしたホクレン・ディスタンスチャレンジ(https://www.jaaf.or.jp/distance/)を、本年も関係各位のご協力のもと、5会場で開催することができました。




昨年度クラウドファンディングを通した皆さまのご支援により実現した「電子ペーサー」を本年はクラウドファンディングの実施なく導入することができました。また、新たな協賛、協力としてプーマジャパン株式会社、雪印メグミルク株式会社、韓国実業団をホクレンファミリーに向かえることができました。
このように常に前に向かって新しいことにチャレンジしているホクレンディスタンスチャレンジシリーズを「する」、「みる」、「ささえる」人の観点から振り返ってみたいと思います。


◆~「する」人の観点から~

本年度は、道内の開催大会の関係でオホーツク(北見・網走)から道東(士別・深川)、千歳の順での開催となりました。北見、網走の前半2大会は後半のメイン種目にかかるあたりから雨が降り始め、影響が心配されましたが中長距離種目において自己記録(PB)とシーズン最高記録(SB)の更新率が22%台をマークするシリーズの初戦、第2戦としては上々の滑り出しでした。ただ、網走大会を初戦として臨んだ選手にとっては冷たい雨となり、少し動きにくいコンディションであったのではないでしょうか。3戦目の士別大会は後半につれて、気温、風ともに絶好のコンディションとなり、自己記録(PB)およびシーズン最高記録(SB)の更新率が40%に迫る出場人数の割にレベルの高い大会となりました。ただ、日本選手権出場者たちが参戦しメンバーが揃ってきてハイレベルなレースが期待された深川、千歳の後半2大会は高温、多湿のコンディションとなり、いつもなら自己記録を大幅に更新してくる中間層レベルの選手のパフォーマンスに大きな影響を及ぼしたと考えられます。このことは、10%台に終わった更新率でも明らかです。その中でもしっかりと自己記録を更新した選手は本当に地力がある選手だと言えます。
それでもシリーズを通しての更新率は昨年の18.58%から21.90%と20%に戻り、中長距離種目出場選手の実に316名が自己記録またはシーズン最高記録を更新したことになります。







本シリーズを通して、日本学生記録1(女子10000m競歩)、韓国記録1(女子3000mSC)が更新されました。また、男子5000mの13分台が212名、10000mの28分50秒切が63名、女子5000mの15分台が54名、10000mの32分台が18名と昨年度に比べて女子5000mが同数で合った以外は増加となりました。特に女子10000mの32分30秒切の人数は昨年の5名から12名へ大幅増となりました。
記録上位10人の平均記録では、男子5000mの外国人選手を含めた10傑は昨年より5秒アップの13分15秒24、日本人選手10傑は13分32秒46であり、10000mの外国人選手を含めた10傑は27分54秒52、日本人10傑は昨年度より実に12秒アップの28分00秒45でありました。一方、女子では5000mの外国人選手を含めた10傑が昨年より9秒アップの15分09秒35、日本人10傑の平均記録は15分36秒46であり、10000mの外国人選手を含めた10傑は、初めて31分台に突入する31分43秒43、日本人10傑も昨年度より7秒アップの32分23秒42でありました。
男子の13分台、28分50秒切、女子32分台の人数が過去2番目であること、女子の32分30秒切の人数が過去最高であることと併せて考えると達成記録の質は担保できたと評価できると考えられます。これはひとえに「「電子ペーサー(Wave Light)」の効果が大かったことは間違いないと言えます。しかし、電子ペーサー単体では大きな効果は望めないと思います。強化スタッフの経験によるレース毎の細やかなLightペースの調整、現場の細かい注文に対応して下さるテクニカルスタッフ、そして電子ペーサーに対応しながら集団にも気を配るペースメーカー献身的な働きが融合することによって始めてその効果が最大化されるとシリーズを通して痛感致します。本シリーズの「記録への挑戦の場の提供」という大きな目的を共有し、記録を出さしてあげたいという関係者全ての思いに気象コンディションが上手くあたれば、40%越えの「PB祭り」が必ず起こると信じています。






本年は確定エントリー数で1,604人と、ターゲットナンバー制導入後、昨年に続く2番目のエントリー数となりました。このことは、選手の記録への挑戦というニーズに応えられ、記録を出せる大会として認知されているという評価は継続して良いと思います。
そして、本シリーズのルールの認知と浸透が進み、大会毎のエントリー数の偏り、当日欠場者の減少およびターゲット漏れの大幅な偏りも解消傾向となりました。その一方で、ターゲット未達の種目が増加傾向であるという新たな課題が生じました。その要因として、エントリーのシンプル化に向けて1次エントリー制度としたことで、エントリー後の欠場がダイレクトにターゲットナンバー未達につながるという2次エントリー制のメリットを消してしまったことや、エントリー状況がクローズのため他大会へのスライドの判断が遅れることなどが要因と考えられます。
来年度に向けて良いところは残し、改善することは改善し、強化スタッフの意見を反映しながら、希望の大会、種目の参加に可能な限り応えられるような各大会の適切な種目配置やターゲットナンバーの再検討を進めていき、するひと(参加選手)がより記録に挑戦し、成果を得られる場を整えていくよう努力していきたいと思います。そして「PB祭り」というキーワードが定着するような環境づくりを進め、皆がハイレベルな記録を狙いに集まる、記録を出せる大会というシリーズのイメージ(ブランド)をさらに高め、「する」人にとっての「是非とも出たい大会」という価値を高めて行きたいと考えます。




>>ホクレンDC大会報告②へ続く

(文:ホクレンDC実行委員会 木路修平/写真:アフロスポーツ)


ホクレン・ディスタンスチャレンジ2024 大会情報

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