2024.06.26(水)大会

【第108回日本選手権】前日会見/豊田兼、田中希実、鵜澤飛羽



第108回日本選手権は6月27~30日の4日間、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムにおいて、第40回U20日本選手権とともに開催されます。すでに別会期で行われた男女混成競技(十種競技、七種競技)、男女10000mを除く34のトラック&フィールド種目の決勝が行われ、シニアは、8月にフランスで開催されるパリオリンピックの日本代表選考競技会を、U20については8月末にペルー(リマ)で行われるU20世界選手権の日本代表選考競技会をそれぞれ兼ねての開催。2024年の日本一の座が競われるとともに、日本代表を懸けての激戦が予想されています。
開幕を翌日に控えた6月26日、激戦の舞台となるデンカビッグスワンスタジアムにおいて、前日会見が行われました。会見には、男子短距離の鵜澤飛羽選手(筑波大、200mにエントリー)、男子ハードルの豊田兼選手(慶應義塾大、110mハードル、400mハードルにエントリー)、女子中長距離の田中希実選手(New Balance、800m、1500m、5000mにエントリー)の3名が出席。ここまでの経過や現在のコンディション、大会に向けての抱負を述べたのちに、メディアからの質問に応えました。

以下、各選手のコメント(要旨)をご紹介します。

【各選手コメント(要旨)】

※会見対応順に掲載

◎豊田 兼(慶應義塾大)

エントリー種目:男子110mハードル、400mハードル



明日から4日間、試合に出場することになる。これまで練習は、特に問題なく積んでこられているという自負がある。あとはしっかり結果を残して、自分の想定するレースプラン通りに走りきれれば勝てるんじゃないかと思う。(400mハードル、110mハードルの)2種目に挑戦していきたい。

日本選手権は、今まであまり良い思い出がないなかで、今年はいろいろ懸かった試合になっているので、ものすごく緊張はしている。ただ、この前のGGP(セイコーゴールデングランプリ。48秒36の自己新記録で優勝)の走りや、これまでの調整期間を振り返ってみても自信もついているので、そういった意味で楽しみな思いもある。

400mハードルは、GGPのときに、前半を抑えるレースをしたので、今回はそこを改善して、もう少し周りについていき、最後に引き離すようなレースを想定している。110mハードルは、昨年ずっと、前半の3台で置いていかれるレースをしてきたので、そこを強化して、ここまでやってくることができている。

今回の代表選考が、初めてのシニアでの国際大会になるし、あと、それがオリンピックということで、すごく光栄だし、恐れ多いというか、すごい高い山に登るという気持ちでいる。ただ、オリンピックに出場するとなったときに、自分のランキングを見ても、決勝で戦える位置にはまだいない。そういった意味で、今回の日本選手権で弾みをつけて、オリンピックに繋がるレースをしたい。

(ハードル2種目への挑戦については)いったん400mハードルを仕上げた時点で、110mハードルに挑戦する余裕ができたというか、両立しやすい状態になった。この2種目を両立してやれる選手は、国内では自分しかいないのかなと思う部分もあるので、新しいロールモデルのようなものを目指して、両立したい思いがある。また、一方で、今まで種目を絞らずにやってきたので、そのままの流れで、シンプルに、2種目を楽しんでやりたいなという思いもある。

400mハードルは、しっかり順位を取って1着でフィニッシュしたい。GGPのタイムは超したいというイメージ。48秒前半を狙っていきたい。一方で、110mハードルは、オリンピック参加標準記録(13秒27)を切らないと、内定には届かないと思うので、準決勝・決勝とタイムを狙って、13秒27を切る勢いで走りたい。条件次第でもあるので走ってみないとわからないところもあるが、手応えとしては、うまく行けば13秒1台に入れるかなと思っている。


◎田中希実(New Balance)

エントリー種目:女子800m、1500m、5000m



このたびの日本選手権には、800m・1500m・5000mの3種目に再び出場する。5000mにおいては、先月にすでにタイム(参加標準記録)を切って、パリオリンピックの権利を得ることができているわけだが、私のなかで日本選手権での3種目(出場)は、「きついなかでコンディションを整えるか」というよりは、「ハードスケジュールのなか攻めていく」というような、世界大会のなかでのスケジュール感を体験しやすい機会。また、「きついのが楽しい」といった相反する感情になる、またとない経験をできるのが日本選手権の3種目だったという記憶もある。

昨年は、800mを削って、(1500mと5000mの)2種目で優勝することはできたが、心のどこかに「3種目に挑戦したい」というのがあった。今年は、5000mですでに権利を取れていることで3種目に挑戦できるわけだが、逆に3種目に挑戦するために5000mの権利を先に取っておきたいと頑張ってきた経緯もあった。できれば3種目ともに、順位を意識して頑張りたいと思っているが、その“中身”を自分のなかで大事にしつつ、目標を掲げてというよりは、「3種目を駆け抜ける4日間」ということ自体を目標とするイメージである。

(日本選手権で3種目に挑戦した)2年前も明確なビジョンがあって臨んだわけではないのだが、800mもメダル(銀メダル)を取りつつ、3つのうち2つが金メダルという経験ができたので、それ自体が嬉しかった。800mも専門種目でないぶん2位でも嬉しいと感じる一方で、でも、(勝てなかった)悔しさもあって…というような、日本のトップを走るなかでも挑戦者の気持ちで臨めた時間だったという記憶がある。

今年も、特にこれといった明確なビジョンを挙げられるわけでないのだが、2年前のような“無我夢中で駆け抜けるなかで、自分のなかでスカッとするというか、このあとのオリンピックに向けて、あるいは、半分以上残っている今シーズン後半に向けて、新しい、いいイメージをつかみ直せるような大会にしたい。

(ケニアでの合宿は)今回は今までのなかでは一番練習自体の消化率はすごくよかったという手応えがある。ケニアでは、今まではマラソン組の練習に参加していたが、今回は、(8月末に行われる)U20世界選手権を目指していくジュニアの子たちの練習に混ぜていただいた。そのことで、よりスピードというものや、目の前のことに向かっていくフレッシュな気持ちで普段の練習からバチバチやるという感覚を取り戻すことができた。

去年や2年前の日本選手権では、「勝ちきる」ことをテーマにしていた記憶があるが、今回は、単純に勝ちにこだわるというよりも、逆に負けてもいいから、いろいろなレースに挑戦していきたいという気持ちがある。今は、怖い気持ちもあるが、挑戦していくなかで、その怖い気持ちがいつの間にか消えていたというような時間を持ちたいと思っている。


◎鵜澤飛羽選手(筑波大)

エントリー種目:男子200m



今大会は、パリオリンピック(出場)が懸かっているということで、自分にとっては、初めてのオリンピックへの挑戦になる。そのあたりを一番のポイントに置いていきたいなと思っている。といっても、自分のなかでは3度目の日本選手権の挑戦。いつもと変わらず、「楽しく試合ができればなあ」と思っている。

セイコーゴールデングランプリの際、200mのフィニッシュ後に転倒し、脳しんとう起こしてしまった。ご心配をおかけしてしまったが、あのときは、フィニッシュの際に気持ちが入りすぎて、つんのめってしまう形だった。その後は、2週間ほどは様子を見て、走らずに歩くくらいの運動強度で過ごし、そこから少しずつ強度を上げて、ここ最近でやっとしっかり走れるようになった。(練習の継続が)2週間ほど空いてしまったので、「日本選手権に向けてどうかな」という思いはあったが、自分の場合は、量を走ることができれば、身体(の調子)は戻ってくるタイプなので、一応、「ぎりぎり間に合ったかな、勝負はできるかな」という状態。大会が近づいてくると、少しずつ気持ちも入ってくる。今、この大会に向けてのモチベーションというのは、例年通りすごく高いものになっているので、大丈夫だと思う。

パリオリンピックの参加標準記録(20秒16)は、今年もだが、去年からずっと狙っているものなので、そこはしっかり狙っていきたい。また、それを出せれば、結果も自ずとついてくると思うので、そこを目標にしたい。2週間練習ができなかったということはあるけれど、条件が整えば出ると思っているので、そこ(が実現できるかどうか)は、明日や明後日、それ以降の自分に託したいかなと思う。

前戦のセイコーゴールデングランプリは、(5月3日に行われた静岡国際からの)連戦だったのもあり、ちょっと走りすぎたかなという感じで、あんなごちゃごちゃ走り(笑)になってしまった。身体のマネジメントがうまく行っていなかったのかなと思う。本当は、もっと落ち着いて、カーブの出口でバタバタしないのが理想。あのとき(セイコーゴールデングランプリで)はバタバタしてしまったので、今大会はまず予選から、そのあたりをしっかり意識しながら、まとめて走りたいなと思う。


第1日となる6月27日の競技は、併催のU20日本選手権女子ハンマー投決勝(11時10分)から開始となり、日本選手権の部は、14時20分から行われる男子200m予備予選で幕を開けます。1日目は6種目、2日目は11種目、3日目は5種目、最終日は12種目の決勝が予定されており、全34種目の2024年日本チャンピオンが決定します。
日本陸連では、公式ホームページ内に日本選手権大会サイトを特設。タイムテーブルやスタートリスト、結果の速報をはじめとして、テレビ放映やライブ配信のスケジュール、大会展望企画など、競技に関する情報をお届けします。また、期間中に予定されているサブイベントやスポンサーブースの紹介、キッチンカーの出店案内など、会場で楽しめるさまざまな情報もご案内していきます。
このほか、大好評をいただいている出場選手に向けた「応援メッセージキャンペーン」も、最終日の競技終了時刻まで募集しています。これは、皆さまからのメッセージを、大会特設サイトや会場の大型ビジョン、アナウンス、本連盟公式SNSで紹介し、出場選手に届ける企画で、応募者には抽選による素敵なプレゼントも用意しています。
これらの情報は、大会中も随時更新していきますので、ぜひ、ご活用ください。


第108回日本選手権 大会特設サイト

https://www.jaaf.or.jp/jch/108/tandf/

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト

関連選手

JAAF Official Partner

  • アシックス

JAAF Official Sponsors

  • 大塚製薬
  • 日本航空株式会社
  • 株式会社ニシ・スポーツ
  • 積水化学工業株式会社

JAAF Official Supporting companies

  • 株式会社シミズオクト
  • 株式会社セレスポ
  • 近畿日本ツーリスト株式会社
  • JTB
  • 東武トップツアーズ株式会社
  • 日東電工株式会社
  • 伊藤超短波株式会社

PR Partner

  • 株式会社 PR TIMES
  • ハイパフォーマンススポーツセンター
  • JAPAN SPORT COUNCIL 日本スポーツ振興センター
  • スポーツ応援サイトGROWING by スポーツくじ(toto・BIG)
  • 公益財団法人 日本体育協会
  • フェアプレイで日本を元気に|日本体育協会
  • 日本アンチ・ドーピング機構
  • JSCとの個人情報の共同利用について